2008_9.

第 176 回
番組審議会議事録
平 成 20 年 9 月
株式会社
TVQ九州放送
9 月度番組審議会議事録
1.開催年月日
2008 年 9 月 25 日(木)
2.開催場所
TVQ本社 役員会議室
3.委員の出席
委員総数 9 名
出席委員
出席委員 8 名
三輪嘉六委員長 久保祐二副委員長 今川英子委員
唐池恒二委員 阪本浩伸委員 南博文委員
村山由香里委員 森本廣委員
欠席委員
冨田勝久委員
社側出席者
河西敬一社長
野中大蔵専務取締役
深瀬直治取締役 島田章取締役 矢上尚宏編成部長
上田賢制作部課長
永原康一郎放送審議室長 下平敦子放送審議室部次長
4.議題
( 1 ) 一般業務報告
( 2 ) 視聴率報告
( 3 ) 視聴者対応報告
( 4 ) 番組試写・合評
5.議事の概要
( 1 ) 視聴率報告
( 2 ) 番組試写・合評
「日韓横断!70 歳の挑戦」∼水上バイクで駆け抜けた全軌跡∼
9 月 15 日(月・祝) 午後 2:00∼2:30
6.審議内容
7.審議機関の答申又は改善意見に対してとった措置及びその年月日
該当なし
8.審議機関の答申又は意見の概要を公表した場合におけるその公表の内容、
方法及び年月日
審議内容を自社番組「TVQ 放送番組審議会から」(10 月 12 日)で公表
書面備え置き 福岡本社
インターネット等
9.その他の参考事項
該当なし
○ 配布資料
① 2008 年度 7・8 月視聴率報告
② 2008 年度 7・8 月視聴者対応報告
③ BPO 報告 NO.62、63
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○ それでは、9月期の放送番組審議会を始めさせていただきます。
それでは、一般業務報告をお願いしたいと思います。
(TVQ側) お忙しいところ、ご出席いただきまして、ありがとうございます。
上期の収支状況がまとまりつつありますので、それからご報告させていただきます。上期
の売り上げは、前年に比べまして、3.5 %増の、およそ 36 億 5,000 万円になるだろうと思っ
ております。そのうちの放送事業収入は、スポット収入が、若干前年を下回りましたが、タ
イム収入の方が、かなり伸びました。事業収入ですが、これは放送以外のテレビ局事業をや
っていますけれども、ボストン美術館の浮世絵名品展は、非常に好調でして、目標の6万人
に対して、約8万 7,000 人ほど入ったものですから、売り上げが伸びました。
一方、営業費用の方ですけれども、デジタル化設備投資が進んでいまして、その減価償却
費が増えるということが一番大きな要因なんですけれども、営業費用は 6.8 %増のおよそ 33
億 5,000 万円ということです。その結果、営業利益は、前年比に比べまして、23.3%減の、
およそ3億円弱というところになりそうです。経常利益で申しますと、前年比 21%減のおよ
そ3億 2,000 万円ということになろうかと思っております。
それから、ホークス戦の中継ですが、この間、王監督の辞任というのがありましたけれど
も、我々が中継するホークス戦中継は、先週の 9 月 20 日が最終戦でした。今年は 23 試合を
中継いたしました。7月までホークスも好調で、昨年を上回る平均視聴率を取っていたんで
すけれども、8月以降、ホークスの低迷とともに、視聴率も低迷いたしました。結局 23 試合
の平均視聴率は 12.4%ということで、歴代最高だった昨年の 13.7%を下回ったということで
す。
それから、7月クールの平均視聴率、クールというのは3カ月間ですけれども、7、8、
9月の平均視聴率は、GHは 8.1 %ということで、昨年から 0.1 ポイント上回っております。
ゴールデン(GH)で8%以上を取るというのが、我が局の大きな目標になっていますので、
そういう面ではよかったと思っております。
また、きょう試写していただく特別番組の「日韓横断!70 歳の挑戦」は、博多港から韓国
の釜山近郊まで、水上バイクで、70 歳になった男性が横断するというドキュメンタリーで、
9月 15 日に放送いたしました。視聴率は 2.1 %だったのですが、同世代の人たちに大きな共
感を呼んだということで、多くの反響がありました。
