OpenStack最新情報と コンテナ技術への取り組み

OpenStack最新情報と
コンテナ技術への取り組み
2016/08/31
Mayumi Koshimizu
Solution Architect / OpenStack Evangelist
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Red Hat K.K. All Rights Reserved.
Agenda
OpenStackとは
l  Red Hat OpenStack Platform
l  OpenStack導⼊事例
l  コンテナ技術への取り組み
l 
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Red Hat K.K. All Rights Reserved.
OpenStackとは
3
Red Hat K.K. All Rights Reserved.
OpenStackとは
l 
l 
Amazon EC2/S3相当のクラウドインフラを
⾃分で構築するためのソフトウェア
2010年末に⽶RackSpace社とNASAが共同で
OpenStackプロジェクトを⽴ちあげて開発開始
単なる仮想化管理ツールではなく
「パブリッククラウドと同等の機能」
を実現することがOpenStackの⽬標
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Red Hat K.K. All Rights Reserved.
OpenStackで提供されるリソース
OpenStackユーザ
利⽤できる
コンピューティングリソース
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仮想インスタンス
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仮想ネットワーク
ü 
ブロックボリューム
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ベアメタル
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コンテナ
外部ネットワーク
プロジェクト
(テナント)
仮想ルータ
仮想スイッチ
OS領域
仮想インスタンス
ブロックボリューム
データ領域
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Red Hat K.K. All Rights Reserved.
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OpenStackリリース系譜
Mitaka
(2016年04⽉)
Liberty
(2015年10⽉)
Magnum
Kilo
(2015年4⽉)
Ironic
Juno
(2014年10⽉)
Sahara
Icehouse
(2014年4⽉)
Trove /
Havana
(2013年10⽉)
Ceilometer/Heatの統合
Grizzly
(2013年4⽉)
Neutron/Cinderの成熟
Folsom
(2012年10⽉)
Neutron/Cinderの統合
Essex
(2012年4⽉)
Horizon/Keystoneの統合
Diablo
(2011年9⽉)
Quantumのインキュベーション、早期本番デプロイメント
Cactus
(2011年4⽉)
スケーリングの強化、マルチハイパーバイザ対応
Bexar
(2011年2⽉)
Novaの強化、Glanceの初期リリース
Austin
(2010年10⽉)
初期リリース、Swift、Novaのテスト
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Newton:2016年10⽉
Ocata:2017年04⽉
Ironic、TripleO/Tuskar、Sahara、Marconiのインキュベーション
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6か⽉
周期
主要コンポーネント:基本機能
http://www.openstack.org/software/project-navigator
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オプションコンポーネント
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Red Hat OpenStack Platform
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Red Hat OpenStack Platform
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OpenStackは単体で成り⽴つものではない
Red Hat OpenStack PlatformはベースのLinuxとOpenStackの依存性を考
慮して設計されている
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OS、仮想化環境、クラウドサービスを⼀元サポート
Red Hat
Supported Guests
RHEL
KVM
Support across the stack
OpenStack
Linux Kernel
Security Enhanced Linux (SELinux)
KVM
Device Drivers
Hardware
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Network Stack
RHOSPリリースサイクル
コミュニティ版リリースから2〜3ヶ⽉後にリリース
OpenStack
RHEL-OSP
IceHouse
2014/04
OSP 5
---
Juno
2014/10
OSP 6
2015/02
Kilo
2015/04
OSP 7
2015/08
Liberty
2015/10
OSP 8
2016/04
Mitaka
2016/04
OSP 9
2016/08
Newton
2016/10
OSP 10
2016/10
2016/08現在の
最新バージョン
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Red Hat OpenStack Platform 9
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Red Hat OpenStack Platform 9 : Mitakaベース
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Mitakaの機能利⽤可
ただし機能によってはTech Preview
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Red Hat OpenStack Platform 9
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Red Hat OpenStack Platform 9 特徴
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High Availability
Controllerの冗⻑構成(Controller HA)
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インストーラー: OSP-director
※PackStackはHAの構成はしない。⼿動設定が必要。
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3ノード + 共有ストレージなし
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クラスタはOSP-directorが構成する
Pacemakerを利⽤
Galera Clusterを利⽤してデータベースを保護
CinderはデフォルトではLocal LVMを利⽤するが
LVM領域は冗⻑されないため、外部ストレージを推奨
また、商⽤環境でのLVM使⽤はサポートしない
2ノード + 共有ストレージ構成はNG(3ノードが定⽯)
OSP-director
コントローラ3
コントローラ2
コントローラ1
構成例
