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Financial Services Architect Vol.32
2014年冬号 金融サービス本部
2014年、国内外経済を占う
2014年、銀行業界を占う
2014年、証券業界を占う
2014年、保険業界を占う
目次
-2014 年の動向を占う1.2014 年、国内外経済を占う
~2014 年の経済展望と新たな成長に向けて
特別顧問  大野 英昭
2.2014 年、銀行業界を占う
~テクノロジーが銀行を変える: デジタル・バンク
マネジング・ディレクター  宮良 浩二
3.2014 年、証券業界を占う
~ビジネスモデル変革に向けた三つの要諦
マネジング・ディレクター  中野 将志
4.2014 年、保険業界を占う
~デジタルが変える保険ビジネスの有り方
マネジング・ディレクター  渡辺 宣彦
5.最近話題のプロジェクト
6.アライアンスおよびパッケージ・システム
7.弊社外部講演およびレポートのご紹介
8.会社概要
Financial Services Architect
Financial Services Architect (FSアーキテクト)は、
金融業界のトレンド、最新の IT情報、
弊社サービスおよび貴重なユーザ事例を紹介する、
日本オフィス発のビジネス季刊誌です。
1
拝啓 新春の候、貴社におかれましては益々ご清栄のことと、お慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
本誌「FS
Architect」は、おかげさまで発刊 8 年目を迎えました。皆様の絶大なご支援
とご愛顧の賜物とあらためて深く感謝致します。
新年を迎え、
弊社は「デジタル化」
「グローバル化」
「さらなるコスト削減」の 3 つを軸と
したサービス提供に注力したいと考えております。
エネルギー問題、外交課題、欧州経済の停滞という懸念が残る一方、日本市場環境の
改善、2020 年オリンピックといった成長に向けた好材料も出てきました。日本経済自体
は、まだまだ成長軌道に乗ったとはいえませんが、好材料を最大限に活用するためにも
本邦金融機関の攻めの姿勢が不可欠と考えております。
「物事が“うま”くいく」
「幸運が駆け込んでくる」と
2014 年の干支である「午(馬)」は、
いった言葉で表現される縁起の良い動物です。これまで皆様が取り組まれてきた経営
施策が実を結ぶ年になるのではないでしょうか。
本号では「2014 年を占う」と題して、銀行・証券・保険各ビジネスにおける動向および、
それを支える業務・IT サービスのあり方について、弊社の考え、アイディアを紹介させて
いただきます。ご一読いただき、貴社のビジネスパフォーマンス向上の一助となれば幸
いです。
2014 年は日本経済、日本企業、日本金融機関の重要性が世界的に高まる年になると
信じております。
引き続き、貴社のビジネス価値の向上に貢献する競争力のあるサービスの構築に向け、
鋭意努力させていただく所存ですので、ご検討の上ご用命いただければ幸いに存じます。
今後ともご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。
敬具
2014 年 1 月吉日
アクセンチュア株式会社
金融サービス本部
統括本部長 中野 将志
2
2014年、国内外経済を占う
~2014 年の経済展望と新たな成長に向けて
最近、国際社会の日本経済に対する関心が大きく高まっている。2014 年の日本
経済は回復基調を維持し続けると見込まれるほか、世界経済についても米国が
主たるけん引役となる形で緩やかな回復経路を辿るという姿が想定できる
など、国内外経済ともに慎重ながらも楽観的な(cautious
optimistic)展望を持
つことが可能である。日本経済の復活のために取り組むべき課題は決して少な
くないものの、Japanの覚醒を世界に知らしめる千載一遇のチャンスが到来し
ている。
この十数年の間に弊社日本オフィスは大きな進化と変貌を遂げており、現在では
①コンサルティング・サービス、②テクノロジー・サービス、③アウトソーシング・
大野 英昭
1979年 日本銀行入行
1996 年-98年 IMF日本国理事代理
2001年-03年 秋田支店長
2008年-09年 欧州統括役
2009年-12年 国際局長
2012年12月 アクセンチュア㈱入社
金融サービス本部 特別顧問
サービスの3つの領域のサービスをバランス良く提供できる体制を整えている。
わが国産業界は長年の「守りの経営姿勢」から「攻めの経営姿勢」にモードを
切り替える絶好の機会を迎えたといえる。金融機関にとっては産業界の前向き
な取組をしっかりと金融面から支援していく役割が求められる。弊社日本オフ
ィスとしては、顧客企業と二人三脚でその発展を実現し、ひいては日本経済の
新たな成長に貢献できればとの気構えでいる。
本稿では、2014 年の国内外経済の見通しを示した上で、日本経済の新たな成長
の実現に向けて重要と思われる点を述べてみたい。
1. 日本経済に対する関心の高まり
のが常であった。ところが、最近は、 足元の日本経済をみると、経済成長率、
2013 年に入って以降、国際社会の日本 アベノミクスの中身、異次元金融緩和 企業収益、株価を始めとしたマーケッ
経済に対する関心が久しぶりに大きく 政策の効果と限界、成長戦略の具体的
高まっている。国際会議に頻繁に出席し な施策如何といった質問が矢継ぎ早に
トの回復などポジティブな動きが随所
にみられるようになってきた。こうし
飛んでくる。まさに日本経済に対する
たトレンドを踏まえれば、本年のわが
関心の強さは様変わりの様相を呈して
国経済も 4 月の消費税引き上げによる
が取り上げられる機会が非常に増えて
いる。
個人消費低迷などの景気停滞懸念を乗
いるようである。筆者自身が海外の中
振り返ってみると、1980 年代後半から
ている金融当局の知人によれば、会議
の席上や場外で日本経済に関する話題
央銀行関係者やエコノミストと会った
際に受ける印象も全く同様である。
少し前までは、東京を訪れる海外から
の客人から寄せられる質問は、「中国経
済の失速懸念はないのか」、「インド経
済の高成長は持続可能か」、「ASEAN 諸
のジャパン・バッシング (Japan bashing)
の 時 代、 続 い て わ が 国 経 済 の バ ブ ル
崩壊と金融危機後 2000 年代に入って
からのジャパン・パッシング(Japan
passing)の時期を経て、数年前には一
部の心ない人達からジャパン・ナッシ
国の中で脆弱性が懸念される国はどこ ング(Japan nothing)という不名誉な
か」等もっぱらアジア諸国の情勢に関す 言葉で揶揄されるような不甲斐ない状
り越え、回復基調を維持し続けると見
込まれる。下支え要因としては、企業
マインドならびに消費マインドの好転
に加えて、米国経済の復調により円相
場が上昇しづらい状況が続きそうだと
いう点も挙げることができる。もちろん
2020 年のオリンピック開催は向こう
数年に亘って大きな追い風になると期待
することができる。こうした日本経済の
回復シナリオに伴う最大のリスク要因
るテーマに集中していた。そして、最後 況に甘んじていた。実に十数年ぶりに、 は何であろうか。筆者は意図せざる長
に付け足しのように「ところで日本経済 世界からの熱い視線が再び日本に注が 期金利の上昇を如何に回避するかとい
はいつになったらデフレを脱却するの れるようになったことは大変喜ばしい うことではないかとみている。日本経
か」というお座なりの問いがなされる ことである。
済の持続的な成長を確保するためにも、
3
図表 1 弊社のケイパビリティ
弊社は、お客様の「ハイパフォーマンスの実現へ」の理念の基、
「コンサルティング・サービス」
、
「テクノロジー・サービス」、「アウトソーシング・サービス」を最適に組み合わせたサービスを提供している
コンサルティング・サービス
コンサルティング・
サービス
世界
• 成長戦略
• M&A
• 業務変革プラン 等
サービスを提供
• 事業戦略、CRM、SCM、財務・経営管理・人材管理 など、
各分野の専門家が問題解決に従事
テクノロジー・サービス
54 ヶ国
200 都市以上の拠点展開
27.5 万人(日本約 5,000 人)
のサービス提供体制
テクノロジー・
サービス
• 戦略立案から現場業務の改革まで、包括的なコンサルティング
アウトソーシング・
サービス • IT を活用した差別化実現
• コア業務への集中
• IT を活用した抜本的業務
効率化 等
• 固定費の変動費化
• コスト削減
• 品質管理 等
• 特定の技術、製品に依存しない中立的立場から、最適な IT 戦略
を立案、開発・保守まで一貫したサービスを提供
• オフショアの開発センター、
“アクセンチュア・デリバリー・
ネットワーク”を活用した、コスト競争力のあるシステム開発
体制
アウトソーシング・サービス
• 世界 50 ヵ所以上に展開するアウトソーシングサービスセンターを
活用し、業務品質を保ちつつ大幅にコストを削減
• グローバル規模の包括的なアウトソーシングを提供
• お客様が抱える固有の経営課題に対応した、ユニークなアウト
ソーシング手法を提案
© 2014 Accenture  All rights reserved.
