● モロッコ労働組合(UMT) モハメッド ラシディ モロッコ労働組合フェズ支部 【UMTの状況】 事務局長 21産別組合が加盟しています。 設立は1955年3月20日です。モロッコが独 UMTは国の自由化に大変貢献しました。 立した翌年のことでした。委員長はマハ 労働者の力を結集して、国の自由化、民主化 ジュップ・ベンセリック氏です。42の地域、 に努めてきました。特に自由、平等、福祉に 地方組織が加盟しています。それに企業組合、 努力してきました。搾取に対して闘争を展開 しています。 働運動についての干渉をやめるように要求し UMTはグローバリゼーションに対しても てきました。政府の経済政策についても、 対抗しています。競争力を高めること、労働 UMTはさまざまな批判を繰り返してきまし 者の権利を確立するために新しい労働法の制 た。製造部門の投資についての経済の立て直 定、それから、労働組合の自由の為に闘争を しを図ることと、労働者の社会的な既得権を 展開しています。そうした闘争方針に基づい 尊重し、保護するように要求してきました。 て、さまざまな産業において、30個の労働協 約を結ぶことに成功しました。エネルギー、 銀行、農業、運輸、農産物食品産業などです。 【UMTの活動方針】 労働者の教育活動を促進することを強調し 政府は、自由な労働運動に対して非常に敵 ています。国際労働基準、経済政策及び雇用 対的です。労働者との友好で、公正な関係と 政策、構造調整、団体交渉、インフォーマル いうのは、社会対話に基づくべきものです。 セクター、労働安全衛生、地方農村部での労 UMTは、人権委員会、人々のための委員 働者について、男女の平等、児童労働、こう 会、それから、民間社会委員会を組織しまし したことが労働組合組織の努力によって支え た。それから、国際労働運動にも積極的に参 られています。労働組合の機能を高め、また、 加しています。1956年にCISA(アフリカ 組織構造を強化するためです。労働運動のメ 労働組合連盟 )、57年にICFTU、また ソッドの国際化、そして、社会対話に参加す USTMA(マグレブ・アラブ労働組合連 るための能力を高めること、労働者の生活水 盟)に1989年に加盟しています。 準の向上、持続的な成長に貢献すること、国 UMTは、労働者教育、あるいは、その宣 民の権利の発展に資すること、これを支援す 伝のために3つのマスメディアを持っていま ること、そして、平和の維持のために、また、 す。アバンギャルド(前衛)というタイトル 民主的な制度の維持のために闘争を展開して の週刊誌、マグレブインフォメーションとい いくことに努力しています。 う新聞、フェ・エ・リュット(事実と闘争) というタイトルの月刊誌です。 最後に、モロッコには17の政党があり、22 の労働組合があります。この数から見ても、 労働時間は週48時間です。それから、最低 労働組合のほうが政党よりも多いわけです。 賃金は月額約180ドルです。定年が60歳。男 いかに労働運動が盛んかということがおわか 女平等。 りいただけるかと思います。これは意図的に UMTは、政治的な困難にさらされてきま そうされているのであります。これはモロッ した。行政当局の労働運動への干渉をやめる コの労働者の能力、あるいは、力を育成する よう要求してきました。特に政治活動及び労 ためにそうした組織がつくられています。
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