( )
フランス新人口センサスの基本設計の展開
西
目
村
善
博
次
はじめに
1
人口センサスの延期と新センサス構想
人口センサスの延期と新センサスの目標
コンセイユ・デタの意見
2
∼年における計画の進展
年における の提案
科学委員会レポート
第1回 方法論セミナー
標本設計の転換―住宅標本から住所標本へ―
3
調査方針の確定
新センサス関連法の公布後の状況
調査方針の確定
4
推計の現段階
第3回 方法論セミナー以降の展開
年次結果における人口推計
センサス結果と法定人口における共通の推計方針
今後の課題――結びに代えて――
はじめに
近年, 欧米諸国においては, 人口センサスに関して, 多様化の傾向が強まっ
ている。 北欧諸国を中心に, 統計調査に基づくセンサス (調査型センサス) か
ら行政レジスターに基づくセンサス (登録簿型センサス) への移行が進展して
きた。 登録簿型は, オランダというような北欧諸国の外にも広がりつつある。
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フランス新人口センサスの基本設計の展開
ドイツでも登録簿型への移行計画が進展しており, 年 センサスラウン
ドへの参加が期待されている。
他方, 英米仏のように, 調査型を維持しつつも, 我が国の国勢調査のような
伝統的なセンサス (全数調査) とは, 異なる方式を採用する国が現れている。
英国では, 別途実施された大規模標本調査から得られた本調査での調査漏れの
規模と分布情報を用いて, 本調査結果を補正し調整済み統計値を作成するワン
ナンバーセンサス方式を採用した (年センサス)。 英国型ワンナンバーセ
ンサスへの移行を断念せざるを得なかった米国では, 詳細票の調査事項を標本
調査としてセンサス本体 (全数調査) から分離し, センサスの調査事項を軽減
することにより把握精度の確保を図る計画である (年センサス)。 フラン
スは, 標本調査を組み込んだローテーション型センサス (ローリングセンサス)
という新たなモデルの構築を目指しており, 年初頭に, 新しいシステムの
下での最初の調査を実施した (西村
)。
われわれは, こうした欧米諸国, とりわけ 各国における人口センサスの
動向についての詳細な把握を目標としている。 しかし, それは今後の課題とし
て残すことにし, 本稿では, これまで追跡してきたフランスの新人口センサス
について, 計画から実施段階におけるセンサス設計の基本方針の展開を示し,
現段階における課題について若干の考察を行うことにしたい1)。
1
人口センサスの延期と新センサス構想
人口センサスの延期と新センサスの目標
年月の閣僚間決定 (
) により, 当初,
年に予定されていた第回一般人口センサス (従来の人口センサス) が,
) 以下の本論は, 筆者が経済統計学会第回全国総会 (年9月3日) において
行った報告 (センサスと統計調査の変容:フランスの事例) の人口センサスに関す
る部分をベースに, その後の展開を加筆したものである。
( )
予算上の問題のために, 具体的には, マーストリヒト条約により規定された厳
格な予算基準を遵守するために延期された (
)。 これに
関して, 年代のフランスの財政状況を若干, 敷衍しておこう。
年代後半以降, フランスは, 歳出削減や国営企業の民営化等による収入
によって財政赤字は縮小傾向にあった。 しかし, 年から年にかけての景気
後退期に財政収支は急速に悪化した。 通貨統合への参加基準達成のため, バラ
デュール内閣は, 雇用対策を重視しつつも, 歳出削減や石油製品税の増税等に
よる財政赤字削減に取り組んだ。 また, 財政5か年計画法により財政再建目標
を示すとともに, 毎年の歳出の伸び率を物価上昇率以下に抑えることにした。 年発足のジュペ内閣でも, 財政赤字の削減と雇用拡大を目標に, 歳出抑制や付
加価値税率の引上げなどによる財政改革を推進した。 この結果, 年代後半には
景気回復による税収の増加もあり, 年には財政赤字は 比
%となって
年に通貨統合への参加が決定した (内閣府政策統括官室編 , )。
このようにセンサスの延期が決定した時期は, フランスでは, 経済通貨同盟
への参加に向け財政赤字の削減が課題となっていた。 センサスに関しては, 政
府部内で, 延期決定と同時期に 「予算的に負担の大きい実施作業を一定期間に
分散することの必要性と, そのような作業の技術的な制約との間で, 適切な妥
協をすることが重要」 (
) ということに窺えるよ
うに, センサスの実施に伴う, 特定の時期に突出する支出が問題となるととも
に, 新しいセンサスの要件が示唆されている。 すなわち, 新センサスの目標は
実施費用の分散化であり, これによって, 予算上の理由からセンサスを延期さ
せないようにすること, 国家のために予算上の負担を平準化させ, 予算をより
予測可能にすることである (
∼)。
年3月, 国立統計経済研究所 (
) は, センサス局 (ワシントン)
で, 新センサスに関する報告を行った。 それが最初の構想であって, は, 次のような新センサスに関する4つの原則を提示する (
!
