2013年1月22日開催 2012年度第1回産官学連携

2012年度第1回
産官学連携フォーラム
私立大学戦略的研究基盤形成支援事業
平成22年度 平成24年度
環境配慮型高機能
材料の開発
“Development of Eco-conscious Advanced Materials” 千葉工業大学 機械サイエンス学科
本保元次郎 齋藤哲治 小林政信 坂本幸弘 井上泰志 本プロジェクトの目的
本プロジェクトは、従来の材料開発研究に見られるような単
に材料開発だけを目的としたものではなく、環境保護の観点
に立って社会に貢献する技術、つまり省資源化、長寿命化、再
利用等も含めた環境配慮型製造プロセスの提案も特徴として
いる。
加えて、千葉工業大学で独自に蓄積されてきた新材料開発
技術を展開し、各種電気・電子機器用高性能機能材料につい
て実用化を目指して研究を推進させること。そして、環境負荷
が少ない、かつ資源循環型社会に適した材料創製技術の確立
も目的としている。
平成25年1月22日(火)
本プロジェクトの構成
①低エネルギー消費型単結晶銅製高機能ボンディングワイヤの創製 単結晶ボンディングワイヤの開発
②環境にやさしい新しい永久磁石材料の研究開発
機能性永久磁石の開発
③インジウムフリー導電膜の研究
新規透明伝導膜の開発
④炭素系材料の表面機能化に関する研究
炭素系機能材料の開発
⑤スマートウィンドウ用調光材料に関する研究
高効率エレクトロクロミック材料の開発
単結晶ボンディングワイヤの開発 千葉工業大学
工学部機械サイエンス学科
本保元次郎
Molten
metal
目 的
本研究は、従来の金製ボンディングワイヤに代わる
低エネルギー消費型の高電気伝導性及び高熱伝導
性単結晶銅製ボンディングワイヤの開発を行うことで
ある。
実験では加熱鋳型式連続鋳造法OCCプロセスに
より、直接製法により溶湯より結晶方位を制御した鋳
造細線の製造を行うとともに、単純工程によりボンデ
ィングワイヤ化する技術を検討することを目的とする。
Heated
mould
Cooled
mould
Molten metal
film
Cooling
Water
Ingot
Conventional
OCC Process
従来の連続鋳造法とOCC Processの原理の比較
1
実験方法
OCC Process 鋳造材の主な特徴
試料:99.99%の高純度無酸素銅
鋳造方法:水平加熱鋳型式OCC装置の坩堝内に高純度銅
800 gを入れ,真空にした後,炉内を高純度Arガス雰囲気
にした.1150℃まで加熱して試料を溶解した後,溶湯を湯
面制御棒により直径6 mmの給湯管,鋳型へと供給した.
そして,冷却を開始し,所定の鋳造速度で直径2−6mmの
線材の鋳造を行った.
1.  鏡面で平滑な表面性状
2.  ネットシェイプキャスティング
3.  一方向凝固または単結晶組織 4.  高い塑性加工性
観察方法:得られた線材を鋳造方向断面に切断し金属顕
微鏡,SEM,EBSBを用いて観察を行った.
5.  内部欠陥、偏析の低減 加工方法:溝ロールや線引きダイスを用いて直径200µmの
細線の製造を行った。
φ4mm
φ3mm
水平式OCC連続鋳造装置
直径6mm
直径4mm
φ2mm
99.99%銅線(OCC Process 鋳造材)
直径2mm
鋳造速度 20mm/min 2mm
2mm
1mm
2mm
円断面組織写真 1mm
2mm
鋳造速度50mm/min 2
=1000 µm; BC+LocMis; Step=40.84 オ m; Grid94x85
20mm/min
20mm/min
60mm/min
=1000 µm; BC+LocMis; Step=40.84 オ m; Grid94x83
80mm/min
50mm/min
120mm/min
局所方位差 結晶方位マップ
鋳造速度と転移分布の関係
結晶粒内の転移と転移による亜粒界の形成
転移間ネットワークの形成
研究成果
(1)鋳型温度を鋳造金属の凝固温度以上に加熱
することにより、OCCプロセスで直径2 4mmの
[001]
単結晶銅線の製造が可能である。
(2)常温での溝ロール及び線引き加工により、直
径2mmから直径0.26mmまで結晶方位の変化
があるものの、再結晶すること無加工することが
加工に伴う断面結晶方位の変化
可能であった。
3
今後期待される成果
OCCプロセスにより作製した単結晶銅
線は、再結晶すること無く細線に加工する
ことが可能であった。このことは、ボンディ
ングワイヤーのような極細線への加工が
可能であることを示すもので、低い発熱性
や高い信号伝達特性を有する高機能ボ
ンディングワイヤーへの開発につながるも
のと考える。
本研究からの派生研究
  水素発生用Al-Sn合金の創製
Al-20%Sn OCC Process 鋳造材に95%
以上の強塑性加工を施すことにより、水素発
生材料を製造する。
用途:緊急用水素発生材料(燃料電池車用
・他)
今後は、アルミニウム缶を用いた水素発生
材料の開発を検討する。
4
はじめに - 永久磁石とは?