日本銀行による巧みな金融政策運営と
ないかという点で概ね意見の一致を
特に、米国の金融緩和縮小の反射的
財政規律の回復に向けた政府の一段の
みた。グローバル経済展望の主なポイ
効 果として、一 部 の 新 興 国 市 場 から
努力が望まれる。
ントは次のようになる。
資金が流出しやすい状況にある点にも
日本経済の真の復活のために取り組ま
• 2014 年の世界経済は、米国経済が主
注意を払う必要がある。
なければならない課題は決して少なく
たるけん引役となる形で緩やかな回 • 新興国経済については昨年半ば頃から
ない。規制緩和・構造改革の果敢なる
復経路を辿るという姿が標準的なシナ
見られ始めた「まだら模様」の状態が
推進や成長戦略の具体化など課題は山
リオとして想定できる。リーマンショッ
続く可能性が高い。特に経常収支赤字
積みではあるが、日本経済の覚醒を世界
ク以降長年に亘って続いてきた「中国
国や民間債務が積み上がっている国の
に知らしめる千載一遇のチャンスが到来
をはじめとする新興国経済が先進国
経済が変調を来さないかどうかが懸念
していることは間違いない。民間・政府
経済を引っ張る」という構図は主役が
材料である。例えば、
インドネシア、ベト
の 持 て る 力 を そ れ ぞれ如何なく発揮
交代する可能性がある。新たなけん引
ナム、
ブラジル、インド等の状況は注意
させることによって、是非とも 2014 年
役の筆頭は米国であるが、日本経済に
をもってモニタリングしておきたい。先
を Japan 完全復活の元年にしたいとこ
も 2 番 手 のけん 引 役となる可 能 性が
進国の中では韓国も注視する必要が
ろである。
期待できよう。
あると思われる。
2. 世界経済の見通し
• このような標準シナリオを脅かす最大
• 中国経済については、数年前の二桁
世 界 経 済 に と っ て はどのような年に
のリスクは米国経済の予想外の失速で
成長への復帰はもはや見込み難いも
なるだろうか。昨年末に、有力エコノ
ある。もしFRB の超緩和策からの出口
のの、7%前後の成長は達成可能とみら
ミスト数人と意見交換を行ったところ、
戦略がうまくいかないような事態が生
れる。中長期的な一段の成長減速は不
本年の世界経済の展望についても cautious
じれば、米国経済のみならず世界経済
可避としても当面は成長モメンタムを
optimism を持つことが許されるのでは
全体に大きなインパクトが生じうる。
維持できるとの見通しが有力である。
4
3. 弊社のケイパビリティ
4. 新たな成長に向けて
しれない。こうした危険性に適切に目
ここで、弊社の業務について少し触れ
前述のように国内外の経済環境はいく
を光らせるためのリスク管理の強化も
させていただきたい。筆者が金融機関 つかの不確実性を残しながらもポジ
の ト ッ プ の 方 々 を 表 敬 訪 問 す る 際、
ティブなものである。産業界にとって
最 初 にお 尋 ね す る よう心掛けている は、長年の「守りの経営姿勢」から「攻
ますます重要となろう。また、
「システ
ム面のコスト削減」と「システム効率
化の推進」はもはやトレードオフの関
係にあるものではなく、同時並行的に
質問が一つある。それは「弊社の日本
めの経営姿勢」にモードを切り替える
オフィスの陣容は何人位だと思います
絶好の機会を迎えたとみられる。民間
か」という問いである。殆どの回答は
セクターが、先行き 5 ~ 10 年を見据
付けられよう。
おおよそ 300 ~ 500 のゾーンに集中
えた新たな成長基盤を育むための行動
する。私から現在の体制は約 5000 人
を加速させ、競争力の強化を図ること
弊社日本オフィスとしては、企業や金融
であると申し上げると、一様に驚きの
こそが、日本経済の新たな成長の道筋
表情を浮かべられる。
を確かなものとさせる鍵を握ると思わ
そうした方々の記憶の中には、どうやら
10 年位前の弊社のイメージが強く残っ
て い る よ う で あ る。 誠 に 恥 ず か し い
ことではあるが、かく言う筆者自身も
れる。競争力強化のためには、設備投
資を推進するのも一つの選択肢であろ
うが、研究開発、人材育成、海外企業
の買収や提携関係強化などいくつもの
選択メニューがある。要は個々の企業
追及すべき重要経営課題の一つに位置
機関の成長のための様々な取り組みに
対して、①コンサルティング・サービス、
②テクノロジー・サービス、③アウト
ソーシング・サービスの 3 つの領域から
少しでもお役に立ちたいと思っている。
クライアントの皆様と二人三脚で企業
の発展を実現し、ひいては日本経済の
新たな成長に貢献できればとの気構え
2012 年末に日本銀行から転籍した際に
の持ち味や強みを活かして付加価値を でいるので今後ともよろしくお願いし
は 2000 人位の組織であろうとの誤っ
た認識を持っていた。
引き上げるための「選択と集中」を如
何に図るかが経営手腕の発揮のしどこ
弊社日本オフィスは、日本経済全体がバ
ろである。その際には新しいテクノロ
ランスシート調整のための不断の努力
ジーをうまく活用して市場開拓やビジ
を続けてきたこの十数年の間に大きな
ネスモデルの変革につなげていくこと
進化と変貌を遂げてきている。以前は
ができるかどうかも成否を左右する重
経営コンサルティングが業務の中心で
要な要素となろう。
あったものが、その後長年に亘ってシ
ステム要員の増強を進めるとともに IT
関連のノウハウや経験の蓄積に努めた
結果、現在では、①コンサルティング・
サービス、②テクノロジー・サービス、
③アウトソーシング・サービスの 3 つ
の領域のサービスをバランス良く提供
できる体制を整えている(図表 1 参照)。
本稿をお読みの皆様には是非とも日本
オフィスの等身大の姿をよく知ってい
ただければ幸いである。銀行、証券、
保険の各業界に対してどのような魅力
あるサービスを提供できるかについて
のご紹介は、本号の別稿に譲りたい。
5
金融機関にとっては、産業界の前向き
な取り組みをしっかりと金融面から支
援していく役割が求められることは言
うまでもない。大手金融機関にとって
は同時にグローバル・ベースで進めら
れる規制強化への対応も待ったなしの
状況にあるため、規制強化という重い
荷物を背負いながら急な山道を登るよ
うな難易度の高い経営を求められるこ
とになりそうである。資金運用の面で
も、グローバル・ベースで豊潤な流動
性が供給され続けている世界において
は、いつどこかの市場や地域でミス・
プライシング(バブル)が生じるやも
たい。
2014年、銀行業界を占う
~テクノロジーが銀行を変える: デジタル・バンク
2013年の日本経済はおよそ15 年間にわたるデフレからの脱却の光明が見えた
1年となった。2014 年は成長へ向けた投資が加速する1年になるだろう。
銀行経営者の方々のお話を伺うと、足元の業績が回復する中、IT投資の中身が
変わってきていることを実感する。先送りにしてきたIT 投資案件の再開のみな
らず、中長期的に銀行経営の成長につながる分野にIT 投資を振り向けようと
する動きだ。
中長期の視座にたったIT投資においては、テクノロジーの進展をいかに活かす
かという視点が欠かせない。弊社が昨年発表した「 Technology
のキーワードは“Every
Vision 2013」
Business is a Digital Business – 全てのビジネスがデジ
宮良 浩二
タル化する”というものだ。
1995年 アクセンチュア㈱入社
このテクノロジー・トレンドを踏まえ、弊社では「①インテリジェンス・マルチ
金融サービス本部
マネジング・ディレクター
銀行グループ統括
チャネル型銀行」
「②ソーシャルネットワーキング型銀行」
「③デジタルエコ