( )
フランス新人口センサスの基本設計の展開
)。
①
コミューンの規模に応じて調査方法を区別する。 すなわち大コミューン
(人口1万人以上) では標本調査, 小コミューン (人口1万人未満) では全数
調査を利用する。
②
データ収集を当年のできるかぎり長期間かつ毎年に拡張する。
③
収集データだけでなく, あらゆる行政上の地方データにもとづき, セン
サスタイプの最終推計値を導出する。
④小コミューンは6年に一度, 大コミューンは毎年, 行政利用のために, 2
重カウントを含む, 人口推計値 (法定人口) を公表する。 さらに, 人口5千人
以上のどの地理上の地域についても毎年, 人口推計値とセンサスタイプのデー
タを公表する。 次に, 調査の設計, データ収集に関して, の提案を付
言しておこう (西村
)。
小コミューンでは, コミューンを単位とする年次ローテーショングループを
作成し, 各コミューンの全数調査によって, 原則, 6年周期で, 全コミューン
を調査する。 他方, 大コミューンの場合, 各コミューン内で5つのブロックグ
ループを作成し, 5年周期で, 全グループを標本調査によって調査する, とい
うものである。 標本調査については, 標本抽出フレームとして, は,
たとえば戸からなる連続的地域の編成を提案する。 しかし同時に, その編成
の困難さも指摘している。 実際, この方向での進展はその後みられない。
はまた, データ収集に関して, ローテーション方式の導入に伴い調
査実施の分散化を図ることを強調する。 すなわち, 小コミューンでは, データ
収集期間としてコミューン毎に1ヶ月間を充てるが, 調査対象の年次グループ
を2つの基準日を設けて調査するとともに, 大コミューンでは, 学年度 (N−
1年9月∼N年6月)2) において, 年次ブロックグループを連続調査すると提
) では, 単に 「9月∼6月」 と書かれているので筆者が
一部補った。
( )
案する。 なお, 推計に関しては, かなり限定的な提案にとどまるので省略する。
ところで は, 最初の構想の年センサス以降における実施に向け
て, 年以前に新しいルールを定義すべきと主張する (
)。 しかし, 最初の構想によって, 新センサスの方向性が決着をみ
たわけではない。 代わって, その方向性を補完・修正したのが年7月2日
のコンセイユ・デタ (
) の意見である。
コンセイユ・デタの意見
)
ここでは, 3) 及びウーフルの報告書 (
をもとに, コンセイユ・デタの意見を検討する。 それは主として次の点に関係
する。 ①政府に人口センサスの実施を根拠づける法案の提出を勧告, ②処理の
平等の必要性, ③客観性の保証の必要性である。
まず①のセンサス関連法の勧告によって, 「フランスでは年毎の人数の数
え上げは合法的ではない。 センサスは法律の問題さえない。」 (
) という状況が解消する可能性が生まれた。 実際には, 年6月
日に新センサス関連法案の審議が国民議会で始まり (
),
年2月に法案決定後, 公布 (身近な民主主義に関する年2月日法第
号) という経過をとる。
②の処理の平等に関して, コンセイユ・デタは, コミューンの規模に応じて
異なる調査方法を適用するという提案は, コミューンが人口数の作成に応じて
違った状況に置かれていることを反映しており, 異なった処理それ自体は, 平
等の原則に反するものではないとする。 こうして, 最初の構想に見出された人
口規模による調査方法の違いが認められる。 これは上記の新センサス関連法に
よって確定する。
) は, ページ数が記載されていないので, 必要なかぎり, 節を示す
記号で引用箇所を示すことにした。
( )
フランス新人口センサスの基本設計の展開
③の客観性の保証について, コンセイユ・デタは, 次のような見解を表明し
ている。 センサスの実施作業全体の複雑さを鑑みて, とりわけ, 普通選挙の表
明および地方公共団体の財政に対して, その作業が帯びる重要性を鑑みて, 政
府は, 特に, 全国統計情報評議会 (
) の協力により, あらゆる客観性の
保証を与えることによって, 確かに, より容易に, その重大な改革を受入れさ
せるだろうとする。 すなわち, が新センサス計画を進めるに当たって,
大規模あるいは幅広い協議を行うこと, 特に, の協力のもとで協議を行
うことが要請された。 これは, 次節でみるように, まず年の におけ
る
と統計利用者グループとの協議として実現されることになる。
ところで, 新センサスに関する最初の構想では, はコミューンの協
力については調査回答の秘密保護の観点から消極的であった。 ところが, 年4月の 会議において, のジャコ (
) は, 「
とコミューンの役所間の協力関係は, 情報収集の完全性のために改善せねばな
らないだろう。 役所は, 実査の情報収集において, 最初にあげるべき重要な当
事者である」 (
) という趣旨の発言をし, 最初の構想と, 逆
の方向性を提案した。 こうした方針転換の契機の一つとなったと思われるのが,
コンセイユ・デタの 「関係のあるコミューンの首長と対立して, センサスの実
施作業が進められることやその作業の結果が決められることを命じるような,
どんな権利の一般原則も立法規定もない」 (
) という見
とコミューン間の役割分担
解である。 なお, センサスの実施における を前提とした協力関係についても新センサス関連法に組み込まれることになる。
2
∼年における計画の進展
年になると, が大規模な協議を始めたため, 新センサス計画は
新しい局面を迎える。 の意向は, 新センサスを利用者とともに, かつ
利用者のために考案されたプロジェクトとすることであった (
( )
)。 そのため, たとえば, において と統計利用者グループ間
の長期的な協議が実施された (年4月∼
月)。 この協議の過程で, 新セ
ンサス計画の全体像が提示される。 また, センサスの革新に関する 4) 方法論セミナーが計3回開かれ (
年月, 年月, 年6月),
このセミナーの最終回の議論を更新する論文が
年統計方法論会議 (
年
月) で公表されるに至る。
このような経過をとり, センサスの設計に関する議論が進展する。 その過程
で, 重要な方針転換, すなわち住宅標本から住所標本への転換が第2回 方法論セミナーで提案されることになるので, 本節では, その方針転
換までの展開を示したいと思う。 そこでまず, , にもとづき, 年における の提案をみていこう。
年における の提案5)
は, 結果の公表として, N年末に, ①フランス全国及び大地域6) に
ついて, N年1月1日付の第1次の統計結果 (最初の公表は
年末), ②N−
2年1月1日付のコミューン内から全フランスに関する詳細な統計結果 (コミュー
ンの法定人口を含む。 最初の公表は
年末で, 年1月1日に関する結果で
ある) を提案する7)。 以下, 前者を 「年次結果」, 後者を 「詳細結果」 と略称
し, それぞれに対応する推計を 「年次推計」, 「詳細推計」 とする。
は, 人口1万人を境界に, それ以上 (大コミューン) とそれ未満
(小コミューン) に分けて調査の方針を提案する。 小コミューンは全数調査の
) はフランス統計学会 (
) の略号である。
) ここでは の !∼
に掲載された "#
$
%
&
"
'
°
()!に依拠している。
ただし, データ収集に関する提案については, による。
) その当時, 大地域の規定は未定であった。
) なお は, 推計の方針 (あるいは数値例) を提示する場合, N年末に, 推
計基準時点の推計値を作成あるいは求めるという視点で, 議論を進めている場合が
ある。
( )
フランス新人口センサスの基本設計の展開
対象となるが, 同時に調査されることはない。 毎年, のコミューンの割合
で, ローテーション方式によって調査する。 たとえば, 性・年齢のような変数
に関して, コミューンの5つのローテーショングループへの均衡的な配分を検
討する。 他方, 大コミューンでは, 8) の層別化に基づき, 標本抽出
フレームとして利用される建物登録簿 (
) によって, コミューン域を5つ
の建物グループに分割することが可能とされ, は, 小コミューンと同
様に, 均衡抽出法によるローテーショングループへの分割を提案する。 それぞ
れの大コミューンでは, 毎年, 最初に, 住宅に関する事前調査を, 調査対象と
なるグループで, すなわち, の建物について実施し, 次に, 住宅標本に対
する調査を実施する。 結局, 5年間に, %の住宅を調査し, %の人口を
調査するとされる。
データ収集に関して, は, 学年度 (N−1年9月∼N年6月) にお
ける連続的調査の実施を提案する。 ただし, 各コミューンついては1ヶ月間を
充て, 収集データは, 後で, 基準日の1月1日付に修正するというものである。
は, 詳細推計に関して, 行政データを利用すること, すなわち, 所
与の年について, 調査結果と行政ファイルによって与えられたデータとの間の
ズレを, 細かい地理レベルで測定し, そのズレを推計に利用することを提案す
る。 は, この方法によって, N年に, すべての地域について, N−2
年1月1日付の総合データ (詳細結果) の作成が可能であると主張する。
科学委員会レポート
上記のような の提案に対して, 科学委員会の検討が重要である。 科
学委員会は, センサスの革新を進めるための一環として設置され, のも
) は
(統計指標による再
グループ化都市ブロク) の略号である。 これは, 人口約2千人か約の住宅, あ
るいは平均して∼の建物からなる同質的な小地区 ( ! !
