ラバの旅 『トンネルの砂漠』リハーサル No.1 5.26

ラバの旅 『トンネルの砂漠』リハーサル No.1 5.26
1 武田
トンネル
両股を開いて、逆さになって後ろを見る
野球で球が股をトンネルしていく・・・
逆さに世界を見る強い目が印象
2 人でやると、何故か、更にトンネル感が強くなる
2 佐々木
アチ、
地面が熱く、飛び跳ね続ける 砂漠のトカゲは?
次に、一本線上を後ろから前に、少しずつ進みな
がら上半身は固定したまま、足だけ小刻みに跳ね
てもらった。
3 木許
徒労
地面を掘る身振りで、「東京砂漠」♪を歌ってみ
た。ここはネオン街。掘る身振りが、続くといい。汗
と臭いを撒き散らすまで。
次に、男 3 人で、穴掘りをやってもらう。シンプルな
強さ。男 3 人、何故かセツナイ。
4 アキ
キャラバン♪
紫のターバンを頭に巻いたアキ隊長は頼もしく皆
を率いた。 狭く、くねるトンネルの中、障害物を超
えていくキャラバン一行。みな前行く者と同じ動作
をして続く。名曲キャラバンが 5 人の隊列を砂漠へ
と誘う。美しく、可笑しい。 (歌詞は後記)
5 田村 そして死
横に並んだ男 3 人。明日に向かって必至に走り続
ける・・・息が上がる。時が来て、倒れる。動かぬ
体。束の間の休息か至福の死の訪れか?
6 佐々木 アチの続き
夜、満天の星空。星に手が届くかな? 星に見守
られて一人ぼっち。震災が心をよぎる。絶望感。
立ち上がって叫ぶ。
7 アキ 唄う “Midnight at the Oasis”
座って、次に、壁前に立ち後ろ向きで歌う。
真夜中のオアシス。半月の光の下、砂漠に落ちて
のロマンスの足跡を辿る。友のサボテンが道を示
す。わたしはあなたのベリーダンサー、じゃじゃ
馬。あなたはわたしの隊長になるわ・・・
8 武田 オアシスー蜃気楼
半畳の上に立つ男女。宙に浮かぶ水滴を忙しく摘
まんで食べ続ける。二人の距離感がロマンチック。
しかしいつの間にか女は静かに消え、一人残る男
は、なおも水滴を食べ続けている・・・
9 木許 砂漠のトンネルで、家政婦は見た
不毛な地で、一体何を見たというのか? 空間を
彷徨う目隠しをした女が倒れるとき、逞しい男が優
しく受け止める。再び女は歩き出し、男の腕に身を
投げ出していく。その遊び様をつかず離れず覗き
見る男。砂漠な謎に満ちたエキゾチックロマンス。
10 田村 隊列
指人形。遠くに、オアシスを後にして再び進みだ
す隊列が、月光に浮かびあがる。見る者の心を束
の間、幻想世界へと誘う。
♪ Caravan
ウィキペディアより
キャラバンはジャズの楽曲。1935 年、デューク・エリントン(Duke Ellington)と、エリントン楽団のトロンボーン奏者フ
ァン・ティゾールが作曲。1937 年にはアーヴィング・ミルズによって歌詞がつけられた。非西洋の音階を取り入れ
たメロディと、4 ビートに準拠しない激しいリズムが特徴で、アフロ・キューバン・ジャズの代表曲とされる。
エリントン自身お気に入りの曲で、何度も再演している。1962 年には、チャールズ・ミンガスやマックス・ローチとの
共演盤『マネー・ジャングル』でも取り上げた。また、ジャズ以外の分野でもスタンダード・ナンバーとなっている。
吹奏楽でもしばしば演奏される曲で、コンピレーション・アルバム『ベスト・ニュー・サウンズ・イン・ブラス 100』にも
選ばれた
Night and stars that above shine so bright
The magic of their fading light That shines upon our caravan
Sleep upon my shoulder as we creep
Across the sand so I may keep This mem'ry of our caravan
You are so exciting, you are so inviting
Resting in my arms As I thrill to the magic charms
Of you beside me here, beneath the blue
My dream of love is coming true Within our desert caravan
Night, night, night, night and stars above that shine so bright
The mystery of their fading light That shines upon our caravan
Sleep upon my shoulders as we creep
Across the sand so I may keep This mem'ry of our caravan
This is so exciting, you are so inviting
Resting in my arms As I thrill to the magic charms
Of you beside me here, beneath the blue
My dream of love is coming true Within our desert caravan
You beside me here, beneath the blue
My dream of love is coming true Within our desert caravan
ラバの旅 『トンネルの砂漠』リハーサル No.2 6.30
11 宮地
さがしもの
広大な砂漠から「想い出の一粒」を探す。見つけた
ら、どこかにしまう。どんな人のどんな想い出か、今
どんな状況か? 個々のシチュエーションをもっと
明確にすると、演者自身の関心をこえて、多様な
時空間や人間の有り様(ドラマ)が見えて面白い。
12 佐々木
アチ3
灼熱の砂漠に立ち、砂漠の名前を「フランス語」っ
ぽく、連呼する。究極の我慢の中、声(言葉)を出
すことのエロチシズム。鼻に息が抜けるからか?
