第5節 指導者の養成と研修 (1)地域スポーツ指導者の育成と支援 【現 状】 ● 地域スポーツの指導者は、体育指導委員、各競技団体の指導者、スポーツ少年団の指 導者、レクリエーション協会の指導者が中心で、種目によっては一部の愛好者が指導 者を兼ねている場合があります。 ● 学校の運動部の指導者は、大半が学校の教員で占められています。専門的な指導が十 分できない場合は、一部学校外のボランティア特別講師が指導しています。新体操、 剣道、 柔道の部活動では、 定期的な指導を委託した部活動特別講師が指導しています。 【問 題】 ① 地域スポーツの指導者に関しては、初心者からレベルアップしていく指導体制が確立 されていません。 ② 地域には指導者にふさわしい人が多く存在していますが、それらの人材を上手く地域 スポーツの指導に活用できていません。 【方向性】 ① 軽スポーツやニュースポーツ、子どものスポーツや高齢者のスポーツなどを専 中期 門的に指導できる指導者を養成し、段階的な指導体制の確立を目指します。 ② 地域スポーツの指導者の充実を目指して、地域に埋もれている人材を発掘する ために、一般市民を対象にした地域スポーツ指導者の講習会・研修会の開催を 短期 企画します。 (2)指導者の資質向上を目指した講習会・研修会の開催 【現 状】 ● 審判講習会は各競技団体別に開催されています。 ● これまでの講習会・研修会の内容は、技術指導に関するものがほとんどです。 ● 講習会・研修会の内容や日程によっては参加希望者が少なく、動員要請をかけて実施 している場合があります。また、学校部活動では、西三河地区で運動部指導者研修会 が毎年2種目ずつ、審判実技講習会が毎年6∼7種目開催されています。 【問 題】 ① これまでの講習会・研修会の中には、形式的で参加者の興味の少ない内容がありまし た。 ② 児童心理や発育発達を含む少年スポーツ、救命救急法、スポーツ医科学、ストレッチ を含む準備・整理運動などに関するものは、あまり開催されていないため、長時間の 練習を重視する指導者、規制や強制で子どもを指導する指導者が実在しています。 ③ 講習会・研修会は、体育指導委員会、スポーツ少年団、体育協会各競技団体、レクリ エーション協会が各々個別に開催しており、 開催費用が効率的に運用されていません。 また、学校部活動の顧問を対象にした研修会は、授業時間内の開催がほとんどで、会 場も市外で行われるため参加者が少なくなっています。 23 【方向性】 ① 参加者に希望内容を事前調査し、それらを反映できる内容の講習会・研修会の 中期 開催に努めます。 ② 技術指導ばかりでなく、熱中症対策や応急処置をはじめ、スポーツ科学・医科 短期 学、スポーツ事故に関する法律などの講習会・研修会を積極的に開催します。 ③ 各スポーツ団体が連絡を取り合い、共通する内容の講習会・研修会については 合同で開催し、経費の効率的運用を心掛けます。この中には、学校部活動の顧 中期 問や指導者にも参加を呼びかけていきます。 (3)市独自のスポーツ指導者資格養成制度の新設 【現 状】 ● 市民のスポーツ振興のためには、市民から信頼される指導者は欠くことができない存 在であり、その育成に市が取り組む重要性は高まりつつあります。 ● 現在は、単発の講習会・研修会が開催されているだけで、継続的な研修会や市独自の 指導者の養成は実施されておらず、資格の取得に関連するものはありません。 ● 体育協会が管理する「スポーツ指導員登録制度」があり、数年に一度名簿を作成して います。 【問 題】 ① より信頼される指導者を目指すため、指導者資格取得を希望する人が、手軽に取得で きるスポーツ指導者資格制度がありません。 ② 日本体育協会等の指導者資格は、遠隔地で開催される場合が多く、時間的にも経費的 にも多くの負担が受講者に掛かっています。 ③ 体育協会が管理する「スポーツ指導員登録制度」は、市民に周知徹底できなかったた めに利用者がほとんどいない状態です。また、登録者の資格等は一切問わないため、 指導技術の一定のレベルを保っていません。 【方向性】 ① 市民にとって身近な指導者の資質向上のため、独自の指導者養成制度の新設を 中期 検討します。 ② 市単独で養成講座を開設し講師を依頼するのは、かなりの経費を必要とするた 長期 め、近隣市との共同開催を検討します。 ③ 資格取得後の効率的な指導を実現するため、体育指導委員、体育協会、スポー ツ少年団、レクリエーション協会などと協議して、 「指導者バンク制度」を整 短期 備します。 24
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