6 7 8 9 観光ガイド 昔話 カヌー体験 花苗の植栽 10 11 12 13 14 15 イベントでの救護係 イベントでの交通安全 イベントでの警備 各種イベント 教育旅行 登山道の草刈り 5−3 黒獅子の里案内人 長井小町の会 出羽の国漂流隊 花と緑・環境の会、長井商工会議所女性会、中央地区女性の会、 花卉生産組合 応急手当普及員 交通安全協会 防犯協会 まちづくりNPOセンター 山形鉄道、なごみ庵、不伐の森に親しむ会、古代の丘資料館 長井山岳会、岳人長井、白兎区 観光協会 組織や事業の棚卸を進め、既存事業の検証、潜在資源の掘り起こし、事業化、再生産と自立性 のある組織づくりへの脱皮が必要になっています。事業終了後の検証を行い、検討を重ねなけれ ばなりません。 [ 図表4−8 観光協会の収入 ] 平成 23 年度決算 1,514 会費収入 3,792 市民協力金 6,794 事業所協賛金 10,768 補助金・助成金 26,719 受託金 10,827 事業収入 雑収入 合計 [ 627 61,043 (千円) 摘要 普通会員 98 人、特別会員 87 人 花火大会市民協力金 花火大会 6,369 黒獅子 425 市 10,018 JR750 市(まつり業務 16,655+着地型 4,694) 県 5,370 さくら回廊 66 白つつじ 1,328 あやめ 8,193 黒獅子 469 水まつり 356 観光宣伝 413 うち市 31,367(51.4%) 図表4−9 観光協会の支出 ] さくら回廊 白つつじ あやめ 長井おどり あやめにぎわい市 黒獅子 水まつり 観光宣伝 雪灯り 観光美化 観光振興 山岳観光 協議会 平成 23 年度決算 113 1,797 13,560 2,889 1,527 4,431 13,485 634 194 5,383 4,674 778 268 (千円) 摘要 4/15∼5/5 震災でライトアップ中止 5/10∼31 6/10∼7/6 6/26 6/25∼26 5/20 前夜祭 5/21 本祭 8/6 最上川花火大会 被災者席 34 人利用 黒獅子まつりDVD販売、千代田区さくらフェステ ィバル、商品開発 2/4 まちなかにランタンを設置 景観作物(紅花・そば)の栽培、そば収穫体験など。 県委託事業で 23 年度終了。 緊急雇用で 2 人雇用。JRびゅう商品「旅市」でま ちなか歩き 38 件、87 人。 登山道刈り払い整備。のべ 18.6km。 やまがた花回廊、おきたま観光協議会、県物産協会、 40 山形観光キャンペーン 9,953 人件費、会議費、消耗品費、印刷費、通信運搬費、 リース料、賃借料 59,694 共通支出 合計 [ 図表4−10 観光協会会員数 ] 平成 5 年度 6 年度 7 年度 8 年度 9 年度 10 年度 11 年度 12 年度 13 年度 14 年度 15 年度 16 年度 17 年度 18 年度 19 年度 20 年度 21 年度 22 年度 23 年度 普通会員 551 人 特別会員 79 人 会員合計 630 人 会費収入 2,310 千円 2,230 千円 490 人 124 人 614 人 499 人 120 人 619 人 502 人 509 人 188 人 144 人 123 人 117 人 107 人 140 人 98 人 109 人 105 人 136 人 114 人 92 人 96 人 74 人 96 人 87 人 611 人 614 人 324 人 258 人 215 人 213 人 181 人 236 人 185 人 2,912 千円 2,878 千円 2,923 千円 2,887 千円 2,921 千円 2,896 千円 2,818 千円 2,763 千円 2,741 千円 3,562 千円 3,242 千円 2,704 千円 2,640 千円 1,416 千円 1,731 千円 1,514 千円 備考 5∼17 年度会員数は会員名簿から、その他は決算書からそれぞれ調査。 [ 図表4−11 観光協会の組織図 ] 黒獅子まつり委員会 総会 会長 役員会 あやめまつり委員会 長井おどり委員会 水まつり委員会 事務局 広報PR委員会 5-3-1 ボランティアは観光協会の宝 観光協会は地域の観光振興を目的とした公益的な任意団体です。