マルタの教育

マルカル通信
No.2
Paper for Multi Cultural Understanding
2005.9.26
国際教育委員会発行
今回からしばらく海外での居住を経験した附高生から,それぞれの国で学んだことや得
たことを紹介してもらいます。いろいろな国での考え方や日本との違いに目を向けてみて
ください。
りすぎだ。何でもかんでも一生懸命やりす
“アメリカ”
1年1組
酒井
ぎのような気がする。無駄に努力している
敦
部分がある。その辺アメリカ人はうまいこ
今思えば人生の半分以上を海外で過ごし
と手を抜く術を知っている。好きなものは
たことになる。日本に帰って来て初対面の
好き、嫌いなものは嫌いとはっきり言って
人には必ずといって訊かれる「アメリカに
くれる。人間関係だってそのおかげで気楽
何年間住んでいたの?」という質問に毎回
だ。決して無理をしようとしないのだ。無
「11年間」とひたすら繰り返し答えてき
理をするべきなときも無理をしないのがち
た。最近になって思うが11年間はやっぱ
ょっと弱点だけど。
り長いな。向こうにいたとき、アメリカは
環境がいいというのもアメリカのいいと
なんてつまらない国なのだと思っていたが
ころに含まれる。やりたいことがあれば、
日本に帰って来てから、アメリカのよさが
それを実行に移すことができるような環境
だいぶわかったような気がする。アメリカ
が整っている。だから少々変わった趣味や
の悪いとこばかり並べてもしょうがないの
夢があってもその道を進めるのだ。まわり
でアメリカの好きなところを紹介したいと
がそれぞれの個性を殺さないように心がけ
思う。
てくれる。だから自由な環境で育つ子はゆ
アメリカで得たもので一番貴重というか
とりを持って自分のやりたいことや将来し
使えるのは英語だ。他の教科はできなくて
たいことについて考えられる。逆に考える
も英語だけは結構自信がある。正直に言っ
と自分がやりたいことなどを主張しなかっ
て前期中間考査では英語に救われた。その
たりすると、まわりは何もしてくれない。
頃からアメリカという国に感謝するように
助言はしてくれるが決断するのは結局自分
なった。やっぱり将来自分の英語の道を進
なのだ。そのためうまいこと自立できる。
むしかないのかもしれない。取りあえずア
附高も二期制だからかもしれないが、ゆと
メリカでの生活は役に立っているが、長い
りのある授業や自由な環境が作れていると
面で見るとアメリカに滞在したことはよか
思う。だから日本へ帰国してもすぐに溶け
ったのか、それとも自分の進路のチョイス
込めた。もし附高じゃなかったら高校生活
を少なくしたのかは今の自分にはわからな
に慣れるのにどれだけ苦労していたことだ
い。だからちょっと不安である。
ろうか。
さらに外国では各自の優れているところ
日本人は頑張り屋さんだ。ていうか頑張
1
を必要ならば優先的に延ばしてあげる姿勢
さい」と、今まで何度か言われてきたが、
をとる。実力別にクラス分けし、それぞれ
このとき初めてそれを実感した。このよう
にあったペースで授業を進められるため、
に感じたのはきっと私だけではなかっただ
結果的に皆が得するのだ。日本でいえば塾
ろう。そんな私たち日本人に比べてドイツ
みたいな教育環境なのかもしれない。
人は、自分たちの国のことをよくわかって
日本の生活に慣れるにつれ自分のアメリ
いた。このバザーのあとに、当時の私と同
カでの生活の重要さがわかった。これから
じ、中学生くらいのドイツ人と話す機会が
はアメリカでの経験を忘れていく一方だが、
あったのだが、私には中学生とは思えない
ちょっとでも活かせるよう頑張りたい。
ほどしっかりした人たちばかりだった。ド
イツの歴史や建築物、伝説、音楽などにつ
いて私たちは質問したが、彼らはとてもわ
かりやすくそれに答えてくれた。もし私が
ドイツの中での「日本」
2年4組
逆に日本の歴史や建築物について聞かれた
富田 祐子
ら、私はきちんと説明することができるだ
私が住んでいたのは、ドイツのデュッ
ろうか、いや、できないだろう。できたと
セルドルフという都市だ。小学校6年生の
してもそれはきっと、インターネットなど
時から中学校卒業まで、およそ4年間暮ら
で調べただけの、どこかつまらないものに
していた。その4年間の中で、特に印象的
なってしまうだろうと思った。自分たちの
だった出来事を紹介しようと思う。
国について話すドイツ人はとても生き生き
して見えたし、誇りを持っているように見
それは、現地校に行ってチャリティー
えた。
バザーをしたことだ。私たち日本人が売っ
たものは、しおり、お茶、折り紙、習字。
このような経験から、私は、
「自分たち
この習字というのは、ドイツ人の名前を漢
の国に誇りを持つ」ということがまず第一
字で当て字にして書いてあげるというもの
に大切だと思った。私を含め、今日の多く
だった。このバザーは中学校の行事の一貫
の日本人は海外に興味を持っている。それ
で、私は特に深く考えていなかったし、は
はとてもいいことだと思う。しかし、自分
っきり言って売れるとも思っていなかった。
たちの国の文化を大切にしないで、果たし