システム型銀行」の3つのリテール銀行モデルを提唱している。
デジタル化が加速する社会・経済活動下でのリテール銀行モデルについて弊社
の考えを紹介したい。
潮目が変わるリテールビジネス
を好み、サービスに対するスピードや
貸出約定金利に象徴されるように国内
の世代の特徴だ。
Mobility: 今後 5 年で携帯電話保有者の
預貸ギャップの拡大や史上最低水準の シンプルさへの要求水準が高いのがこ 70% 超がスマートフォンユーザになる
金融市場の成熟は顕著だ。各行は決済
口座や住宅ローンの獲得のみならず、
無担保ローン・カード・保険・投資性
商品など、金融商品全体のクロスセル
を加速しなければならない。
また、従来型の経営改善によるコスト
削 減 も 限 界 だ。 国 内 銀 行 の 営 業 経 費
の推移を見ると、1990 年代後半から
リテール銀行はコスト効率をあげなが
と予測される。いわゆる、モバイル・
ライフが急速な広がりをみせている。
ら、ますます高度化する顧客ニーズに
Analytics: 既に蓄積された莫大な情報
応え、シェア獲得競争を勝ち抜かねば
に加え、ソーシャルやモバイルを通じ
ならない。
た情報が取得できる。大量データの分
Every Business is a Digital Business
テクノロジーが金融サービスのあり方
を変える点については、インターネッ
析基盤も、より安価に獲得できる時代
になってきた。顧客単位のマーケティ
ングが可能な時代となっている。
トの進展が記憶に新しい。今後のキー Cloud: クラウド・コンピューティング
2000 年代半ばにかけて 20% 程度の削
ワードは "Digitalization" だ。次の 4 つ の進展が、より安価での外部リソース
減 が 進 ん だ が、2005 年 の 6.4 兆 円 を
のテクノロジー・トレンド "SMAC " が の活用を可能にする。
ボトムに止まっているのが実態だ。
さらに、中期的な社会構造の変化にも
着目する必要がある。今後、金融資産
の 6 割強を有するシニア層から若壮年
層への資産移転が生じる。資産を受け
継ぐ世代は、インターネットに代表さ
れるテクノロジーの社会への浸透と共
に年齢を重ねている。情報収集・発信
デジタル化を加速させる。
これらのテクノロジー・トレンドを踏
Social: Facebook や Twitter に代表され ま え、 弊 社 で は 3 つ の リ テ ー ル 銀 行
るソーシャルネットワークが急速に拡 モデルを提唱している。(図表 1)
大し、多様なコミュニティを形成して
いる。顧客とのコミュニケーションの
機会は、今まで以上にダイレクトでリ
アルタイムなものになる。
にたけ、”自分らしい”ライフスタイル
6
図表 1 「次世代バンキング」モデル
現状
「次世代バンキング」モデル
銀行の「基礎を固める」
• 支店ネットワークやコンタ
クトセンターの最適化
インテリジェント・マルチ
チャネル型銀行
ソーシャルネットワーキング
型銀行
デジタルエコシステム型銀行
• アナリティクスを利用した
• 顧客の好きな方法で応対
マルチチャネル・アーキテ
クチャの統合(リアルタイ
ムな業務管理など)
する(ソーシャルメディア
など)
の ある存在としての銀行
(金融/非金融分野にて)
• デジタルチャネルの強化
• 需要に応じたサ ービスの
提供と一環した販売姿勢
• 基本的なマルチチャネル
統合
• 最新のデジタル・アドバイ
ザリー
• インフルエンサーの活用
• 顧客との密な関係による
共同作業
• 信 頼 でき、付 加 サ ービス
• モバイル機能を利用して
「 あなたのそばにいる
銀行」
となる
• モバイル・ペイメント・サー
• チャネルごとに最適化した
ビス
需要に応じたサ ービスの
提供
「この銀行は私の金融ニーズ
にきちんと対応してくれる」
テクノロジー・トレンド
Analitics
「この銀行は私の都合に合わ
せて応対してくれる」
Social
「この銀行は手軽にアクセス
でき私の希望に応えて
くれる」
Mobility
+
Cloud
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①「この銀行は私の金融ニーズにき
ちんと対応してくれる」
ある欧銀では、あらゆる顧客接点の情
のあらゆる金融取引を自行に集約して
報を一元化した。本部のアナリティク
もらうインセンティブを与える点もひ
1 つ目は、顧客理解力を梃子に最適な スチームは提案すべき商品を決定する とつの特徴になっている。商品とプラ
金融商品を最適なチャネルで提供する
ビジネスルールを開発する。さらに、 イシングの最適化は、顧客ライフイベ
「インテリジェント・マルチチャネル型
このルールに基づき決定される顧客ご
ント・顧客ニーズや信用リスクに加え、
銀行」だ。顧客ニーズの深い理解と充
との推奨商品は全てのチャネルに還元
顧客ごとのライフタイムバリューの理
足のためにアナリティクスを駆使する
される。結果、コールセンターでの提
解が必要だ。この点からもアナリティ
点がこのモデルの特徴だ。
案の 10% 程度、インターネットでの
クスが果たすべき役割は大きい。
提案の数 % が成約に至るという成果を
得ているという。
②「この銀行は私の都合に合わせて
対応してくれる」
意味合いがある。まず「この銀行はど
またこのモデルでは(2)商品ライン
2 つ目は、特にソーシャルメディアに
こからでもアクセスでき、対応してく
ナップとプライシングの最適化が重要
このモデルでは、(1) マルチチャネルの
統合が不可欠になる。これには 2 つの
れる」という顧客体験の提供だ。例えば、 になる。これには、欧米で顧客囲い込
注目して顧客との親密な関係構築を図
ることに重点を置く「ソーシャルネッ
スペインの BBVA 銀行は、支店窓口で み策として進展しているプロダクト・ トワーキング型銀行」というモデルだ。
は な く デ ジ タ ル チ ャネルを利用する バ ン ド リ ン グ と い う 手 法 が 有 効 だ。 個人の興味に合致した形で関係を構築
顧客に対してもアドバイザリー業務を
年中無休で提供している。ダイレクト
プロダクト・バンドリングとは、預金・ すること、ソーシャルネットワーク上
ローン・カード・保険・投資商品・その の影響力を持つ人を活用して顧客・銀
発想からの脱却が求められてくる。
他 サ ー ビ ス を、 顧 客 ニ ー ズ に 応 じ て 行間の共同作業の促進することを企図
バンドル(おまとめ)して提供する。 する。
もう 1 つは、全ての顧客接点をマーケ
また、単品ごとの購入より優遇された
チャネルは支店の補完チャネルという
ティングチャネルにするという点だ。 プライシングを提供することで、顧客
7
図表 2 ケイパビリティミックス
注力する分野
「基礎を固める」銀行
インテリジェント・
ソーシャルネット
マルチチャネル型銀行 ワーキング型銀行
デジタル
エコシステム型銀行
支店ネットワークの最適化
ウェブ・モバイルマーケティングと
その有効性
基本的なマルチチャネルの編成
第一線チームと販売ツールの強化
深い顧客理解
顧客との洗練された取引
需要に呼応したサービス提供
実績管理
有効なマルチチャネルの的統合
徹底したアナリティクス
(新商品、価格設定など)
リアルタイムな業務管理
個人向けデジタルアドバイザリー
商品ラインナップの最適化と適切な価格
設定
ソーシャルメディアのモニタリング
ソーシャル・デジタル・マーケティング
(顧客業務のクラスタリング)
ソーシャルCRM
(データの拡充とサービスの最適化)
モバイルペイメント
モバイル・コマース・エコシステム
モバイルマーケティングとモバイル
ロイヤリティのアナリティクス
パートナーシップや提携業務の管理