連綿と砂漠の名前を挙げていったらどうなる?(後参
照) 砂漠のエキゾチシズム、発語で喚起する幻想。
13 田村
新隊列
一列で歩く。前者と同じ足どり(巨大生物か)。次第
に倒れゆく者。しかし、隊列は止まらない。散乱す
る屍をのり越え進む。どこへ? 幾重に倒れても、
次の人がいる。引き継がれる意思。希望。本能?
14 木許
No Image
No Image
(何故、箱根なんだ?
うっかり見ていたため、写
真とり忘れ)
箱根の山♪
歌を聴きながら、イチにアクセントを置いて、自由
に歩く。砂漠の対極にある湿潤な風景。そこを通ら
ないと、われわれは砂漠に行けない。ラジオから入
ってくる西洋音楽、そう、実はわれわれは日本も世
界も何も知らない・・・バイタリティーがとりえ?
15 武田
地下墓地
横たわるボディ。眠っているのか、死んでいるの
か。やや離れた壁によりかかる不穏な影・存在。復
活を信じ、ミイラを蘇生させようと、息吐く男。迫害さ
れる隠れキリシタン。地下に眠る歴史の証言者がク
チャクチャと水滴を食べている。
16 小山
アリ地獄
女の周囲を、やや離れて数人がぐるぐる回り歩き、
次第にその輪を狭めていく。その輪から何度も出
ようとする女は、その都度はじき返され、やがて輪
に圧迫され姿を消す。死がくるまで、脱出不可能。
まるでそれは人生? 流砂の輝きは、死の誘惑。
17 木許
家政婦は見た2
再び目隠しをした女が、“声”を探し彷徨う。男は唄
う「きれいな月だよ、二人で歩かないか」 砂漠の
沈黙は耳を呼び、トンネルの暗闇は目を覚ます。
だれもいない寂しさに肌が火照る。幻覚はもう一つ
の生の秘密。トンネルはそこへと進んでいく。
No Image
18 田村
指人形2
Words
真夜中のオアシス
ラクダはもう眠らせてあげましょう
闇が私たちの顔を覆い
ロマンスの用意はできてるわ
空の上には半月がくっきりと
私たちのために輝いている
そっと抜け出して砂丘に行きましょう
今すぐに 砂埃を巻き上げて
さぁ、来て サボテンは私たちのお友達
彼が場所を教えてくれるわ
さぁ、来て 夕暮れが終わるまで
夕暮れが終わるまで
答える必要はないわ
何も言わなくていいの
私はあなたのベリー・ダンサー 跳ね回るわ
そしてあなたは私の首長に…
いちばんぼしが でた
うちゅうの
目のようだ
ああ
うちゅうが
ぼくを みている
(現代語訳のみ、すみません)
月日は百代という長い時間を旅していく旅人のようなもので
あり、その過ぎ去って行く一年一年もまた旅人なのだ。
船頭のように舟の上に生涯を浮かべ、馬子のように馬の轡
(くつわ)を引いて老いていく者は日々旅の中にいるのであ
り、旅を住まいとするのだ
西行、能因など、昔も旅の途上で亡くなった人は多い。
私もいくつの頃だったか、吹き流れていくちぎれ雲に誘わ
れ漂泊の旅への思いを止めることができず、海ぎわの地を
さすらい、去年の秋は川のほとりのあばら家に戻りその蜘蛛
の古巣をはらい一旦落ち着いていたのだが、しだいに年も
暮れ春になり、霞のかかった空をながめていると、ふと【白
河の関】を越してみたくなり、わけもなく人をそわそわさせる
という【そぞろ神】に憑かれたように心がさわぎ、【道祖神】の
手招きにあって何も手につかない有様となり、股引の破れ
を繕い、笠の緒をつけかえ、三里のつぼに灸をすえるそば
から、松島の月がまず心にかかり、住み馴れた深川の庵は
人に譲り、旅立ちまでは門人【杉風(さんぷう)】の別宅に移