まず、磁石と呼ばれるものは2種類がある。
電磁石
- コイルに電流を流して磁界を発生
(長所)磁界の大きさが制御できる。
(短所)電源および制御回路が必要
永久磁石 - 磁石そのものが磁界を発生
(長所)電源、制御回路が不要
(短所)磁界の大きさができない
このように永久磁石材料は電力の消費なしで磁界
を供給することができるため、省エネルギー材料の代
表であり、携帯電話から自動車まで様々なところで使
用されている。
環境配慮型高機能材料の開発
- Sm-Fe系新希土類磁石の開発 -
千葉工業大学
工学部機械サイエンス学科
齋藤哲治
永久磁石の用途
永久磁石の研究
希土類磁石
現在、永久磁石としてアルニコ磁石、フェライト磁石、サ
マリウムコバルト磁石、ネオジウム鉄ボロン磁石などが開
発され、実用化されている。これらの永久磁石の生産量
はエレクトロニクス技術の発展とともに年々増加しており、
現在ではなくてはならない工業材料のひとつになっている。
これらの永久磁石は今後もコンピュータなどの電気情報
機器類用として、また電気・燃料電池車のモータなどとし
て年々生産量が増加することが期待されている。
スピーカー
自動車用モータ ハードディスク
Nd-Fe-B磁石
Sm-Fe-N磁石
Sm-Co磁石
アルニコ磁石
フェライト磁石
磁石特性の推移
MRI
研究紹介:高性能永久磁石材料の開発
我々の主な研究
高性能な希土類磁石であるNd-Fe-B磁石は主に焼結
磁石として製造されているが、我々は急冷凝固法によ
るNd-Fe-B磁石の開発に取り組んできた。
永久磁石の粉末冶金法に代わる新
しい製造法として急冷凝固法で作製し
たNd-Fe-B系合金急冷薄帯を熱間塑
性変形(ダイアップセット)する研究を
行ってきた。その結果、急冷凝固法に
より作製したNd-Fe-Bアモルファス合
金急冷薄帯よりダイアップセットと呼ば
れる熱間塑性加工により作製したNdFe-Bダイアップセット磁石が Nd-Fe-B
焼結磁石に匹敵する高い磁気特性を
有することを見出した。得られたNdFe-B磁石の最大エネルギー積は現在
においてもNd-Fe-Bダイアップセット磁
石では最高のものである。
1.
図 (a)急冷凝固法で作製
したNd-Fe-B系合金急冷薄
帯、 (b)熱間塑性変形によ
り作製したNd-Fe-B系磁石
の減磁曲線
T. Saito, M. Fujita, T. Kuji, K. Fukuoka, and Y. Syono,
“The development of high performance Nd-Fe-Co-Ga-B die upset magnets”,
J. Appl. Phys., vol. 83, 6390 (1998). (熱間塑性変形磁石では最高の(BH)max=54.4 (MGOe)を達成)
1
最近の研究紹介 (1)新規希土類磁石の探索
(1)科学研究費 平成19-H20年度「パノスコピック構
造制御による新しい希土類永久磁石の開発」
Nd3Fe29 *2
Sm3Fe29
*4
Nd5Fe17
Sm5Fe17
*1
*3
Nd-Fe系合金状態図
*1 T. Saito et al., J. Appl. Phys., 91, 8828 (2002).