低
中
高
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8
まず、このモデルの銀行は(1)ソーシャ
iPhone の位置情報の活用により、利用
ル上の顧客接点を増やし自行へのロイ
者に物件情報・地域情報・ローン設計
ヤリティを向上させる。例えば、Bank
に関する情報などを一括して提供して
of America は "Small Business online いる。つまり、金融ニーズが生じる発
community" という個人事業主向け情報 端となるイベントで顧客化を図ろうと
交換サイトを通じたコミュニティの形
成と顧客化をねらっている。米ウェル
ズ・ファーゴ銀行の Wells
Fargo Labs
は、顧客との共同作業で新商品・サー
ビスを開発する試みだ。
している。
また、このモデルの銀行は、(3) モバ
イルテクノロジーを駆使し、顧客の日々
の行動に根差した提案力が求められる。
シンガポールの DBS 銀行が提供する
また、このモデルでは(2)顧客がソー
iPhone ア プ リ "DBS Shopper" は 一 例
シャルメディア上で発信する情報に基
だ。同行のクレジットカード利用者は、
づき対応を個別化する。例えば、ソー
iPhone カメラで周囲を撮影することで
シャルネットワーク上での「いいね」 付近の店舗のセールスや特典情報を入
の反応や投稿される情報は、顧客を趣
手できる。DBS カード利用者が購入時
味や嗜好ごとに分類することに役立つ。 に使用できる e クーポンのダウンロー
これは、銀行が旧来保有する顧客情報
ドも可能だ。このように顧客の行動様
や取引情報からは出来得なかったクラ
式に根差したサービス開発が一層大切
スタリングだ。提供する商品やサービ
になるだろう。「従来の銀行サービスを
スを個別化することで、顧客の囲い込
モバイル化する」という発想だけでは
みを強化することが可能になろう。
足りない。
③「この銀行は手軽にアクセスでき
私の希望に応えてくれる」
おわりに
誌面の都合により、デジタル化におい
3 つ目の「デジタルエコシステム型銀 て、強化すべきケイパビリティや実装
行」は、モバイルテクノロジーを駆使し、 すべきシステム、改革実行のアプロー
金融商品のみならず非金融サービスも チなどの具体例をご紹介することがで
含めて顧客ニーズを充足することを目
きなかったが、実行力こそが弊社の強
指すモデルだ。
みと自負している。テクノロジーを梃
このモデルでは(1)安全で簡単なモバ
イルペイメントサービスの提供が不可
欠だ。
加えて、(2)異業種との提携により、
あらゆる経済的選択にまつわる初期の
段階からワンストップで顧客をサポー
トすることが重要になる。例えば、豪
州のコモンウェルス銀行は不動産購入
者をターゲットとしたモバイルアプリ
(CommBank Property Guide)をリリー
ス し て い る。 不 動 産 業 界 と の 提 携 と
9
子にしたリテールビジネスの改革への
お手伝いができればと願っている。
2014年、証券業界を占う
~ビジネスモデル変革に向けた三つの要諦
欧州の経済状況が引き続き停滞する中、アベノミクスの影響により日本証券
業界も恩恵を受けている。
リーマンショック以降、証券会社や銀行の市場部門でトレーディング領域への
投資は滞ってきた。ここにきて、トレーディング領域への投資が見られるように
なり、いよいよ投資モードに切り替わりつつあるように見受けられる。
一方、証券のIT・オペレーションには収益向上に直結しない領域に多くの課題が
あるようだ。各種マスターの散在、グローバルレベルで見た場合のインフラの
散在、国内・国外を問わず散在するアプリケーション、各拠点で異なるオペレー
ション、等がそれだ。これらは収益部門や拠点中心のガバナンスと短期的視点
中野 将志
1995年 アクセンチュア㈱入社
金融サービス本部
統括本部長兼証券・資本市場グループ統括
による投資計画が招いた産物といえる。そしてこの産物は大きくなりすぎた感
が否めない。
収益が確保できない時期には投資優先順位が下がるこれらの課題解決も、
投 資 余力が生まれてきたこの時期だからこそビジネスモデルに即して解決
すべきテーマではないだろうか。
グローバルトレンド ~ビジネスモデルの選択
リージョナル・チャンピオンは、クロス プライマリーマーケット・パワーハウス
セルを中心に既存顧客へのリスク管理
は、新規発行による資金調達や M&A
弊社では毎年、グローバル投資銀行の と商品・サービス提供を積極的に行う。 などの大規模なディールを取り扱うモ
ビジネスモデルやチャンレンジに関する
顧客との中長期的関係を重視し、価格
デルである。このモデルの運営には、
トップ 10 を調査している。その結果を
競争を回避するモデルだ。これを可能
ブ ラ ン ド 力、 名 高 い 専 門 性 を 有 す る
整理すると、高いパフォーマンスを実
とするには、厚い顧客基盤、幅広い商品・ 人材、顧客との強固なリレーションに
現する有効なビジネスモデルは 5 つの
サ ー ビ ス、 顧 客 セ グ メ ン テ ー シ ョ ン 加え、情報管理システムを整え顧客へ
形態にまとまりそうである。
能力、強力な営業人材の 4 つが必要と
の洞察力を高める必要がある。「ブラン
なる。日本でいえば銀証連携の進化版
ド・人材を中核におくモデル」である。
フロー・モンスターは、コモディティ化
された商品(株式、為替など)を大量
かつ高速に行うビジネスモデルである。
といえるかもしれない。「顧客を中核に
おくモデル」と云える。
リスク・マスターは、高度なリスク管理
基盤を武器に、リスクテークする一方で
このモデルは発展した資本市場におい
プロダクト・スペシャリストは、商品・ リスクの最小化、不要なリスクをコン
て、3 つのケイパビリティを駆使して
サービスの専門性を高めるモデルで トロールする能力を持っている。複雑
展開される。1)大量のトレードを正確 ある。このモデルは、特定商品(地域
なリスクアセットのエクスポージャー
か つ 高 速 に 処 理 す る テ ク ノ ロ ジ ー、 色の強い金利商品など)の取り扱いで
を瞬時に計算し、適切なタイミングで
2)競争力あるプライシング、3)顧客 大半を確保するか、オーダーメイドで 必要な情報を入手する情報基 盤 を 有
との強いリレーションの 3 つだ。この 組成された複雑な取引を行うプレー している。最も複雑なモデルと考えら
モデルを有効とするには、大量の取引
ヤーに分れる。今後もグローバルな金融 れている。「リスク管理を中核におくモ
ボリュームと継続的な IT 投資が必要と 規制の隙間に、地域ごとのニッチプレー
デル」である。
な る。 即 ち「 プ ロ セ ス を 中 核 に お く ヤーの活躍機会が生じると考えられる。
モデル」と云えよう。
「商品・サービスを中核におくモデル」
である。
10
図表 1 顧客分析 – 顧客 / 証券会社の収益相関に基づく分類
+
成功想起による活性化
顧客自身の収益
0
成功想起予備軍
過去との決別による活性化
証券取引ヘビーユーザ
-
低
証券会社への収益
高
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これら 5 つのモデルの特徴を平均レベ
を実現するアプローチは多くのケース 「情報収集」1 つとってみても、
これまで
ルで保持している企業は多い。しかし、 で頓挫している。サイロな組織に中央
はとにかくデータを集めて、それをど
競合との差別化を考えた場合、ビジネ
集権的なガバナンスを問うても、力を
スモデルそのもので差別化を実現すべ
失う結果となるため誰も賛同しないか というものだった。結果、
“データ”の域
