GO GLOBAL2016 - 中央大学グローバル人材育成推進事業

中央大学が育成を目指す
グローバルパーソン像とは。
中央大学は、実学教育に基づいて推進してきた「知性×行動特性」学修プログラム※をベースに、
グローバルパーソンとして、語学力に加え幅広い教養や突出した行動力、
高度な専門知識を持つ「GG・GL・GS」の育成を進めています。
※中央大学では、
大学卒業後も社会的・職業的自立を図るために必要な能力として
「
『知性
(専門的知識・技術)
』×
『行動特性
(コンピテンシー)
』
」を掲げています。コンピテンシー
として 7 分野 31 項目(コミュニケーション力、組織的行動能力等)を設定。授業科目や課外行事等を通じて、専門的知識・技術の向上と合わせそれぞれのコンピテンシー
向上を図れるカリキュラム構成をしています。学生のコンピテンシー向上を支えるオリジナルシステムとして「C-compass(シーコンパス)
」
(⇒ P5)も導入しています。
2016
G G グローバル・ジェネラリスト
国際感覚を持って実務を主体的かつ着実に遂行。
多様性の中で自確力(Identity)を高め、
相互理解を図る。
幅広い教養とコミュニケーション力を身に付けた人。
複数言語を用いて文化的背景の異なる人と協同できる人。
母国のみならず他国の歴史や文化を理解し、
異なる価値観にも適切に対応できる人。
G L グローバル・リーダー
広い視野で問題解決に取り組む。
高度な組織的行動能力で創発をリード。
異文化・多文化理解力と
高度な外国語コミュニケーション能力を身に付けた人。
文化的背景の異なるメンバーの中で
バランス感覚を持ち合わせ、提案できる人。
多様性を活かし、創発をリードして相乗効果を生み出せる人。
GS グローバル・スペシャリスト
磨かれた専門性で創発する。
高度な知識獲得力と創造力を、
グローバルに活かす。
専門領域での外国語コミュニケーション能力を身に付けた人。
専門的知識を社会システム全体の中で位置付けられる人。
論理的思考力を持って、新たな価値を生み出すことができる人。
中央大学国際センター
多摩キャンパス11号館 2F
〒192-0393 東京都八王子市東中野 742-1
TEL 042-674-2211 FAX 042-674-2214
E-mail [email protected]
http://www.chuo-u.ac.jp(中央大学ホームぺ―ジ)
http://globalization.chuo-u.ac.jp/(中央大学グローバル人材育成推進事業)
2016 年 3 月発行
平成24年度 文部科学省 経済社会の発展を牽引するグローバル人材育成支援 タイプA(全学推進型)採択事業
http://globalization.chuo-u.ac.jp/
グローバル
パーソンに聞く!
Global discussion
海外体験の面白さ、
そして得たものとは?
グローバル化が進む現在、広く柔軟な視野 と国際感覚を持つ
グローバルパーソンとして成長することが、社会で活躍するための重要なカギとなります。
ここでは、留学や、海外での活動を重ねてグローバルパーソンとなった 3 人の先輩が登場。
これから海外デビューする学生のさまざまな質問に答え、自身の軌跡を振り返りました。
熊田 1 年次の時、
「せっかく大学生になったのだからいろいろ
語学力アップからフィールドワークまで。
な経験をしたい」と思ったんです。また、夏季や春季の長期休暇
日本から飛び出したそれぞれの理由
学期間が終わるのは嫌だ!」と思い、言葉が間違っていてもいいと
心に残る出会いや出来事。
腹をくくって、自分から積極的に話しかけるようにしたんです。する
海外だからこそ味わえた体験の数々
を有意義に過ごしたいと考えたことも理由の一つです。それで日本
と少しずつ意思の疎通が図れるようになっていった。自分からアク
三村 僕は 2016 年春季の短期留学プログラムに参加するのです
語教育について学ぶ、文学部主催の SEND プログラムに参加して
三村 滞在中どのように過ごされたか、現地での話を聞かせてくだ
ションを起こす姿勢が大切だとわかりました。
が、初めての海外体験で不安や疑問がたくさんあります。今回は、
イギリスに行ったことが皮切りになりました。皆さんはどうですか?
さい。
加田 言語の問題は大きいですよね。僕も、
「自分は英語が得意」
経験豊富な先輩の皆さんにいろいろと教えていただきたいと思って
加田 僕はもともと英語が得意だったので、
「将来は英語を使って
加田 僕はホームステイで、ホストファザーの単身家庭にお世話に
と思っていたのですが、いざ留学してみたら現地の人の話がほと
います。よろしくお願いします。
仕事をしたい」と思っていました。語学力を高めたかったのと、
なっていました。平日はその家からバスを乗り継いで大学に通学し
んど聞き取れないし、こちらの話も通じない。コミュニケーション
熊田 三村くんはどうして留学しようと思ったんですか?
