日新火災海上保険株式会社

日新火災海上保険株式会社
事例紹介
損害保険における少量多品種種目の保険証券の IT 化
SVFとStraForm-Xの採用で、入力・照会・印刷を 1 つの環境で構築
保険証券の発行環境を短期構築、業務を効率化
様々な保険に柔軟に対応できる仕組みで、顧客サービスの向上を実現
メインフレームの業務を切り出し、
オープン化を検討
適切なシステム投資を同一のインフラで実現
写真左より
情報システム部 副部長
IT 企画グループ Manager 山本 育生氏
システム開発 3 部
障害積立契約グループ 中田 真司氏
日新火災海上保険株式会社
設立:1908 年 6 月(明治 41年)
所在地:東京都千代田区
神田駿河台 2-3
事業内容:顧客にとって最も身近で信
頼される損害保険会社になることを
企業理念に、自動車保険や生活安
全総合保険、
傷害保険、企業向け損
害保険など、幅広い商品を展開。夜
間や休日でも専門家が対応する「安
心サービスセンター」やご契約内容
確認 MAP、事故体感ツール、インタ
ーネット約款など、顧客の視点で考
えたサービスを提供している。
URL:http://www.nisshinfire.co.jp/
2006 年 9 月 30 日にミレアホールディングスと
の経営統合により、ミレアグループの損害保険会
社として新たなスタートを切った日新火災海上保
険株式会社(日新火災)は、
「お客さまに最も身近
で信頼される損害保険会社」を目指したビジネス
モデル構築を推進。
「お客さま本位」
の経営理念を
中核に、わかりやすい保険商品の提供やお客さま
サービスの向上に努めている。
現在の損害保険業界は、規制緩和や自由化の
加速により価格競争が激しさを増すとともに、顧
客の利便性向上や保護がより一層求められれるよ
うになるなか、IT の戦略的活用が重要な課題とな
ってきている。こうした環境のもと日新火災では、
こ
れまで手作業で対応していた少量多品種種目の
保 険 商 品 に おける 保 険 証 券 の 印 刷を Super
Visual Formade(SVF)と StraForm-X を中心に
システム化。この多機能印刷・照会システムの導入
により「きれいな証券」を発行し一層のお客さまサ
ービスの向上を目指している。
日新火災の情報システム部 副部長 IT 企画グル
ープ Manager の山本 育生氏は、
「損害保険は、
た
とえば、自動車保険や火災保険、傷害保険、賠償
責任保険など、非常に多岐にわたる。それぞれの保
険をホストコンピューターで管理し、保険証券の出
力までを開発すると膨大なコストが必要となる」と
話す。
これまで、扱い件数の少ない種目の証券につい
ては、手書きの申込書をもとに証券を作成してき
た。しかしながら、
「お客さま本位」
を経営理念の中
核に据える同社にとっては、
「お客さまにきれいな
証券をお届けする」ことは重大な課題であり、少量
多品種種目の保険証券発行についてもシステム化
導入背景
導入ポイント
することが求められていた。そうしたなか、オープン
系サーバーを使用することで、
短期間かつ低価格に
システム化することが検討されていた。
SVF への信頼性から StraForm-X を採用
短期間で柔軟性の高い基盤を構築
日新火災では、全社で使用する業務系・損害サ
ービス系オンラインの帳票システムに SVF が採用
されており、信頼性の高い帳票ツールとして認知さ
れていた。このことがきっかけとなり、サーバーで証
券 発 行を行 う多 機 能 印 刷・照 会 システム に
StraForm-X が採用された。
「新しいシステムの構築においては、開発コスト
の削減や開発期間の短縮を目的に、パッケージ製
品を活用するという方針があった。そこで、多機能
印刷・照会システムの画面まわりの開発にもパッ
ケージ製品を使いたいと思っていた。SVF を採用
していたことから、SVFとの相互性が高く変化に
柔軟に対応できる StraForm-Xしかないと思って
いた」
(山本氏)
また、日新情報システム開発のシステム開発3
部、中田 真司氏は、
「アプリケーション開発は、基
幹になる部分と入力画面の部分、帳票出力の部分
など、いくつかのパーツを組み合わせることで実現
される。中でも画面まわりの仕組みを追加するの
は、画面の関連性なども考慮する必要があるため
に多大な時間を要する。SVFと StraForm-X によ
り帳票と画面を同一イメージで作成し、システムに
後乗せできる仕組みを実現することが、メンテナン
ス面でも非常に有効になると考えた」と話す。
導入効果
●少量多品種種目の保険証券発行に
おける印刷のシステム化
●画面作成専門のパッケージ製品
●開発コストの削減
●柔軟かつ短期間で種目追加ができる
帳票基盤の実現
●手書き帳票からの脱却
●開発期間の短縮
●将来の拡張に向けた柔軟性
●業務の効率化
●顧客サービスの向上
日新火災海上保険株式会社
SVF と StraForm-X を中核に
オープン系サーバーでシステム構築
多機能印刷・照会システムは、メインフレーム上
の基幹システムに入力された保険の申し込みデー
タを、FTP 経由でオープン系データベースサーバ
ーに転送し、Webブラウザーから必要なデータを
付加して保険証券の印刷を行なう。また、営業店の
担当者が顧客の問い合わせに返答するために、契
約内容を Webブラウザー上で照会するための機能
を持つ。メインフレームで管理されているデータは、
XML データに変換されオープン系サーバー上で処
理されるという仕組みになっている。
具体 的な仕組みとしては、帳 票のフォームを
「StraForm-X」で HTML 化し、この Webフォーム