しかし、いざお店を初めてみると、その考
て他の国の文化を大切にすることができる
えは大きく覆された。ドイツ人は、私たち
だろうか。相手の国のことを知るだけでは
の出し物に興味津々といった感じで、すぐ
なく、自分の国のことも相手に伝えて初め
に多くの人が集まってきたのだ。特に人気
て、多文化理解につながるのではないかと
だったのが、習字だった。そのコーナーの
思った。
前にできた長蛇の列に、私はただただ驚い
ていた。それまで私は、ドイツ人がこんな
に日本の文化に興味を持ってくれていると
いうことを知らなかったし、自分たちの国
の文化がこれほど尊いものだと思ったこと
もなかった。
「自分たちの国に誇りを持ちな
2
第1号に間に合わなかったサビナさん(ハ
<編集後記>
ンガリーからの留学生,2年3組に 1 週間
○ 「頑張りすぎの日本人」という指摘に思
い当たる人も多いかも。「個性を殺さな
滞在)の原稿が届きましたので掲載します。
いように心がけてくれる」アメリカの教
育。アメリカの教育の大目的は Find
My name is Sabina Baki. I live in
Yourself”だと言われています。
Hungary (Budapest). I am 16 years old. I
go to Babits Mihaly grammar school
○「日本の歴史や建築物について聞かれた
(high school) in Hungary. To my mind
ら、私はきちんと説明することができ
Osaka Kyoiku Daigaku fuzoku high
るだろうか」という鋭い問いかけ。11
school is very good high school in Japan,
月には韓国からの高校生訪問団を迎え
In the school the mood is very fantastic. I
ます。自分の国のことを伝えることが
feel myself very well. Moreover children
できるようになりたいものです。
can do a lots of sports that they want to
○ サビナさんの指摘にもあるように,外国
do for example volleyball basketball
では学校で運動などのクラブ活動はあ
and… In my opinion it is very important
まりありません。Relationships を作る
and very good thing. Firstly Japanese
場というのは本当ですね。
students are (will be) very good at sports.
Secondly in the Japanese sports club they
can make lots of friends (relationships).
お知らせ
Unfortunately in Hungarian schools the
sport are not so important so who would
2005 年度第 1 回
like to do sports that (these people)
should outside the schools for doing
「おいしい多文化」
sports. To my mind this school is free
10 月 29 日(土)11:00 ~ 15:00
school in Japan because pupils don’t have
於:家庭科調理室
to wear formal clothes. I think is very
good
for
students.
However
the
留学生と交わりながらその国の文化と料理
education is very good I think. Although
をいっぺんに味わおうという会です。
in Hungary the schools are generally is
附高生とその保護者ならだれでも参加自
free the education is good (high level). In
由!
my hungarian high school is a little strict,
special. However the school life is very
今回は留学生のマルタの母国ベルギーの料
good fantastic. My best thing in my school
理に挑戦します。詳しくは追って連絡しま
is the school trip (journey). I think is very
すが,予定をあけておいて下さい。
important
students.
for
every
international
Finally I like my Hungarian
school and I think Fuko is so good high
school!!
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