就職活動の際に留学経験をアピールポイントにしたいと考えたこと
ていました。午前の講義が終わったら、午後はキャンパス内の研究
が取れないことはこんなにもフラストレーションがたまるものなの
三村 留学経験のある先輩や海外出張に度々出かける父から、
から、3 年次の時に夏季短期留学プログラムに参加しました。
室や、現地の企業を訪問。休日はホストファザーやその友人たちに
かと身に沁みて感じました(笑)
。自信を喪失しましたが、それか
齋藤 家族旅行などの経験から私もずっと海外に関心があって、
観光やメジャーリーグ観戦に連れて行ってもらいました。
らは英語の勉強法を変え、会話やリスニングを重視するようにな
「 視 野が 広がるから
体験してみるといい」
んです。それで、
総合政策学部のカリキュラムの一環として台湾に行ったりなど、入学
齋藤 バリには調査のために行ったので、滞在中は朝から夕方
りました。
「海 外に触れる
ことが、自分
後も機会を見つけては積極的に出かけるようにしていました。3 年
まで出歩いていました。オランダから独立するために残留日本兵
齋藤 バリへの途中、ジャカルタ(インドネシア)の空港で乗り換
にど ん な 変 化
をもたらすん
次になり、インドネシア独立のために現地の人とともに戦った「残留
と一緒に戦った方にお話を伺ったり、現地で研究されている方に
えがあったのですが、そこで親切な人が荷物を持ってくれたと思っ
だろう?」と興
味 を 抱 くよ
日本兵」をゼミの卒業研究テーマに定めてからは、フィールドワーク
慰霊碑や墓地に連れて行っていただいたり。滞在中は通訳の方の
たら、チップを要求されたんです。細かい現地通貨がない、と言っ
田さんは、な
のため、
大学の補助金などを利用しながらバリに2回滞在しています。
お宅でお世話になって、そこを拠点にしていました。
たら両替所に案内されたのですが、事前に調べたものよりレートが
熊田 齋藤さんは、経済学部が主催する海外インターンシップにも
熊田 私は机に向かうよりも、現地で友達をつくって一緒に過ごし、
高い。セキュリティに対する意識が足りなかったと反省しました。
参加していましたよね。私も同じプログラム
たくさん会話をすることで言語やその土地の文化を学ぶように
三村 皆さん、いろいろな経験をされたのですね!中でも印象に
でサンフランシスコに行きましたよ。
心がけていました。オフタイムも現地の友人と博物館や美術館など
残ったのはどんな出来事
うになって。熊
ぜ海外に目を向
けるようになっ
たんですか?
齋藤 他学部主催の中にも参加でき
に出かけることが多かったですね。
ですか?
るプログラムがあることが中央大学
三村 困ったことや悩んだことはありますか?
加田 ホストファザーとの
のユニークなところですよね!
熊田 初めての留学だった
三村 皆さん、何度も海外に出かけ
学力が不十分でホスト
Ryo Mimura
2016 年春季短期留学プログラムに参加し、ハワイ大学マノア校に
留学予定。今回が初留学・初海外体験となる。
「先輩方の視野の広さや積極性に刺激を受けました。
今回お話を伺って、留学への意欲が湧いてきました」
ファミリーと
がよく、初めてお会いした
コミュニケーション
い体験なのだろうかと、どんど
くて泣いたことが
あ りまし
た。け れ ど、
「こ
の まま 留
齋藤 沙季 さん
Saki Saito
所属ゼミの事例研究のためバリに 2 回渡航したほか、ニュー
ヨークや台湾を訪れた経験も。ファカルティリンケージ ・ プロ
グラム(FLP)では国際協力プログラムに参加。
「帰国後にはレポートや SNS などで体験を発信。
多くの人と体験を共有する楽しさも味わいました」
できず、辛
時は「うまくやっていけるか
▲異文化交流の面白さを教えてくれたホストファザーと。
オフタイムには一緒にヨセミテ公園や野球場などに足を
な」と不安になりました
(笑)
。
運んだこともよい思い出。
ホストファザー自
文学部 人文社会学科国文学専攻 4 年
▼
総合政策学部 国際政策文化学科 4 年
▼
▼
三村 亮 さん
交流です。彼は黒人で体格
ているんですね。そんなに楽し
ん興味が湧いてきました
(笑)
。
経済学部 公共・環境経済学科 2 年
イギリスで、語
熊田 佑紀 さん
Yuki Kumada
SEND プログラム(イギリス、ベトナム)
、短期留学プログ
ラム(ハワイ)
、国際インターンシップ(アメリカ)を経験。
「失敗も貴重な経験」が座右の銘。
「一回海外に行けば自信がつきます。
“不安さえも
楽しもう”という前向きさがあれば大丈夫!」
理工学研究科 生命科学専攻 1 年
▼
とよく勧められる
加田 悠真 さん
Yuma Kada
学部時代、短期留学プログラムでカリフォルニア大学デイヴィス校に
留学。帰国後は英語プレゼンテーション大会などにも積極的に参加。
1
「理工学部の学生にもぜひ海外生活を体験してほしい。
夏季・春季休暇を利用する短期留学がオススメです」
2
グローバル
パーソンに聞く!