それから、10 月の改編ですが、ネット番組では、毎週月曜日から金曜日の午前 11 時 50 分
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から 12 時 26 分まで、新しい女性向けドラマ、レディーのLで、「Lドラ」と言っているら
しいのですが、Lドラ「Care吉祥寺で」という番組がスタートいたします。これは平日
の連続ドラマで、この時間帯というのは主婦向けの、非常に激戦地帯になっていまして、そ
こにこれを投入して対抗するということです。
それから、もう一つは、中高年向きというんですか、月曜日午後7時から、月曜時代劇「主
水之助 七番勝負∼徳川風雲録外伝」、今まで時代劇は金曜日にやっていたのですが、これ
を月曜日に持ってきて、新しくスタートするということです。
TVQでは、新番組というのはございませんが、この番組審議会でも、よく試写させてい
ただいております「九州けいざいNOW」を全面的にリニューアルします。メーンキャスタ
ーに、若手アナウンサーの山本圭介と、女性アナウンサーの義山望の二人、それから、やっ
ぱり女性向けの感覚で番組をつくろうということで、コメンテーターに福岡で活躍している
女性に出演していただくということにしました。当番組審議会でも以前委員をされていまし
た伊豆美沙子さんもコメンテーターの一人としてやっていただこうと思っています。番組審
議会でも、舌鋒鋭く、刺激的な発言をされていましたので、この番組も、大いに刺激してい
ただきたいと思っております。
それから、内容では、その週のニュースを深掘りした解説コーナーとか、暮らしにかかわ
る経済ニュースを、わかりやすく数字で取り上げるとか、努力をしてみたいというふうに考
えております。
また、デジタル関係の中継局ですが、7月1日に5局、須恵局、黒木局、北九州の田野浦
局、北九州の吉田局、苅田局の5局が新しくスタートいたしました。また、8月1日には南
大牟田局、杷木局、鞍手局の3局が開局し、これで中継局数は 15 局、世帯カバー率は 97.4
%というところまで来ております。今年度下期は、あと8局、デジタル用の中継基地をつく
る予定でございます。ということで、デジタル化については、着々と進んでいるということ
を申し上げまして、業務報告とさせていただきます。以上です。
○ ありがとうございました。
引き続いて、視聴率報告をお願いしたいと思います。
(TVQ側) それでは、今月は7月と8月の2カ月分の視聴率報告をさせていただきます。ま
ずは、7月の視聴率報告ですが、GHは 8.4 %で歴代2位、それからプライムタイムは 7.9 %
で歴代1位、全日は 3.9 %で歴代3位ということで、好調な結果でした。昨年よりも3部門
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とも伸びまして、特にGHは、当社が目標としております8%を超えました。今まで最高が
1999 年の 8.5 %でしたので、歴代最高まで、あと 0.1 ポイント足らずでしたが、7月はいい
結果で終わりました。
次に、主な自社制作番組ですが、「ばりすご☆ボイガー7」が3%で前年比マイナス 0.5
ポイント 、「九州けいざいNOW」も 1.2 %でマイナス 1.5 ポイント と、残念ながら低迷
しておりますが、「VIVA!!SPORTAS」は 4.6 %でプラス 0.5 ポイント、「きら
り九州 めぐり逢い」も 4.9 %でプラス 0.4 ポイントでした。
続きまして、昨年の視聴率を上回っている番組ですが、特に、好調だった番組をご紹介し
ておきます。月曜日は 19 時放送の「主治医が見つかる診療所」、火曜日は 21 時放送の「開
運!なんでも鑑定団」、特にこの「開運!なんでも鑑定団」は、年間通して、好調に推移し
ておりまして、7月クールも、平均で 20%台を推移しております。非常に視聴率の底上げに
貢献している番組でございます。また、金曜日は 19 時放送の「ペット大集合!ポチたま」、
20 時放送の「密命 寒月霞斬り」、21 時の「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!