") である。
( )
とで, により提案された法定人口の測定の精度を確認することを任務
とする (
)。 科学委員会は, その計算に伴う過程も検討の
対象としたために, 同委員会レポート (
) は,
の提案の全般を検討したものになっている。 以下, そのレポートにも
とづき, 標本設計, 人口の連続的な観察, 諸結果に影響を及ぼす不確実性に言
及する。
科学委員会は, 標本設計に関して, がきわめて完全な連続的な更新の
仕組みによって, 建物の新規参入や転用を, うまく探知することが可能になろ
うとする。 反面, 事前調査は与えられたグループの建物の全住宅を決定するこ
とになっているが, 標本抽出フレームに偏りを導入するおそれがあると言う。
ただし同委員会は, 事前調査のよりよい点検が情報収集に関するわずかな追加
費用で可能になるだろうとも指摘する。
人口の連続的な観察に関して, 科学委員会は, 最大の注意点として非回答を
指摘する。 すなわち, 部分センサスの時に, 妥当なレベルで, その率を維持す
るために, 以前と同様に, 住民の参加を確保できるだろうか。 この質問はあら
ゆるコミューン―その規模がどれほどであろうとも―にとって意義がある。 人
口が標本調査をもとに算定されるコミューンの場合, もし採られる解決策が5
つの年次部分を作成するために, 建物の均衡標本抽出であれば, 伝統的なセン
サスの回答率あるいは地域抽出フレームに基づく雇用調査の回答率よりも, 通
常の調査の回答率に近くなることがおこりうると指摘する。
科学委員会はまた, 次の点を指摘する。 一つの人口を特徴づけるために, さ
まざまな日付で収集されるデータの系統的利用は, 新しい概念的・技術的問題
を提起するだろう。 プロジェクトを良好に発展させるために, が研究
所内外で, それを正確に認識・解決するための手段を見いだすことが重要であ
ると言う。
科学委員会はさらに, 諸結果に影響を及ぼす不確実性が新方法の基本的争点
( )
フランス新人口センサスの基本設計の展開
であるとする。 同委員会は, 不確実性のカテゴリーとして, 標本抽出に結びつ
く不確実性 (偶然誤差), 調査の捕捉率, 調整に伴う不確実性 (行政データへ
の依拠や外挿, 内挿等に起因するもの) を列挙し, それらを特定・推定し, 適
切に切抜ける必要があると主張する。 すなわち, 最初の詳細結果の公表に至る
期間において, 不確実性の測定を実現し, 推計値の改善のために, 一定の予算
で, 不確実性を最小化するように取組む必要があると指摘する。
こうした科学委員会の問題提起に対する の対応として, データ収集
(調査実施) に関する方針転換が注目される。 すなわち, 毎年の一定の時期
(1月と2月) への変更である。 それは, 第1回 方法論セミナー
(年
月) に向けて公表された や当該セミナーの直前に
作成された に見出される。
この変更の理由について, われわれは, 関係の文献では確認できな
い。 そこでリヤンディ (
) の所説 (
) に着目する
と, 彼は, 連続的な調査実施が回答率の低下を招くおそれがあること, 各年1
月1日時点への情報の修正が技術的問題を引き起こすとともに, にお
いて, 最近, 年次データ収集に関して一時期への転換の動きがあるが, そうな
れば当該の問題が解消し, 高い回答率を望めること, 調査の広報活動も容易に
なるだろう, と指摘している。 すなわち, においてもリヤンディのよ
うな判断が働いたのではないだろうか。 いずれにせよ, データ収集の時期の変
更によって, 科学委員会が人口の連続的観察に関して提起していた問題の回避
が見込めることになる。
は, 最初の構想の時から連続的調査の実施を提案していた (ただし,
最初の構想と
年の提案では違いがある)。 したがって, この変更は大きな
方針転換を意味するとともに, これ以降, この変更を前提に, 新センサスの目
標である実施費用の分散化 (予算の平準化) が主張されることになる。 次に,
第1回 方法論セミナーにおける議論に言及する。
( )
第1回 方法論セミナー
は, 第1回 方法論セミナーにおいて, 年の提案を
より具体化した調査及び推計の方針を提示する (
)。
まず は, 人口センサスに利用される方法の変更は費用の増加を伴わ
ないことが同意されている。 したがって, 5年周期のローテーションによって,
年につき, 万人をやや越える個人票を収集することが可能であろう。 5年
周期は, 国際的な勧告や実践に一致しており, より迅速に更新情報を提供する
ことに好都合であると言う。
は, 大コミューンについては, デジタル地図を利用する。 大コミュー
ンは, 全体で, , 年のいずれも, 人口の%を占める。 その地図は により補完され, によって, エリア別に居住用建物に関する標本抽出が
可能となる。 他方, は, コミューンの法定人口の作成がセンサスの目
的の一つであり, それが小コミューンにおいて5年毎に悉皆的なデータ収集を
維持することを選択させたとする。 実際, 小コミューンにおいては, 十分な精
度を得るためにはきわめて高い抽出率となり, 標本調査の実施に伴うコストを
正当化できないからである。
要約すると, 人口の半分については を使って, 他の半分については領
域の網羅的なリストアップにより, 万人の人々を5年周期で調査すること
は, 抽出率 () 8%, すなわち建物グループの人口の%の抽出率とな
る。
小コミューン
大コミューン
こうして提案される標本設計は, 次のようになる。 小コミューンは, 毎年,
の割合で調査され, 対象の全住宅が訪問される。 他方, 大コミューンは,
毎年, 訪問されるが, 一部の住宅 (約8%) のみが調査される。 小コミューン
と大コミューンの間で, 人口がほぼ2等分されるので, 住宅の約の年平均
( )
フランス新人口センサスの基本設計の展開
抽出率となる。
は, 小コミューンのローテーショングループの均衡抽出法による地
域圏別9) 作成に関して, ローヌアルプ地域圏のケースや均衡の安定性に関する
テスト結果を提示する。 他方, は, 大コミューンにおける各 の層別化について, 建物規模の分布に応じて, 必要ならば, 3つの層 (小, 中,
大) まで作成し, 各層のなかで, 小コミューンと同様の方式で, 5つの建物ロー
テーショングループの作成を提案する。 さらに各 において, 3つの
補足層 (経済活動用建物, 共同利用施設, 新しい建物) の作成も提案する。
推計について, は, 年次推計と総合推計 (詳細推計) に分けて説明
する。 前者では, 大コミューンの場合, 調査結果に対して層別化に対応したウェ
イト付けを行い, 小コミューンの場合も調査結果に対しウェイト付けを行うこ