く投資戦略を立案する事が重要であ
ら で あ る。 従 っ て、 ビ ッ グ バ ン 的 な を脱しておらず、本当に必要な“情報”
る。投資余力が生まれた今、本邦証券
アプローチではなく、既存システムの
にはなっていなかった。これからは、
業界においてもビジネスモデルを再考
更改タイミングや新システム構築タイ
まず目的を定めて、その目的を達成す
する年になるはずである。
ミングを活用した段階的なプロセス・ るために必要なデータをどう取得する
日本における潮流
収益性が改善する中、それに浮かれる
ことなく本邦証券会社と銀行の市場部
う使うかという目的はその後考える、
IT の標準化・集約から入って、最終的 かを考えるデザイン力が必要になる。
にガバナンスが集約されるアプローチ 「分析」に関しても、新たな観点で分
が現実的と考える。
門は着実に変革を進めようとしている。
2 つ目は、個人顧客におけるミドル層
その変革の要素は大きく 3 つある。
の取り込み・活性化である。これまで
あまり日が当らなかったミドル層への
析をする必要がある。多くの企業では
収益貢献度の高い顧客を最重要視して
きた。しかし、顧客の立場からすれば、
儲けさせてくれた証券会社かどうかが
重要なのである(図表 1)。今は十分稼
1 つ目は、プロセス・IT の集約化である。
取組も、NISA や市況を契機に本格的に
働してないが過去に儲けた経験のある
こ れ は 拠 点 間 と 事 業 部 門 間 の 2 つ の
観点から進んでいくと考える。これま
で本邦金融機関では拠点独自、事業部
門独自に業務・IT が構築されてきた。
いわゆるサイロ型だが、これらは効率
化追求、リスク管理・規制対応強化、
商品・サービスの見極め、といった観点
から、業務・IT を標準化・水平統合する
と共にガバナンスもより集約化する方向
にある。しかし、ガバナンスを集約する
際、ガバナンス論から入ってあるべき
11
進展すると思われる。しかし、新規口
座獲得には十分ではなく、顧客を引き
付けるユニークな商品の展開といった
プラス α の打ち手も必要である。さら
に、ミドル層への手厚い営業は、コス
トの観点から展開しづらいため、デジ
タルの活用が進展すると考えられる。
情報収集 → 分析 → コミュニケーション
のサイクルを高度化するためにも、
新た
な発想によるデジタル化が期待される。
顧客に、現在と過去の市況の類似点を
示し、再度投資すべきかの判断を仰ぐ
等の活動を推進できる分析が必要なの
ではないか。推奨商品のプッシュ営業
だけでは、顧客は動かない。顧客に過
去の成功体験を想起してもらい、新た
な投資を視野に入れて、自社との関係
を深めていただく事こそ重要である。
図表 2 「範囲」/「深度」の観点に基づく内外製の分類
組織(拠点)
レベル
海外拠点の
バック業務・
ポストトレー
IT外販に向けた
JV 立ち上げ
ディングの委託
商品・サービス
レベル
ガバナンスの
集約化
ミドル層顧客の
活性化
非戦略領域への
大胆な打ち手
フロー・モンスター
リージョナル・
チャンピオン
持ち株会業務・
範囲
IT の共同化
プロダクト・
スペシャリスト
海外銘柄に
業務レベル
図表 3 本邦プレーヤーのビジネスモデル
対する
プライマリーマーケット・
パワーハウス
アナリスト支援
業務の委託
リスク・マスター
作業レベル
派遣・ベンダ 変革の中期的 他社との共同化
活用
委託
外販化
深度
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3 つ目は、非戦略領域における大胆な 「範囲」×「深度」の組み合わせで外部 市場の活況にあわせて短期的に収益を
打ち手である。証券業界における内外
をどこまで活用するかを議論し、経営
獲得に行く事も重要である。とはいえ、
製の議論は久しくなされてきたものの、 の効率化を図るべきである(図表 2)。 プロセス・IT 投資がフロントに偏る理
その変革のマグニチュードはそれほど また、内製化すべき領域には、大きく
大きくなかったが、本年以降はもう一
由 に は な ら な い。 中 長 期 的 に 高 い パ
3 つの社員のスキル強化を徹底しなく フォーマンスを支えるビジネスモデル
歩踏み込んだ議論が進みそうである。 てはならない。①コンテンツ作成・実行 を構築するために、ビジネスモデルに
即したプロセス・IT 基盤を整備するこ
なぜなら、証券プレーヤーが戦略領域
スキル、②プロセス・ガバナンス構築
に自社資源を集中する度合いが高まっ
スキル、③マネジメントスキルである。 とは今だからこそできることである。
ている事と、社外にコスト効率化を実
社員が作業・業務を習得すれば内製化
現するアウトソースプレーヤーが育っ
ができると思われがちだが、技に偏る
てきたためである。
と不十分 なビジネス効果しか得られ
内外製の議論は「範囲」と「深度」の
2 つの観点からなされてゆく。「範囲」
に関しては、これまでは作業レベルで
の検討が中心であった。今後は業務、
商品・サービス、組織のレベル(拠点
ないケースが多い。即ち効率的なプロ
セスをデザインし、見える化されたガ
バナンスを構築し、適切な状況判断を
行うリーダーがいてこそ、ビジネス効
果を創出できるのである。
含む)で非戦略領域の見極めが進むは
本邦証券会社のビジネスモデル
ずである。裏を返せば、ビジネスを支
グローバルで収斂されつつある 5 つの
える本来業務・根幹組織は何かを見極
ビジネスモデルと、日本における 3 つ
めることである。「深度」に関しては、 の 潮 流 を 鑑 み る と、 本 邦 証 券 会 社 の
外 部 に 作 業 代 替 し てもらうレベルも ビジネスモデルとしては、フローモン
あれば、トランスフォーメーション(コ
スター、リージョナルチャンピオン、
スト削減、品質改善、見える化など) リスクマスターの 3 つが出現する可能
を複数年の取組として委託する、他社
性が見えてくる(図表 3)。
と共同化して効率化を実現する、さら
に外販を目指して収益化する、といっ
た選択肢がある。
12
2014年、保険業界を占う
~デジタルが変える保険ビジネスの有り方
ITの活用によってビジネスの変革が可能になり、あらゆる企業が次々と新しい
技術の発掘、導入に勤しんでいる。昨今は、このような新しいITを「デジタル」と
呼ぶ流れが定着しつつある。
スマートフォンに関しては弊害も指摘されているが、肌身離さず持ち歩き、時間
があれば常に使う。さらには新しいアプリをどんどんダウンロードする。こうし
てやり取りされるデータの中には、テキストベースのデータ以外に動画、音声、
そして、今後ますますいわゆるM2M(Machine to Machine)という形で、あら
ゆるモバイルデバイス(例えばウェアラブル端末)、自動車、各種家電、中には
電動歯ブラシといったものまでがGPSや各種センサーを搭載し、これらの作動
履歴のデータを通信し、クラウド上に貯めこんでいく環境というものが、私たち
渡辺 宣彦
が東京オリンピックを待ちながら生きていく時代である。このような動きが
1991年 アクセンチュア㈱入社
保険業にどのような影響を与えるのか、年頭に当たり考えてみたい。
金融サービス本部
マネジング・ディレクター アジアパシフィック 保険グループ統括
デジタル技術の評価と進展
ことを通じてビジネスのネットワーク
従 来 の パ ソ コ ン よ りも非常に身近な を拡大し、人と組織の有機結合を可能
モバイルデバイスが爆発的に普及した にしていくことであると考えている。
ことによって、ニワトリが先か卵が先
かという議論はあるものの、いわゆる
「デジタル技術」が台頭してきた。「デジ
タル」という言葉についての混乱を避
変動費化、OPEX 化を実現していくか