」と、この連続した3番組が好調でございまして、金曜GH、プライムタイムは、視聴率が
10%台ということで、押し上げる材料となっております。
ちなみに、今期のホークス戦は、先ほど社長からの報告のとおり、23 試合で 12.4%で終了
いたしました。
それから、番組以外では、7月はテレビ東京系列が、デジタル7チャンネル普及月間でし
て、デジタル7チャンネルを普及しようと活動をいろいろ繰り広げました。その中で、「出
没!アド街ック天国」の3時間スペシャルの全国駅弁特集を生放送いたしまして、テレビ東
京系列の女子アナウンサーが出演しました。7月はデジタル7チャンネル普及のための5秒
間の短尺CMを、約 250 本放送して、普及に努めてまいりました。さらに、2011 年7月でア
ナログ放送が終了するというアナログマークの表示なども、
この7月から実施しております。
続きまして、8月の視聴率報告です。GHは 7.5 %で歴代 11 位、それからプライムタイム
は 7.0 %で歴代9位タイ、全日は 3.6 %で歴代 10 位タイでした。昨年よりも、3部門ともマ
イナスと、7月とは打って変わって、視聴率は低迷した月でございました。要因は、8月8
日から 24 日まで開催された北京オリンピックの放送の影響をもろに受けてしまったという結
果となりました。ちなみに、最高視聴率だったオリンピックの番組は、8月8日の開会式と
いう結果でございました。
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それから、もとに戻りまして、主な自社制作番組の8月の視聴率結果です。「ばりすご☆
ボイガー7」は 2.8 %で前年比マイナス 1.4 ポイント、「九州けいざいNOW」は 2.6 %で
プラス 0.4 ポイント 、
「VIVA!!SPORTAS」は 4.4 %でプラス 0.9 ポイント 、
「き
らり九州 めぐり逢い」は 6.1 %でプラス 1.4 ポイントでした。
それから、昨年の視聴率を 2 ポイント以上伸ばした番組ですが、月曜の「主治医が見つか
る診療所」のほか、「和風総本家」は 9.6%で、昨年の「三丁目のポスト」が 2.7% ですから、
これは飛躍的に伸びております。それから、火曜の「開運!なんでも鑑定団」、金曜の時代
劇の4番組でございました。
ホークス戦も、8月にはオリンピックの関係で、2試合のみの中継でございました。火曜
日と土曜日に2試合編成しましたが、火曜日が 4.5% 、土曜日が 4.6%でした。裏で日韓戦の
野球中継がありまして、その影響をもろに受け、寂しい結果となりました。
視聴率報告、簡単ではございましたが、終わらさせていただきます。
○ ありがとうございました。
引き続いてですが、視聴者対応報告をお願いいたします。
(TVQ側) 皆さんのお手元に配っております視聴者対応報告に沿って、ご報告します。
7月は、問い合わせ、要望、意見、指摘、苦情の合計件数は 479 件ということで、前月よ
りも件数としては 17 件減っておりますけれども、前年同月と比べるとプラス 126 件という
状況でした。
主な番組別の件数を報告しておきますと、「セキレイ」というアニメ番組についての問い
合わせ、要望、意見が 51 件、それから韓国ドラマ「秋の童話」には 29 件、「TVQスーパ
ースタジアム」の野球中継に 22 件、そのほか「開運!なんでも鑑定団」や「主治医が見つか
る診療所」などに寄せられています。
その内訳としては、「セキレイ」について、いろんな問い合わせが一番多く寄せられまし
た。全部で 12 件ございます。これは7月 23 日に放送した分ですけれども、ちょうどこのと
きに岩手地方の地震がありまして、
番組の途中でニュースをカットインをしたということで、
2分間ほど、この「セキレイ」の番組が見られなかったということがございました。それで、
この番組についての苦情とか、問い合わせとか、そういったのが寄せられたということです。
この番組については、1週間後に再放送をしております。
それから、韓国ドラマの「秋の童話」ですが、これはテレビ東京のネット番組でありまし
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て、字幕スーパーは出しておりません。これについて、「字幕スーパーはどうして出せない
のか」というような問い合わせが来ております。これについては、テレビ東京に、その旨を
連絡したという措置をとっております。
「きらり九州 めぐり逢い」について、「大地康雄さんが訪ねた木工ギャラリーの連絡先
を教えて」といった問い合わせもありました。これは阿蘇にある木工ギャラリーで、このギ
ャラリーからの景色が、非常に雄大な眺めだというようなことで、行ってみたいという方が
