新奇材料トポロジカル絶縁体中のスピン流を電気的に取り出すことに成功

新奇材料トポロジカル絶縁体中のスピン流を電気的に取り出すことに成功 -次世代情報デバイスの実現に向けて⼤大きく前進- — 京都⼤大学
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新奇材料トポロジカル絶縁体中のスピン流を電気的に取り出すことに成功 −次世代情報デバイスの実現に向けて大きく
研究成果
研究成果
新奇材料トポロジカル絶縁体中のスピン流を電気的に取り出すこと
に成功 −次世代情報デバイスの実現に向けて大きく前進−
2014年11月14日
安藤裕一郎 工学研究科助教、白石誠司 同教授のグループは安藤陽一 大阪大学産業科学研究所教授のグル
ープらと共同で、半導体でも金属でもない新奇な材料として近年大きな注目を集めている「3次元トポロジカ
ル絶縁体」なる材料の中で、流れるスピン流を電気的に取り出すことに成功しました。
本研究成果は、米国化学会科学誌「Nano Letters」の電子版に11月1日に公開されました。
研究者からのコメント
トポロジカル絶縁体は、ごく最近発見された新奇材料であり、未解明の物理
現象が数多く内包されていると期待されています。 例えばトポロジカル絶縁体
と一般的な金属との接合におけるスピン伝導現象は未踏領域であり、是非取り
組んでみたい研究対象です。 最終目標であるスピントロニクスデバイスの実現
安藤助教
に向けてトポロジカル絶縁体の物理を一つ一つ解明していきたいと考えていま
す。
概要
現代のエレクトロニクス産業はトランジスタに代表される半導体素子により支えられていますが、近年の
地球環境問題の深刻化に伴い、低消費エネルギー論理素子の開発の重要性が増しています。素子の消費エネ
ルギーを抑えるには、電子が物質の中を運動するときに発生するジュール熱を減らす必要がありますが、一
つのアイデアとして電気信号の代わりに電子がもつ磁石としての性質(スピン)を使う「スピントロニク
ス」という新しい技術に大きな注目が集まっています。
スピントロニクスデバイスの実現のためには、素子構成材料の開発が非常に重要ですが、最近の研究によ
ってスピントロニクス素子の実現に資する新規材料として「トポロジカル絶縁体」という新しい性質を持っ
た物質があることが分かってきました。
そこで、本研究グループは、大阪大学で育成した3次元トポロジカル絶縁体Bi 1.5Sb0.5Te1.7Se1.3(BSTS=
Bi:ビスマス、Sb:アンチモン、Te:テルル、Se:セレン)の単結晶試料を用いて電気的にスピン流の取り
出しが可能な素子を作製しました。この3次元トポロジカル絶縁体とは、材料内部は半導体の性質を示す一
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2014/141113_1.html
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2015/04/15 18:30
方、材料表面は金属の性質を示す新奇な物質です。この表面金属部分では電子が極めて早く移動できるほ
か、情報伝播にエネルギーを消費しない永久スピン流が流れていると予測されています。さらに電流の印加
方向によってスピンの向きを制御できるスピン流も生成できると期待されており、スピンを用いた新しいエ
レクトロニクスデバイスへの応用が期待されています。
今回の研究では、トポロジカル絶縁体の金属状態に電流を流して生成したスピン流を通常の金属薄膜内
(ニッケル鉄合金)に電気的に取り出すことに成功しました。また電流の印加方向によってスピンの向きを
制御することにも成功しました。スピンを用いた次世代情報デバイスの実現に向けた極めて重要な成果で
す。
図:スピン流のスピンの向きと観測する電極のスピンの向きに対応する抵抗の
変化
詳しい研究内容について
新奇材料トポロジカル絶縁体中のスピン流を電気的に取り出すことに成功 −次世代情報デバイスの実現
に向けて大きく前進−
書誌情報
[DOI]
http://dx.doi.org/10.1021/nl502546c
Yuichiro Ando, Takahiro Hamasaki, Takayuki Kurokawa, Kouki Ichiba, Fan Yang, Mario Novak, Satoshi
Sasaki, Kouji Segawa, Yoichi Ando, and Masashi Shiraishi
"Electrical Detection of the Spin Polarization Due to Charge Flow in the Surface State of the Topological
Insulator Bi1.5Sb0.5Te1.7Se1.3"
Nano Letters 14 (11), pp 6226–6230 Published: October 20, 2014
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