SAP Customer Success Story Retail 株式会社ユナイテッドアローズ 全社的なマーチャンダイジング業務の “高度化”と“標準化”を SAP® BusinessObjects™ XI で実現 概要 「日常的なビジネス用語から必要な 情報を抽出し、直感的な操作で 自由にレポートを作成できる SAP BusinessObjects XI によって、 従来の分析業務は 大幅に効率化されました」 高田賢二氏 株式会社ユナイテッドアローズ 事業支援本部 情報システム部 部長 会社概要 • • • • • • • 社名:株式会社ユナイテッドアローズ 導入ハイライト 業種:小売 •「MD プラットフォーム」の実践に向けた業務プロ セスの標準化、新たな KPI の設定 • Web ブラウザを活用したユーザーへの迅速な情 売上高:連結 796 億円 (2009 年 3 月期) • ユーザー教育を必要としない、新たな BI システム 本社:東京都渋谷区 事業内容:紳士服・女性服及び雑貨等の企画・販売 従業員数:2,630 名(2009 年 3 月現在) Web サイト:www.united-arrows.co.jp 報提供 の現場へのスムーズな浸透 SAP 選択の理由 • グローバルでの高いシェアと製品の信頼性 •「MD プラットフォーム」を支える柔軟な分析基盤 • 直感的な優れた操作性とレポートの自由度の高さ • データベースシステムとの親和性 の必要性 • KPI のリアルタイムな把握による意思決定の迅速化 導入メリット • 既存の BI システムの機能的な限界による現場の •「MD プラットフォーム」にもとづくマーチャンダイ 課題 業務負担 導入目的 •「MD プラットフォーム」を実践するための分析基 盤の整備 ジング業務の高度化と標準化 • 分析時間の大幅な短縮(年間で約 1,300 時間の 短縮) • KPI のリアルタイムな把握による意思決定の迅速化 • マーチャンダイジング業務の高度化と標準化 既存システム • 顧客情報の分析活用によるサービス、売上の向上 データウェアハウスと ELT 製品を組み合わせた BI シ • 的確な情報分析を通じた意思決定の迅速化と業 務プロセス改革 SAP ソリューション / サービス • SAP® BusinessObjects™ XI 3.1 • SAP BusinessObjects Data Integrator • SAP BusinessObjects Web Intelligence® ステム サードパーティ・インテグレーション • データベース: Teradata 12.0 • ハードウェア: Teradata Data Warehouse Appliance 2555 ファッション性とデザイン性に優れた衣類やアクセサリーなどを販売する セレクトショップのリーディングカンパニーとして知られる 株式会社ユナイテッドアローズでは、 マーチャンダイジング (MD) 力の向上を 重要な経営課題の 1 つに位置づけ、独自の方法論「MD プラットフォーム」に もとづく全社的な情報活用を推進しています。この仕組みを支える ソリューションとして活用されているのが、SAP が提供する BI プラットフォーム、SAP® BusinessObjects™ XI です。同社では、 SAP BusinessObjects XI を活用することで、MD プラットフォームの 実現に向けた全社的な取り組みを加速していく計画です。 “MD プラットフォーム” の実現に向けた マーチャンダイジング力の強化 MD プラットフォームは、商品の開発・生産から、 階から取り組んできたユナイテッドアローズで は、すでに KPI を算出するために必要な情報収 仕入れ、売上、在庫管理まで、商品のライフサイ クルにかかわるすべての情報を統合的に管理し、 集の仕組みは整備されていました。しかし、既存 「UNITED ARROWS」 「green label relaxing」 明確に定義された KPI に則って、次のアクショ 「CHROME HEARTS」など、優れたファッショ ン性とデザイン性で人気の高い主力ブランドを 柱に、国内で 176 店舗(2010 年 2 月現在) のセ ンを導き出すための基盤となるものです。事業 支援本部 情報システム部 部長の高田賢二氏 は、 その意義を次のように説明します。 レクトショップを展開するユナイテッドアローズ 「セレクトショップを展開する当社のビジネスに にとって、マーチャンダイジング(MD) の継続的 な強化は、 ビジネスの根幹を成す重要な経営課 題です。特に自社開発商品と仕入れ商品を組 み合わせた複雑な販売戦略をベースとする同 社のビジネスモデルにおいては、各商品の特性 が発生し、担当者は早朝からデータの加工作業 に追われるなど、大きな負担が生じていました。 また、その後のデータ加工もバイヤー別や商品 した商品がどのような状態にあるのかを常に把 報などを組み込んだ独自のレポートが作成され 握しておくことが極めて重要です。