問い合わせしてきたと思われます。
要望としては、先ほどの「セキレイ」の再放送希望、それから7月 14 日に放送した「主治
医が見つかる診療所」。これは漢方の特集だったんですけれども、「いろいろ参考になった
ので、もう一回放送してくれないか」という話でした。
ダビング希望としては、自社制作番組の「孤高のチャンピオン・鬼塚勝也」をダビングさ
せてほしいというようなことが寄せられております。 野球中継については、現在は、セン
ターカメラから映すのが主流になっていますけれども、「たまにはバックネットからの映像
も出したらどうか」といった、非常に野球の好きな方からの要望なんかも寄せられておりま
す。
意見としては、野球中継を解説者とアナウンサーのかけ合いでやっているんですが、「ち
ょっとうるさい」とか、「聞き苦しい」というような辛口の意見も寄せられています。「も
う少し的確、簡潔にやってほしい」、あるいは「解説者が選手、監督の名前を呼び捨てにし
たりするのは、ちょっとどうかと思う。○○選手とか、○○監督と言うべきではないか」と
いったような意見も寄せられています。
それから、苦情ですけれども、電波について、「自宅のテレビ2台がブロックノイズが出
る」、あるいは「毎週日曜日の朝になると、画面が白黒になる」といった苦情もありました
けれども、技術の方でいろいろ聞いてみると、こちらの送信側の問題というよりも、集合住
宅の受信側の問題の可能性が大きいということで、「そちらの管理者の方に、その旨を伝え
てください」というお願いをしております。これが7月の視聴者対応報告です。
次に、8月についてですけれども、同じく問い合わせ、要望などの件数は、全部で 380 件
です。これは、前月よりも、相当少なくなっておりますが、前年同月と比べると、逆に 100 件
余ふえています。
それから、問い合わせについては、「愛に狂う」という韓国ドラマに、「この話数が何回
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あるのか」といった内容が非常に多くて、全部で 26 件寄せられております。「レディス4」
についての料理の問い合わせ、それから「カンブリア宮殿」についての紹介された義肢装具、
あるいは人工乳房などを製造販売している会社についての連絡先を教えてほしい。「九州け
いざいNOW」の中で紹介された「これで勝負」のその商品の購入方法などが寄せられてお
ります。それから、もう一つ、8月 10 日自社制作番組で放送しました北九州にある不登校、
中途退学の人たちを教育している仰星学園というのがありますけれども、ここの教育につい
て、問い合わせがありました。
そのほか、要望として、オリンピック中継で時間がずれたので、8月 17 日放送のアニメ番
組「スレイヤーズREVOLUTION」を再放送してほしい。それから、8月 13 日放送し
た「絶景・人情列島 寅さんが旅したニッポン」も再放送してほしいといった要望がありま
した。「九州けいざいNOW」については、今後の放送予定をメールで送ってほしいという
希望なども寄せられております。
こういったところが主な視聴者に対応した内容です。以上です。
○ ありがとうございました。
これまで、一般業務報告、それから視聴率報告、ただいまの視聴者対応報告と、3つの報
告がありましたけれども、まとめて何か委員の先生方の方で、ご質問等ございましたら。
○ この前、NHKの放送局長さんの講演を聞きまして、今回の北京オリンピックの放送権
料が日本全体で 200 億円であったという話を聞いたんですが、17 日間で 330 時間ぐらいオ
リンピックの放送をしたんだそうです。ちょっとどこか1局だけがオリンピックの放送をし
てね、NHKも、民放もダブってする必要はないんじゃないかという思いがしたんですけど、
オリンピック期間中に。確かに視聴率を取るためには、オリンピックが断トツ視聴率を取れ
るんでしょうが、200 億円というそれだけの大金をかけて、何かお祭りみたいに、民放も、
NHKも、オリンピックを流す価値というか、意味というか、どうお考えなのかと思いまし
てね、ちょっと変な質問ですが。
(TVQ側) 民放連の中でも、それは、確かに議論がありましてね。NHKの8月はGH前年
比 6.2 ポイント 、PTで 6.5 ポイントとNHKの一人勝ちなんですよね。民放は、ほとんど
全滅しているわけですね。同じような形でやるのがいいのかどうかということについて、考
えなきゃいけないなと、民放連会長も、たしか記者会見で話をしていたと思うんです。一方
で、視聴率だけじゃなしに、先ほど申し上げましたように、番組というのは番組のスポンサ