とによって, フランス全国や大地域レベルの推定値を得るという方法である。
他方, 後者では, 調査が非実施の年における詳細推計値を求める場合, ある年
次の調査結果を更新するために, 行政ファイルデータの年次間の比を修正係数
として適用するという方法が示される。 第2回 方法論セミナー
(年月) では, そのような方法が によって発展させられ, 詳細
なモデル計算例が提示されるに至る (
)。
ところで, 新センサスへの移行の時期及び最初の詳細結果 (法定人口を含む)
の公表の時期については, 年段階まで, 先延ばしの状況にあった。 ところ
が年6月頃に, は, 新システムによる調査開始を年1・2月, 詳
細結果の最初の公表を年末と提案する。 同時に, 年次推計の対象地域をフラ
ンス全国と地域圏とすることを提案する (
)。 さらに
第2回 方法論セミナーでは, は, 大コミューンの標本設
) では, 場合によっては, 各地域圏のなかで小コミュー
ンを農村部と都市部の2つの層に分け, それぞれにおいて5つのローテーショング
ループを作成するとされていたが, この提案は実現していない。
( )
計において, 住宅標本から住所標本への変更を提案する。 それは次節でみるよ
うに, データ収集のテストにおいて, 事前調査の実施が難しいことが認識され
たからである。
標本設計の転換―住宅標本から住所標本へ―
によると, 年の前半に, 3つの 地方局において,
住宅に対して, 標本調査の実施方式がテストされた。 リスト法と住所法で
ある。 リスト法では, 住宅リストを作成するための事前調査を実施し, それか
ら標本抽出を行い, 調査員に, 調査住宅のリストを預け, 場所の特定を委託す
る。 住所法では, 所与の住所の全住宅を調査する。 そのテストでは半数の住宅
(戸) がそれぞれの方式で調査されたが, 調査員の影響を除去するために,
各調査員は二つの方式を同数ずつ実施した。 なお, 調査員はその機会に募集さ
れ, 調査に関して特別の経験を持たない。
このテストによって, は, 事前調査が複雑で難しい作業であること
を認識する。 たとえば, ①居住者の名前付きの住宅リストを作成するという理
由のみで建物に入ることは難しい。 ②記述的情報 (階の状況等) を用いる住宅
の場所特定は, 調査員によって利用することが難しい。 それは原則的に名前を
用いて実施されたが, これは満足すべきものではなかった。 ③事前調査情報の
入力, 調査住宅の抽出とリスト作成は, 恐るべき組織的な問題を提起する。 手
帳からの情報入力は, 調査員のほとんど判読できない記帳のために (彼らはた
いてい建物の中で立って作業しているので) 困難である。 ④調査員の大部分が
住所法を好み, その実施がより容易であることなどである。
こうして は, 次のような結論に至る。 リスト法は抑え難いカバレッ
ジの偏りを生成する。 全体の精度が, それによって影響を受ける。 このことは,
データ収集の過程を脆弱化する性質のものと考えられる。 したがって は, システムの頑健性を強化するために, かつデータ収集作業を容易にするた
( )
フランス新人口センサスの基本設計の展開
めに, 完全な住所抽出を優先することを決定したのである。
3
調査方針の確定
新センサス関連法の公布後の状況
年2月末に, 身近な民主主義に関する
年2月日法第
号
が公布された。 その第V編が 「センサス実施作業」 (
) であって, それは, センサス実施組織に適用可能な原則を定義し, 基
本ルールを設定することを目標としたもの (
) で, 3条
(第∼条) から構成される。 この法律によって, 人口センサスの実施が
法的に根拠づけられるとともに, これ以降, 新センサス計画は, この法律を前
提に展開されることになる。
ところで, この新センサス関連法の公布後の時期は, が新センサス
システムの下, 最初の調査を実施するための準備段階にある (
)。
すなわち, 前述したように, 年1・2月における新システムへの移行および
年末における最初の詳細結果 (法定人口を含む) の公表が確定した時期とい
える。 なお, 年末の最初の公表については, 新センサス関連法の第条Ⅵ
項, Ⅹ項の規定により, 法定人口の最初の公表がデータ収集の最初の5年間の
末であることによる。
このスケジュールの確定が, その後の展開に影響を与える。 すなわち,
は, 調査に関する事項を優先的に取り扱い, 推計に関しては, 緊急性
がより小さいとする。 したがって本節では, 前者を取り上げることにし, 後者
は次節で取り扱うことにしたい。
そこで新センサス関連法における調査に関係する事項を列挙すると, まず第
条Ⅵ項で, センサスの調査日がコミューンによって違いが生じうると規定
され, 小コミューンでは, 調査は悉皆であり, 5年の間で毎年, ローテーショ
ンによって行われること, 大コミューンでは, 標本調査が毎年, 実施され, そ
( )
の全域が同じ5年間に考慮に入れられると規定される。 すなわち, これまで提
案されてきた調査の枠組みが法的に確定した。
他方, 調査の実施体制として, とコミューン (あるいはコミューン
間協力公施設) 間の基本的な役割分担が規定される (第
条Ⅲ項)。 すなわち,
データ収集は によって組織・規制されるのに対して, 実査の準備・実
施はコミューン (あるいはコミューン間協力公施設) が担うことが規定される。
さらに, 第条において, 標本調査の実施方法に関する特別委員会が に設置されることが規定された。 同委員会の意見は, 関連政令 (デクレ) の署
名に先立ち, 標本調査の実施方法を決定するために採り入れられることが予定
される (
)。
特別委員会は, 実際には, 年5月日, 7月2日, 9月
日の3回開催
される。 また, 年9月付 レポートに, 「コンセイユ・デタの意見を経
る政令案の構造と内容」 (
) として予告された政令について
は, 「人口センサスに関する年6月5日政令第
号」 (
, 西村訳 , 以下 「年6月5日政令」 と略) とし
て制定される。 その後, 「人口センサスに必要なコミューン配分に関する
年6月日政令第
号」 (
), 「人口センサ
スに関する年6月5日政令第
号の第・条の適用に関する
年8月5日省令」 (
) が制定されるにいたる。
このように年中頃, 新センサスの年実施に向けて, その実施規則の整
備が進展する。 さらには, 大コミューンの標本抽出フレームとして利用される
についても, 年調査のための標本抽出が年6月の実施に向け, その
整備が進展する。
調査の設計については, 第3回 方法論セミナー (年6月)
や年統計方法論会議 (年月) 等で, ほぼ決定的な方針が提示される
(!
