第 第17 17 警察活動の支え 警察活動の支え (1) 採用試験の状況 ア 警察官の採用 警察官の採用試験は、A区分(大卒等)とB区分(A区分以外)に分かれています。 (ア) 平成27年度採用試験の実施状況 試 験 区 分 A区分 第1回 B区分 A区分 第2回 B区分 (イ) (ウ) 第1次試験受験者数 最 終 合 格 者 数 競争倍率 男性 861 209 4.1 女性 230 48 4.8 男性 625 111 5.6 女性 116 25 4.6 男性 455 45 10.1 女性 110 16 6.9 男性 928 169 5.5 女性 278 56 5.0 平成28年度採用試験の日程 ○ 第1回∼第1次試験 5月8日(日)、第2次試験 6月中旬∼7月上旬 ○ 第2回∼第1次試験 9月18日(日)、第2次試験 10月下旬∼11月上旬 身体基準など 項 目 身 長 体 重 視 力 色 覚 そ の 他 男性警察官 女性警察官 160㎝以上 150㎝以上 47㎏以上 43㎏以上 両眼とも裸眼視力0.6以上、 又は両眼とも矯正視力が1.0以上 職務執行に支障がないこと。 胸部疾患及び感染症等の有無、聴力、その他 職務執行に支障がないこと。 <平成28年度募集ポスター> ※ 身体基準(身長・体重・視力)は「おおむね」の基準です。 イ その他の職員の採用 北海道警察には警察官のほかに、行政職員が働いています。行政職員は、北海道人事委 員会が実施する北海道行政職員採用試験の試験区分「警察行政A・B」の合格者から採用し ます。 また、専門知識・能力を必要とする職種(科学捜査研究所研究職員など)については、 欠員が生じた場合などに選考試験を実施し合格者を採用します。 - 101 - ウ 問合せ先 詳細については、北海道警察本部採用センター 011−251−0110(内線2656,2657) ハ ロ ー サイヨー 0120−860−314 までお問合せください。 フリーダイヤル (2) 警察職員の教育訓練 警察職員には、適正・妥当に職務を執行するため、円満な良識と確かな判断能力、実務能 力が必要とされます。そのため、様々な教育訓練を通じて、人格や能力に優れた力強い警察 職員の育成を図っています。 ア 警察学校における教育訓練 警察学校は、警察職員の教育訓練を専門的に行う研修機関です。採用時や専門的な知識 を醸成させる場合に一定の期間、職場を離れて団体生活を送りながら、法律や実務に関す る教育、情操教育等を集中的に行っています。 警 察 法 学 学 校 で の 内 容 憲法、民法、刑法、刑事訴訟法、警察法、警察官職務執行法など 警察実務 捜査、鑑識、生活安全、地域、交通、情報通信など 体育・術科 柔・剣道、逮捕術、拳銃、救急法、体育など 職務倫理 訓育、職務倫理など 警察学校の授業風景 イ 授 業 警察学校での訓練風景 職場等における教育訓練 職場では、個々の警察職員の能力や職務に応じた指導を行っているほか、卓越した専門 的技能を有する技能指導官による伝承教養をはじめ、職務倫理観を高め、道民の視点に立っ た組織運営や現場警察活動を行うための部外有識者による教養セミナーを開催するなど、 職務執行能力の向上や高い倫理観の醸成を図っています。 また、高い捜査指揮能力を備えた上級捜査幹部を育成するための検察庁特別研修や緊急 自動車運転のスペシャリストを養成するための道外研修のほか、犯罪の国際化等に対応す る国際的感覚を身につけるため、海外長期語学研修等を行っています。 - 102 - 部外有識者による教養セミナー ウ 海外長期研修(台湾) 術科訓練の充実強化 警察官は、道民の生命・身体の安全を守るため、柔道、剣道、逮捕術及び拳銃射撃など の術科訓練に励み、気力、体力の充実及び犯人の制圧技術を錬成するとともに、日頃の訓 練成果の検証や一層の練度向上を目的に各種大会を開催しています。 