身も、
「自分は怖がられているのでは?」と心配していたそうです。
加田 僕はオープンマインドになったと思います。自分とは異なる
ンを図るのもいいと思います。
初めはなかなか打ち解けられなかったのですが、互いの理解が進
価値観や考えに触れる楽しさを知ったし、いろいろな人と積極的に
三村 皆さん、英語は得意ですか? 事前に勉強しようと思って
むと、本音を交えた深い話をするようになっていきました。アメリカ
交流するようになりました。
異文化への心の壁もなくなり、
フットワー
いるのですが、何を重視するべきでしょうか。
社会に残る黒人差別や宗教の問題、独自の文化など、僕にも理解
クも軽くなって、その後フィリピンでの語学留学やインドでのイン
加田 僕は得意なつもりでしたが、実際は先ほどお話した通り
できるペースでいろいろと教えてもらいました。
「自分にも、黒人だ
ターンシップにも参加しました。
けれど嫌いな人もいれば、白人の
三村 皆さんのお話を伺っていると、
「視野が広がる」とはこういう
切だと思います。相手の話が聞き取れないと、Yes・No さえ答え
(笑)
。今から準備するなら、リスニング力を鍛えておくことが大
友達もいる。人種ではなく
“その人”
ことだと具体的にイメージできる気がします。海外生活を有意義な
られません。
を見ることが大切なんだ」という
体験にするために、どんなことに注意するといいですか?
齋藤 行けばどうにかなるものですが、あらかじめ英会話に慣
彼の言葉が、とても印象的でした。
加田 日本人同士で固まらないことでしょうか。日本人と一緒にい
れておきたいならば、G2 で開いている自主語学 学習グル ープ
齋藤 私は、残留日本兵が存在し
ると安心感もあるし楽ですが、何も目新しい経験をしないままあっ
Language Lab に参加するといいかも。また、G2 や国際センター
まなざしは、世界へ、未来へ。
海外経験で自らの可能性を広げる
た事実がバリでも風化しつつある
という間に期間が終わってしまうことになりかねません。
には留学生がたくさん来ているので、声をかけて会話をするのも
三村 将来の進路についても留学からヒントを得られないかな
ことがわかり衝撃を受けました。
熊田 三村くんが留学するハワイ大学マノア校には私も行ったこと
トレーニングになりますよ。
あ、と思っています。皆さんは、ご経験を今後どのように活かそ
インドネシア独立から 70 年が 経
があります。ハワイは日本語でもそれなりに生活できてしまう地域
熊田 いきなり声をかけるのが難しいなら、G2 で行っている異文
うと考えていますか?
ですから、現地で友人をつくって、できるだけ日本語を使わないよ
化交流イベント[7]に参加する方法もあります。私もイベントで出
熊田 私は来春から建設会社の総合職として働くことが決まって
ち、残留日本兵について知る人が
ほとんどいなくなっているんです。
▲残留日本兵の慰霊碑の前で。案内してく
ださった現地研究者の紹介で、王族の女性
うに心がけた方がいいと思います。キャンパスに大きな食堂があっ
会った留学生と SNS などを利用しながら交流を深めて、語学力
います。その企業では今後、新興国でのプロジェクトに力を入れ
ですから、残留日本兵のことを記憶している貴重な人々に出会い、
て多くの学生が集まっているので、
「写真を撮ってください」と近く
強化を図りました。
るそうなので、出張や赴任する機会があれば積極的に手を挙げ
お話を伺えた自分はとても幸運だと思いました。他にも素敵な出
の学生に声をかけたりすると、知り合うきっかけがつくれますよ。
会いがたくさんありましたよ。例えば、通訳を務めてくださった女
齋藤 現地で抱いた興味や関心を大切にしてほしいですね。現地
と行動するという貴重な体験も。
性は、実はバリの王族に連なる人。現地の研究者からご紹介いた
で情報を集めたり、帰国後にも調べて、より理解を深めることを
だいて通訳をお願いしたのですが、彼女からは王族の風習など興
お勧めしたい。それが自分を新しいフィールドに導いてくれること
味深いお話をたくさんお聞きしました。
もありますよ。
熊田 それはなかなかない出来事ですね! 私はベトナムで、日本
との外交関係樹立 40 周年を記念する式典に参加したことが心
に残っています。式典では、現地の友人とともにアオザイを着て、
▲日本ベトナム外交関係樹立 40 周年式典の
時の 1 枚。ベトナムの民族衣装、アオザイを
皆で身につけて。
充実した中央大学の施設やプログラム。
上手な活用法とは?