"
, #
$
$
% )。 それはコミューンの一般の住
( )
フランス新人口センサスの基本設計の展開
宅に関するものである。 その後, 年5月付で公表された
るために
センサスを理解す
(
) において, 上記の政令や省令を踏まえ, 調査の
設計や調査の実施方法等が包括的に提示されたので, 推計の方針 (後述) を理
解するのに必要な限りで, 確定した調査の設計や調査の実施方法の概要に言及
する。 その際, は, 第3回 方法論セミナーで, 主要な問
題が標本抽出単位の規模の分散であるとし, 住所標本の層別化を提案した
(
) ことに, 留意しておきたい。
調査方針の確定)
調査方法は, コミューンの人口規模に応じて大別される。 小コミューンでは,
コミューンが地域圏毎に5つのローテーショングループに分けられ, 毎年, そ
の1つのグループが交替で悉皆的に調査される。 5年間で全グループ (したがっ
て全コミューン) が調査されることになる。
5つのグループは, 地域圏におけるコミューン全体のできるだけ忠実な像に
なるように構成される。 すなわち, 各グループは, 均衡抽出法により, 年
人口センサス結果にもとづき, 人口統計的変数 (性, 年齢) やいくつかの住宅
カテゴリーを基準に構成される。 その結果, 各グループでは, 同一の人数や住
宅数ならびに同一の人口統計的構造が確保される。
他方, 大コミューンでは, 小コミューンと同様の方法により, コミューン毎
に住所が5つのローテーショングループに分けられ, 毎年, その1つのグルー
プが交替で標本調査により調査される。 すなわち, 毎年, グループの住宅の
% (コミューンの住宅の8%, したがって人口の約8%) が調査される。 した
がって, 5年間で, コミューンの住宅の%が調査される。
) 本節は文中に示した引用を除いて ∼
, ∼
, ,
!
"
#
に依拠する。 ただし, 西
村 $ %%
∼の修正である。
( )
住所の5グループへの配分および各グループからの標本抽出は, をも
とに行われる。 住宅数に応じた住所の多様性や年次の変化に対応するために,
住所が3つのカテゴリー (層) に区分される。 すなわち, 大規模住所層, 新住
所層, その他の住所層である。 大規模住所層 (住所あたり少なくとも住宅)
は, コミューンの住宅数の最大%を占め, 5年で悉皆的に調査される。 新し
い住所層における住宅も数年のうちにすべて調査される。 3つの住所層から抽
出される住宅数が, 年次の各グループにおける住宅の抽出率 (%) に合うよ
うに調整される。
小コミューンの場合, 最初の5年間 (∼年) が経過後, 次の5年間で
も同じ順序で全グループが調査される。 したがって, 各コミューンは5年毎に
調査が実施される。 大コミューンの場合, 最初の5年間における順序で, その
後も, 住所グループが調査される。 ただし, 人口変動により, コミューンが属
する人口規模のカテゴリーに変化が生じる可能性があり, その場合, コミュー
ンに適用される調査方法も変更される)。
以上は, 実査の担当がコミューンであり, フランス本国におけるコミューン
の一般の住宅 (あるいは世帯) を対象としている。 その住宅は住民がふだん居
住しているところであって, 本宅とみなされる。 本宅の居住者は世帯を構成す
る。 調査票は住宅票と個人票に分けられ, 住宅票には3種類のリストがある。
リストAにはその住宅の常住者 (学業のために他のところに住む未成年の子供
や, 職業上の理由のために他の居所がある配偶者等を含む), リストBには学
業のために他のところに住む成年に達した子供, リストCにはその他の居住者
(たとえば, 家族の居所は他のコミューンにあるが, 当該コミューンに学業の
ために居住する未成年者) がそれぞれ記載される。 こうした分類は後述の法定
) 年6月5日政令によれば, 当初, 小コミューンに属したコミューンが2年連
続, 1万人以上となれば, 大コミューンの調査規定が3年以内に適用される一方で,
当初, 大コミューンに属したコミューンが2年連続, 1万人を下回れば, 5年以内
に, 小コミューンの調査規定が適用される。
( )
フランス新人口センサスの基本設計の展開
人口の算出のために利用される。 調査は, 基本的に調査員による調査票の留置
き・回収をもとに実施される。
一般の住宅以外の施設や特殊な住宅 (共同利用施設, 移動住宅, 家のない人々,
船員・船上生活者) については, 別の規定が適用される。 共同利用施設につい
ては, が調査を担当し, 調査時期が一般の住宅とはややずれる。 小コ
ミューンでは, 共同利用施設は, 住宅と同じローテーショングループに組み込
まれるので, その調査は, 住宅を調査する年に実施される。 したがって, 各コ
ミューンの施設は交替で5年毎に調査される。 他方, 大コミューンにおいては,
データ収集の負担が毎年, ほぼ同一となるように, 地域圏毎に, 施設を5グルー
プに分け, 各グループが交替で調査される。 原則として, 各コミューンの施設
は5年に1度調査されるが, 例外として, 施設が多数にのぼるコミューン (約
コミューン) では, 調査は2年以上に分けられる。
ここで共同利用施設の主なカテゴリーをみておくと, 次のようなものがある
(
)。 ①公営あるいは民営の中長期入院用医療
施設, 中長期滞在社会施設, 退職者用施設など, ②宗教上の共同利用施設, ③
兵舎, 宿営地, 基地や軍事上のキャンプ, ④生徒や学生の収容施設 (軍事教育
施設を含む), ⑤刑務所施設などである。 は, これらの施設の規定に対
応し, 関連情報の更新を行うために施設リストの作成・整備を進めている。 そ
れは, 年人口センサスをもとに作成され, 実地報告や種々の行政ファイル
によって更新される。
陸上の移動住宅にふだん居住している人々 (以下, 「移動住宅の人々」 と略
称) および家のない人々については, 小コミューンでは住宅 (世帯) を調査す
る年に, データ収集の最初の2日間に調査される。 大コミューンでは, 5年に
1度 (年以降), 同時に調査される。
さらに船員・船上生活者については, により, 5年に1度 (年
以降), 航行路機関の協力を得て, 調査が実施される。
( )
4
推計の現段階
第3回 方法論セミナー以降の展開
第3回 方法論セミナー (
年6月) では, 第2回同セミナー
において発表された推計方法 (
) に対して, それが複雑なプ
レゼンテーションであったので, 行政データの利用をひとまず棚上げにし, 調
査データそれ自体によって何が言えるかという観点から推計の検討が行われた
(
)。 換言すれば, 推計への行政データの利用が課題として残さ
れたことになる。 その後, 法定人口の推計に関する文献が散見されるようになっ
た (たとえば )。 さらに は,
に
センサスを理解するため
(
) において, 結果の公表に対応させ, 系統的に推計方法