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ーがついて、初めて成立しますので、逆に言うと、スポンサーがつけば、番組はつくれると
いうことなんですよね。だから、もちろん視聴率が重要ですけれども、その前提として、番
組のスポンサーがつくということであれば、やっぱり番組の需要はあるということなので、
その辺をどういうふうに考えていくのかということが、
一つの課題になっていくでしょうね。
だから、民放としては、NHKとは違った形で、いろんなオリンピックの放送番組のつくり
方を考えていかなきゃいけないと思うんですけれども、すぱっと何もなしで、そのままやっ
てもらった方がいいとかという意見もある。だからその辺の工夫をどういうふうにしていく
かというのが、一つの課題として残ったということは、確かに言えるんじゃないかと思いま
す。
昔、ご承知のように、テレビができた 40 年ぐらい前、全局相撲中継をやっていたんですよ
ね。だんだんなくなっていって、今はNHKのみ。だから、放送会社というのは競争がない
と言われても、実は技術で競争をやっていましてね、そういう中で、番組というのはセレク
トされていくんじゃないかと、オリンピックも4年に一度ですから、4年前のことを、すぐ
忘れちゃってですね、またやっぱりやりたいというところがあるのかもしれません。お答え
になっているかどうかわかりませんが。
○ よろしいですか。そのほか、どうぞ。
○ 今回、意見欄が非常に詳しく書かれているように思えたんですが、わかりやすいと言え
ば、わかりやすいんですが、生々しいと言えば、生々しいというか、たった一人の意見であ
ろうけども、その印象が随分するので、こういう番組かなというふうに思えてしまうという
ところもあるんですが、何かこれは、意図とかがありますでしょうか。
(TVQ側) 特に、これまでより詳しいというつもりもなくて、できるだけ正直に書いている
ということです。中にはお一人の方が何回も電話をしてきて、その番組に非常にこだわりが
あって、例えばこの度の地震で、アニメが中断をしたときに、本人にしてみたら、随分残念
に思われたんでしょう。「再放送はいつか」とか、「途中で切られたら困るじゃないか」と
か、そういうようなことをおっしゃって、何回も電話をしてこられた方もいたりしたので、
その印象が強く出たのかなあという気がいたしますけれども、特にこれまでと変わって、詳
しく載せるようにしたとかというようなことはございません。
○ クレームというのか、苦情じみたことについて、具体的な対応というのはされる場合と、
されない場合があると思うんですが、そういう基準みたいなのが、おありなんですかね。
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(TVQ側) 例えば、映像の映りが悪いといったようなことになると、技術的な問題になるの
で、技術部に相談をしてお答えするとか、あるいはこちらで説明がしにくいときには、技術
部に任せるというようなこともあります。あるいは番組をつくっている制作センターの方に
対応をお願いするといったようなこともございますけれども、できるだけ親切に、先方の相
談なり苦情なり、問い合わせにこたえるようにしております。
○ そのほかございますでしょうか。よろしゅうございますか。
それでは、本日の番組試写は「日韓横断!70 歳の挑戦∼水上バイクで駆け抜けた全軌跡」
となっています。この番組のコンセプトなどを、お話しいただいて、試写に入りたいと思い
ます。
(TVQ側) 今回の番組は、タイトルどおりなんですけれども、30 歳代で胃がんの手術を受
けながらも、70 歳という年齢で、博多港から韓国のチネ市までを、果敢に水上バイクで横断
を試みた方のドキュメンタリーでございます。この番組はテレビ東京系列のTXNドキュメ
ンタリー大賞というコンクールがありまして、それに出品する作品でもあります。ちなみに、
賞の結果は来年の6月です。まずは、番組を見ていただきまして、皆様からいろいろなご意
見をいただきたいと思います。
〔番組試写「日韓横断!70 歳の挑戦∼水上バイクで駆け抜けた全軌跡」
9/15(月) 午後 2:00∼2:30〕
○ ありがとうございました。
それでは、それぞれの委員から感想と、あるいはご意見等を伺いたいと思います。
○ 今の番組については、私もニュースで見て、すごいおじさんがいるなあと、感激して見
ていたんです。けれども、こういうドラマがあったということまでは存じ上げてなくて、き
ょう初めて見させていただいて、すごいなあと思いました。70 歳の方が、こういう海峡を渡
るという、一つの大きな自分の夢を果たしたということで、年齢層に限らず、いろんな意味
で、感動なり、勇気を与えたんじゃないかなあと思いました。