り、
草の戸も 住み代わる世ぞ 雛の家
(戸口が草で覆われたこのみすぼらしい深川の宿も、私に
かわって新しい住人が住み、綺麗な雛人形が飾られるよう
なはなやかな家になるのだろう)
小山 Midnight at the Oasis
あなたのパパがサルタンだって知ってるわ
遊牧民なら知らない者はない
50 人の女性を侍らせ 誰もが彼に従う
喜んで彼の言いなり
だけどあなたにハーレムはいらないわ
私があなたの傍にいるから
そしてあなたにはラクダもいらない
私があなたを連れてってあげるから
さあ、来て・・・さあ、来て・・・
佐々木
木許
まどみちお
奥の細道 冒頭
と発句を詠み、面八句を庵の柱に書き残すのだった。
二月二十七日、夜明け方の空はおぼろに霞み、有明の
月はもう光が薄くなっており、富士の峰が遠く幽かにうか
がえる。
上野・谷中のほうを見ると木々の梢がしげっており、これ
ら花の名所を再び見れるのはいつのことかと心細くなる
のだった。
親しい人々は宵のうちから集まって、舟に乗って送って
くれる。千住というところで舟をあがると、これから三千里
もの道のりがあるのだろうと胸がいっぱいになる。
この世は幻のようにはかないものだ、未練はないと考え
ていたが、いざ別れが近づくとさすがに泪があふれてく
る。
行春や鳥啼魚の目は泪
(春が過ぎ去るのを惜しんで鳥も魚も目に涙を浮かべて
いるようだ。)
ラクダ ~タバコス~花火~星空~かなた~砂丘~
田村
中立地帯~空の波~ふうりん~まう~サクラ~満開
~
連綿と続く、思索言語・・・・・
いちばんぼし
武田
言葉連想ゲーム
戯曲より
ラバの旅 『トンネルの砂漠』リハーサル No.3 7.21
19
木許 トンネルの向こう
遠くを覗く。体を大きく揺り動かし前倒。再び遠望す
る。♪青い月夜 浜辺に親を探して鳴く鳥が・・「浜
千鳥」。無力な存在を、前に進めたい。進まぬもど
かしさ。生活のトンネルに入っている。明治天皇は
筒先に何を見たのか? 希望あるかないか?
20
宮地
砂女
トンネルを掘る男。そこに流れ込んでくる砂女。足に
まとい引きずり込む砂女。それを男は、遠くに運び
捨て、再び掘るが、砂女はまたもやってくる。ハアハ
ア息遣い。地に這いつくばる体。なまめかしくもあ
る。増殖する砂女。Or 穴掘り女はサスペンス。
21
アキ
アイたくて
居並ぶ壁を次々と取り払い、向こうで待つあの人に
“繋がる”瞬間に期待を膨らます。その期待を跳ね
返す岩盤は多様に立ちはだかる。岩盤の理由。い
つの間にかあの人は消え、眼前の闘いに埋もれ
る。壁と穴掘り人たちの人生模様が映る万華鏡。
22
カンヤ
トロトロトロ
審査員と応募者。石油採掘権か、新人娼婦のコン
テストか? 好奇の視線に晒される体は、静かに内
燃機関を燃やし興奮していくが、その絶頂は一瞬の
偶然に奪われる。行き場ない、満たされることのな
い生が、燻り続け私を溶かす。エロティシズム。
23
田村
マシン
砕く、掘る、運ぶ(移動コンベア)。男が女をかつい
で遊ぶ。ダダダダダ。宙に挙げられた女の足がバタ
つく。このバカバカしいエネルギーが、壁から次々
と、これまた阿保くさいマシンを掘り起こす。いつの
間にか空間は反復マシンで埋まる。
24
佐々木
★の王子様
女 3 人がひたすらトンネルを掘り続ける。その耳元
で男がささやく。“心で見なくちゃ・・・かんじんなこと
は、目に見えないんだよ””「砂漠が美しいのは、ど