から入力されたデータを「StraForm データトラン
ジット」経由で XML データとしてデータベースに
展開。XML データを連携ソフトウエア「Universal
Connect/X」を介して「SVF for Web/PDF Java
Edition」に送ることで、XML データから保険証券
が 生 成される。クライアント PC の「SVF for
Web/Client」がデータを受け、作成された保険証
券は担当者が必要なときに出力、参照することが
できる。
日新火災が、多機能印刷・照会システムを構築
した理由を山本氏は、
「従来の手書きの申込書を
ベースとした保険証券の運用では、事故が起こっ
た際に申込書を管理している部署からFAXで送っ
てもらう必要があり、非常に時間と手間がかかる作
業だった。
」と話す。
多機能印刷・照会システムは、ホストコンピュー
ター か ら 抽 出した デ ー タを XML に 変 換 し、
StraForm-X で作った画面に表示し、足りない項目
を入力して帳票を作成する方法で運用されている。
「保険種目が多いために、システム化の工数など見
極めにくく、なるべく柔軟性の高い仕組みを検討し
ていた。帳票レイアウトを作り、それをコピーして
画面を作り、システムに容易に組み込める仕組み
は、StraForm-X なしでは実現できなかっただろう」
(中田氏)
StraForm-X および SVF を採用した多機能印
刷・照会システムが稼働したのは 2006 年、要件
定義からカットオーバーまで半年で実現した。山本
氏は、
「短期間でシステム化ができたが現在まで大
きなトラブルもなく稼働しているので満足度は高
い。ただ現在は、ようやく 2 種目が動いているだけ
なので、本当の意味での本番はこれからだと思って
いる」と話す。
「最大の効果は、社員が共通の情報を Web 画
事例紹介
面で見て共有できること。また、手作業がなくなっ
導入製品
たことで入力ミスが軽減し、きれいな保険証券を
印刷できるようになった」
(山本氏)
多機能印刷・照会システムの運用開始後は、帳
票イメージをそのまま確認画面にでき、顧客からの
問い合わせに対しても迅速に対応ができるように
なり、業務効率が格段に向上している。また、これ
までは手作業や FAX 対応だったやり取りが担当
者の PC で直接データを参照できるようになった
ことも効率化に一役買っている。
Super Visual Formade
膨大な帳票開発の効率化と多様な出
力要件に応えるための、帳票開発支援
ツール
StraForm-X
帳票フォームを HTML 化し、Webブ
ラウザーからのデータの入力/送信を
可能にする Web 入力画面作成ツール
毎年、数種目ずつ機能を追加
代理店向け帳票の電子化も計画
SVF for Web/
PDF Java Edition
ブラウザーからの要求により、アプリ
ケーションサーバー上でサーブレットを
起動し、
サーバー上の指定フォルダに
PDF を生成するモジュール
日新火災では今後、毎年、数種目くらいずつ種目
を追加し、システム化していく計画だ。そのとき、新
しい種目を簡単に追加できる仕組みを実現できた
ことに多機能印刷・照会システムを構築した本当
の意味がある。
「従来の作り方であれば、種目を増やすたびに外
部のシステム開発会社に開発を依頼する必要があ
ったが、このシステムでは帳票をデザインするだけ
で新しい仕組みを追加できる。顧客の要望があっ
たものから順次システム化していくことになる」
(山
本氏)
日新火災では、数多くの代理店に紙に印刷した
帳票を配布しているが、今後はこの帳票を電子化
することも検討にあがっている。まずは社内のペー
パーレス化を実現し、さらに代理店へと広げていく
ことも 今 後 の 目 標 の ひ と つ で あ り、SVF と
StraForm-X への期待もますます高まっている。
クライアント
PC
Internet Explorer Ver6
Mozilla Thunderbird
.NET Framework Ver1.1
Windows XP
■StraForm-X で作成した
Web フォーム入力例
Webサーバー
HTTP
多機能印刷・照会システム
StraForm Data Transit
StraForm-X
SVF for Web/Client
IBM WebSphere Ver5.1
IBM AIX 5L
DBサーバー(HA構成)
JDBC
ホスト連携
DB2 XML Extender
DB2 UDB V8.2
Enterprise Server Edition
FTP
ホスト
システム
IBM AIX 5L
印刷処理
SMTP
POP3
Printサーバー
LDAP認証
Universal Connect/X
SVF for Web/PDF Java Edition
IBM AIX 5L
認証サーバー・メールサーバー
DB2 UDB V8.2
Enterprise Server Edition
PostFix
OpenLDAP
RedHat Linux ES2
■多機能印刷・照会システム
システム概要
[ 本社 ]TEL: 03-5962-7300[ 大阪オフィス ]TEL: 06-6225-7481[ 名古屋オフィス ]TEL: 052-218-9520[ 福岡オフィス]TEL: 092-419-2480[ 仙台オフィス ]TEL: 022-217-8081
本リーフレットに掲載した会社名および製品名は、各社の商標または登録商標です。掲載内容は 2007 年 5 月現在のものです。
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