長井市内の観光事業者や関連 事業者、個人などを会員として長井市観光協会が組織されています。県の連合組織として、山形 県観光物産協会、全国の連合組織として、社団法人日本観光協会があります。 長井市内に観光事業者が少ないことから、観光協会の会員は観光事業者が中心ではなく、観光 41 と直接関係がない関連業界の人が中心となっていて、有給なのは事務局だけです。例えば黒獅子 まつりは、事務局と黒獅子まつり委員会の人たちが中心となって進めています。観光協会の事業 は「ボランティアによって支えられている」といっても過言ではありません。このボランティア の人々は観光協会の宝です。これをどう継続していくかが当市の課題です。ボランティアが活動 しやすい環境を整えるとともに、ボランティアだけに頼らない組織づくりも重要になります。 事務局には正職員1人と複数の臨時職員がおり、臨時職員の数は年度によって異なります。24 年度の臨時職員は3人です。全国的に観光協会では人件費よりも事業費を重視する傾向が強く、 業務内容と量に比べて職員数が抑えられています。市役所からの出向職員や退職者で対応してい る所も多く、町村の観光協会では町村役場職員が兼務している事例もあります。当市の場合はプ ロパー1人です。 役員は会長 1 人、副会長 3 人、専務理事 1 人、常任理事 7 人、理事 34 人、監事 3 人がいます。 常任理事以上の役員が毎月、例会を開催して、協会の諸事項を決定しています。観光協会の最高 意思決定機関は、年一回の総会です。総会では、決算報告や予算案、役員などが協議されます。 5-3-2 観光協会の事業 ① 各種の観光イベントや事業の企画立案から実施運営まで ② 観光地の整備や観光客の誘致活動 ③ 地方自治体や交通事業者、観光事業者、他の観光協会などとの連絡調整・連携 ④ 観光広報活動(ホームページやちらし、ポスターなどによる情報発信) ⑤ 観光旅行者の利便を図る活動(メディアや旅行業者への情報提供、宿泊施設や交通機関、観 光名所の案内) ⑥ 観光資源の保存や開発 5-3-3 組織 大きな市の観光協会は、社団法人や財団法人という法人形態をとっている所が多いのですが、 規模の小さい観光協会のほとんどは法人化しておらず、任意団体の形態をとっています。長井市 観光協会も法人化されていません。社団法人や財団法人以外の事例としては、株式会社と特定非 営利活動法人(NPO)があります。株式会社の例としては、 長野県飯田市や下伊那地域の町 村と地元民間企業が出資して組織した「株式会社南信州観光公社」、特定非営利活動法人の例と しては、千葉県印旛郡栄町の栄町観光協会があります。 5-3-4 観光協会の財源 主な財源は、地方自治体からの補助金、会員からの会費、観光イベントでの収入などです。観 光施設や駐車場などの運営事業を持っていません。このため、身が軽いという利点があるのです が、自主財源が少なく、財源の多くが市からの委託金や補助金なので、民間活力を導入し自主財 源を確保して安定した運営を目指すことが大きな課題です。 「行政」は基本的に公平性を重視するので、「収益事業」には向いていません。そこで観光協 会が「収益事業」を担うのが適切ですが、観光協会の事業と財源の大半が行政依存では、「収益」 に直結した事業を行うことができません。迅速な意志決定と民間経営体制のメリットを十分に発 揮させることが、今後の発展に不可欠なことと考えられます。 42 5-3-5 観光協会の問題点 ① 自由度が少ない 観光協会が観光だけで収益を上げるのは難しい(採算がとれるなら民間で既に実施している はずです)、という宿命があります。 市から委託料や補助金が支出されていますが、不足分を補うという考え方なので、黒字にな ると次年度の委託料が減り、がんばっても資金が内部留保されません。このため、財政に縛ら れ、自由に独自事業をすることは難しい状況です。 ② 独自商品がない 独自商品がなく、その開発が必要になっています。 ③ 地方自治体と観光協会の役割分担 観光協会は、観光振興の専門家の団体であり、シンクタンク的な役割とイベント事業の実施 部隊としての役割があります。しかし実際には、スポンサーである地方自治体の意向が強く反 映され、その指導を受けて事業を行う下請け的な存在になりがちです。 地方自治体のスリム化が進み、観光事業者を除く管内の住民に直接関与しない観光担当課は、 人員や予算の削減対象になりやすい傾向にあります。