*2 T. Saito et al., J. Alloys Comp.,402, 242 (2005).
Sm-Fe系合金状態図
最近の研究紹介 (2)Nd-Fe-B代替磁石の探索
(2)NEDO 平成21-22年度
「希少金属代替材料開発プ
ロジェクト」【鉄-窒素系化合
物を活用した新規永久磁石
材料の開発】
プロジェクトの中で鉄-窒素
系化合物の新しい固化成形
技術の開発を担当(室温で
固化成形する冷間圧縮せん
断法を開発)
CIT NEWS(2011.4.15)
*3 T. Saito, J. Appl. Phys.,101, 09K517 (2007).
*4 T. Saito et al., J. Alloys Comp., 454,210(2008).
最近の研究紹介 (3)Nd-Fe-B代替磁石の探索
(3)NEDO 平成23-24年度「希少金属代替材料開発
プロジェクト」【非平衡状態相の形成を利用したNd系
磁石代替実用永久磁石の研究開発】
急冷凝固によるアモルファス
または微細粒子からなる合金
や金属間化合物の非平衡状態
相の形成を利用して、新規永
久磁石として有望な材料を広
範かつ迅速にスクリーニングを
行い、急冷凝固法による新規
磁石材料を見出す。
急冷凝固法
希土類磁石の生産量(日本、単位ton)
最近の環境、エネルギー保全の意識の高まりの中、
産業用モータ、ハイブリッド自動車、電気自動車、風
力発電機なだへ高性能な希土類磁石の応用範囲が
ますます増大している。
本研究テーマ: Sm-Fe系新希土類磁石の開発
モーターに使用されている電力量は
全電力使用量の半分以上。(約53%)
モーターの消費電力を1%改善する
だけで、原子力発電プラント1基分の
電力使用量が削減できる。
モーターに使用される高性能な希土
類永久磁石材料および新しい磁性材
料の研究開発に取り組んでいる。
永久磁石材料
(モータなどに使用)
背景
永久磁石材料は省エネルギー材料の代表であり、携帯電話か
ら自動車まで様々なところで使用されている。この永久磁石材料
の最も大きな用途は産業用モータであり、現在我が国で使用さ
れているモータ用の電力使用量は全電力使用量の半分以上を
占めると推定されており、高性能永久磁石の開発によりモータの
消費電力を1%改善するだけで原子力発電プラント一基分の節
電になると言われている。
また、高性能なNd-Fe-B磁石(ネオジウム鉄ボロン磁石) が地
球環境にやさしい輸送手段として注目されている電気自動車や
ハイブリッドカーに使用されており、今後ますます永久磁石の重
要性が増していくものと思われる。
2
Production of Sm5Fe17-based magnets
新しい永久磁石 - Sm-Fe磁石
Sm
Induction melting
Sm5Fe17 alloy
melt-spinning
Sm5Fe17 melt-spun ribbon
Annealing
Sm5Fe17 magnets
Sm-Fe phase diagram
*1 T. Saito et al., J. Alloys Comp, 440, 315 (2007).