MD プラット フォームにより、商品のライフサイクル全般にわ 施策を講じることで、販売機会のロスや廃棄ロ スを未然に防ぐことが可能になります」 2008 年に発表した中期経営戦略「ドリームプ れる週次データの集計においては多くの手作業 おいては、一般のアパレル企業よりも取扱商品 が多岐にわたるため、仕入れた商品や自社開発 を見極めた上での仕入れ、供給のバランスは、 たるすべての情報が可視化され、タイムリーな 最終的な利益率を大きく左右します。 ツールの機能的な限界から、毎週月曜日に行わ 別の各担当者に委ねられていたため、売れ筋情 ることが少なくないことも、業務の標準化を阻 害する要因になっていました。 2008 年半ば、こうした状況を改善する大きな 転機が訪れます。近々、保守サポート終了を迎 えるデータベースシステムのバージョンアップの りし、新しいファッションを提案し続ける「MD 新たな BI ツールを活用した 分析業務の高度化と標準化 の 1 つに掲げられ、こうした背景から、同社独自 しかし、この MD プラットフォームの方法論を の抜本的な刷新を決断。いくつかの製品を比較 ありました。BI を活用したデータ分析に早い段 Objects™ XI の導入を決定しました。選定のあ ラン 2011 プロジェクト」でも、常に時代を先取 精度の向上と SCM 体制の構築」が戦略課題 のマーチャンダイジングの方法論として策定さ れたのが「MD プラットフォーム」です。 現場に徹底するにあたっては、いくつかの課題も 検討を行ったところ、新たなシステムが既存の BI ツールに対応していないことが明らかになっ たのです。そのため、同社は BI システムそのもの 検討した結果、同年 12 月に SAP® Business- 「ドリルダウン分析などの機能に よって、商品ブランド、アイテムといった さまざまな切り口の分析結果を、 販売、商品開発などで生かす 取り組みも現場レベルで 広がりつつあります」 高田賢二氏 株式会社ユナイテッドアローズ 事業支援本部 情報システム部 部長 たっては、さまざまな分析用途に対応した柔軟 に対する経営陣の理解もプロジェクトを後押し 性と拡張性、現場における使い勝手の良さなど ました」 (高田氏) が評価ポイントになったといいます。 「従来のシステムでは分析に必要なデータを 探すため、データベースの構造に関する知識が 必要とされ、 このことが現場担当者の負荷を増 大させる要因になっていました。その点、SAP が可能な SAP BusinessObjects 製品は、特 別な IT リテラシーを必要としません。簡単なオ リエンテーションを行っただけで、 すぐに現場の 新たなシステムでは、SAP BusinessObjects ユーザーに浸透しました」 (高田氏) データをデータウェアハウスで一元管理しつ 次のアクションを導き出す 全社的な意思決定基盤 XI によって、各データベースに格納された業務 つ、データマートとも情報連携が可能な管理基 BusinessObjects XI は日常的なビジネス用語 盤が実現。その上で、SAP BusinessObjects から必要な情報を抽出することが可能で、しか Data Integrator がデータウェアハウスから分 新たな BI システムの導入効果としてまず挙げら を作成できることから、従来の分析業務を大幅 析用のデータを抽出し、データマートに格納す れるのは、表の作成といった属人的な業務がす るとともに、ユーザーはフロントエンドツールの べて自動化されたことで、データ分析の作業時 に効率化することができます。また、バージョン SAP BusinessObjects Web Intelligence® でデータマートにアクセスすることで、Web ブ 間が大幅に削減された点です。高田氏によると、 もマウスによる直感的な操作で自由にレポート アップするデータベースとの高い親和性も安心 データベースのバージョンアップによるクエリ処 材料になりました」 (高田氏) ラウザを通じて標準化されたレポートを迅速に 確認できるようになっています。 短縮が見込まれています。 Web ベースのフロントエンドツールで 分析情報を迅速に提供 なお、多くの商品を多店舗で展開するセレクト また、ユナイテッドアローズでは新たな BI システ 実際の導入にあたっては、まずデータの分析作 業に従事する主要な担当者からヒアリングを行 い、約 3 カ月をかけて詳細な現状調査と要件定 理の高速化を含めて、年間で約 1,300 時間の ショップの特性から、同社のシステムでは、商品 ムの導入と並行して、商品の生産から店舗への 3,000 件、販売管理マスターで約 8,000 件、さ らに店頭の POS 端末から寄せられる日々のト の見直しに主眼を置いた業務改革プロジェクト マスターで約 120 万件、仕入先マスターで約 配布、販売、出荷まで、一連のバリューチェーン を進めてきました。このプロジェクトの中では、 義を実施。その上で開発作業を進めることで、 ランザクションデータを加えると、億単位もの MD プラットフォームにもとづく MD プロセスの 「ドラッグ &ドロップ機能を使った直感的な操作が可能な SAP BusinessObjects 製品は、 ションが示され、キャッシュフローや個別商品の 特別な IT リテラシーを必要としません。