[2]国際センター
露しました。またその式典の中で、
プログラムを用意しているそうですが、僕が利用したのは国際セ
現地の方が東日本大震災で被災
ンターが主催する短期留学プログラム[1]の説明会だけ。いろい
した日本人を励ますスピーチを日
ろ活用したいと思ってはいるのですが……。
本語で行ってくれたのですが、私
熊田 一番手軽なのは、国際センター[2]や G2(G Square)
[3]
2
を利用することでしょうね。私はハワイへ語学留学に行く前、G に
もあり、とても感動しました。ま
足を運んでそこに来ている留学経験者に声をかけ、語学力アップの
ごころは国境を越えて伝わるもの
ためにどんな用意をすればいいのかアドバイスを求めましたよ。
なのだと実感しました。
齋藤 C Plus
(中央大学ポータルサイト)
[4]
も便利ですよ!グルー
バルな取り組みに関する情報も掲載されています。ただ、海外生
活から自分は何を得たいか、どんな経験をしたいか明確にしてか
語学力以外にも得られるものはたくさん
ら調べた方が、効率よく情報を集められると思いますよ。
三村 皆さんは、海外経験によってご自身にどのような変化があっ
三村 語学力向上が一番の目的なので、その点に絞って留学経験
たと感じられますか?
Global Point
イギリスやアメリカ、フランス、ドイツ、韓国などにある本学協定校で
実施される、約 1 ヶ月の語学研修。学部生が参加できます。
三村 中央大学はグローバル化を進めていて、さまざまな施設や
積極性や精神力、オープンで自由な心。
て、
留学で育んだ視点や語学力を活かしたいです。そしていずれは、
[1]
(春季・夏季)短期留学プログラム
ベトナム民謡をバックに踊りを披
自身、東北出身者で被災したこと
3
Global discussion
者の方に話を聞いてみようかな……。
齋藤 一番は積極的になったことです。海外では自分で行動しない
熊田 「留学経験者と話をしたい」とか
「英会話に慣れたい」といっ
と何も進まないし、得られない。ですから、興味を抱いた相手にど
た要望があるなら、G2 のスタッフにお願いするとサポートしても
んどん働きかけたり、目的を明確にして行動するようになりました。
らえますよ。私も、留学先の地域から来た留学生を紹介してもらっ
熊田 語学力はもちろん、困難に直面しても自力で乗り越えるタフ
たり、英会話の練習につきあってもらったりしました。
さを身につけたと思います。それからコミュニケーションスキル。
加田 後楽園キャンパスの場合は留学相談窓口[5]があって、
いろいろな国の人と知り合いになる過程で物おじをしなくなった
そこでいろいろと相談や質問ができます。留学生と交流できる
し、相手との適度な距離感も測れるようになった気がします。
グローバルスペース
[6]
もあるので、そこを訪れてコミュニケーショ
多摩キャンパス 11 号館(総合政策学部棟)の 2 階に開設されている、
海外留学の総合相談窓口。留学について疑問や不安がでてきたら、ま
ず足を運んでみてください。
利用時間/授業実施期間中の平日 10:00 ~ 17:00
[3]G2(G Square)
多摩キャンパスの食堂棟(ヒルトップ '78)2 階に開設されている異文
化交流の拠点。留学情報などを提供するほか、留学生との交流イベン
トや語学勉強会なども開催しています。
利用時間/授業実施期間中の平日 10:00 ~ 17:00
facebook / www.facebook.com/chuog2
[4]C Plus(中央大学ポータルサイト)
中央大学のポータルサイト「C Plus」でも、短期留学プログラム説明
会の開催告知など留学に関する情報を随時提供しています。
[5]留学相談窓口
後楽園キャンパス 1 号館 1230 室に開設されている、理工学部学生の
相談や質問に対応するスポットです。
利用時間/理工学部事務室の掲示板で確認してください。
[6]グローバルスペース
法学部
「リソースセンター」、文学部
「アカデミックラウンジ」、経済学部
「国
際交流スペース」、理工学部「留学生交流サロン」と、各学部に異文化
交流スペースが用意されています。詳しくは P.10 を確認してください。
[7]異文化交流イベント