研究成果 - Nd-Fe-B磁石との比較
(b) ヒステリシス曲線(磁気特性)
Amorphous
室温
Nd磁石
飽和磁化
メルトスピン法で作製したSm5Fe17合金急冷薄帯の構造
(a) X線回折図
Fe
Sm5Fe17*1
飽和磁化
最近、Nd-Dy-Fe-B磁石の代
わる新しい永久磁石の研究開発
が盛んに進められている。その
中で我々はSm-Fe合金(サマリ
ウム鉄合金)2元系合金に
Sm5Fe17型金属間化合物が存
在し、高い保磁力を示すことを見
出した。
本研究では、このSm5Fe17型
金属間化合物の磁石化を試み、
新しい希土類磁石としての可能
性を追求する。
200℃
Nd磁石
SmFe磁石
保磁力
研究成果
(1)急冷凝固法で作製したアモルファスのSm-Fe合金急
冷薄帯に適当な熱処理を施す方法により、新しい金属間
化合物であるSm5Fe17相が得られることがわかってきた。
(2)得られたSm5Fe17磁石の保磁力は現在電気自動車や
ハイブリッドカーに使用されているNd-Fe-B磁石を上回る
高い値であることがわかった。しかし、その残留磁化は
Nd-Fe-B磁石の半分以下しかないこともわかった。
(3)得られたSm5Fe17磁石の高温における保磁力も電気
自動車やハイブリッドカーに使用されているNd-Fe-B磁石
を上回る高い値であることがわかった。
SmFe磁石
保磁力
今後期待される成果
新しい磁石であるSm5Fe17磁石はNd-Fe-B
磁石(ネオジウム鉄ボロン磁石) を超える高い
保磁力を有するので、
今後はその残留磁化の
向上を目指していきたい。
3
2012年度 第1回産官学連携フォーラム(2013.1.22@千葉工業大学)
私立大学戦略的研究基盤形成事業「環境配慮型高機能材料の開発」成果報告
緒言 - スマートウィンドウ
家屋における熱流入・流出は,窓などの開口部が最大
スマートウィンドウのための
高効率エレクトロクロミック材料の開発
出典:社団法人日本建材産業協会 省エネルギー建材促進センター
千葉工業大学
工学部機械サイエンス学科
井上 泰志
可視光透過率,赤外線透過率を能動的に調節できる窓材
「スマートウィンドウ」
緒言 - スマートウィンドウ
緒言 - 吸着誘起型エレクトロクロミック(AiEC)現象
吸着誘起型エレクトロクロミック(
)現象
エレクトロクロミック(EC)現象 : 電荷の注入によって可逆的に材料の色が変化
スマートウィンドウ用素材
Anodic state
(+1.0 V vs. SCE)
● クロミック材料
Cathodic state
(-1.0 V vs. SCE)
InN
60
・ エレクトロクロミック材料 :電荷の注入
によって可逆的に材料の色が変化
Transmittance [%]
InN
出典:Gentex Co.
・ ガスクロミック
ガスクロミック材料
材料 : 反応性ガスの導
入によって可逆的に材料の色が変化
40
20
0
・ フォトクロミック材料 : 光照射によって
可逆的に材料の色が変化
出典:AIST
400
600
800
1000
Wavelength [nm]
・ サーモクロミック材料 : 温度によって
可逆的に材料の色が変化
吸着誘起型EC(
)現象 :
吸着誘起型 (AiEC)
出典:Afinity Co., Ltd.
緒言 - バイオミメティック概念によるAiECの向上
の向上
バイオミメティック概念による
表面の吸着物が交代すると,薄膜内のキャリア電子密度が変化し,
光吸収端のシフト(=色の変化)をひきおこす.
緒言 - 斜め堆積法による微絨毛構造化薄膜の作製
電解質からの吸着物の供給
H+ : 水素イオン
OH− : 水酸化物イオン
膜内部からの電子の供給
通常の薄膜堆積
原料供給方向に対して,基板を垂
直に設置し,均一な薄膜を得る.
1吸着サイト当り2個の電子
基板
AiEC現象は,表面積を拡大させれば,色変化効率が高くなるはず!
基板を斜めに傾ける
小腸の微絨毛
InN
電導相
細胞内部
200nm
基板
小腸の微絨毛構造を模倣 : バイオミメティック
成長した粒が原料供給を遮蔽する
ため,原料を受けられる大きな粒は
どんどん成長し,遮蔽された小さな
粒はこれ以上成長できなくなる.
基板
自己遮蔽効果
1
緒言 - 斜め堆積法による微絨毛構造化薄膜の作製
緒言 - 斜め堆積法による微絨毛構造化薄膜の作製
基板自転によるINC構造の制御
構造の制御
基板自転による
原料供給方向に傾いた
INC構造が形成
斜めの
原料供給
遅い連続回転
速い連続回転
一定時間毎の反転
らせん
∆Absorption Coefficient [cm-1]
(a)
40000
(b) 円柱構造の活性窒
素支援反応性蒸着膜
(表面凹凸大)
(b)
20000
(c)
(c) 円柱構造の反応性
スパッタリング膜(表面
凹凸小)
(d)
0
400
500
600
700
800 (d) 緻密で微細構造の
ない反応性スパッタリン
グ膜(表面凹凸小)
Wavelength [nm]
速い
斜め堆積法の適用 :
・平均自由行程の確保
・表面マイグレーションの抑制
高効率化
・反応性の確保
微絨毛構造化は,表面積を拡大
してAiECを高効率化する一方で,
機械的に脆弱化する.