を提示するに至った。 そこでわれわれも, この文献を利用して, 推計の現段階
を考察することにした。
において, は, センサスの生産物を法定人口と統計
結果に大別し), 後者をさらにセンサス結果と年次結果に区分する。 既述のよ
うに, は, 結果の公表について, 年次結果と詳細結果の公表を提案し
てきた。 いうまでもなく詳細結果がセンサス結果に対応する。 これ以降, われ
われも に即した用語を使用する。
ところで, は, 統計結果の作成において, 人口推計に大部分を割い
ている。 またセンサス結果では, 推計対象がコミューン人口である。 他方, コ
ミューンの法定人口の計算方法では, 後掲の表4のような法定人口のカテゴリー
に対応した推計の提示ではなく, センサス結果の作成の場合とほぼ同様の項目
) 法定人口は, 政令によって認証される。 法定人口は, たとえば, コミューンに対
する財政上の交付額やコミューン会の会員数を決定するために利用される。 その利
用は公的な性格を帯び, 法文の適用を課せられることを意味する。 統計結果が, 場
合によっては信頼区間付きの推計値として提示されるのに対して, 法定人口は意思
決定を論争的にしないように, 概数や信頼区間付きの推計値として提示されること
はできないとされる (
)。
( )
フランス新人口センサスの基本設計の展開
別に, 推計の方針を示している。 したがって, センサス結果と法定人口では,
推計に関して, かなりの重複がある。
われわれは, こうした点を考慮に入れ, 以下, まず年次結果における人口推
計をとりあげ, 次に, センサス結果と法定人口の作成における推計の共通方針
を示し, 異なる事項に関しては 「今後の課題―結びに代えて―」 (後述) にお
いて言及する。
年次結果における人口推計)
年次結果の作成の目的は, センサスの年次調査の結果をもとに, 全国及び地
域圏レベルで, 迅速かつ完全な統計的記述を行うことにある。 は, 年
次結果における人口推計について, コミューン別に, 世帯人口 (本宅人口)),
共同利用施設人口, 移動住宅の人々, 家のない人々, 船員・船上生活者に区分
して提案する。
() 小コミューン
まず世帯人口の推計からみていこう。 小コミューンの場合, 毎年, 調査対象
のグループは各地域圏人口のであるように規定されたので, データの初期
ウェイトは5に等しい (すなわち抽出率の逆数)。 しかし, 変化を考慮して,
そのウェイトを少し修正する必要がある。 たとえ諸グループがほぼ同じテンポ
で変化するにせよ, 人口のの割合が常に正確に守られることは保証できな
い。 コミューンの統合や分離により, 初期の均衡が少し撹乱されることや, 人
口1万人を境界とするコミューンの所属カテゴリーに変化が生じることもある
) 本節は に依拠する。 ただし, 西村 ∼の修正
である。
) では, 「統計結果」 の節 (
) において 「本宅人口」 が使われ,
「法定人口の計算方法」 の節 (
) において 「世帯人口」 が使われている。 両者は
一致するので, 以下, 主として 「世帯人口」 を使用する。
( )
からである。
は, 毎年, コミューンの年次分布を正確に把握し, 最新センサス
(∼年では
年センサス) の本宅数 (世帯数)) 及び人口の結果を把握
している。 は, それらの結果に対して, 年次グループによって代表さ
れる本宅数により地域圏割合を正確に計算できるので, その比率を外挿の適切
なウェイトとして規定することが可能であるとする。 たとえば, 所与の年に,
あるグループのコミューンが, 最新センサスデータに対して, 地域圏のコミュー
ン全体の住宅数の%を占めていたならば, そのグループのデータは係数
=
によってウェイト付けされる。
共同利用施設については, それが属するコミューンのローテーショングルー
プに組み込まれて調査されるので, 地域圏全体の施設人口の推計では, 世帯人
口の推計と同様のウェイトを利用するとされる。
移動住宅の人々, 家のない人々, 船員・船上生活者については, 最も簡単な
解決策は, ある年の調査の時に収集されたデータを次の調査まで維持すること
であるとされる。
() 大コミューン
世帯人口の推計からみていこう。 大コミューンでは, 収集データが標本設計
に応じてウェイト付けされる。 大規模住所層と新住所層は悉皆的に調査される
ので, まず, その他の住所層の処理が課題となる。
はウェイト付けのメカニズムの説明のために表1のような数値例を
提示する。 コミューンの住宅総数を, 大規模住所層を(各住宅×
住所), 新住所層を(各住宅×住所) とする。 大規模住所層は年に
つき4住所グループ, 新住所層は年につき住所グループを調査する。 その他
) 世帯数と本宅数は一致する。
( )
フランス新人口センサスの基本設計の展開
表1
標本設計の例 (大コミューン)
階層
大規模住所層
新 住 所 層
その他の住所層
計
住宅数
2000
1000
22000
25000
年次グループ
400
200
4400
5000
出所:INSEE
2005
年次標本
400
200
1400
2000
D.4.3.3.1
の住所層は合計住宅で, からなる5グループに分けられる。
年次標本は1つのコミューン計で8%, すなわち住宅である (×
)。 大規模住所層から住宅, 新住所層から住宅が調査されるので,
その他の住所層では住宅が調査される。 その他の住所層における年次標本
の単位は=
という係数によってウェイト付けされる。
なおコミューンによっては, 大規模住所層の住所グループが5未満の場合が
あり, その層が選択されない年が生じるために, 大規模住所層について, 同じ
計算方式を適用できないという問題が生じる。 この解決策として, は,
結果普及の基準が地域圏なので, 地域圏レベルで結果の復元のための外挿係数
を求める方式を示している。
他方, 共同利用施設に関しては, 原則として, 地域圏毎に5グループに配分
され, 各コミューンの施設が5年に1度調査される。 しかし, 各グループは,
種々の施設に住む住民について, コミューン全体の代表となるように均衡化さ
せたものではない。 このための解決策として, は, ある年に収集され
たデータを, 次の調査まで一定とすることを提案する。
年の施設人口の推計を例にあげると, その年に調査されたグループの施
設人口に, その年よりも前に調査された他の4つのグループの施設人口を加算
することになる。 なお調査の最初のサイクル (
∼年) の場合, たとえば
年の時, 未調査のグループについては, 年人口センサスの結果を利用
する。
( )
移動住宅の人々, 家のない人々および船員・船上生活者については, 5年に
1度, 同時に調査され, 小コミューンと同様に次の調査まで一定とするとされ
る。
センサス結果と法定人口における共通の推計方針
センサス結果と法定人口におけるコミューン人口の推計に関して, 推計の共