このため、地方自治体の観光振興事業そ のものが観光協会へ委譲されたり、地方自治体からの補助金や業務委託料が削減されたり、と いったことが多く、もともと人的余裕や財政的余裕がない観光協会はその対応に苦慮していま す。 ④ 公益性から生じる制約 観光協会の広報PR事業には制約もあります。公益的団体であるため、原則として特定の宿 泊施設・観光施設・飲食施設を取り立てて推奨することはしません。PRする施設は観光協会 の会員に限られ、会員でない施設を案内することはまれです。反面、零細であってもパンフレ ットなどに施設名が記されるため、観光関係の事業者の多くが会員となる動機づけにもなって います。 ⑤ 発信する情報の鮮度 PR用のパンフレットなどは年度ごとに、または在庫がなくなった際に更新を行うことが多 く、最新情報が反映されていないことがあります。このため、制作時期には留意する必要があ ります。 一方、インターネットによる情報発信はリアルタイムな更新ができるため、最新情報を提供 できます。しかし、人手不足から更新の頻度が減る時も見受けられ、今後の課題です。 ⑥ 指定管理 全国の傾向として、地方自治体の指定管理施設が増えるにつれ、観光協会が指定管理者とな っている観光案内所や博物館などが増えました。観光協会にとっては、収益事業が増え財源が 確保でき、また観光資源を直接運営することで活性化にもつながるというメリットもあります。 しかし、指定管理制度そのものが、地方自治体の直営よりも経費を削減させることが目的なの で、提示される指定管理料では収益をあげることは難しく、逆に観光協会の負担になる恐れが あります。 当市には観光協会が指定管理者となっている観光施設がまだありませんが、今後出てくる可 能性があり、その時点で十分な検討が必要です。 43 5−4 a 推進体制の課題 協働 観光地の特色や利便性などを高めるため、観光関連の事業者、市民、行政が観光のビジョン や情報を共有し、互いに連携しながら一体となって観光振興に取り組むことが求められます。 実効性のある具体的な施策と推進体制を整える必要があります。 b 外部の視点を取り入れた観光まちづくり 有識者やコンサルタントから助言を得る方法が一般的ですが、長井市への転入者にも積極的 に観光まちづくりに参加してもらう工夫が必要です。 c 行政の総合的な取り組み 観光振興は、宣伝・情報、都市・景観整備、道路や河川などの建設、農業、森林整備・保全、 交通、人づくり、文化財保護、教育関係など幅広い分野での取り組みが必要となります。庁内 での旧来からの分掌体制の関係から、現実的にはなかなか難しい面もありますが、観光セクシ ョンだけの仕事では限界もあり、横断的な総合行政として観光振興体制を整えることが求めら れます。 6 広報PRに関する課題 6−1 a 効果的な情報発信 地域の魅力や情報を効果的に発信することが重要です。 素材はいいものがありながら、ニーズに応じた発信、効果的なPRがうまくできていません。 市民にとって当たり前のものであっても、観光客に評価される観光資源が眠っています。これ らを限られた予算の中で効果的に活用していくことが求められています。個々の魅力について 市域全体で情報を共有し、展開していくことが必要です。 ICT対応(information and communication technology) b 情報量の増大の中で、観光情報の質を高めるとともに、様々な情報媒体を活用して情報を発 信していくことが求められます。特にインターネット利用の普及に対応し、ホームページなど の充実が必要です。 c 消費者のニーズの変化や多様化にあわせて、観光資源の活用方法やPR方法を検討すること が求められます。 d 限られた観光広報予算なので、無料広告の活用や内部の関係部署との連携を図るとともに、 やまがた花回廊キャンペーンや置賜さくら回廊など、広域的な連携を深め、効果的な観光PR をいかに進めていくか検討が必要です。 6−2 観光関連情報の収集 現在の観光関係の統計資料としては、主要な観光資源ごとの観光者数調査がありますが、月ご と県内県外ごとの基本的なデータだけとなっており、男女別年齢別のデータや他の観光資源への 立ち寄り状況、観光消費額などのデータは不足しています。 