最終報告 - 日本大学

アラバマ大学バーミングハム校
派遣交換留学報告書
文理学部英文学科4年
沼田
彩花
平成 26 年 8 月 18 日
出発
平成 27 年 5 月 2 日
帰国
私がアメリカで過ごした8ヶ月は、まさに毎日が困難と成長の連続でした。
新たな困難にぶつかり、乗り越え、新たな可能性を見つけ、新たな自分に出会う。毎
日がその連続で、8ヶ月間息をつく暇もなく過ぎ去って行ったような気がします。う
まくいかなかったこともあれば、実現されなかった夢もありました。しかし、そうい
ったことを全てひっくるめて、この留学を通して私の世界観は大きく広がり、そして
何より、自分自身大きく成長したのではないかと思っています。今留学をお考えの皆
さん、お金や勉強の心配から諦めようとしている皆さんに声を大にしてお伝えしたい
のは、そこに可能性があるなら是非トライしてほしいということです。もちろん一筋
縄ではいかないし、私の場合は辛いことの方が多かった気がします。しかし帰って来
て思うのは、本当に行って良かったと、そればかりです。
私は日本大学の文理学部で英語学・英米文学を専攻しており、将来は中学校
教員として英語を教える立場に立つことを目標に、教職コースを履修しています。生
の英語に触れながら勉強をし、将来教員になった時、自分の体験談を交えた授業で生
徒を魅了したい、そう思ったことがこの留学のきっかけでした。もともと紋切り型に
はまることが嫌いな私は、言うなれば「ちょっと面白い先生」になるために留学を決
意したようなものでした。そして、初めての海外留学にも関わらず、何事も一生懸命
やればなんとかなるだろうと、お気楽な気持ちで日本を出発しました。
しかし、実際の現実はそれほど甘いものではなく、全く慣れない環境で、誰
にどう頼って良いのかもよくわからないまま一つのことを成し遂げるというのは、私
が思い描いていたより遥かに難しいことでした。中でも一番苦労したのはやはり、言
葉の壁でした。最初は相手の言っていることが聞き取れず、やっと聞き取れたところ
で何と答えて良いかわからず、なかなか思うように意思疎通ができないという時期が
しばらく続きました。コミュニケーション能力には自信があった私は、しまいには人
と目を合わせることすら恐がるようになり、自分らしさを発揮出来ないことにストレ
スも感じていました。しかし、どうにかその殻を破れないかと悶々としていた時、日
本以外の国から来ている留学生が、文法間違いだらけの不完全な英語を平気でしゃべ
っていることに気付いたのです。「あんな英語で通じるなら、私の英語だって通じる
はず。」そう思ってから、私は急に自信を持ち始め、色んな人に出来るだけたくさん
話しかけるようにしました。顔を上げて、はっきり、ゆっくり、大きな声で話すとい
う、まさにコミュニケーション基本に忠実に従うことで、意思疎通がぐんとうまくい
くようになったのです。これは私にとって革命でした。とにかく誰に対してでも笑顔
で “Hi! How are you?” と声かけをし、はきはきとした口調で話すことを心がけまし
た。日本では謙虚さが美徳とされますが、アメリカではもごもごと話す人間は相手に
されません。8ヶ月を乗り越えてもなお伝えきれないことが多いのは事実ですが、少
なくとも、話す時の姿勢は随分変わったなあと思います。
留学先のアラバマ大学バーミングハム校(以下、UAB)では、日本大学と同様、
英文学と英語学の授業を履修していました。アメリカで受ける授業は日本とは全く異
なり、生徒からの意見が活発に飛び交い、授業を受けているだけでもすごく刺激にな
りました。予習では毎週 60 ページ近くの読書量をこなさなければならず、授業の復
習にも膨大な時間と労力を必要とされました。しかしそれらを乗り越えて全ての授業
で単位を頂けたことは、自分の自信に繋がりました。何よりも、そういった膨大な量
の予習復習を何度も繰り返しているうちに、リスニング力も上がり、また英文を読む
早さも早くなりました。自分の努力がそうして形に表れてくると、やる気も全く異な
ります。不安に打ちのめされてスタートした私の留学生活は、時間が経つにつれてど
んどん楽しくなっていきました。
振り返ってみると、本当に色々なことがあった、濃厚な8ヶ月だったなと思
います。休暇を利用して NY やワシントン D.C.、またフロリダまで旅行に出かけた
のも、とても大きな経験となりました。UAB には日本語を勉強している学生も多く、
自国の文化について改めて考え直す機会も多々ありました。いつか日本に行くことを
目標に一生懸命日本語を勉強している彼らを見ていると、自分のモチベーションにも
繋がりましたし、彼らに日本語を教えることで、自分の教師という夢を再確認するこ
とが出来ました。冒頭で申し上げました通り、私の留学生活はたしかに辛いことの連
続でした。しかし、それでも行って良かったと思えるのは、辛さを乗り越えた後の達
成感や、努力が認められた時の嬉しさは、この留学という特別な機会でないと味わえ
ないものだったと思うからです。留学でしか得られないものは必ずあります。今現在
留学を目指して頑張っている方、その努力は必ず実るものと信じ、腐らずに頑張って
ください。努力は実ります。必ず実ります。この留学報告書が、少しでも誰かの励み
になることを祈っています。
最後になりますが、準備段階から留学中まで様々な面でお世話になった国際
交流室の方々、文理学部英文学科の先生方およびスタッフの方々、またずっと支え続
けてくれていた友人そして家族に、心から感謝の意を述べ、この報告書の結びとさせ
ていただきます。8ヶ月間、本当にありがとうございました。
撮影日時:2014年10月3日
UAB の友人が私の誕生日にサプライズパーティーを開催してくれました。私の誕生
日当日は中間試験期間中で勉強に明け暮れており、今年は悲しい誕生日だ〜などと嘆
いていたのですが…このような大きなパーティーを開いてくれて本当に嬉しかった
です。