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沖縄県宮古島市水道水源流域における塩水侵入検討に係わる調査事例

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全地連「技術フォーラム2013」長野
【89】
沖縄県宮古島市水道水源流域における塩水侵入検討に係わる調査事例
㈱エイト日本技術開発
○石田
泰則、
元琉球大学大学院教授
古川
博恭
同上
渡辺
俊一、
㈱SSPG
田畑
三英
同上
斎藤
晴紀、
宮古島市上下水道部
梶原
健次
下里
和広
同上
1. はじめに
調査を実施した。
宮古島の地形は、北西から南東方向に延びる断層によ
り、東高西低のケスタ状地形を呈している。地質は、島
(2)実施調査内容
尻層群泥岩を基盤とし、その上位に琉球石灰岩があり、
調査は、基盤面深度と塩水化状況を把握することを目
表層に島尻マージと大野越粘土が分布している。宮古島
的とした垂直電気探査を実施するとともに、水ミチの形
の地下水は、不透水性基盤である島尻層群泥岩の上位に
成状況を把握することを目的とした DI 法電気探査を実
分布する琉球石灰岩層を帯水層とし、
基盤の形状により、
施した。
複数の地下水流域界が形成されている。
垂直電気探査は、
ある1点における深度方向の比抵抗値
宮古島市では、
水道水源の全てを地下水に頼っており、
を得る手法であり、これまでに宮古島で実施された垂直
水源井戸での過剰揚水、渇水期の地下水涵養量の低下、
電気探査結果より、ρ-a 曲線図における比抵抗値の変化
さらに、将来、地球温暖化による海水位面の上昇等に伴
により、島尻層群泥岩深度および塩水化の有無を把握す
う塩水浸入が懸念されており、本業務では、塩水化に対
る手法として有効であることが知られている(図-2参
する検討を行っている。
照)
。
今回は、
シュランベルジャー法により計測を行った。
本業務の対象流域は、宮古島のほぼ中心に位置する東
添道地下水流域であり、調査は、2013年度も継続中であ
るが、2012年度までの調査で明らかになった状況と今後
の課題について、ここに取りまとめる。
2. 塩水侵入検討に係わる調査
(1)調査対象地域の概要
東添道地下水流域の帯水層は、既往調査結果より、盆
状構造を示すと考えられているが、流域北縁のマウンド
状を示す基盤面標高は、野原岳断層に近い部分ではマイ
ナスとなっており、地下水の一部は、ここから下流(北
西側)に流れ、野原岳断層支線に沿って、大浦湾に見ら
れる「ヒダガー」方向へ流れているものと推測されてい
図-2 垂直電気探査により得られるρ-a 曲線のイメージ図
た。
これまで、東添道地下水流域の下流地域においては、
また、DI 法電気探査は、手法としては、ダイポ
ほとんど調査が実施されていなかったため、
本業務では、
ール・ダイポール電極配置での2次元比抵抗電気探
東添道地下水流域下流域の基盤面分布状況、地下水分布
査と同じであるが、大地比抵抗値が電流の周波数に
状況および、
塩水侵入状況を明確にすることを目的とし、
より異なる値を示すことに着目し、40ヘルツ以下の
異なる周波数の電流を流し、得られ
ヒダガー(湧水)
た2つの見掛け比抵抗値の比から、
仲原断層
大浦湾
水ミチ、空洞、高透水ゾーンおよび、
Line-1´
Line-1
Line-2
調査対象範囲
塩水化ゾーンの位置と規模を推定
Line-3
するものである。結果図は、見掛け
野原岳断層支線
比抵抗値の比の分布図(等比抵抗比
Line-4
東添道地下水流域
野原岳断層
垂直電気探査実施位置
DI 法電気探査実施測線
想定されていた地下水流
図-1 調査前の推定基盤コンターと探査実施位置
線図)で示され、比の値が大きいほ
ど、水ミチ等が存在する可能性が高
くなり、このゾーンは、目玉状に現
れる傾向がある。
全地連「技術フォーラム2013」長野
3.調査結果
この結果、
調査対象流域における基盤岩の分布形状は、
電気探査実施に先立ち、周辺の地表踏査および、既存
仲原断層から野原岳断層支線に向かい傾斜していること
井戸での電気伝導率を測定した。地表踏査で確認された
が判った。しかし、野原岳断層を跨いで実施した探査結
露頭は、琉球石灰岩のみであり、基盤岩(島尻層群泥岩)
果より、断層付近における基盤岩に明瞭な段差が見られ
は確認できなかった。また、既存井戸は、井戸底が基盤
ず、地下水の流向が、当初想定されていた大浦湾の方向
岩に到達しない浅井戸のみであったが、電気伝導率は
に流れているのではなく、野原岳断層支線を横切り、北
70mS/m 前後を示し、塩水侵入の傾向は見られなかった。
西方向に流れていることが想定された。なお、垂直電気
図-3~図-7に、DI 法電気探査で得られた等比抵抗比線
探査結果でも塩水化の傾向は見られなかった。
図に垂直電気探査結果を投影した図を示す。
これらの結果を反映し、修正した基盤コンターを図-8
に示す。
0
深度(m )
10
20
30
40
50
0
50
150
100
200
250
300
図-3 Line-1電気探査結果図
深度(m)
0
10
20
30
40
50
0
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150
100
200
250
300
350
400
450
図-8 今回の結果を反映した基盤コンター
図-4 Line-1´電気探査結果図
4.今後の課題
推定野原岳断層位置
2012年度調査結果より、対象とした地域の基盤岩形状
深度(m)
は明確になったものの、
断面2次元塩水化解析を行うにあ
0
10
20
たり、野原岳断層支線から北西地域の基盤岩状況を明瞭
にし、地下水流向および、現況での塩水侵入状況を把握
30
40
することが必要となった。
50
0
50
150
100
200
250
300
図-5 Line-2電気探査結果図
350
この為、2013年度の計画では、野原岳断層支線から北
西海岸までの地域において、垂直電気探査、DI 法電気探
査、ボーリング調査および、地下水状況確認を実施中で
ある。
0
深度(m)
10
20
30
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50
0
50
150
100
200
図-6 Line-3電気探査結果図
0
深度(m)
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30
40
50
※ボーリング調査位置は、電気探査結果により確定する
0
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250
図-7 Line-4電気探査結果図
横軸:距離程(m)
図-9 2013年度の調査計画(案)
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