倉吉市文化活動センター文化サロンのご案内 参加無料 毎回定員5名 事前申し込み必要 0858 23-6095 2014 年度の予定 ○写真サロン「近未来写真術」(11回シリーズ) このサロンは、四半世紀前にNHK趣味講座で放映された「近未来写真術」を見ながら、 当時近未来であった現代の「写真」について、参加者が語り合おうと言うものです。 このTVのインタビュアーは、篠山紀信です。その意見交換5つのキーワード(①生と死 ②はざま ③テクノロジー ④生活 ⑤虚と実)を設定して、写真の現在と未来を話し合っ ていますが、かつて未来であった「現代の写真」は何を求めようとしているかを探るサロ ンです。 9/5~毎金曜日 10:00~(視聴 30 分 話し合い 90 分) 第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第 10 回 第 11 回 9 月 5 日 ミューズの囁き「服部冬樹」 9 月 12 日 眠そうな町「武田 花」 9 月 19 日 美術史の娘「森村泰昌」 9 月 26 日 境界線の自己「小林のりお」 10 月 3 日 TOKYO NUDE「篠山紀信」 10 月 10 日 ラフたち nus in times「高木由利子」 10 月 17 日 アラスカに魅せられて「星野道夫」 10 月 24 日 日本典型 Quintessence of JAPAN「柴田敏雄」 10 月 31 日 少年の日「真部和夫」 11 月 7 日 愛しのヨーコ「荒木経惟」 11 月 14 日 12人のフォトグラファーに会って わ け 篠山紀信「近未来写真術の理由」1990.4 自己の主体的表現になっているか? 今の時代、映像の時代と言われ、僕たちの回りには資格を刺激するありとあらゆるもの が氾濫しています。各家庭にはコンパクトカメラやビデオカメラがそろっていて、誰もが 簡単に自分で写真や映像を手に入れることができます。 でもそれは、本当に自分が欲しいもの、言いたいこと、伝えたいことをあらわしている 写真や映像なのでしょうか。ちょっと難しく言うと、自己の主体的表現ではなく、単なる 物理的露光がされたにすぎないのではないでしょうか。たとえ趣味とはいえ、 「写真」を自 在に操って、自分の表現したいものを塗り込めたい、いい写真を撮りたいものです。 ところがこの「いい写真」と言うのが、なかなか曲者です。何がいい写真で、何が悪い 写真なのか?ならばいい写真を撮るには、どうすればよいのか?いい、悪いは誰が、どこ で、どう判断するのか?……などと考えていると、頭がこんがらかってきます。そして、 そんなことに答えてくれる参考書は一冊もないことに気が付きます。じゃあ、それをはっ きりさせてみようじゃないか、というのが理由の1。 真摯に「写真」に対峙している 写真は生まれて去年(1989 年現在)で丁度150年(174 年)です。たった 150 年かと言う 人もいれば、もうそんなに経ったのかと言う人もいます。しかし機械を使う表現メディア としては、急速なテクノロジーの進歩に影響されないわけにはいきません。様々な電子メ ディアの登場によって、もう「写真」は終焉に向かっていると考えている人も多いのです。 でも僕はいま、面白い写真や気になる写真がたくさん目につきます。それらは、よく見る とみんな不思議に近い近未来を予感させ、新しい表現をつかみとろうと、真摯に「写真」 に対峙しているものばかりです。少々の写真では驚かない、ぼくの心をゆさぶります。 こんなことをどうやって思いついたのだろう?どんな人が撮っているだろう?その人 は、どんなことを考え、どんなふうに撮っているのだろう?……興味はつきません。なら いっそ、その人の撮影現場に押しかけて、いろいろ聞いてみたらどうだろう。と考えたの が、理由の2。 「写真」はどう変わっていくのだろうか? 20 世紀もあと 10 年で終わります。時は世紀末です。何かが起こる予兆があります。事 実、80 年代最後の昨年は、ベルリンの壁が壊されました。昭和天皇が逝去されました。宮 崎勤君が現れました。時々刻々、世界は大きく動いています。写真は、時の写し鏡です。 そしていま、いよいよ 90 年代がはじまりました。ワクワクします。何かが変わる予感がし ます。ならば、そんなエキサイティングな時代の「写真」とは一体何なのだろうか? この時代に「写真」で何か可能なのか?そして 21 世紀に向けて「写真」はどう変わってい くのだろうか?……それらを探ってみるには、今、今しかないんだと気が付いたのが理由 の3。なのです。 皆様と一緒に考え、探っていこう というわけで、いろいろ考えたすえ、通しタイトル「近未来写真術」と名付けました。 ご登場いただく写真家の方々は、まったくこちら側の独断と偏見で選ばせていただきま したが、ぼくがお会いして、お話を伺いたい写真家リストは、この3倍にものぼりました。 なにせ限られた回数なので、この12人だけになってしまったのは、まことに残念です。 正直言いますと、この文章を書いている今現在、この番組の収録はまだ1回も行われて いません。したがって1人の写真家からも、未だにお話をうかがっていないのです。 ですから、先の3つの理由の中にある種々の疑問には、何ひとつ答えが出ておりません。 その答えは、これから一回一回この番組を見て下さる皆様と一緒に考え、探っていこうと 思っています。 どうか皆様、最後までお付き合いの程、よろしくお願いいたします。 写真セミナーへの誘い バック・トゥー・ザ・フューチャーのごとく、現代 2014 年から 1990 年の世界にさかの ぼり、四半世紀前の写真家たちは何を考え、どのように現代を夢想したかを見ることは、 今を生きる現代人を示唆することになるのではと思います。特にテクノロジーの革新は目 覚ましく、写真の在り方そのものを大きく変革させてしまっています。写真は「撮る」時 代から「作る」時代へと移行し、写真はすっかりデジタル化が席巻しています。そんな時 代だからこそ、写真の意味を考えなければ、篠山紀信が言うように「単なる物理的露光が されたにすぎない」写真に留まるでしょう。 写真愛好家の皆様には、ぜひとも温故知新を体験され、今の時代を「自己の主体的表現」 としての写真の在り方を、語り合おうではありませんか。 9月5日(金)より、毎週金曜日の 10:00~開催しますので、お出かけください。 なお、会場は、リフレプラザのセミナー室です。ゆったりしたソファーに座っての会 ですので、定員は5名です。事前に電話予約して頂ければ幸いです。
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