という段階に入っている。
デジタル技術で顧客はどう変わるか
モ ビ リ テ ィ に つ い て は、 前 述 の 通 り デジタル技術の浸透、進展によって、
デジタルの先導役を果たす領域と見て
保険業界の顧客層、マーケットにも大き
いる。
な影響があると考える。図表 2 に私が
ける意味で、図表 1 に示した通り、ここ アナリティクスに関しては、ハーバー
では「SMAC」という切り口でデジタル ドビジネスレビューでも取り上げられ
考える市場・顧客トレンドと、保険業
界のビジネスへの影響を整理してみた。
技術を整理してみる。SMAC とは、ソー
たこともあって「データサイエンティ
字を取った略語であり、弊社のリーダー
きが深いと考えているが、ビッグデー
ろう。ある生き方が主流で、他は傍流
シップ層は最近好んでこのキーワード
タの可能性が喧伝される割には具体的
という様な切り分けは既に無く、グロー
を使用している。
な活用方法に関してはかなりエキセン
バルに見れば人種、民族、宗教、性的
トリックな事例の話が多いように感じ
指向等、国内であれば性別、家族観、
ている。特に、非常にコンサバティブ
社会階層等、あらゆる切り口で細分化
ている。
バリエーションを整えていくことが求
まず、ライフスタイルの側面では、現
シャル、モビリティ、アナリティクス、 スト」というものが脚光を浴びている。 在よりもさらに多様な生き方、人それ
クラウドという 4 つの主要技術の頭文 これの位置付け、可能性は非常に奥行 ぞれの価値観が対象になってくるであ
ソ ー シ ャ ル に つ い て は、facebook、
twitter、YouTube 等 の 身 近 に な っ た な保険業界に適用して考えると、直近 された顧客に対して、フレキシブルに
SNS を置き換える形で、これらのサー ある程度限定的に見る方が良いと考え 答 え ら れ る よ う な 商 品、 サ ー ビ ス の
ビスは古くてスローすぎると感じてい
るティーンエイジャーに、もっと受け
められる。
入れられるような SNS が次々と市場に クラウドについては、保険業界でも既
入ってくるであろう。また、日本の場 に大手を含めて多数の活用事例があり、 情報量、スピードが増すにつれ、必要
合、ゲームの果たす役割が大きいと考
ファーストステージは完了している。 な情報をすぐに手に入れることができ
える。お遊びの世界でこれらを活用す
既 に、 如 何 に 活 用 領 域 を 広 げ、 高 度 るようになった顧客は、待つというこ
るステージの次は、これらを活用する
活用を図ることで、インフラコストの
13
とができず、その時点での興味をすぐ
図表 1 デジタル=「SMAC」が保険を変える
SMAC
図表 2 デジタルによる保険市場・顧客の変化
SMAC
S : ソーシャル
M : モビリティ
S : ソーシャル
市場トレンド
M : モビリティ
A : アナリティックス
A : アナリティックス
C : クラウド
ビジネスへの要求・影響
多様な生き方、
ライフスタイル
わがまま化
十人十色
バリエーション
フレキシビリティ
情報の氾濫
増し続けるスピード感 待てない消費者
短いセールスサイクル
利用可能技術、
タッチポイントの多様化
顧客情報獲得機会の増加
エクスペリエンス向上の可能性
C : クラウド
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に満たすことを重視する。これを前向
デジタルを活用した
きにとらえれば、保険のセールスも短
Target Operating Model
オペレーション改革を実施 し た 姿 を
いサイクルで終えられるようになる可
前述の様なデジタル技術の進展、そし
イメージしている。
能 性 が 出 て く る。 そ の 一 方 で、 保 険
(Online
to Offline) を 念 頭 に 置 い た
て、顧客・マーケットの変化に確実に
デジタル技術の活用というテーマで、
会社が気をつけるべきことは、顧客が 対応していくためのモデルとして、弊社
タブレット端末の導入に取 り 組 ん で
誤った理解、判断に基づいて保険商品 で は、 デ ジ タ ル を 活 用 し た 保 険 業 の
いる保険会社は多いが、その効果はペー
を契約することである。必要も無い高 TOM(Target Operating Model)と呼ぶ
パーレス化にとどまらない。オペレー
価なブランド品などを衝動買いした罪 ものを定義した。
ション全体を俯瞰して改革を徹底すれ
悪感のような、認知的不協和(cognitive
ば、営業生産性の向上や、事務プロセ
dissonance)によるブランドイメージ 図表 3 に示すのは、その TOM の全体
ス改善に対して、従来型の施策とは比
への悪影響を排除しながら、真に商品 像であるが、そのポイントを簡潔に言
較にならないほどの圧倒的な効果が期
うと以下の 3 点に要約できる。
を必要とする顧客を見つけ出し、短い
待される。
サイクルで商品を提供していくことが ① デジタルマーケティングをフル活用
大切である。
見込顧客を認識してから証券発送まで
したリード獲得
の期間(TAT)については、不備率が限
② ダイレクトチャネルでのナーチャ りなく
0% に近付くこと、また、ニーズ
化については、保険会社に多くの可能 リング
喚起や保険設計から申し込みにつなが
性 を も た ら す と 考 え て い る。 今 ま で
るセールス過程において、顧客の面前
保険会社が手に入れることの難しかっ ③ 対面チャネルでの迅速、確実な刈り
での設計書の修正・最終化できるよう
た真の顧客理解を得る機会はますます 取り
になることから、初回あるいは 2 回目
増え、いわゆるカスタマーエクスペリ
ネット上、あるいはダイレクトチャネ 等、早い段階の面談で契約をクローズ
エンスを改革し、より高い顧客満足を
ルだけで 完結するような保険マーケ する事が可能になると考える。インター
実現することが出来るようになるであ
ティング、販売の形態は既に複数社が ネ ッ ト お よ び、 コ ー ル セ ン タ な ど の
ろう。
取り組んでおり、一定の成果を収めて ダイレクトチャネルの段階で顧客ニー
い る。 こ こ で は、 伝 統 的 な 対 面 チ ャ ズを明らかにし、コンサルティングの
利用可能技術、タッチポイントの多様
ネルを持つ保険会社が、いわゆる O2O
実施を含めた事前のナーチャリングを
14
図表 3 デジタル保険の TOM(Target Operating Model)
1
契約に繋がる可能性が高い
見込み顧客(Hot Lead)の獲得
リード獲得
(Lead Generation)
ステージ
2
リード育成
(Lead Nurturing)
申込から契約における
業務プロセスの電子化
セールス活動
(Sales Process)
LG1
LG2
LN1
LN2
LN3
LN4
SQ1
SQ2
SD1
SD2
SD3
リード接触
リード獲得
リード識別
リード選別
リード育成
リード評価
案件化
検討
販売
チャネル
検討
商談開始
提案
商談
クロー
ジング
ステータス
マーケティングリソース管理
キャンペーン管理
カスタマーエクスペリエンス管理
カスタマーエクスペリエンス管理
インバウンドマーケティング
エージェンシー管理・コンテンツ管理
インバウンドマーケティング
エージェンシー管理・コンテンツ管理
メールマーケティング
ソーシャルマーケティング
求められる
機能
ソーシャルマーケティング
マーケティングオートメーション
営業への送客
営業計画
商談管理
取引先管理
パイプライン管理
顧客管理
マーケティング分析・ダッシュボード
セールス分析・ダッシュボード