それと、もう一つは、私ども、いろんな方から福岡と韓国の関係をお聞きして、「九州は、
非常に韓国に近いんだよ」という話を、いろんな場で話すんですけれども、実際にお見えに
なって、こんなに近いのかということに、皆さんびっくりされるんですね。ビートルで行っ
-9-
て、その日のうちに帰ってこられるとか、1晩泊まりで、北海道とかに帰れるとか、番組を
通じて、どんどん情報を発信すれば、福岡なり、九州と韓国との関係が、随分とまた見方が
変わるし、非常に感覚的に近さをアピールする日韓交流の大きな役割を果たされたんじゃな
いかという感じを持ちました。以上です。
○ 韓国に渡られた後、倒れられて、翌朝のインタビューでは、すっかりお年をとられたみ
たいな表情だったんですけれども、番組最後のインタビューでは、また再挑戦するというこ
とでした。本当に見ている方がうれしくなるような、勇気をもらえるインタビューだったの
で、どんな年齢の人が見ても、勇気をもらえる番組かなあと思いました。
私も慶州の桜マラソンに、ウォーキングで一回行ったことがあるんですけれども、おっし
ゃるように、本当に近くて、そして韓国の雰囲気に触れるというのが、すごく楽しかったの
で。この近さで、お互いに市民レベルの交流がもっともっと盛んになったらいいなあと思っ
ていますが、この映像の中には、あまり交流というのがなかったので、もっとできていった
らいいんだろうなあと思いました。以上です。
○ この番組についてということもそうですし、「開運!なんでも鑑定団」はもちろん、「田
舎に泊まろう!」とか、「きらり九州 めぐり逢い」も人気が高いのは、やっぱり普通の人
が結構すごい、毎回予期せぬおもしろさというのがあるからだと思いました。
もう一つは、「和彦ちゃん」というふうにお孫さんがおじいさんのことを呼んでいるとこ
ろは、まさに仕組まれない生の声で、真実味があったなあというふうに思いました。
だけど、一つ難しいというのは、時間ですよね。時間が伝わらないというか、9時間走り
続けるということが、実感としては感じられない。そこのところが、テレビでは、難しいの
かなというのは、最後思わされました。以上です。
○ TVQさんのドキュメンタリーは、この番組審議会で何本か見させていただいています
が、どれも力作で、おもしろい番組、質の高いいい番組ばかりで、こういういい番組は、ぜ
ひ続けてほしいなあと思って、今回のも大変感銘を受けました。
私、途中まで見ていて、こういう幾つになってもチャレンジ精神を失わない人を取り上げ
るのは、高齢化社会の中で、いろんな人を勇気づけていいんじゃないかという、屈託のない
意見を言おうと思っていたんです。けれども、途中からハプニングがあって、私、仕事がら
どうしても、つくり手の立場から物を見ちゃうので、あのハプニングがあっても、最後まで、
結果を含めて放送しようというところには、やっぱり局内で議論があったんじゃないかなあ
- 10 -
と、ちょっと想像したりするんです。例えば、下手したら、年寄りの冷や水になりかねない
とか、あれが原因で亡くなっちゃったりとか、そうすると、目も当てられないですよね。そ
の辺は、局としては、どういうお考えだったのかなというところが、ちょっと気になりなが
ら、私は見ました。
(TVQ側) とにかく、無理はさせないと、それから当時は、ちょうど竹島問題で、日韓関係
が非常に険悪なムードになっていましたので、その辺にも気をつけてということでやってい
ました。
同行していた武田さんは、30 代で日本人で最初に片道横断したで先達です。そして、息子
さんも一緒に行っていらっしゃる。それから、ふだんはドクターヘリに乗っていらっしゃる
お医者さんも同行されるということで、万全の体制を取りました。それから伊藤さんは、と
にかくすごい体力なんですよ。筋肉マンみたいな人で、これならば成功するなという感じは
ありました。とにかく無理は、もう絶対させないということで、臨みました。
○ きょうはコメント、ちょっと違って、個人的な好き嫌いですから、どうぞお気になさら
ないでください。いい番組だと思うんですけど、見ていて、実は違和感というか、何かすっ
と入ってこないという感じがしました。先ほど「和彦ちゃん」というのがいいとありました
が、僕は聞いていて、物すごく違和感がありましてね、あんな風に言わしちゃいけないなあ
という思いがあったんですけれども、つくり方がやたら明るいんですよね、最初は。私は、
実はビートルの航路をつくった張本人なんで、ビートルを取り上げていただいてありがとう
ございます。大変ありがたいんですけど、そのときに、やっぱり玄界灘の厳しさと、日韓の
いろんなわだかまりの大きさとか、それから古代ルートであった、あの航路で、今回は、そ