G2 では、ウェルカムパーティやグローバルカフェなど、各国からの留
学生と交流できるさまざまなイベントを開催しています。詳しくは[3]
の facebook ページで確認してください。
[8]短期集中英語講座
夏季・春季休暇を利用した集中講座をはじめとして、様々な講座を実
施しています。詳しくは P.5 を確認してください。
現地の方々とのビジネスを通じて地域の発展をサポートできれば、
と考えています。
齋藤 私はまず、研究の総括である卒業論文を納得のいくレベル
に仕上げたい(笑)
。バリで調査する中で、自分たちは残留日本兵
に関わった体験者の方々の話を伺える最後の世代なのだと実感し
ました。残留日本兵については史実が風化し、現地でも誤った情
報が出回っている状況です。ですから歴史的な事実を見極め論文
として形にすることが、研究を行った自分の使命だと思っています。
バリの日本国領事館の方と知り合う機会もあったので、完成した
論文を領事館に提出し、残留日本兵が現地の人々とともに独立の
ために戦ったという事実を残したいと考えています。
加田 グローバルに働きたい、という思いが留学経験でより強く
なりました。僕も熊田さんのように、いずれは新興国、特にその
地域の子どもたちに役立つ仕事や活動をしたいと思っています。
目標実現に向けて専門分野の研究とともに、学内の短期集中英
語講座[8]に参加するなどして英語の勉強にも力を入れています。
三村 皆さんのお話を伺って、留学が楽しみになってきました
(笑)
。いろいろなことを経験し吸収して、
自分の成長につなげたい。
まず G2 や国際センターをどんどん利用して、しっかり準備しよ
うと思います。
熊田 そうですよ、せっかく中央大学で学んでいるのですから、
ぜひいろいろな施設やプログラムを活用して、グローバルパーソ
ンとして成長してください!
齋藤 海外に出かけられる機会がたくさん用意されているので、
短期留学プログラムが楽しかったら私たちのようにはまってしまっ
て、
いろいろなところに出かけるようになるかもしれませんね
(笑)
。
加田 今度の機会が三村くんにとって有意義な体験になるよう、
応援していますね!
4
キャンパスで自分を磨く
グローバルパーソンとして不可欠な語学力を高める場から、
専門分野についてグローバルな視点で理解を深める授業、
自分の「今」を客観的に見つめ成長への歩みをサポートするプログラムに、
さまざまな国からやってきた留学生たちとコミュニケーションを図れる機会まで。
学内でスキルアップするとともに、内面を磨いて視野を広げられるシーンを、中央大学は多数用意しています。
語学力を
鍛える
中央大学 GLOBAL 語学力
授業の中で
基礎力アップ
中央大学 GLOBAL 専門知識
G2 やサークル活動、FLP を通じて、
学内でさまざまな国の人に出会い、言語や文化に触れています。
商学部 商業・貿易学科 3 年 福田
い出になりました。
G2 の 学 生 ス タッ
夏季・春季休暇を利用した「短期集中英語講座」のほか、
英語をはじめとした外国語で専門分野を学ぶ授業のほか、
TOEIC のスコア アップ を目指 す 課 外 講 座、AV 機 器 や
語学授業の一環として海外で語学研修を受けたり、広く
Lab(ランラボ)のリーダーを担当するようになりました。
ル活動で英語学会
パソコンを使って学べるメディアラボなどのプログラムや
世界で活躍するための知識やスキルと資質を育むプログラ
ランラボとは、日本人学生と留学生が主催する語学学習の場
(ESS)に所属し、明
設備を用意して、学生の語学力向上をサポートします。
ムを、各学部で展開しています。
です。現在、
英語・
フランス語・中国語など 7 言語についてグルー
治神宮や鎌倉など首
■短期集中英語講座
■外国語で学ぶ専門科目
■ TOEIC 課外講座
■英語で学ぶ日本法
■短期集中 第二外国語講座
■グローバルスチューデント(GS)育成講座
■ TOEIC 公開テスト
(商学部生のみ)
■映像言語メディアラボ(多摩キャンパス 2 号館 1 階)
■グローバルリーダーズプログラム(GPL)
マルチメディア設備が整えられた教室。英語やドイツ語、フランス語、
(総合政策学部生以外)
中国語等の特設講座が開かれています。
3 年次の春に G2 の学生スタッフとなり、同時に Language