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徹底的に行うことで、熟度が高まった
問い合わせに対する成約率は、圧倒的
アマゾンでリコメンドエンジンとして
リードだけを対面チャネルに送客、営
に高まることが期待できる。
活用されている「協調フィルタリング」
業生産性の飛躍的向上を実現できると
考えている。
また営業・事務領域におけるデジタル
化の推進は、従来、存在していた商品
を用いることで、引受緩和型商品等の
代替提案を行う等、デジタルの活用に
よって開かれそうな可能性は 枚 挙 に
既に SNS やキャンペーンサイトへの来
やチャネルによる事務プロセスの違い
訪などオンラインにおける接点をもっ
についても間接的に解消していくトリ
ている見込顧客や既存顧客に関してい
ガーとなるべきである。そもそもペー
えば、オンライン上の顧客動向・ビヘ
パーレスとなることおよび、不備率が ここでは、2014 年の保険をデジタルと
暇がない。
まとめ
イビアから、顧客のニーズや関心事を、 限りなく 0% となる事から、従来の営業 いう観点から書いてきたが、デジタル
データアナリティクスにより明らかに
事務プロセスにかかる事務量は 7 割~
のインパクトは今年に限らず、当分の
することで、その後、オフラインで実
9 割の削減が達成できるだろう。
間私たちの生活やビジネスのあり方を
際に顧客にあうタイミングでは、顧客
に対する一定の情報、例えば、家族構
成 や リス ク 選 好 を 踏まえた営業アプ
ローチが可能である。また、前述のよ
うに、何度となく訪問のアポを取るこ
となく、購入意欲が高まったタイミン
グで「鉄を熱いうちに打つ」事が可能
となるために、少なくとも、自発的な
15
その他にも、タブレット上で動作する
アプリケーションを契約者本人が操作
しながら申し込み(告知含む)を行う
ことで、引受プロセスにシームレスに
連携し、引受・医療査定を可能な限り
自動化することができ、成立・証券発
行にかかる時間を極小化できる。また、
変え続けるであろう。デジタルの世界
は猛スピードで変化し続けており、ど
こまでの変化があるのか、誰にも分か
らないだろう。数年間のデジタルの進
展を、2020 年の東京オリンピックと
同じように楽しみにしていきたい。
最近話題のプロジェクト
前4半期に引き続き、海外データセンター再編などのシステム刷新に関する
引き合いに加えて、経営モデル改革や全社プロセス効率化・カルチャー改革
等の全社的な改革のご支援をさせていただいております。
新たな成長に向けて全社をあげた取組が活発化している証左であり、弊社と
しても、お客様のパートナーとして、幅広い分野でより一層のご支援ができれ
ばと考えております。
業態
案件概要
CS
銀行
海外データセンター再編に向けた各種調査
○
全社業務プロセス効率化および、
カルチャー変革
○
総合証券会社としての管理会計構築および、
経営モデルの改革支援
○
○
ホールセールの営業力強化に向けた営業分析基盤の構築・導入
○
○
証券
保険
OS
TC
○
代理店向け申込書システムのWeb化・タブレット化
ITコスト削減に向けた既存ホスト資産の移行計画策定
○
○
営業システムのデジタル化に関するアジャイル開発・定着化支援
○
○
(略)
CS:コンサルティング、OS:アウトソーシング、TC:テクノロジー
16
アライアンスおよびパッケージ・システム
社名/ソリューション名
ソリューションタイプ
ソリューション概要
弊社/
Accenture Multi
Channel Platform
(MCP)
銀行向け
プラットフォーム
グローバルも含めた銀行業経験と先進トレンドを反映した次世代ハブソリューション。フロントエンドとバッ
弊社/
銀行・カード会社向け
プラットフォーム
Accenture Mobility
Managed Service
(AMMS)
弊社/
Accenture Life
Insurance Platform
(ALIP)
弊社/
Claim Components
Solution(CCS)
クエンドを分離し、商品・サービスの多様化や顧客志向のクロスセル営業プロセスをマルチチャネルで実現
する。顧客チャネル追加やバックエンドシステム統廃合を想定したSOA2.0型の柔軟なシステム間連携機能や、
マルチチャネルでの顧客情報統合管理、複数商品を跨るバンドル商品も含めた新商品・サービス生成、先進の
チャネルフロント構築機能をベースに、あるべき銀行のシステム全体像構築を効率的かつ強力に支援。
モバイルコマースのサービスデリバリープラットフォーム。モバイルバンキング・ポイント管理・ペイメント(NFC
含む)
・クーポン・マーケティングなどのモバイルマネー系のコンポーネントを有する。従来、携帯キャリアが
提供していたモバイルマネー系のサービスを金融プレーヤーが主導で構築できるため、スマートデバイスを
新たな攻めのチャネルとして活用することが可能。欧米において多数の導入実績を有する。
生命保険会社向け
契約管理システム
生命保険・年金保険の契約管理(サイクル)業務を包括的に支援する基幹系パッケージシステム。コン
ポーネント単位の組み合わせによって、最適な機能のみの導入が可能。北米を中心に60 社以上に
提 供中。2006 年 8月アクセンチュアが NaviSys 社を買収後、ソリューション名をアクセンチュア
生命保険プラットフォーム(Accenture Life Insurance Platform–ALIP)に改称。
損害保険会社向け
パッケージシステム
損害サービス業務全般をカバーするグローバル No.1のソリューション。北米トップ三社のうち二社
が導入しており、約7万人の事案担当者が日々CCSを使用、米国個人保険損害全事案中 36%はCCS
で処理されている。初期導入は1998 年で、16 社に導入済。個人保険、企業保険といった全商品に
対応。業務分析ツール等変革に必要となる要素を包括的に含む。
弊社/
Underwriting
Components
Solution (UWC)
弊社/
Memetrics
(Digital Marketing
Optimization)
Calypso
Murex
損害保険会社向け
引受業務支援
パッケージ
アカウント管理、
リスクセグメンテーション、外部データとの統合、指標管理といった機能に強みを持つ
全商品に対応し、引受業務全般をカバー。より迅速かつ適切な見積・引受を可能にし新たなリスクセグ
メントの開拓、
コンバインド・レシオの改善に大きな効果をもたらす。英RSAや米Allstate, Travelersといった欧米
トップ企業9 社が既に採用済。
マーケティング
チャネル最適化
ソリューション
Webサイトのランディングページ、E-mail、DM、リスティング広告、コールセンター等ダイレクトマーケ
ティング手段の活用を最適化し、売上増加、口座開設率の向上等、ROI の最大化を科学的かつ自動
的に実現。2007 年 12 月アクセンチュアが Memetrics 社を買収したことにより、コンサルティングを
含めたより総合的なソリューションとして提供可能。
トレーディング・
リスク管理システム
デリバティブ(株式、金利、コモデティ、クレジット)、外為関連のディーリングフロントオフィス・リスク
管理やバックオフィス業務を行うための市場系システムの導入支援。欧州を中心に世界で 200 名
以上のエンジニア(国内では約20名)と多数の導入経験により培った方法論を最大活用。
日興システム
ソリューションズ
(NKSOL)
証券・資産運用系
システム&
コンサルテーション
銀行、証券、投信投資顧問等を主要顧客として、総合証券システム、
オンライントレーディングシステム、
