三重大学次世代型電池開発センター設立の趣旨 ― 化石燃料の有効利用および炭酸ガスの排出量の削減への寄与の増大 ― 大きくなる 電池への期待 Mie University Advanced Battery Research Center 電池開発の流れ 屋井先蔵は 乾電池の原形を使った 大きなエネルギー密度、出力密度 高い安全性 || いまだ 受け入れ可能な電池が開発されていない! 今西誠之(現教授)の研究グループでは内外の学術誌に電池関連で200報以上 の論文を発表。武田保雄(名誉教授)、山本 治(名誉教授)は電気化学会電池技術委 高い三重大学の 電池研究 ポテンシャル 員会(日本の電池研究・技術のセンター)の委員長を歴任。日本での電池研究で指導 紀元前 バグダッド電池の予想図 的役割を果たす。 これまで、都市エリア産学官連携促進事業、NEDO次世代自動車用高性能蓄電シ (1989― ) ステム技術開発、地域コンソーシアム等大型プロジェクト研究に取り組むと共に、多 くの電池関連企業と共同研究を推進 燃料電池・水素エネ構想(四日市・鈴鹿実証試験)、 高度部材産業クラスター構想(高 度部材イノベーションセンター) | | | 電解液になった部分 電流の向き 皮をはいだカエルの足 しんちゅう、 または銅の針金 ガルバニの実験 | | | そして この先は…? Westing house社 の燃料電池 WH社のSOFC 豊田佐吉の夢電池 | ルクランシェ マンガン電池:Zn/NH4Cl/MnO2 1859年 11,768Wh/kg 327W/kg 12,000 リチウムニ次電池実用化(ソニー) LiC(カーボン負極)/有機電解質/LiCoO2 ルクランシェの実験 プランテ 鉛蓄電池:Pb/H2SO4/PbO2 1990年 ニッケル水素電池実用化(松下、三洋) 水素吸蔵合金/KOH/NiOOH 1839年 グローブ 燃料電池の原理 H2/KOH/O2 1973年 ボルタ電池:M/電解質/M' 1797年 ガルバニ化学電池の原理の発見 リチウムイオン電池 1991年 1864年 1800年 次世代型電池開発センターにおける産官学連携 | ||| | | 私たちが電池研究のテーマの主眼にしていること リチウム二次電池の構造 ルクランシェ電池 重 量 エ ネ ル ギ ー 密 度 ︵ Wh/kg 三重県等の エネルギー問題への 積極的な取り組み 鉄の柵 1886年 ガスナー、屋井先蔵乾電池を発明 1900年 ユングナー ユングナー電池:Cd/KOH/NiOOH 1948年 ニューマン 密閉Cd/KOH/NiOOH 1960年前後 GE PEFC 1960年代 Du Pont Nafion開発 1969年 WH社 筒型SOFC 1970年 アポロ13号トラブル 800 リチウム2次電池の極限性能 (622Wh/kg,1600Wh/L )* 600 ブローブ電池の構造 近未来の 重要な電池 “トランジスタ”に対応 した第2世代電池 安全性を実現した 全固体電池 “佐吉電池”に 少しでも近づく 電池 リチウム・空気二次電池 夢の電池 “第3世代”の電池 理想界面を持った 全固体電池 リチウムポリマー二次電池 リチウムイオン電池の改良による到達値 200 実用リチウムイオン電池の水準 ︶ リチウム一次電池実用化(松下) Li/有機電解質/CF(フッ化黒鉛) リチウム電池の現状と 未来型電池の目標 ガソリン車なみ走行性能電気自動車からの期待値 (∼700Wh/kg, 2000Wh/L, 25,000W/L) 400 三重大学におけるリチウム電池研究への取り組み TOYOTA 2240W/kg 79Wh/kg SANYO, Oct.20,05 3500W/Kg, 90Wh/Kg 私たちが主眼にしている電池研究テーマ (∼210Wh/kg, 577Wh/L.) 0 1000 2000 重量パワー密度:瞬時に取り出せるエネルギー(W/Kg) (* )Numerical value of energy density is calculated from the products of factor 0.47 and the material limit of double charge transformation. ボルタ電池 「三重大学次世代型電池開発センター」では、21世紀の電池像を次のように見据えて、研究を進めます。