プがつくられてい
▲英語ランラボ。同年代の留学生などがホストを務めるため、授
業とは異なりリラックスした雰囲気で語学を学ぶことができる。
C-compass を
活用する
(コンピテンシー自己評価システム)
中央大学 C-compass
異文化交流の
場に参加する
中央大学 GLOBAL 施設
2
フになる前はサーク
都 圏 の 観 光 名 所で、
▲ ESS の活動として、観光名所を訪れた外国人観光客の
方に、ボランティアで英語のガイドを提供した。
ます。毎週、各言
外国人観光客の方を対象にボランティアで観光ガイドをする
語を母国 語とす
などの活動をしていました。またファカルティリンケージ・プロ
る留学 生などが
グラム(FLP)の国際協力プログラムに入り、ゼミで「日本がで
ホストとなって会
きる国際貢献」を考えたりもしていました。このよう
を 開 き、時 に は
に中央大学には、グローバルパーソンとして成長
映 画を見 たり音
できる場が数多くあります。そこで同じ意識
楽 や ゲームを楽
や目的を持つ人と出会うことでモチベーショ
し み ながら、言
ンも高まります。この恵まれた環境を、ぜひ
語やその国の文化などを参加者にレクチャーしています。私は
「留学生と日本人学生の懸け橋となる」ことを目標に、ラボを
より充実させるための方法をホストたちと考え、実行していま
す。私自身、
こうした活動の中で留学生たちとの交流が深まり、
多くの学生に活用してもらいたいです。
在学中に、多様な民族と人種が暮らす
「多文化社会」が特徴のカナダに留学し
たいと考えています。そしてその機会
いろいろな国の文化について理解を深められました。またラ
を有意義なものにするため、現在、
ンラボの一環として年に 1回「Culture Week」の期間を設け、
日本についてより深く知ること
留学生と日本人学生とがより活発に交流できるよう、さまざま
を心がけています。グロー
な催しも行っています。2015 年は、各国を代表するスイーツ
バルパーソンであるために
C-compass は、本学が独自に設定したコンピテンシー
異文化交流の拠点 G や、留学の総合窓口である国際セ
(行動特性)をベースに、学生生活の目標や活動計画の
ンターでは多彩なイベントや説明会を開催。留学生と交
を参加者と楽しむスナックパーティと、留学生と日本人学生が
は語学力があるだけで
設定、活動の記録、自己評価を半年ごとに繰り返し行え
流しながら他国や日本の文化について理解を深めたり、
フィリピンやインドネシアの踊りを披露する舞踏鑑賞会を開き
なく、自国について
るセルフマネジメント・サポー
語学を学べる機会などを提供しています。
ました。インドネシアの留学生に教えてもらい、私もフランスや
知 識を持ち発 信
トシステムです。学生生活での
■ G2(G Square)⇒ P.9
タイの 留学生たち
できることも重
PDCA サイクル(目標を定め、
挑 戦し、振り返って次の目標
に活かす行動サイクル)をサ
ポートします。
5
真由さん
□ Language Lab(ランラボ)
□ Culture Week ■国際センター⇒ P.9
と踊りました。練習
要。さまざま
を重ねる中、皆で
な文化への理
食事をしたりしなが
解を持ち、日
ら自分たちの国に
本と他国をつな
□インターナショナルウィーク
ついて話をしたこと
□平和セミナー
も忘れられない思
▲ 2015 年の Culture Week では、さまざまな国から来た留
学生たちと一緒に、インドネシア舞踊に挑戦。
ぐ人材となること
が目標です。
6
海外
学内でグローバル基礎力を固めたら、次のステップはいよいよ海外!
で自 分を磨く
語学力のレベルを高めたり、専門や興味のある分野について世界の「今」を目の当たりにしたり。
海外生活を味わえる約 1 ヶ月の短期留学から、時間をかけてじっくり学べる長期留学、
フィールドワークやインターンシップを体験する各学部主催の派遣プログラムまで、
目的に合わせて選べる留学スタイルを、中央大学は多彩に展開しています。
また、奨学金や支援制度を設け、グローバルパーソンを目指す学生をサポートしています。
中央大学 GLOBAL 海外で学ぶ
すべての学生に留学を勧めたい!
