よくわかる不動産講座 Q 「敷金」について 法 法律 律講 講座 座 現在借りているマンションから引っ越すことになりました。借りる際に賃貸人に払った敷金は、必ず戻って くるのでしょうか。また、敷金を返してもらうまでマンションを明け渡さないと家主に主張できますか? よろしくお願いします。 $$ $$ 全額返してもらえるかなぁ・・・ 敷金 ! A 株式会社 あっぷる 敷金というのは、賃貸借契約を締結した時に賃貸人が賃借人から預っているものです。 原則、賃貸借契約が終了し、賃借人が部屋を明け渡したら、戻ってきます。 〒173-0023 東京都板橋区大山金井町37−5 TEL:03-5966-1221(代) FAX:03-5966-1331 MAIL:[email protected] Copyright© 2003,Umac.,Inc All rights reserved 法律講座 1.原則、戻ってくる 「敷金」とは、賃貸借契約を締結した時に賃貸人が賃借人から預っているものなので、その賃貸借契約が終了し、賃借人 が部屋を明け渡したら、原則、戻ってきます(ちなみに敷金には、特約のない限り利息はつきません)。ただ明渡時点で 賃料の未払いがあった場合には、賃貸人は預っている敷金から未払分を差し引いて返還することになります。すなわち 敷金とは、賃借人が賃貸人に与えた損害を担保するものであると言えます。この損害には、主に未払賃料に関するもの と原状回復に関するものがあります。未払賃料はその存否・額が明確なので特に問題となりませんが、原状回復から生 じる損害については、賃貸人と賃借人の間でトラブルになることがあります。 ●入居時(賃貸借契約開始時) きれいに使ってくださいね。 念のため、敷金を預かっておきますよ。 よろしくお願いします。 $$ $$ $$ $$ 入居者 敷金 大家 ●退室時(賃貸借契約終了時) 未払いの家賃と、原状回復費を 差し引いて返します。 お世話になりました。 原状回復費って なんだろう・・・ $$ $$ $$ $$ 入居者 敷金 $$ 未払い家賃 $$ 大家 原状回復費 株式会社 あっぷる 〒173-0023 東京都板橋区大山金井町37−5 TEL:03-5966-1221(代) FAX:03-5966-1331 MAIL:[email protected] Copyright© 2003,Umac.,Inc All rights reserved 法律講座 2.原状回復とは? まず、「原状回復とは何か」ですが、国土交通省住宅局の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によると、「賃借人の 居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超える ような使用による損耗等を復旧すること」と定義されています。ただ、この「復旧すること」というのは、次の入居者が入居で きるような状態に戻すという意味であり、入居した当初の新品の状態に完全に戻すという意味ではありません。 また、ガイドラインでは、その原状回復にかかる費用は賃借人負担とし、いわゆる自然損耗、通常の使用による損耗等の 修繕費用は賃貸人負担としています。簡単に言うと、賃借人は、わざと壊してしまったものを取り替えたり、賃借人自身が 居住している間に設置した家具等を取り除いたりする義務を負い、その費用を負担します。賃借人が通常の使用をしてい て汚れてしまった床や壁紙等の張り替えは、賃貸人の負担ということになります。賃借人がこの原状回復義務を怠った場 合に、その修繕費用として敷金からの返還を要求されることになります。 ●新たに入居者を募集するためのリニューアル費用は誰が負担する? $$ $$ $$ $$ 入居者 ・入居者の不注意により損耗したもの ・使用方法が悪いために損耗したもの 株式会社 あっぷる 大家 ・自然損耗 ・通常使用による損耗 〒173-0023 東京都板橋区大山金井町37−5 TEL:03-5966-1221(代) FAX:03-5966-1331 MAIL:[email protected] Copyright© 2003,Umac.,Inc All rights reserved 法律講座 3.原状回復義務の具体的範囲 敷金の返還額を算出する際には、必ずこの原状回復義務を履行したかどうかが考慮されます。賃貸人の負担部分と賃借人 の負担部分がはっきりしていればトラブルは起きませんが、現在のところ原状回復義務の具体的な範囲を明確にしたものは ありません。しかし、基本的な基準はあります。 ①賃借人の『責めに帰すべき事由』(不注意、管理方法や使用方法が悪いなど)による毀損は賃借人が負担。 例えば、クーラーからの水漏れを賃借人が放置していたことにより生じた汚損や手入れが行き届かずに汚損したキッチン などがこれにあたります。 ②家族や同居人、来客などが不注意によって毀損した場合も賃借人が負担。ペットが汚したカーペット等も対象となります。 ③通常の使用によって、時間が経過すれば当然生じるような損耗や汚損(自然損耗)は賃貸人の負担。 これは、その汚れが通常の使用によって生じたか、そうでないのかは非常に微妙な問題です。 ④その他、特段の事情が考慮される場合はケースバイケース。 4.契約書へ明記 そこで、トラブル防止のために契約時に内装費のどの部分をどちらが負担するのかを契約書上明らかにしておく必要が あります。更に、契約時に既に生じていた建物の損傷かどうかで紛争になる場合もありますので、契約時に既に建物に 損傷がある場合には写真を撮っておくことがトラブル防止のために必要です。 5.敷金の請求時期 敷金は賃借人が明渡し時までに賃貸人に与えた損害を担保するものなので、明け渡しをして初めて敷金の返還を請求 できます。したがって、敷金を支払うまでは明渡しを拒むというようなことは言えません。 株式会社 あっぷる 〒173-0023 東京都板橋区大山金井町37−5 TEL:03-5966-1221(代) FAX:03-5966-1331 MAIL:[email protected] Copyright© 2003,Umac.,Inc All rights reserved 法律講座 賃貸借契約書 $$ $$ チ ェッ ク! $$ $$ ○○の原状回復費用は○○の場合 は○○が負担するものとする。 株式会社 あっぷる 情報の内容については誤りのないよう十分注意しておりますが、本情報により生じるいかなる 損害等についても当社は一切の責任は負いません。各人の責任においてご利用下さい。 Copyright© 2003,Umac.,Inc All rights reserved
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