ういった歴史の重みのあるルートなんですね。それを、ちょっと背景に取り上げたら、よか
ったんじゃないかなあという気もします。もう一つは、多分大変な腕力を使うんでしょうね。
あの波のバウンドにも耐えるために、相当なトレーニングをしているし、給油とか、天候と
か、波の状況も、多分かなり予測して、あの日を選んだんだろうなあと思うんですよね。一
に玄海、二に日向、三、四がなくて、五に遠州灘と言ってですね、日本の三大荒海の一つで、
最も荒海なんですけど、そこを乗り切ったというときには、準備の大変さというのが、もっ
と表現した方がよかったんじゃないかなあと、多分スタート段階で、すでに、ほぼ8割終わ
っているはずなんですよね。例えば給油をどこでするかとか、ルートはどうするんだとか、
天候はどうなるんだとか、その辺の綿密な準備状況というのを見せていただきたかったなと
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思います。とにかく前半は、やたら明る過ぎるんですよね。単調だし、成功しそうだしね。
最後、失敗しなかったら、とんでもない番組ですよ。(笑声)だから、それを知っていて、
最初明るくされたんだろうなと思うんですけどね。ただ、自分自身は、途中でチャンネルを
変えるという感じがしてならないですね。結果的に、トータルして、いい番組だったんです
けどね。そういう前半のあたりは、物すごく違和感がありましたね。以上です。
(TVQ側) おっしゃるように、オートバイと違って、水上バイクはレバーをずっと引きっ放
しなんですよね。だから、9時間引くのは大変なんです。通常は片方にレバーがあるんです
けど。この水上バイクは、両方で交互にできるように改造したりもしているんです。そうい
う場面もあった方がよかったかもしれないですね。
○ この番組のすばらしいところは、もう皆さんがおっしゃられたので、私は、むしろその
逆で、実は番組を見終わった後で、すがすがしい思いがしなかったんですね。それは何かな
あと思ったんですけれども、今おっしゃられたように、激しい玄界灘を渡るって、どんなに
大変なことなのかということが、あんまり伝わってこないので、番組を終わったときに、い
い気なもんだなあという思いがあったんですね。それは、最初から、その字幕のところに「命
をかけた激走」とか、それから「愛妻の手づくりおにぎり」とか、「一日一日を大切に」と
か、「夢の挑戦」とか、ほとんど、もう手あかにまみれたような言葉が最初に出てくるんで
すね。「命をかけた激走」であるならば、韓国に着いたときに、あんなにビールを飲んでい
いのか思いました。「えっ、明日もあるのに、70 歳の方が、それだけやってきて、こんなに
食べて、飲んでいいの」とか、「もっと緊張感がなくちゃ、明日は走れないんじゃないの」
とか、こちらの方が心配になるくらいに、大変さの緊張感が伝わってこなかったんですね。
意地悪な見方をすると、ヤマハの水上バイクのコマーシャルじゃないかと思えるぐらいに、
海で水上バイクを走らせて、こんなに楽しいのよ、すてきなのよという、何かそればかりが
入ってきました。実は伊藤さんがどれだけトレーニングされているのかというのは、少し出
てきて、「ああ、すごいなあ」と思ったんですけれども、その水上バイクで行くことの大変
さというのは、やはり余り伝わってこなかったと思いますね。そして、やっぱり最後のとこ
ろで、やめる勇気をたたえるとか、一生懸命フォローされるんですけれども、きっと番組を
作る中で、後半は帰ってこれなかったので、どうにか、これをフォローしなくちゃいけなく
て、何かやっているなあというのが見え見えですね。本当に伊藤さんが 70 歳で挑戦すること
はすばらしいけれども、番組のつくりとしては、最後のすがすがしさよりは、私は後味の悪
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さの方が残った番組であった、というのが正直な感想です。申しわけございません。何か辛
口な言い方で。
○ 復路を断念して、私はよかったなと思っています、見ていてですね。復路をあのままで
帰ってきたら、70 歳のスーパー老人をたたえる、よかった、よかったの話になってね、36
歳のときに胃がんをした人が幾ら体力があっても、9時間、あの状態で行って、夜にビール
を飲んで、呼吸がとまって、やっと意識が回復しました。これは断念して、当たり前だった
と思うんですが、そういう感じが、まずしました。
それから、先ほども言われましたけれども、9時間かかって行った割には、途中経過が、
えらいスムーズに、さっと着いたという感じがしたんですよね。私バス会社ですけど、連続
運転時間、2時間なんですよ。こういうのは、連続運転時間どのぐらいなのかなあと思って、