3 度の経験が、自分の可能性を広げてくれました。
法学部 法律学科 4 年 齋藤
一部分を担当。こう
直哉 さん
した環境に身を置い
3 年次の 9 月から約 1 年間、交換留学でリヨン政治学院
た結果、語学力も伸
(フランス)で 学びました。留 学 計 画を「トビタテ!留 学
び、留学生活の充実
英語圏をはじめとする海外の大学で、1 セメスター又は
夏季・春季の休暇を利用して海外協定校で語学研修など
度も高まりました。
1 年間しっかり学べる長 期留学制度を用意しています。
を行う短期留学プログラム、インターンシップやフィール
留学先は、交換留学の場合は本学協定校、認定留学では
ドワークも組み込んだ各学部主催の派遣プログラムなど、
学生が希望し本学が認めた大学となります。
数多くのプログラムを展開しています。
■交換留学 :年間で約 100 名が利用
■夏季短期留学
JAPAN」プログラムに応募し、サポート対象に選ばれたため、
費用はこのプログラムの奨学金を利用しました。
目的は、フランスの労働政策を学ぶこと。学部のゼミで
留学中は学生寮に
▲寮の留学生たちと一緒に食事。この時は中国留学生の
案内で、皆で中国料理店に出かけて会食を楽しんだ。
滞在していましたが、
労働法を取り上げ、労働者の権利が 弱い日本の労働環境
そこはアフリカ系やマグレブ系、アジア系などの男女留学生が
を向上させるためにはどんな方策があるか考えていたとこ
暮らす、多様性に満ちたところ。トイレやシャワーが共同のた
ろ、週 35 時間労働制で有給取得率
め人と接する機会も自然とでき、たくさんの留学生と仲良くな
が 100%であるなど、フラン
りました。楽しかったのは、留学生が各国の料理をつくって皆
全 16 プログラムを展開しており、2015 年度は約 300 名の学生が
スの労働環境が日本とは大
に振る舞う時間。僕自身も甚平を着たり寿司をつくったりして、
参加しました。
きくかけ離れていることを知
日本の文化を紹介しました。このような交流を通じて各国の文
りました。この環境を実現し
化に触れることで、どのような価値観を持つ人であっても先入
プレゼンテーショ
経験ができました。今後は、留学経験を活かしてワールドワイ
ンを行 いました。
ドに活躍したい。現在は 3 ヶ国語を話せますがさらに 2 ヶ国
法律用語などをフ
語を使いこなせる
ランス語で理解す
よう勉強している
ることはとても難
○
○
○
○
●
○
UCSD Future Global Leaders Program
○
○
●
○
○
○
グローバル・スタディーズ
○
○
○
○
●
グローバル・リーダーズ・プログラム
○
●
○
○
海外インターンシップ
○
●
○
○
海外で学びたいと願う学生を応援するため、本学では留
国際インターンシップ(夏期 2 週間)
●
学に活用できるさまざまな奨学金や支援制度を設けていま
アクティブ・ラーニング海外プログラム
●
オーストラリア短期留学
●
中央大学 GLOBAL 奨学金
す。返済不要の奨学金や、渡航費・授業料などが給付さ
グローバル・フィールド・スタディーズ
れる文部科学省主催の「トビタテ!留学 JAPAN」も利用で
商学部留学プログラム
●
グローバルインターンシップ
●
きます。
■トビタテ!留学 JAPAN
中央大学 トビタテ
2014 年に始動。
これまでに1~ 4 期生まで計 23 名を派遣しました。
ので、いずれは通
Field StudiesⅠ・Ⅱ
●
グローバルスタディーズⅠ・Ⅱ
●
ビジネスインターンシップⅠ・Ⅱ
●
国際インターンシップⅠ・Ⅱ
●
※上記は単位認定を伴うプログラム。このほか単位認定を伴わないプログラムもあります。
※●は主催学部、○は他学部履修可。
※ 2016 年度の開講科目は、変更になる可能性があります。
訳 案内士の資格
するのも一苦労で
を取得し、多くの
■企業研究プログラム@上海
したが、自習を重
国の方と交流して
■ LA 白門会 OB 企業訪問インターンシップ
ねてプレゼンテー
自分の世界をもっ
ションでも発表の
と広げたいです。
▲本学で知り合ったフランス人学生から紹介を受け、現地の親戚
○
●
しく、議論に参加
宅を訪問。
労働環境や組合活動などについてインタビューを行った。
総合政策学部
の環境。すべての在学生に留学を勧めたいくらい、実りある
部
発表内容をまとめて
学
している中央大学は、グローバルパーソンとなるために絶好
文
世界に飛び出すチャンスと、それをサポートする制度が充実
プに入り、討議しながら
理 工 学 部
の授業では現地学生のグルー
部
も磨くことができたと思います。
学
学力はもちろん、コミュニケーションスキルや精神力について
商
スの政治史や行政機関、文化などを
プログラム名
中央大学 SEND プログラム(日本語教育)
利用してセブ島(フィリピン)とノルマンディ地方(フランス)