通項目として, 世帯人口, 共同利用施設人口, 移動住宅の人々, 家のない人々,
船員・船上生活者があり, いずれもN年末に, N−2年1月1日基準の推計値
を求めることから, 推計の方針は共通する。 それについて, 「法定人口の計算
方法」 の節 (
) にもとづきみていこう)。
() 小コミューン
まず世帯人口について, は, N年末に, N−2年1月1日基準の推
計値を求めるための方針を示す (表2参照)。 は, コミューンが属する
ローテーショングループに応じて, もっとも最新の調査結果をN−2年1月1
日付で更新することが必要という観点から, 次のように言う。 最新の調査が推
計日 (N−2年1月1日) よりも前であれば, 外挿によって更新する (ローテー
ショングループⅠ, Ⅱ), 最新の調査が推計日よりも後であれば, 内挿によっ
て更新する (ローテーショングループⅣ, Ⅴ), N−2年の調査の場合は, 調
査結果を利用する (ローテーショングループⅢ)。
は, 外挿の場合, それが2年の外挿であっても, 傾向を延長するだ
けでは, 重大な人口統計的結果をもたらす出来事が調査直後に生じる場合, 危
険でありうると主張する。 このため は, 外挿では, 住居税 () ファ
イルの補助情報 (本宅数変化率) を利用する。 すなわち, 本宅数と世帯人口に
) ただし, 西村
∼
の修正である。
( )
フランス新人口センサスの基本設計の展開
関して, 最新の2つの調査間の年平均変化率の差を求め, 外挿の際に, その差
を既知の本宅数の変化率に適用して, 世帯人口の推計値を得るという方式であ
る。 他方, 内挿の場合, は, 2年の内挿は現実から乖離する危険が決
してなく行政ファイルへの依拠は不要とする。 具体的には, N−3年の推計値
を外挿によって求め, そのN−3年推計値とN−1年あるいはN年の調査結果
との間で内挿を行うことになる。
表2
世帯人口の推計 (小コミューン)
ローテーショングループに応じた調査年
コミューンが
属するローテー
N−2
N−1
N−6 N−5 N−4 N−3
ショングループ
(推計年)
Ⅰ
N−4年からN−
2年への外挿
調査
Ⅱ
調査
Ⅲ
Ⅳ
Ⅴ
N
(公表年)
N−3年からN−
2年への外挿
調査結果を利用
N−1年とN−
3年推計値との
内挿
調査
調査
N年とN−3年
推計値との内挿
調査
(注) 年の記号を原文のAからNに変更している。
出所:INSEE
調査
2005
D.3.2.1
次に, 共同利用施設人口の推計の場合も, 世帯人口の場合と同様に, 原則は,
外挿と内挿である。 ただし, 外挿の場合に, 利用される補助情報は施設リスト
であって, 外挿は, 施設の調査人口を, そのリストで観察されるように変化さ
せることにあるとされる。
移動住宅の人々と家のない人々および船員・船上生活者については, 5年に
1度, 調査され, その結果が次の調査まで (したがって5年間), 一定に維持
される。
( )
() 大コミューン
は, 世帯人口の推計について, 最新の5年間の結果を合計し, その
期間における平均人口及び平均住宅数の推計値を得るために利用する。 しかし
5年の平均人口も平均住宅数も, 中間年 (N−2年) の人口・住宅数に等しく
ない。 そこで は, 一方で, 対象となる5年分の収集データをもとに計
算された住宅当たりの平均人数が中間年のそれにきわめて近いという仮説をも
うけ, 他方で, 中間年の住宅数は によって得ることができることから,
中間年の人口を得るために, 住宅当たりの平均人数を中間年の住宅数に乗じる
方式を提示している (表3)。
次に, 共同利用施設の人口, 移動住宅の人々, 家のない人々および船員・船
上生活者については, 原則として小コミューンの場合と同様の方式で処理され
る。 例外的に, 共同利用施設の調査が数年間に分けられる大コミューンでは,
それぞれ部分集合の人口を小コミューンで示された方法に基づき, 各部分集合
表3
世帯人口推計の数値例 (大コミューン)
公表年
2015
2016
2017
2018
2019
2020
世帯人口の推計年
2013
2014
2015
2016
2017
2018
推計年のコミューンの RIL に
おける住宅総数 (L)
6000
6100
6150
6200
6230
6300
推計年の住所ローテーション
グループの住宅数
1200
1250
1300
1180
1200
1260
住所グループの推計人口
2400
2500
2400
2520
2600
2360
5つの住所グループの人口の
合計 (P)
12260
12380
5つの住所グループの住宅の
合計 (I)
6130
6190
住宅あたり平均観察人数 (P/I)
12260/6130 12380/6190
人口 (L×P/I)
12300
12400
出所:INSEE 2005 D.3.1.1。 なお表中の 「公表年」 は原表の 「法定人口の公表年」 を
本稿の展開にあわせて修正したものである。
( )
フランス新人口センサスの基本設計の展開
のデータ収集年を考慮して別々に推計するとされる。
今後の課題――結びに代えて――
年1・2月に, フランスの新センサスは新たな段階を迎えた。 それまで
の計画段階から実施段階への移行である。 したがって調査に関しては, その実
施に伴う問題が提起されるようになった。 年8月, に, 「新人口セ
ンサスの情報収集過程評価部」 が設置され, 年4月, それが 「人口センサス
全国評価委員会」 に継承された。 この委員会の目的は, センサスの実施状況の
点検, すなわち調査の組織, 準備, 実施などに関する評価と改善の提案を行う
ことにある
)。
たとえば, 評価委員会の第2回会議 (年3月9日開催) では, 建物登録簿
(
) 及び年調査の実施組織が議題となり, の整備や調査の準備段階
やその実施に伴う諸問題が提起されている (
, )。 われわ
れは, 本稿で, 調査の実施体制の展開を詳細にはとりあげなかったので, 次の
課題として, そうした問題を検討したいと思う。 その際, により, 調
査の実施体制の整備が
年頃から精力的に取組まれたことを考慮にいれながら,
調査実施における諸問題の生起とそれへの の対応というような枠組み
でアプローチしたいと思う。 それによってローテーション方式のセンサス (ロー
リングセンサス) がもつ諸問題を調査実施面から把握できるものと考える。
次に, 推計に関しては, 人口推計に限定して, 統計結果と法定人口をとりあ
げた。 推計は調査対象別に示された。 すなわち, 一般の住宅 (あるいは世帯),
施設・特殊な住宅等 (共同利用施設, 移動住宅等) 別に推計の方針が示された。
これは, いうまでもなく調査の設計や実施方法を反映したものである。
センサス結果及び法定人口の作成 (推計の共通部分) では, 世帯人口 (本宅
) !"#
" !
!
