積小為大(せきしょういだい)

積小為大(せきしょういだい)
校長 神戸秀巳
郷土の偉人である二宮尊徳先生の言葉です。二宮尊徳(金次郎)は私が生まれ育ち、今
住んでいる家から3km ほど離れた小田原市栢山(当時は足柄上郡栢山村)に生まれまし
た。生家は当時の姿のまま誕生地に復元され、隣に小田原市尊徳記念館が建っています。
積小為大の意味は「小さな努力の積み重ねが、やがて大きな収穫や発展に結びつく。小
事をおろそかにしていて、大事をなすことはできない。」です。『大事を成さんと欲する
者は、まず小事を務むべし。大事を成さんと欲して小事を怠り、その成り難きを憂いて、
成り易きを務めざる者は、小人の常なり。それ小を積めば大となる。』と残されています。
二宮尊徳は 1787 年小田原生まれの農政家・思想家です。豊かな農家
に生まれるも、再三にわたる酒匂川の氾濫で田畑を流され、家は没落
し、過労により両親は亡くなり、兄弟はばらばらに親戚の家に預けら
れました。
毎晩勉強していた二宮金次郎は、読書をするための油代を稼ぐため
に荒地に菜種を植え、たった一握りの菜種から7~8升の取り入れに
なった経験や、捨て苗を荒地で丹精こめて育てて、秋には一俵のもみ
を収穫したことにより、自然の恵みと人の力の素晴らしさを知るとと
もに、小さな努力の積み重ねが大切(積小為大)だと学び、これが後
の行いや考え方の基になりました。[報徳二宮神社ホームページより]
←「二宮尊徳先生
回村の像」(小田原市栢山)
言っていることは正しいと誰もが認めるはずです。問題は、「ひた
すら」「こつこつ」と継続できるかどうかにかかっています。できない理由を考えるより
も、できる方法を考えましょう。「継続は力なり」と覚悟を決めることが大切です。「自
分の信念に従いつつ、冷静かつ的確に状況を判断し、着実に歩を進める人」でありたいと、
いつも私は思っています。
「二宮尊徳先生
生家」(小田原市栢山)→
「ちりも積もれば」と考え、昔聞いた話をふと思い
出しました。積小為大ではありませんが、紹介します。
豊臣秀吉のおそば近くで、話し相手などを務めていた
曽呂利新左衛門(そろりしんざえもん)という人がいま
した。数々の逸話が伝わっていますが、実在かどうかを
含め、諸説あるようです。
ある時、秀吉はたいそう新左衛門をほめて、ほうびを与えることにしました。新左衛門
はお米を1粒欲しいと言いました。但し、今日は1粒ですが、明日はその2倍の2粒、3
日目はさらに2倍して4粒というように毎日2倍して、一ヶ月間続けて欲しいと言うので
す。秀吉はとても喜んで、その申し出を受け入れました。ところが!しばらくして、秀吉
は新左衛門にあやまって別のほうびに変えてもらったそうです。なぜだと思いますか?
〔答え〕約束の 30 日目のお米は 536,868,864 粒で、1日目から 30 日目までを合計する
と、米俵で 450 俵、石高で 180 石になってしまいました。 [注]6万粒で1升の計算
平成 26 年4月