「看護部通信」平成24年11月号 2012年11月掲載

看護部通信
2012 年 11 月
山々の紅葉も終わりに近づき、天気予報には雪だるまのマークが見られるようになりました。11 月 10 日「さわ
やか介護セミナー」が開催されました。参加人数は 70 数名で、介護に携わっている方や知識を得たいという方が
多く、笑いの中にも皆一生懸命実技を学んでくれました。さて、今月は 3 題の院外研究発表がありました。第 51
回全国自治体病院学会では、嵯峨史敬さん、佐々木寛之さん、第 24 回 NPO 法人日本リハビリテーション学会では
甲斐孝太郎さんが発表しました。発表者からは「質問が多く、自分達の研究に関心を持ってもらっている感じで達
成感が得られた」共同研究者からは「示説発表は、発表者と質問者が同位置で質疑応答が出来ているところが新鮮
であった」等の感想が聞かれました。大変お疲れ様でした。
11 月 1 日から、7 病棟に 5 名の介護福祉士が採用されました。皆さん宜しくお願いします。
看護管理室
外来 T・S
A・S
忘れること 恐れない!
日頃、物覚えが悪くなったりすると「そろそろ危ないか
研修報告
医療相談連携科
先日、管理研修でナイチンゲールの看護管理を教
な」と意識しまう事があったりなかったり。そんな時こん
えていただきましたので一部ご紹介いたします。
な記事を読みました。
「意外だと思うかもしれませんが、
1.経営者の基盤は、克明な観察と報告と実務の中
記憶力を高めるためには忘却も大切です」とカルチャーセ
ンター講師の椋木修三先生の言葉です。記憶力を悪くする
要因の一つに、忘却がうまくいかない事があげられます。
にある。
2.病院は生き物。日々進化していないと
生き延びていけない。
戦争で死の恐怖にさらされた兵士に、記憶障害がみられる
3.雑務の中から真実を見つけ出す。
のはその典型です。死の恐怖という記憶が忘れられないた
4.病院の大切な要素は、患者さんの社会復帰への
め、思い出した記憶の想起が妨げられ、新しい事が覚えに
くくなります。
「戦闘ストレス反応」と呼ばれるそうです。
カナダの脳外科医ベンフィールドは人間の脳に電気信号
を与えると忘れ去ったはずの過去の出来事を思い出すこ
とを発見しました。人間の脳は、体験した事を忘れるので
はなく別の領域に移している。フロイトはこの別の領域を
「無意識」と呼びました。椋木先生が生徒に必ず掛けるの
は「忘れてもいいんだよ」という言葉。忘れるのを恐れて
意欲向上と身体的健康誘導。
5.全ての仕事は、病院と仕事と仲間への愛着から
始まる。
6.病院とは患者さんが「生きる」事に向かって人
生を再構築する場所。
7.患者さんの立場で医師の診察を支援
しマネージメントする。
8.現場の活性こそが病院経営の原点。病院経営の
萎縮したり自分を責めて人格否定にまでつながることも
本質は現場の創意工夫に尽きる。
ある。ストレスは記憶の大敵なので、忘れても気にせずリ
ナイチンゲールは「私の所に来て奉仕しなさい」
ラックスして勉強に臨むことが大切なのです。椋木先生が
と神様の声を聴いてから 7 年後の 24 歳に修道女のよ
勧めるのは「もしかの心構え」
。10 ある設問のうち 3 問正
うに病院で病気やけがの人の世話をしたいと看護の
解したら「3 問しか覚えられなかった」と決してネガティ
勉強を始めています。90 歳で亡くなるまで 150 冊の
ブに考えず「3 問も覚えられた」とポジティブに捉える事。
本と 12000 通の手紙を書いています。手紙は世界各
「自分はできる、出来たという自己イメージが、記憶力を
国から看護と衛生に関して送られてきた質問への回
高める能力開発には欠かせないのです」
答でした。看護の道を志してから 190 年余りになる
(読売新聞より抜粋)
のに現在の看護と隔たりはなく、むしろ参考に出来
る著が沢山あります。皆さん、読んでみてはいかが
でしょうか。
秋田県立リハビリテーション・精神医療センター