OSP-director VM
コントローラ3 VM
コントローラ2 VM
コントローラ1 VM
商⽤環境
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開発環境
High Availability
ゲストVM High Availability
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ノード障害の検知時間とゲストVMの⾃動退避について改善
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PacemakerはNova Computeホストの障害をより速く検
知し、ゲストVMの稼働をより確実にするためにノードに
対して強制的に退避処理を開始
Evacuate
Host health monitoring
and fencing
Controller
Pacemaker
Compute
Pacemaker
Remote
Compute
OpenStack Nova Scheduler
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Pacemaker
Remote
Compute : Nova
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Live Migration機能の向上
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Thread-aware CPU pinningfor NFV and HPC
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prefer(default)
isolate
require
Guest OSを最適化するプロファイル
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Live Migrationの進捗をモニタできるサブコマンドの追加
⾛っているLive Migrationのキャンセル
libosinfo databaseにGuest OSと仮想HWのmetadataを持つ
LibvirtはCPU scheduling, RAM handling, IO polling等のためにこの情
報を使う
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Networking : Neutron
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RBACサポートの向上
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テナントのリソースのクリーンアップ
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Libertyで追加されたRBACを利⽤してExternal networkへのアクセスの
コントロールできる
管理者がテナントのサブネット間でQoSのポリシーを共有できる
neutron purge <tenant_id>コマンドで不要なリソースを消去できる
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Block Storage : Cinder
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Snapshot管理の改善
cinder-backup serviceのcinder-volumeからの分離
→cinder-volumeの制限がある。Backupがその制限でひっぱられて柔軟に
スケーリングできなかった
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Google Cloud Storage driver(Tech Preview)
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Image Management : Glance
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glanceのバックエンドにCinderを利⽤
havanaから実装されていたがCinder volumesへのUpload/Downloadがサ
ポートされていなかった
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OpenStack導⼊事例
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RHOSP 国内導⼊実績
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IT企業の開発基盤
かつてはIT企業が多かったが
⼤⼿製造のビッグデータ基盤
エンタープライズへの導⼊が
⼤⼿⾦融系企業のサービス基盤
進んでいる
政府系機関の共通基盤
教育機関の研究⽤共有基盤
⼤学のアカデミッククラウド基盤
⼤⼿製造のグローバル公式Webサイト(B2C基盤)
マネージドクラウド基盤
通信キャリアの各種基盤
携帯キャリアの課⾦サービス⽤基盤
NFV関連の多数のPoC
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ビジネスに要求される競争⼒
競争優位のイノベーションは
多くのチャレンジによって⽣まれる
より多くのチャレンジが
より多くのイノベーションを起こし
より⾼い競争⼒になる
結果
会社 A
Challenge
結果
会社 B
Challenge
結果
Challenge
結果
Challenge
優位
結果
Challenge
Time
より短期間でより多くのチャレンジを実現するITシステムが必要不可⽋
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開発チームの取り組み例
〜継続的インテグレーション〜
単体テストを⾃動化し、ソースコードの変更の
たびに『頻繁に繰り返し』テスト結果を得る
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継続的インテグレーションのメリット
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ü 
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⾃動化による作業コストの低減
早期フィードバックによる⼿戻りの低減
品質の維持、etc…
インフラへのインパクト
ü 
開発の⾃動化が進むほど、⼿作業を前提とし
たインフラ側作業がボトルネックに
セルフサービスで⾼度な⾃動化を実現
するためOpenStackが必要になる
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導⼊事例(1)
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商⽤サービス基盤のオートスケールを⽬的にOpenStackを採⽤
サーバーのデリバリー速度を⼤幅に⾼め、オペレーティングシステムの
インストールおよびサーバープロビジョニングにかかる時間を
当初の半⽇から10分間に短縮
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導⼊事例(2)
フリービット株式会社
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RHOSPを利⽤しての社内システム基盤構築
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インフラ構築の⾃動化の実現
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プロビジョニングの⾃動化
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オーケストレーション機能
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システム品質の向上や運⽤コストの削減
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仮想基盤よりもコスト削減を実現
