共同危険行為等の禁止違反捜査要領について(概要) 昭和53年12月1

共同危険行為等の禁止違反捜査要領について(概要)
昭和53年12月1日発交指第792号
警察本部長から県下各所属長あて
暴走族については、取締りの強化、検挙、補導解体等、各種施策の推進にもかかわらず、
暴走族による不法行為事犯が、全国的に多発している。
そこで、12月1日から施行される改正道路交通法において新たに、2人以上の自動車
等の運転者が2台以上の自動車等を通行させる場合等において、共同して、著しく道路に
おける交通の危険を生じさせる行為等をしてはならないこととし、暴走族による不法行為
を排除することとなった。
本件違反行為は集団による犯行であり、捜査、検挙についても各種の困難性を含んでい
るので、これに対する捜査検挙要領を作成したので、参考とし、適正捜査に努められたい。
第1 共同危険行為等の禁止について
1.立法の経緯(目的)
共同危険行為等の禁止規定(道交法第68条)は、いわゆる暴走族が、深夜公共の
道路で集団による最高速度違反、信号無視、整備不良車両の運転等の道路交通法無視
の暴走行為をはじめとして、対立組織の抗争事犯や、一般人に対する暴力事犯を敢行
し、市民生活の平穏を著しく脅かし、これが大きな社会問題として取り上げられなが
ら、従来の道路交通法では個々の自動車の運転者の違反行為を規定しているにとどま
り、暴走族による集団走行に対しては有効な法的措置がなかったことから、これに対
処するため、一定の走行の行為、態様を共同意思のもとに実行したものを共同危険行
為等としてとらえ、規制することによって、暴走族を防除しようという趣旨で立法化
されたものである。
2.共同危険行為等の意義
共同危険行為等とは、2人以上の自動車等の運転者が2台以上の自動車等を連ねて
通行させる場合において、共同して著しく道路における交通の危険を生じさせる行為
等をいう。
現行の道路交通法そのものが、個々の車両等の通行方法を定めているのであって、
車両等を連ねて通行させたり、又は並進させたりなど、2台以上の車両等が集団で通
行する場合における通行方法について規定されていなかったため、この規定が新設さ
れ、暴走族の集団暴走行為を集団として評価し「共同不法行為」としてとらえ、これ
を禁止したものである。
以下
略