#
(
年6月アクセス) による。
( )
人口) の推計において, は, 行政データ等に基づく情報を推計の補助
情報として利用した。 これは, 小コミューンでは, 外挿のために住居税 ()
の住宅数変化率を利用する点や, 大コミューンでは, 中間年時点の世帯人口を
推計するために, の住宅数を利用する点に見いだされる。 第3回 方法論セミナーにおいて, 行政データとの関連付けが課題として残さ
れていた。 この意味では, その課題が達成されたといえる。 ただし, が第1・2回 方法論セミナーにおいて提示した推計方法に比較
すると, 行政データ等の組み込みがきわめて簡素化されたといえる。
また は, 共同利用施設人口の推計のために, 施設リストの利用を提
案する。 その更新には, 全国保健・社会施設 (
) ファイル, 寄宿舎を
有する学校施設ファイル, 刑務所施設ファイルなどの行政データが使われ, こ
れら更新用の情報源は共同利用施設の約%及び大規模施設の全体をカバーす
るとされる (
)。 他方, 移動住宅の
人々や家のない人々, 船員・船上生活者については, 調査結果を補正するよう
),
な適切な補助情報を利用できないことなどから (
ある年の調査結果が次の調査まで一定に維持される。
このように推計方法の構築にあたって, 行政データ等に基づく補助情報が重
要な役割を担っている。 換言すれば, ファイルデータ, や施設リスト
の整備・更新が依然として重要な課題といえる。
ところでセンサス結果の作成については, コミューンの人口のみが対象では
ない。 では, 小コミューンにおける世帯数の年次詳
細ファイルの項目があり, 人口推計の前年比を利用した世帯数の推計が示唆さ
れている。 また の 「統計結果の新しい利用」 の節 (
) では,
公表予定と思われるさまざまな統計結果 (年次結果及びセンサス結果) につい
て, シミュレーションをもとに, 問題点の究明が行われている。 また, の報告書 (
) においても, それに関する作業が示されている。
( )
フランス新人口センサスの基本設計の展開
そこで, われわれも次の課題として, さまざま統計結果の作成に伴う問題を検
討したいと思う。
最後に, 法定人口の推計をとりあげる。 コミューンの法定人口は, 自治体人
口, 非自治体人口, 総人口 (自治体人口+非自治体人口) から成る (
, )。 自治体人口 (
) は, 当該
コミューンにふだんの居所がある人々 (自治①∼③), 刑務所施設に拘留され
た人々 (自治④), 家のない人々 (自治⑤), 移動住宅にふだん居住している人々
(自治⑥) から成る (表4参照, なお括弧内のカテゴリーの略称は筆者が便宜
的に設定したものである)。
他方, 非自治体人口) は, 当該コミューンとの関係を保持しており, ふだん
の居所が他のコミューンにある人々から成る。 すなわち, 当該コミューンに家
族の住宅があるが, 他のコミューンに学業のための住宅がある歳未満の成人
の生徒や学生 (非自治①), 当該コミューンに家族の住宅があるが, 他のコミュー
ンの共同利用施設 (生徒・学生の収容施設や刑務所施設を除く)) にふだん居
住している人々 (非自治②) に加えて, 学業のため当該コミューンに居住して
いるが, 他のコミューンに家族の住宅がある未成年の生徒や学生 (非自治③)
を含んでいる。 さらに年1月3日法) の意味で, 当該コミューンで調査さ
れないが, そのコミューンに関係付けられる住所不定者 (非自治④) も含む。
法定人口の推計について, は, 世帯人口), 共同利用施設の人口,
移動住宅の人々, 家のない人々および船員・船上生活者, 非自治体人口のそれ
) 原文では, 例外的に数えられる人口 (
) であるが,
ここでは自治体人口と対比的に表現した。 なお, 西村訳 で用いた訳語を
変更している。
) によれば, 本稿の 「
調査方針の確定」 で述べた共同
利用施設のカテゴリーのうち①∼③が該当するとされる。
) 正式には, 「巡業活動の実践および住所も定住地もなくフランスで巡回する人々
に適用可能な制度に関する, 改正年1月3日法第
号」 である。
) 世帯人口は法定人口のカテゴリー自治①に対応する。 われわれは, 西村 で, 同カテゴリー自治①について, 職業上の理由のために別居した配偶者, 学
( )
ぞれについて, 推計の原則を提示している。 これらの項目は, 非自治体人口を
除き, 本稿では, 「センサス結果と法定人口における共通の推計方針」 として
既にとりあげた。 そこで, 非自治体人口の推計を追加しておくと, は
次のように言う。 それは調査に応じて毎年, 更新される。 たとえば, 他のコミュー
ンの共同利用施設に居住するが, 当該コミューンに自宅をもつ人々の数は, 他
のコミューンの調査に応じて更新されるとする (
,
)。 ここでは, 法定人口のカテゴリー非自治②が例示されたといえる。
表4
法定人口のカテゴリー
注1)
(自治①)
当該コミューン 住宅に居住する人々
に, ふだんの居 共同利用施設に居住する人々注2) (自治②)
生徒・学生の収容施設に居住する成人の人々 (自治③)
自 治 体 所がある人々
人
口 刑務所施設に拘留された人々 (自治④)
家のない人々 (自治⑤)
移動住宅にふだん居住する人々 (自治⑥)
他のコミューン
にふだんの居所
があり, 当該コ
非自治体 ミューンとの関
人
口 係を保持してい
る人々
当該コミューンに家族の住宅があるが, 他のコミューンに
学業のために住んでいる, 25歳未満の成人の生徒あるいは
学生 (非自治①)
当該コミューンに家族の住宅があるが, 他のコミューンの
共同利用施設にふだん居住している人々注2) (非自治②)
学業のため当該コミューンに居住しているが, 他のコミュー
ンに家族の住宅がある未成年の生徒あるいは学生 (非自治③)
当該コミューンで調査されないが, そのコミューンに行政的に関係付けられ
る人々 (非自治④)
注1) 職業上の理由のため別居した配偶者, 学業のため別居した未成年の生徒・学生の
ふだんの居所は家族の住宅である。
注2) 生徒・学生の収容施設 (軍事教育施設を含む) 及び刑務所施設を除く。
出所:INSEE 2005 annexe D.1 の図にもとづき作成した。 また各カテゴリーの末尾の
括弧内に, その略称を追記した。
業のため別居した未成年の生徒・学生に関する部分の修正の必要性を述べたが, 同
カテゴリー自治①は住宅票リストAで把握され, そのような人々を含む。 したがっ
て, その指摘は不要であった。
( 9)
フランス新人口センサスの基本設計の展開
以上が法定人口の推計として提示された項目であり, 表4のような法定人口
のカテゴリーに即したものではない。 共同利用施設の人口については, 法定人
口のカテゴリー自治②∼④及び非自治③に細分する必要がある。 また, 同カテ
ゴリー非自治①は一般の住宅を対象とする調査 (世帯対象の調査) で把握され
る住宅票リストBの該当者であり, 同カテゴリー非自治③には住宅票リストC
の該当者を追加することが必要になる。 しかし, リストB及びCの該当者に関
する推計は, 明記されていない。 さらに同カテゴリー非自治④は県リストによ
り把握されるが, この該当者に関する推計も明記されていない。
法定人口の推計は, センサス結果におけるコミューン人口の推計を基準にす
るにせよ, それから細部の調整が必要と思われる。 いずれにせよ, 法定人口の
カテゴリーに即した推計の提示が望まれる。
参考文献
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)
!!!
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(&年
5月アクセス)
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内閣府政策統括官室 (経済財政分析担当) 編
3,
3年春
世界経済の潮流
国
立印刷局刊。
西村善博
3 , 「フランスの新人口センサス計画に関する最初の構想」, 大分大学経
済学会
大分大学経済論集
西村善博 (訳)
第""巻第5号, ∼
。
3 「フランス共和国
レ第04
32"号 」 大分大学経済学会
人口センサスに関する0年6月5日デク
大分大学経済論集
第"巻第2号, 3年7
月, +∼00。
西村善博
, 「センサスと統計調査の変容」, 経済統計学会
統計学
第+号, 0∼3。
西村善博
, 「フランス新人口センサスにおける推計の現段階」, 日本統計研究所
研究所報
0, 3+∼"。
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