また、これまでの取組の改善方法や今後の事業の見通しの検討では、実際に訪れている観光客 44 の評価を把握し整理することが重要です。当市では観光者へのアンケート、イベント参加者への アンケートなどを実施していますが、観光案内の問い合わせ内容、物産販売施設での利用者の声 などを拾い上げることも大切になります。 観光イベントの実施に追われ、なかなか調査まで手が回らない状況ですが、本格的な観光実態 調査の実施が期待されます。 【資料5】 1 観光まちづくり 市民が誇りに思うわが街 長井市が取り組む観光とは、素晴らしいわが町の姿を見て頂き、素晴らしい技術を持つ商工業 の商品を見て味わって体験し楽しんで頂くものです。 市民の愛郷心が育むまちづくりを観光という視点で支え、また、新たな産業として観光産業が 起きる事で雇用創出を期待し、子供たちが安心して暮らせる誇りある長井市を形づくる取り組み の一つです。 2 市民が主役 観光事業とは営利活動であり、民間が得意とする分野です。民間が軸となり行政がサポートし て成功した事例は全国に数多くありますが、その逆の事例の多くは失敗しているようです。 長井市においても民間と行政は役割を分けて取り組む必要があり、得意分野を活かす形から公 設民営=「ハードは市、ソフトは民間」という役割分担が大きな軸になると考えられます。 3 全面展開ではなく、集中 長井市にはたくさんの観光資源がありますが、全て均等に資金と人手を掛ける事は避けるべき と考えられます。 長井市として何を売り出すのか知恵を出し合い、ただ一つでも良いでしょうからキラキラ光る ものを育て上げて、各地との競争に備える必要があります。限りあるヒト・モノ・カネ・情報は、 選択と集中してこそ活きるものだと思われます。 4 観光産業を創出する これまで長井を支えた多くの産業は疲弊しており、抜本的な解決策が無いまま今の状態が続け ば、いずれ地域全体が疲弊することが予想されます。そういう意味では「何もしない」 「座して待 つ」ということは長期的には大きなリスクを背負う事であり、新たな産業を創出し新たな雇用を 生み出す取り組みが必要であると言えます。 45 5 観光まちづくりによる街の活性化 観光をまちづくりのツールとして活用する「観光まちづくり」を推進し、観光客に寄って頂く 取り組みを行います。長井の良さを皆で磨きながら観光客にも楽しんでもらうことで交流人口増 加を図り、観光産業を起こし、地域経済や雇用に良い流れを作る取り組みです。そこでは、しっ かりとした経営が行われ、収益を生み出していかなくてはなりません。 観光まちづくりを考える時に大切なことは、「観るべき光」や「守るべきまちの価値」は何か、 地域の人々が気づくことです。しかし、地域の中にいると、地域の真の魅力、価値に気づきにく いものです。その真の「価値」を見出し、生かすことから観光まちづくりは始まります。 長井市には、自然、温泉、味覚、歴史、文化など素晴らしいふるさとの資源が市域全体にわた り存在します。地域の発展に向けて、これらの貴重な資源を活かした観光を振興することが最も 重要な課題です。そして、観光客のための観光ではなく、ふるさとを守り、育てる地域のための 観光にこだわる「住んでよし、訪れてよし」の観光地を目指します。 このため、観光関係者だけでなく、行政はもとより市民が参加し、地域が一体となって、観光ま ちづくりに取り組みます。これまでの曖昧で漠然とした観光から脱皮し、限られた人、もの、情 報、資金の集中と選択を行い、戦略的に観光ビジネスを創造し、地域の雇用の増大と幅広い分野 にわたる地域経済の活性化を図り、観光立市の実現を目指します。 6 担い手と推進体制 観光まちづくりの最大の課題は、事業者の育成と言えます。これまで観光事業はボランティア 精神で培われてきた非営利の活動でした。これを営利事業に転嫁するためには、観光商品開発、 市場開拓し、セールス・プロモーションが必要であり、更に収益を上げる事は容易ではないと考 えられるためです。 現在増え続ける着地型観光を推進するには「地域コーディネーター」を担う存在が必要です。 「地域コーディネーター」は、市場のニーズにあった収益を見込める観光商品を開発する「ラン ドオペレーター」の能力と、観光案内やホテルやレストランの手配をする「ツアーオペレーター」 の機能を兼ね備えていなければなりません。