検定満期水道メーターの更新取替について

検定満期水道メーターの更新取替について
マンション・アパート等共同住宅用も含め広く設置されている水道メーターは、正確な計量を期す目的から、
その構造、性能、有効期間等様々の法的規制下に置かれ、全数厳格な検定の対象となり、それに合格しなけれ
ばなりません。
メーターは、耐久性に優れたものでなければなりませんが、それ自体機械的構造であることから経年変化に
伴う性能低下等の諸現象も起こり得るため、各戸用メーターのような特に料金取引や証明用に使用されるもの
は、法律(計量法)の規定により一定の有効期間(8 年)が定められております。それを経過した取引用メー
ターは、それが正常であるなしにかかわらず、検定の更新をしなければ使用できないことになっています。
尚、水道局の取引メーターは水道局が無償で取り換えしていただけますが、私設水道メーターについては建
物の所有者等において取替えなければなりません。
1. 各メーターの検定時期を確認するには
下図のようにメーター蓋の裏側に表示されています。
2. 検定時期を過ぎている場合
再度検定を受け直すか、検定済みの新品へ取替が必要です。ただし、再検定の場合、仮設メーターの設
置など費用が割高になるため、新品への交換が一般的です。
有効期限が切れたメーターを使用している場合、以下の罰則もあります。
『検定を受けていないものや期限の切れたもの(計量法第 16 条)を使用した場合、罰則(計量 法第
172 条)6 ヶ月以下の懲役もしくは、50 万円以下の罰金に処し、またはこれを併科する』
3. 工事について
メーター取替の工事は 40 戸までのマンションの場合、一日で完工します。各戸の断水時間は 10 分程
度です。
4. その他工事について
水道メーター横に設置されているバルブがスリースバルブの場合、経年劣化が進んでいるものは、水道
工事等で閉栓した後、開かなくなる場合があります。
古くなったバルブは水が止まりにくく、水を止めようと締めすぎた場合に内部で上下している太鼓と呼
ばれる部分が、錆び等が溜まっている溝に食い込み上がらなくなるためです。この状態で無理にハンドル
を回しますと、太鼓部とハンドルの心棒が折れて開閉丌良になります。もし、設置されているものがスリ
ースバルブで経年劣化が進んでいる場合は、故障の少ないボールバルブへの変更工事も併せて行うと安心
できます。
この工事の場合は配管工事が必要になりますので、縦系統(1 号室系統や 2 号室系統など)単位で数時間
の断水が必要となり、工事期間も数日必要です。
ボールバルブ
スリーバルブ
また、建築後 20 年を経過した建物では、大規模修繕計画の際に給水管工事等を視野に入れる必要があ
ります。漏水などが発生するようになれば管更生工事(ライニング)また配管更新の必要があります。
☆参考事項
◇計量法第1条(目的)
この法律は、計量の基準を定め、適正な計量の実施を確保し、もって経済の発展及び文化の向上に寄不すること
を目的とする。
◇計量法第2条第2項(取引及び証明の定義)
この法律において「取引」とは、有償であると無償であるとを問わず、物又は役務の給付を目的とする業務上の
行為をいい、「証明」とは、公に又は業務上他人に一定の事実が真実である旨を表明することをいう。この法律
に関連して具体的に団地、アパート等共同住宅の子メータは、すべて水道量に係わる証明上の計量用とみなす旨
の解釈が通産省より別途通達されている。
(昭和 46 年 4 月 6 日量計 46-21)
◇計量法第 2 条第 4 項(特定計量器とは)
取引若しくは、証明における計量に使用され、または主として一般消費者の生活の用に供される計量器のうち、
適正な計量の実施を確保するためにその構造又は器差に係わる基準を定める必要があるものとして政令で定め
るものをいう。
◇計量法第 72 条(検定証印)
第 1 項 検定に合格した特定計量器には、通商産業省令で定めるところにより、検定証印を付する。
第 2 項 構造、使用条件、使用状況等からみて、検定について有効期間を定めることが適当であると認められ
るものとして政令で定める特定計量器の有効期間は、政令で定める期間とし、その満了の年月を検定証
印に表示するものとする。
◇計量法第 16 条(使用の制限規定)
第3項
第 72 条第 2 項の政令で定める特定計量器で同条第 1 項の検定証印又は第 96 条第 1 項の表示が付
されているものであって、検定証印等の有効期間を経過したもの。
◇計量法施行令第 18 条(検定証印等の有効期間のある特定計量器)
水道メータの有効期間は 8 年とする旨の細目が計量法施行令別表第 3 に規定されている。
◇計量法第 172 条(罰則規定)
上記の第 16 条の規定に違反した者は、六月以下の懲役若しくは 50 万円以下の罰金に処し、又はこれを併科す
る。