簡単なオリエンテーションだけで、 すぐに現場のユーザーに浸透しました」 2009 年 3 月にキックオフしたプロジェクトは、 膨大なデータが管理されています。これに加え 同年 9 月に無事カットオーバーを迎えることが て、これまで担当者が個別に持っていた管理用 できました。 マスターデータも連携する仕組みを整備したこ く、 スムーズに進行しました。製品の導入のしや 入管理まで参照すべきレポートと具体的なアク ROI など新たな KPI が追加されたことで、分析 の幅も確実に広がっています。 「従来の煩雑な作業が自動化され、分析結果を 高田賢二氏 株式会社ユナイテッドアローズ 事業支援本部 情報システム部 部長 「プロジェクトの過程では特に大きな手戻りもな 再定義が行われています。売上分析から発注仕 とにより、情報基盤の統一化と分析要件の多様 即座に確認できるようになったことはユーザー から高く評価されています。また、 ドリルダウン 分析などの機能によって、商品ブランド、アイテ ムといったさまざまな切り口の分析結果を、販 売、商品開発に生かす取り組みも現場レベルで 広がりつつあり、分析の“質”は確実に向上して います。同時に、操作の容易さから情報システ 化に貢献できたといいます。 ム部門に寄せられる問い合わせは減少しており、 ドラッグ & ドロップ機能を使った直感的な操作 ます」 (高田氏) すさに加えて、意思決定の迅速化、質的な向上 「また、懸念していたユーザー教育についても、 管理負担の削減という派生効果も生まれてい など、SAP BusinessObjects XI の導入効果 SAP ジャパン株式会社 本社 〒 100-0004 東京都千代田区大手町 1-7-2 東京サンケイビル TEL 03-3273-3333(代表) http://www.sap.com/japan/ BI の経営活用を加速する 「SAP BusinessObjects XI の導入によって、当 社が提唱する MD プラットフォームの理念を実 ダッシュボードの構築も計画 践するための強固な基盤が確立されました。こ 一方、今後に大きな期待を寄せているのが CRM の環境はマーチャンダイジング業務の高度化に システムとの連携です。ユナイテッドアローズで とどまらず、2010 年度以降も継続される業務 は、顧客にハウスカードを発行しており、購買履 改革プロジェクトなど、さまざまな業務分野で 歴データと顧客データを紐付けて管理する仕組 も活かせるものです。高度な分析作業を迅速か みをすでに整えています。それらの情報を分析 つ容易に行える SAP BusinessObjects XI は、 することで、個々の顧客のより詳細な消費動向 当社の持続的な成長に欠かすことのできないビ を把握することができます。 さらに、各種の KPI をグラフィカルに表示する経 ジネス基盤として着実に定着しつつあります」 (高田氏) 営ダッシュボードの構築にも取り組む予定です。 SAP BusinessObjects XI 上で提供される Xcelsius の機能を活用すれば、これまで紙ベー スで入手していた KPI 情報を、経営陣がダッシュ ボードを介してリアルタイムに把握することがで き、次のアクションに向けたより迅速な意思決定 の仕組みが構築できます。 49009393(SE/10/03) © 2010 SAP AG. All rights reserved. SAP、R/3、SAP NetWeaver、Duet、PartnerEdge、ByDesign、Clear Enterprise、SAP BusinessObjects Explorer、および本文書に記載されたそ の他の SAP 製品、サービス、ならびにそれぞれのロゴは、ドイツおよびその他 の国々における SAP AG の商標または登録商標です。 Business Objects および Business Objects ロゴ、BusinessObjects、 Crystal Reports、Crystal Decisions、Web Intelligence、Xcelsius、および 本書で引用されているその他の Business Objects 製品およびサービス、なら びにそれぞれのロゴも含めて、米国およびその他の国々における SAP France の商標または登録商標です。 本書に記載されたその他すべての製品およびサービス名は、それぞれの企業の 商標です。本書に記載されたデータは情報提供のみを目的として提供されてい ます。製品仕様は、国ごとに変わる場合があります。 これらの文書の内容は、予告なしに変更されることがあります。また、これらの が情報提供のために 文書は SAP AG およびその関連会社(「SAP グループ」) のみ提供するもので、いかなる種類の表明および保証を伴うものではなく、 SAP グループは文書に関する誤記・脱落等の過失に対する責任を負うもので はありません。SAP グループの製品およびサービスに対する唯一の保証は、当 該製品およびサービスに伴う明示的保証がある場合に、 これに規定されたもの に限られます。本書のいかなる記述も、追加の保証となるものではありません。
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