着地型観光をビジネスとして確立するには、「第三 種旅行業」資格を有する事業者の存在が不可欠ですが、それだけでは十分ではありません。 観光まちづくりの先進例には共通点があります。ひとつは、観光まちづくりを突き動かしていく 活動の核、地域が守るべき価値やこだわり。もうひとつは、事業の経営者・推進者たる「リーダ ー」の存在です。この二つが融合して「観光まちづくり」へとつながっています。 7 観光のターゲット 長井市内の観光資源の誘致力やアクセス条件、競合条件等から、主たるターゲットを次のよう に設定します。 [ 図表5−1 長井市の観光の主たるターゲット ] 市全体 全体としては中高年層の女性を主たるターゲットに、詳細は観光資源ごとに状況 46 あやめ公園 白つつじ公園 桜回廊 黒獅子まつり 水まつり [ に応じて設定します 中高年層の女性 花菖蒲愛好家 県内外 +ツアー団体客 幅広い年齢層 市民の憩いの場として通年利用 中高年層、特に女性、リピーター 県内外 +ツアー団体客 若年層 市民や近隣市町村 若年層、家族連れ 市民や近隣市町村 図表5−2 観光資源活用のコンセプト ] 1 2 3 4 5 6 7 8 9 魅力の創造(付加価値の向上) ブランドの確立 競争力強化 観光拠点の整備 ハードとソフトの一体的な整備(ソフトも考えてハードを整備する) 通年型観光への脱皮 「感動・長井」の実現 滞在時間の延長と観光消費の拡大 観光による地域の活性化 オンリーワン (「長井市にしかない」ものを作り上げ、他と差別化) 8 長井市の観光の強みと弱み [ 図表5−3 長井市の観光の強みと弱み ] 強み(長所) 弱み(短所) 首都圏から以外に近い 1 高速交通網から取り残された 山形新幹線+フラワー長井線のアクセスがあり、 高速自動車道や新幹線、空港がなく、高速交通網 首都圏から以外に近いのです。 から取り残されています。 B 水運 2 著名人がいない 水運で栄えた歴史的建造物が多数存在します。 著名な長井出身者がいません。 C まちなか歩き 3 エース不在(観光消費の受け皿不足) 魅力的なまちなか歩きコースが多数設定されて 「これ!」という光る観光資源がありません。郷 います。 土料理や名物、ご当地グルメも同様です。観光客が 滞在して食事や買い物に金銭消費する施設や商品 (特産品、名物料理)が不足しています D コンベンション施設 4 通年型拠点施設がない(イベント型観光) タスパークホテルという充実したコンベンショ いろいろなイベントを開催していますが、年間を ンホール・宿泊施設があります。 通じ、人を呼べる施設がありません。 E レインボープラン 5 宿泊施設が少ない(通過型観光) 「レインボープランの街」としての全国的に知ら 魅力的な宿泊施設が少なく、収容人数に限りがあ れています。 ります。滞在客が少なく通過客が多いという状況で す。 F ものづくりの街 6 団体向けの食事処がない 「長井工業高校と連携したものづくりの街」とし 団体客の昼食を提供する施設がありません。対応 ての全国ブランドがあります。 可能な施設があっても、コストやマンパワー不足の 点でなかなか折り合いがつきません。 G あやめとつつじ 7 統一感の不足 「あやめ公園」 「白つつじ公園」の2大花公園が 部分的には魅力的な町並みや歴史的建造物が点 あります。 在していますが、統一感が不足しています。 H 新たな観光展開 8 寂しい通り 長井ダムの完成や最上川フットパスの整備、「レ 駅前通りが特に寂しく、とても「観光」する気に トロバス」の保有など、新たな観光展開が望まれま なれません。 A 47 す。 I 角野栄子先生 9 地域を楽しむための仕掛けの欠如 「魔女の宅急便」の原作者「角野栄子先生」が戦 潜在的な魅力を持つ地域資源があっても、それを 時中、駅前旅館「和泉屋」に疎開していました。 楽しむためのプログラムや魅力を伝えるための案 内が十分ではありません。 J 広域観光の可能性 10 観光拠点における景観面での魅力不足 実は、米沢や庄内地区・村山地区(山寺・蔵王) 観光拠点における施設・設備の適切な更新が図れ へ1時間∼1時間半前後で行けます。 ず、老朽化が進んでいます。よそに比べて、景観面 で相対的に魅力が低下しています。 K フラワー長井線 11 観光に関わる人材不足 フラワー長井線に年間2万人以上のツアー客が 地域資源の魅力に気づかず、自信を持って地域を 来ています。 