投信窓販システム、投信経理システム等を、ASP 型のシステムサービスとして提供。また、豊富な実務・
運用経験に基づく、業務・システム・技術コンサルティングを展開。2005 年、
より高度で幅広いサービス
をワンストップで提供すべく、
アクセンチュアとアライアンスを締結。
Odyssey Financial
Technologies
プライベートバンキング・ プライベート・バンキング/ウェルス・マネジメント・ビジネスを展開する上で必須となる顧客管理・ポート
システム
フォリオ管理・リスク管理・レポーティングを統合化したシステム「Odyssey」。要件定義、開発・導入、運用・保守
ウェルス・マネジメント・
まで Odyssey Financial Technologies 社とのアライアンスに基づいて日本にて展開。
システム
Oracle Financial
Services Software
銀行勘定系システム
コア・バンキングパッケージとして、新規 顧客 獲 得 数 4 年連 続世界 第一 位にランキング( 2002~
2005 年 、IBS 誌 )。現 在 の 顧 客 数 500 以 上、115ヵ国 以 上で サービ スを 提 供して い る「 Oracle FLEXCUBE 」。モジュール・アーキテクチャとして、機能が部品化されており、必要な機能のみの導入
が可能。また、商品をパラメータで設定可能なため、新商品の導入が容易。
BaselⅡ 対応システム
銀行勘定系システム
ERP
(人事・会計)
システム
データベース・システム
高品質・高付加価値な導入コンサルテーション、豊富な成功事例に裏づけされた安全・確実なシス
SAS Institute
イベント・ベースト・
マーケティング
クレジットライン最適化
リスク・マネジメント
サステナビリティ
CRM、リスクマネジメント、サステナビリティ等同社ソフトウェア・コンポーネントにより、金融業界では、
個人・法人向け顧客営業支援、
クレジットカード与信分析、BaselⅡAMA 分析、
カーボンモデリング等の
CSR環境アプローチ等、様々な分野における高度データ分析をリードするソフトウェア。
Temenos
銀行勘定系システム
SAP
テム導入、およびSAP社とのグローバルアライアンスに基づく手厚いサポートを提供。
“BWを中核とした
情報系システムの再構築”等、個別課題へのソリューションとして提供可能。
バンキング・システムとして、世界 120カ国、600 顧客サイトで利用されている「 Temenos」。
「 T24」は、
オープン・アーキテクチャにもとづき、カスタマイズ性と拡張性を提供し、
リアルタイム対応を可能と
17
するモジュラー構造。ハイ・パフォーマンスをリードするコア・バンキング・ソフトウェア。
弊社外部講演およびレポートのご紹介
「デジタルが保険を大きく変える ~この時代、
どうしたら保険が売れる
「成熟マーケットを勝ち抜くRisk
Adjusted オペレーティングモデル」
のか」
「The
Accenture CIO Mobility
Survey 2013 日本版 - モビリティが企業経営にもたらす
真価」
外部講演のご案内
( 株 ) セミナーインフォ主催 保険フォーラム 2013
(11 月 28 日 ( 木 ) 開催)に於いて、マネ
( 株 ) セミナーインフォ主催のセミナー
レポートのご案内
(1 月 24 日 ( 金 ) 開催)
に於いて、
シニア・ 最新の弊社レポートをご紹介させていた
マネジャー大窪章敬が「縮退する保険 だきます。
市場でどうしたら保険が売れるのか ~ 「 The Accenture
CIO Mobility Survey
2013 日本版 - モビリティが企業経営に
ジング・ディレクター渡辺宣彦が「デジ 『身近な保険会社』になるためのデジ
もたらす真価」
タルが保険を大きく変える ~この時代、 タル技術を用いた新たな施策 ( 仮題 )」
どうしたら保険が売れるのか」と題し、
と題し講演致します。こちらは有料セミ
ま た マ ネ ジ ン グ・ デ ィ レ ク タ ー 山 本 ナーです。詳細は http://www.seminar晋五が「成熟マーケットを勝ち抜く Risk info.jp/ をご参照ください。
Adjusted オペレーティングモデル」と
弊社が実施した
『2013 年アクセンチュア
CIO モビリティ調査( The Accenture
CIO Mobility Survey 2013)』の結果を元
に、日本の企業経営における現在のモ
題し講演を行い、お陰様でご好評いた
ビリティの活用状況を分析致し、モビリ
だきました。当日の講演資料、ビデオ
ティによって実現される本来の真価と
および、関連レポートが掲載されている
現状のギャップを明らかすると共に、
サイトをご紹介します。よろしければ
その解決に向けた提言をまとめました。
ご参照ください。
http://www.accenture.com/jp/ciomobility
2013 よりご参照ください。
www.accenture.com/jp/20131128_
digital
www.accenture.com/jp/20131128_
riskmanagement
以上ご不明な点などございましたら、
金融サービス本部マーケティング担当
([email protected])
までお問い合わせ下さい。
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会社概要
アクセンチュアについて
グローバル拠点数:
アクセンチュアは、経営コンサルティング、
世界54カ国 200 都市以上
テクノロジー・サービス、アウトソーシング・
売上高: 286億米ドル(2013年8月期)
従業員数: 27万5千名以上
会長兼最高経営責任者:
ピエール・ナンテルム
(Pierre Nanterme)
アクセンチュア株式会社
本社所在地:
〒107-8672 東京都港区赤坂1-11-44
赤坂インターシティ
電話番号: 03-3588-3000(代表)
FAX:03-3588-3001
従業員数:
サービスを提供するグローバル企業です。
約27万5千人の社員を擁し、世界120カ国以上
のお客様にサービスを提供しています。豊富
な経験、あらゆる業界や業務に対応できる
能力、世界で最も成功を収めている企業に
関する広範囲に及ぶリサーチなどの強みを
活かし、民間企業や官公庁のお客様がより
高いビジネス・パフォーマンスを達 成でき
るよう、その実現に向けてお客 様とともに
取り組んでいます。2013年 8月31日を期末と
する2013年会計年度の売上高は、286 億US
ドルでした(2001年7月19日NYSE上場、略号:
ACN)。
アクセンチュアの詳細は
www.accenture.comを、
アクセンチュア株式会社の詳細は
www.accenture.com/jpをご覧ください。
5,000名以上(2013年8月31日時点)
代表者:
代表取締役社長 程 近智
URL:
www.accenture.com/jp
金融サービス本部トップページ
www.accenture.com/jp/fs
お問合せ先
ニューズレターの掲載内容に関するお問合
せは、 金融サービス本部FS Architect担当
マネジング・ディレクター 森 健太郎
[email protected]へ
ご連絡ください。
送付先の変更・停止等に関するご連絡は、
同封のFax用紙・ご郵送にてご連絡ください。
03-3588-3000(代表)
03-3588-3001(FAX)
FS Architect専用サイト
www.accenture.com/jp/fsarchitect
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