すなわち、電 池研究を現状電池、将来電池、未来電池と三つの開発時間帯にわけ、それぞれが解決すべき問題点を想定し、その解決 文科省、経産省関連の研究・開発事業を数多く受託 を目的としてテーマを設定しています。 (赤字がセンターで研究されているテーマ) 国家プロジェクト 三重県等 ● JST:ALCA,CREST,さきがけ ● 文科省 イノベーション支援プロ ● 高度部材イノベーション センター ● 三重県工業研究所 等 私たちが電池研究でいつも心に置いていること 受 託 高い三重大学 の電池研究 ポテンシャル (1979− ) 企業アドバイザー + ● 自動車、電力産業 等 電池関連企業 連 携 三重大学次世代型 電池開発センター 連 携 多彩な専門の 構成員による 研究体制 三重大学研究者 現代・将来・未来を見据えた 戦略的電池研究 共同研究 海 外 連 携 共同研究 海外大学、研究所 研究グループ ● マドリード・コンプルテンセ 大学(スペイン) ● カールスルーエ工科大学 (ドイツ) ● ユーリヒ総合研究機構 (ドイツ) 全国大学、研究所研究 研究所研究グループ 電池に関連する 各種企業 ● 京都大学 触媒・電池元素戦略研究拠点 ● 岡山大学(JST CREST) ● 東京工業大学 ● 名古屋工業大学 内外の研究機関・企業と多くの共同研究 電池研究は主に工学研究科の今西研究室で行われて 電池に関して高い理想 現在の電池 正極(固体)/電解質(液体)/負極(固体) 資源の 乏しい 日本 ボルタの時代 から200年間 本質的に変化 せず 真空管 ボルタ型電池 (1900年代) (1800年代) 安全性の観点 豊田佐吉のビジョン 豊富な 水力 固体電池(?) (?) 豊田佐吉 当面、地域イノベーション戦略支援プログラムの研究 (1745-1827) イタリアの物理学者 機の創始者である豊田佐吉は、水力発 電で電気を作り自動車や飛行機に使 ボルタ ボルタ電池 はないかというビジョンを措きました。 そのために理想の電池が必要であろ テーマである「ポリマーリチウム二次電池の研究」と、先 研究者を含めて相互の連携を深めながら研究を進める 端的低炭素化技術開発の研究テーマである「リチウム空 のが容易となり、次世代型電池研究開発がより効率的に 気二次電池」を主なテーマとする。さらに、次世代型電 遂行できる。 池として有望な「ナトリウム・マグネシウム電池」、未来電 は現在の100億円に相当します。この 池として「全固体電池の研究」もテーマとして取り上げる。 電池はまだ実現していません。 薄膜積層電池(??!) (1970年代) (?) ● 合金系(Si)、酸化物 ● コンポジット化、ナノ 系(SiO、Fe 2 O 3 )負 極等の導入 化など、電 極 合 成 法 の検討 ● コスト1/2が最大の課題 ● 活物質粒子の合成形 固体電解質(酸化物、 将来電池(第二世代) ● 硫化物、 ポリマー)の ● 新しい高性能電池材 ● 電池の大型化:現状の1.5倍 ● 安全な電池材料の利 材料研究 のエネルギー密度(150Wh/kg) ● イオン液体の利用研究 ● ユビキタス時代に対応した薄 膜電池 うという発想のもとで、懸賞募集を行 ったということです。懸賞金100万円 料の開発 用による電池制御の 簡便化 ● 無機全固体リチウム 電池の開発 ● 金属負極の溶解析出 反応制御 ● 電池製造法の改良に よる低コスト化 えば、石油依存を回避していけるので いるが、電池研究センターを設立することで、他分野の IC 現状電池(第一世代) ● 新しい電解質の開発 ● 安全な電極材料の利用 の改善 自動車 (1867-1930) 理想の蓄電装置 (1950年代) 革新性の観点 態制御 電力化 トヨタ自動車の元となる豊田自動織 トランジスタ コスト・特性の観点 L i / 空 気 電 池および 未来電池(第三世代) ● Li/S電池:安全なLi ● 電池の大型化:内燃機関と同 等のエネルギー密度(700Wh/kg) の電池の開発 ● 多様な場面に対応できる積層 マイクロ電池 極の開発 ● 材料面からの低コス ト化 ● 薄膜積層電池:全固 体薄膜積層電池の作 成と界面電気化学反 応の基礎過程の研究
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