では,AiEC色変化の繰返しに対す
る,電気化学的な耐久性は
電気化学的な耐久性は?
100 nm
微絨毛構造化薄膜の色変化
繰返しに対する耐久性の調査
最も大きな色変化を生じたのは,Zigzag状の微細構造を有する
活性窒素支援反応性蒸着膜であった.
100 nm
結果1 - 透過率スペクトルのポテンシャル依存性
成膜法 : 活性窒素支援蒸着法
真空度
3×10-4 Pa
作動圧力 0.1 Pa
N2流量
4.6 sccm
RF出力
300 W
基板
ITOコート石英ガラス
(FLAT0031,ジオマテック)
基板角度 85°
基板自転 6 rpm
蒸発原料 In(99.9999%)
蒸発量
水晶振動子制御
光検出器
ポテンショスタット
試料セル
光源
参照セル
電解質
作用極
対極
参照極
アノード
カソード
周期
Na2SO4水溶液(0.5M)
微絨毛構造化InN薄膜
Ptワイヤーコイル
Ptワイヤー
+0.4 V
-1.4 V
6 s (3s+3s)
100
大気中
Transmittance [%]
研究方法
評価法
遅い
研究目的
(a) Zigzag構造の活性
窒素支援反応性蒸着
膜(表面凹凸大)
60000
窒化物
基板
基板の自転制御によって,柱状,
らせん状,Zigzag状などの微細構
造を制御.
ジグザグ
これまでの研究成果 - 微絨毛構造化InNの
微絨毛構造化
のAiEC
In流束
反応性ガス(
反応性ガス(プラズマ)
プラズマ)雰囲気でも,
雰囲気
条件によっては適用可能.
EC特性の
円柱
活性窒素(プラズマ)
微絨毛構造を模倣したナノ構造は,
斜め堆積法による形成が最適.
80
-1.4 V
60
+0.4 V
40
20
最大色変化
@660nm
0
300
500
700
Wavelength [nm]
900
2
結果1 - 透過率差スペクトルのポテンシャル依存性
Transmittance [%]
60
結果2 - 色変化幅の変遷
@660nm
-1.4 ~ +0.4 V
40
+0.2 ~ +0.4 V
-1.4 ~ -1.2 V
最大色変化
@660nm
20
0
300
500
700
Wavelength [nm]
900
結果2 - 色変化幅の変遷
結果3 - 微細構造の変化
表面
断面
@660nm
繰返し実験前
1日10回の色変化
初期変化幅
⇓
1年間3650回
⇓
500 nm
10年間:
年間:36500回
回
年間:
500 nm
初期変化幅の1/2
寿命
繰返し実験後
結果4 - 結晶構造の変化
結言
活性窒素支援蒸着法の反応性ガス環境下でも斜め堆積が有効
であり,微絨毛構造化
微絨毛構造化InN薄膜
薄膜を堆積できた.
微絨毛構造化
薄膜
In(OH)3
Intensity [arb. unit]
ITO
色変化の繰返しに対する耐久性調査の結果,約
約10000回
回までは
ほとんど透過率変化幅の劣化がなかった.
InN
約15000回から徐々にアノード側で色変化量が減少し,約
約20000
回で透過率変化幅が初期値の半分となった.
劣 化 の 原 因 は , 色 変 化 の 繰 返 し に 伴 っ て , InN が 徐 々 に
In(OH)3に変質したためであると考えられる.
に変質
繰返し後
繰返し前
謝辞
10
20
30
40
2θ [degree]
50
60
本研究は,平成22 ~24 年度私立大学戦略的研究基盤形成事業「環境配慮型高機能材
料の開発」,および科研費基盤研究(B) (No.22360266)の補助を受けて遂行した.
3