こかに井戸をかくしているからだよ“ 「お前の秘密
は何だ」男は次第に女たちの心を暴いていく。
♪浜千鳥
青い月夜の 浜辺には
親を探して 鳴く鳥が
波の国から 生まれでる
濡れたつばさの 銀の色
夜鳴く鳥の 悲しさは
親を尋ねて 海こえて
月夜の国へ 消えてゆく
銀のつばさの 浜千鳥
ラバの旅 『トンネルの砂漠』リハーサル No.4 8.24
25
田村 ダルマ
七転び八起き。ゴロゴロ、風吹くままに、転がり、ぶ
つかる。転がる人間、孤独。でもお互いに寄り添
い、何か積み上げ生きる。途中、歌が聞こえてくる。
押し黙る体が、ちょっと緩み、救われる・・・
26
木許
砂漠のトンネル
鉢巻してじっと前を見据える息子。父は傍らの息子
をいとおしむ。戦後 70 年。長いトンネル経てもなお
体を啄む、“引き裂かれた”記憶。笑い飛ばす風が
去って残る空虚を一体どうやって埋めるのか?
27
カンヤ
砂漠を見てみよう
水槽をゆっくりかぶり、中でタバコをふかす・・・・
やがて訪れる呼吸困難、男は薄れる記憶の中、何
を見ようとしているのか?
28
佐々木
砂漠のトンネル
砂漠のまん中でタクシーを呼ぶ。「タクラマカン砂漠
です」来ぬはずの待ち時間に家族に電話する「お
父さん、元気だよ・・・ゴメンね、ゴメンね・・・」出口が
みつからない人生砂漠。
29
アキ
もうゲンカイ
アツイ、アツイ・・・・アメ、アメ・・・ミズ、ミズ・・・・ダレ
カ、ダレカ・・・一息の連呼が繰り返される。やがて体
は崩れ、地に投げ出された肢体から、ア~~~と失
語した籠る声が低く、周囲の空気を震わせる
30
田村
頭にのせて
頭にモノをのせて運ぶ。モノが落ちると、どこからと
もモノが飛んでくる。人生は危なっかしく、厳しい、
だからといって、休むこともままならぬ・・・一歩、また
前に、その先に何があるというのか?
31
宮地
二人、もしくはダルマ Part2
砂漠に何故か、二人の男女が仲良さそうに歩いて
いる。がその表の裏側では、今まさに、激しい戦い
が繰り広げられているのだ。砂漠に降りしきる砲弾
の嵐、一体それは何のため?
ラバの旅 『トンネルの砂漠』リハーサル No.5 9.14
32
田村
脱出
グロテスクな顔がのぞく、地面。そこから一人の女
が出てきて、背伸びをし、服を脱ぎ体を拭き、真新
しいシャツに着替える。拭った水を地面にしたら
せ、歩きはじめ、、遠くの地面から男を抱き起
す・・・トンネル。そこは自由を奪われた囚人の場。
脱出が叶った女の喜び。
ラバの旅 『トンネルの砂漠』リハーサル No.7 11.17
33
宮地
言葉
辺見庸の震災直後の言葉:死者たちへ、生き残っ
た者たちへ
33
田村 つれ
壁前に立つ女のところに誘われた男が、女に連れ
出され、ペットのごとく飼いならされ、やがて女
は男の背中に乗って旅ゆく。パラソルが砂漠を呼
ぶ。
34
カンヤ 孤独って
男女向き合う。小さな、大きなリアクション。だが
互いは向こうを見ている。近くとも遠い距離。
これを発展させて愛着と敵対。多様な感情が生ま
れ増幅される。
35
アキ
トンネル
列になってそれぞれ足で体で手でトンネルを作り
一人がくぐり進む。祝福のウェディンの記憶は闇
へ消えていく。2 人で交互に輪を作り、潜る。繰り
返しは、何処まで続くのか? 終わりが見えない。
36 佐々木
ハァイ
腹に何か? それを手で押さえ隠し、出合った人
間には、笑顔でハーイ、ハイッタッチ。疑心暗鬼は
もういやだ。
37 田村
タイトル不明