見よったんですけどね、ずっと運転しよるような感じだったですね。
(TVQ側) 休憩は、途中に五、六回しました。
○ そうすると、1時間に1回ぐらいは、やっぱり休むんですか。
(TVQ側) そうです。
○ 片道で体力の限界が、きちっと出て、非常によかったと思いますね。呼吸がとまらんや
ったら、恐らく翌日はそのままやっとったんでしょうが。そしてもう一つ、70 歳の人が、こ
ういうことでチャレンジをして、年寄りに勇気と感動を与えたというふうに、果たしてなる
のかなあというのが物すごく、私は疑問になりました。あれだけの大人数の人を伴走させて
ですよ、本当危険と裏腹で、途中で心臓麻痺でも起こしたら、もうそれで終わりになるでし
ょう。そういう感想を持ちました。
(TVQ側) 実は、視聴者の方から4通ほど、手紙をいただきまして、視聴者プレゼントのな
いこういう番組に手紙いただくというのは珍しいんです。一人 50 代の方がいらっしゃいまし
たけれども、あとは、大体同世代の方から、それも非常に長文の手紙で、自分も 70 過ぎてい
るけれども、いろんなことにチャレンジしたというのは、勇気と感動をもらったと、そうい
ったような手紙をいだきました。やっぱり同世代の方にはある程度、受け入れてもらえたの
かなと感じております。
○ 私も、まさに同世代の昭和 13 年なんですけれども、多分これは「70 歳、わがままな挑
戦」、そういうイメージを持ちました。だけど、勇気は与えている、確かに。映像だけで言
えば、9時間、非常に苦心惨たんして乗っているというさまが、もっと見たいなあと思いま
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した。これは撮影技術だとか、いろんな問題あるかもしれませんけど、そこから伝わるもの
が、あんまりなかったように思います。何かやたらに手を振って、元気なところばかり見せ
るようなところがあるわけなんですけれども、疲労感みたいなものがあれば、もっと違った
意味の感動があったかな。大変すばらしい挑戦だと、もちろん思うんですが、韓国から見た
ときにどうなんだという、韓国側の視点は、せっかくドキュメンタリーですので、少し欲し
かったなあという思いがいたしました。ただ、撮影時間や、それから向こうからコメントを
とったりする、いろいろな状況が難しかったかもしれませんけれども、そんな印象を強く感
じました。
今、日中韓のテレビ制作者フォーラムをやってるんですが、そういう場に、多分議論とし
て出せるような部分が、もしあるとするならば、韓国側のちゃんとしたコメントを、あるい
は動向がもうちょっと映像的にあれば、ドキュメンタリーとして、深みができたんじゃない
かなあといずれにしても、やめられた勇気というのは、私立派だと思うんですが、意外に単
調なやめ方だったわけですよね。もう少し段階的にしっかりあると、もっと盛り上がったも
のになるかなという、そんな印象を、私は持ちました。
○ あとですね、ちょっと気になったのは、吉田市長からの親書がございましたよね。受け
取った方がマリーナリゾートの人で、と言ったら失礼ですけれども、そこがすごく安手でつ
くっているという気がします。
○ 私のイメージでは、非常に唐突な印象を持ちましたけどね。あの流れの中に、あれが必
要かどうかと。親書を持っていかれるのは、もちろん自由ですけれども、映像として、あの
流れの中に、あれが本当に連続性があるかどうかという点では、何となく、違和感を感じま
した。
(TVQ側) 当初、鎮海の市長が来る予定だったんですけど、例の竹島問題で、やっぱり市民
の目がということで。
○ ああ、そうですか。わかりますね。
(TVQ側) あの当時、
確かにいろんな会議とかが中止になったりして、
その中で撮ったので、
確かにそういうこともあったんじゃないかと思っていたんですけれどもね。
○ 仮に、市長さんが出てきても、あんまり必要のないシーンかもしれませんね。
○ 日韓交流を掲げて走り回ったものじゃないだけにですね、違和感を持ちました。
以上が、各委員の方の感想でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。
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(TVQ側) なかなか、多岐にわたって、いろんな意見が出たということは、それだけ論ずる
に値する番組でもあったというふうには、受けとめております。
○ それでは、会議を終了させていただきます。どうもありがとうございました。
(TVQ側) どうもありがとうございました。(了)
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