PRできる市民が少ないことです。 長井市の観光振興の取り組みを支えていく観光 事業関係者や観光まちづくりに取り組もうとする 住民組織等の人材が不足しています。 L 美しい自然 12 山岳や森林、渓谷、河川など、本格的な自然が残 され、誰もが楽しむことができます。 M 文化と歴史資源 小桜館や長井小学校第1校舎などの文化や歴史 にかかわる観光資源が数多く残されています。 N 桜 国指定天然記念物の桜が当市には2つ(久保桜と 大明神桜)あります。2つもあるのは、全国で長井 市だけです。 O 黒獅子まつり 9 観光産業が未成熟 基本方針の目標値 長井市の人口は平成21年9月に初めて3万人を割り、以降も減少傾向にあるため、市では3 万人復活を目指しています。 この計画の目標値の考え方は、人口3万人の経済効果を維持するための数値とし、3万人から 減少した人口分を観光客で賄う数値として金額・観光客数で表します。 平成25年12月末日現在の長井市住民基本台帳人口が約29,000人であることから、定 住者一人当たりが年間に消費する額が約120万円とすると 120万円×(3万人−29,000人)=12億円 約12億円の経済活動が失われた計算になります。これを補うために、観光消費額を増やそう というのが、この計画の目標になります。観光消費額は市町村段階でのデータがありません。現 在の長井市の数値も不明ですし、将来これを達成できたのかどうかも判別できません。そこで下 表の数値を用いて、観光消費額を便宜的に観光客数に置き換えます。 [定住者一人当たり年間消費額] 出典=家計調査年報(家計収支編)平成 23 年 平成 23 年の総世帯(平均世帯人員 2.47 人,世帯主の平均年齢 56.9 歳)の消費支出は,1世帯 48 当たり1か月平均 247,223 円で,前年に比べ名目 2.0%の減少となった。また,物価変動の影響を 除いた実質では 1.7%の減少となった。 → 247,223 円×12 月÷2.47 人=1,201,083.4 円 → 120 万円 なお、この調査は、食料、住居、光熱・水道、家具・家事用品などの費目別の数値が調べられ ているが、市内・市外別(支出先別)には調べられていない。 [ 図表5−4 国内旅行の単価と回数 ] 出典=観光庁旅行観光消費動向調査 平成21年 宿泊旅行 〃 49,640 円 48,964 円 2.72 回 2.51 回 15,922 円 16,006 円 2.77 回 2.49 回 旅行平均回数 日帰り旅行 〃 [ 旅行単価 旅行単価 旅行平均回数 図表5−5 平成22年の国内日帰り旅行の消費額 項目 平成22年 ] 出典=観光庁旅行観光消費動向調査 旅行消費額 割合 備考 旅行前支出 8,950 億円 17.6% 旅行後支出 760 億円 1.5% 400 億円 0.8% 890 億円 41.1% 飲食費 5,960 億円 11.2% 〇 土産代・買物代 9,260 億円 18.2% 〇 入場料・施設利用料 4,140 億円 8.2% 〇 700 億円 1.4% 〇 4 兆 1,070 億円 80.9% 5兆 100% 旅行中支出 旅行会社収入 2兆 交通費 その他 小計 合計 780 億円 図表5−4と図表5−5(備考の〇印)から、観光客1人が観光地で消費する額を 16,006 円×(11.2%+18.2%+8.2%+1.4%)=6,242 円 と仮定します。 すると、 12億円÷6,242 円=192.246 人 となり、12億円の観光消費を生み出すには、観光客数約20万人を呼び寄せる必要があります。 したがって、今よりも観光客を20万人増やすというのが、目標の目安となります。いくつかの 仮定の上にたっているので、20万人というのは目標そのものにはなりえませんが、目標に代わ る目安という事になります。 観光客数を伸ばす(観光客に来ていただく)のが目標ではなく、観光消費額を伸ばす(観光客 にお金を落としていただく)のが目標なのですが、目標値としては、他に適切な数値が存在しな いため、観光客数を代用します。 また、この目標値は人口の変動により見直しをするものとします。 49
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