に短期留学しました。さらに 1 年間の交換留学を経験し、語
奨学金制度を
利用して学ぶ
経 済 学 部
実は、この留学は 3 回目。学部の「やる気応援奨学金」を
スを選択し、
「労働」を軸にフラン
学ぶ授業を受講しました。ゼミ形式
¥
■学部が主催する海外派遣プログラム
部
です。留学先では政治学のコー
■春季短期留学
米、英、仏、独、韓など夏季・春季あわせて語学研修をメインとした
学
と考えたことが留学のきっかけ
観を抱かずに向き合う姿勢を身につけることができました。
■認定留学 :年間で約 20 名が利用
法
ている政策について学びたい
7
短期留学で
海外に触れる
長期留学で
可能性を伸ばす
2016 年夏実施予定。
詳細はキャリアセンターにお問い合わせください。
8
中央大学では、グローバルパーソンを目指す学生をサポートするため、さまざまな施設をキャンパス内に
学内のグローバルスポットを活用
Space
G²( G Square)
学内にある異文化交流の拠点。留学情報を提供しているほか、国際交流イベントも開催しています。9 面の
大型ディスプレイには、日本・英・中国・韓国・フランス語の BS 放送が常時映し出されており、カウンター
でヘッドホンを借りれば観たいチャンネルの音声を聴くこともできます。
利用時間▶ 平日 10:00 ~ 17:00 facebook▶ https://www.facebook.com/chuog2
設置しています。各施設の役割や特徴を把握し、ニーズに合わせて活用しましょう。また、気軽に参加でき
Event
る楽しいイベントも開催。留学経験者や留学生、海外の状況を知るスタッフなどさまざまな人に出会い、
最新の情報を吸収すれば、目標に向かって歩み続ける意欲が湧いてきます。
各学部におけるグローバルスペース
中央大学の各学部では、グローバル・パーソンを目指す皆さ
んを支援する交流スペースを設けています。法学部では、学
部生の意欲的な学習・研究活動やキャリアデザインなどをサ
ポートする
「リソースセンター」を設置。文学部には、学部生の
インターナショナル・ウィーク
特定の国や地域、国際機関などに関する催しを1週間にわ
たって行う
「インターナショナル・ウィーク」が毎年の恒例と
なっています。第 7 回目を迎えた 2015 年度は
「オーストラリ
ア」がテーマ。在日オーストラリア首席公使による講演会や、
留学・学習・課外活動に関する相談や資料閲覧など、学部生
オーストラリア伝統楽器の演奏などを実施しました。G2 で
が授業時間外でも自由に利用できる
「アカデミックラウンジ」が
は、写真展や交換留学生・留学経験者によるオーストラリ
あります。経済学部や理工学部でも、授業時間外に日本人学
ア紹介なども行われました。
生と留学生が交流できる
「国際交流スペース」を設けています。
▲
[法学部]
リソースセンター 〈6 号館 2階〉
Overseas
海外拠点
▲
[文学部]アカデミックラウンジ 〈3号館1階〉
国際機関資料室
本学は現在、ハワイ大学マノア校
(ホノルル市)とタイ・タマサート大学法学部
(バン
コク市)に海外オフィスを設置しています。2 万人の学生が学ぶハワイ大学は天文学
自主語学学習グループ「Language Lab」で語学力を伸ばそう!
や海洋学、バイオテクノロジー、外国語教育などの分野で全米トップレベルに位置
G² では、様々な言語の勉強会がほぼ毎日開設されています。ドイツ語グループは
する研究・教育機関です。バンコク中心部にあるタマサート大学法学部には、タマ
映画を観た後ドイツ語で感想を言い合ったり、日本語グループは留学生に日本語を
サート大学はもちろんタイの他大学・他機関と連携する際に理想的な環境がありま
教えたりしています。時間割は G² の facebook をチェックして下さい。
す。本学はこれら海外拠点の設置により、学生に充実した学びの場や、交流の機会
を提供しています。
国際センター〈11号館 2 階〉
国際寮
▲
[経済学部]国際交流スペース 〈7号館1階〉
国際機関資料室は、国連寄託図書館、EU 情報セ
ンターとして、国際連合
(UN)と欧州連合
(EU)が
発行する資料の寄贈を受け広く一般に公開してい
ます。ほかにも、世界銀行
( WB)、国際通貨基金
( IMF)などさまざまな国際機関発行の資料約3万
冊を所蔵しています。資料は英文が中心で、経済
国外の大学情報を取り扱うほか、留学に関する相談、
日野市多摩平にある国際寮
(定員64 名)
では日常的に
供する資料もあります。
留学生のサポートなどを行っています。
国際交流が生まれ、互いに学び合う場となっています。
[理工学部]留学相談窓口 〈1号館1226 室〉
(イメージ)
▲
9
協力開発機構
( OECD)のようにデータベースで提
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