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導⼊事例(海外)
NASAのジェット推進研究所(JPL)※海外事例
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RHOSPベースのプライベートクラウドを構築
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データセンターで使⽤される時間と資源を⼤幅に削減
ケンブリッジ⼤学 ※海外事例
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ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)にRHOSP利⽤
を選択
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導⼊事例(海外) ※RHOSP以外
Walt Disney Company
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社内ITインフラとしてOpenStackを導⼊
コンシューマー向けITサービスと同じスピード感で
社内ITサービスを提供
よくある誤解
https://youtube.googleapis.com/v/SREEnNQ6zqg
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OpenStackが必要だった
本当の理由
導⼊事例(海外)
⽶国のセキュリティ研究機関
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官僚的プロセスによる新規ハードウェア調達の遅れにより研究者向けの計算
機資源の提供がタイムリーに⾏えないという問題を抱えていた。
そこで、OpenStackによるプライベートクラウドを独⾃に構築して、利⽤者
⾃⾝がオンデマンドに計算機資源を⼊⼿できる環境を提供。
2ラック程度の規模で実験的に開始したところ、利⽤者数が急激に増えて、
本格的な拡張を計画。
独⾃開発機能により、既存のセキュリティインフラとの統合を実現
「マルチテナント+セルフサービス」
による利⽤者へのインフラの開放は
多数の開発プロジェクトを抱える企業
におけるOpenStack導⼊典型パターン
http://www.openstack.org/summit/portland-2013/session-videos/
presentation/keynote-openstack-at-the-national-security-agency-nsa
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コンテナ技術への取り組み
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OpenShift Enterprise 3
PaaSの領域を超え
Dockerアプリケーションのための
システム基盤
Dockerを学ばなくても
Dockerを使える
Dockerのためのシステム基盤
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コンテナは、デプロイと運⽤を再発明
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Googleの場合
すべての機能がコンテナ
アプリとしてデプロイ
毎週2億個のコンテナ
アプリがデプロイ
⼀⼈の管理者が管理している
コンテナは、約150万個
コンテナアプリは⾃動運⽤、環境に
依存せず、地域に跨ってデプロイ
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コンテナは
アプリのデプロイと運⽤に統⼀⼿法を提供
CONTAINER
APP
既存、新規の様々なタイプのアプリ
ケーションをコンテナにパッケージ
でき、ホストOSにデプロイ
Java+JBoss
PHP, C++, Ruby
Database
ポータビリティ
⾼い互換性能
RUNTIME
OS
AZURE
CONTAINER
APP
RUNTIME
OS
HOST OS
SERVER
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運⽤管理者は、アプリケーション
の種類に関わらず統⼀⼿法で管理
できる。アプリケーションも⼩さい
ため、デプロイも⾼速。
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コンテナの活⽤事例
Tomcat
JBoss
PHP
Ruby
約50,000 個の様々な種類の既存アプリをコンテナ化し
クラウドにデプロイ。デプロイの⾼速化と運⽤⼿順の均⼀化を実現
70%
Faster
FICOパッケージ製品の導⼊
を数ヶ⽉から数⽇に短縮
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パッケージ配布モデル
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マルチテナントSaaSモデル
最近のコンテナ動向
すべてがコンテナ化
ATOMS
QUBE
CONTAINER
APP
RUNTIME
OS
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Justware
MQ
コンテナオーケストレーション
全てのコンテナは、オーケストレーション環境
で配備・運⽤など⾃動的に管理される
Java+JBoss
Apache+PHP
Node.js
C++
コンテナ
コンテナ
コンテナ
コンテナOS
コンテナ・オーケストレーション
コンテナOS
コンテナOS
コンテナOS
IaaS
物理層
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コンテナOS
コンテナ
Ruby
コンテナオーケストレーション
Java+JBoss
Apache+PHP
Node.js
C++
コンテナ
コンテナ
コンテナ
コンテナ
コンテナOS
コンテナ・オーケストレーション
コンテナOS
コンテナOS
コンテナOS
コンテナOS
IaaS
物理層
物理環境
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仮想環境
プライベート
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パブリック
Ruby
既存アプリケーションを
コンテナ化する価値
⾃動的な
スケールアウト
デプロイ時間は
数分間と劇的に改善
既存アプリ
コンテナに
詰め込む
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コンテナ実⾏環境
にデプロイする
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運⽤の⾃動化
リソース割当
の⾃動化
コンテナ(OpenShift)の事例
ユーザ部⾨への基盤提供を
数週間から数分に短縮
0.01% コード修正率
50倍 処理能⼒
14分 でアプリケーションを更新
3つ の地域に分散
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アプリケーションの更新時間
を5時間から15分に短縮
コンテナ
モノリシック
3 地域 - マイクロサービス
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Red Hat OpenShift Container
Platform
OpenShift Enterprise 3
開発/配備
DevOps
運⽤
コンテナは、デプロイと運⽤を再発明
堅牢な
コンテナ環境
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コンテナフォーマット
DOCKER
オーケストレーション
KUBERNETES
コンテナレジストリ
Red Hat K.K. All Rights Reserved.
異なる環境を
同じように扱える
Red Hat Forum 2016
41
Red Hat K.K. All Rights Reserved.
THANK YOU
42
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