また、術科技能に特に秀でた者については、警察の全国大会や大きな部外の大会に北海 道警察の代表として出場させており、平成27年度は、全国警察剣道大会において団体1部 第3位、全国警察拳銃射撃競技大会において男性制服警察官の部(個人)及び女性制服警 察官の部(個人)でそれぞれ第4位に入賞するなど、各種大会で優秀な成績を収めました。 さらに、日本武道館で開催された第16回世界剣道選手権大会に北海道警察から男子団体 及び女子団体の代表選手として出場し、日本の優勝に大きく貢献しました。 北海道警察柔道大会 北海道警察剣道大会 北海道警察逮捕術大会 北海道警察拳銃射撃競技大会 (各方面単位で実施) - 103 - (3) 女性職員の活躍 北海道警察では、女性職員の採用・登用 の拡大に積極的に取り組んでいます。 平成27年12月末現在における女性職員の 数は、警察官約910人、一般職員約460人で あり、年々増加しています。 女性警察官の職域も拡大し、性犯罪被害 者の支援やDV・ストーカーに関する相談 への対応等、女性の特性を生かした分野の ほか、捜査活動、警衛・警護等の分野におい 女性警察官による取調べ ても女性警察官が活躍しています。 また、平成28年4月には「北海道警察における女性職員の活躍の推進に関する特定事業 主行動計画」を策定し、女性警察官の割合や各階級・職に占める女性職員の割合を引き上 げることを目標として掲げ、女性職員のキャリア形成支援や仕事と家庭の両立を支援する 制度の整備・拡充、仮眠室等の女性専用施設の改善等、女性が活躍できる環境の整備に向 けた様々な取組を推進しています。 近年の急激な社会情勢の変化から、多種多様な犯罪・事故が発生しております。 犯罪や事故から道民の安全を守るためには、多くの道民の方々からの協力や援助が必要不可 欠となっています。 平成27年中の警察活動に協力援助していただいた方々への表彰は、 ・犯人検挙等に関して ・人命救助に関して ・その他の警察行政に関して 47人、 6団体 9人、 0団体 618人、 230団体 となっており、多くの方々に協力をしていただきました。 【平成27年中の犯人検挙への協力】 殺人 強盗 強姦 表 彰 個 人 放火 窃盗 2 6 恐喝 詐欺 1 区 分 団 体 25 ひき逃げ その他 合計 2 5 計 2 6 1 30 2 11 47 1 6 12 53 【平成27年中の人命救助への協力】 交通事故 表 彰 個 人 水 難 火 災 山 岳 その他 合 計 1 1 7 9 1 1 7 9 区 分 団 体 計 - 104 - (1) 機動力の整備(車両、航空機、警備艇等) 広域・スピード化する各種事件・事故や災害等の発生に際し、迅速・的確に対応するため、 パトカー、白バイ、捜査用車等のほか、ヘリコプターや警備艇等機動力を有する装備を計画 的に整備しています。 特に、北海道の地勢・気象条件及び山岳部・雪道での走行を考慮した四輪駆動車(4WD)、 高床式車等の配備を進めるとともに、災害対策用の特殊車両等も整備するなど、機動力の充 実に努めています。 ヘリコプター 災害用投光車 警 水難救助車 備 艇 (2) 各種装備資機材の整備 機動力を生かす装備のほかに、日常活動や特異な活動で必要とされる捜査用資機材、救命 水上バイク、冬山遭難救助用資機材、爆発物処理資機材等のほか、受傷事故防止資機材など 各種装備資機材を整備しています。 - 105 - (1) 警察情報管理システムによる業務の効率化 警察本部、警察署等に設置したコンピュータと、これらを結ぶデータ通信回線から構成さ れる警察情報管理システムを整備しており、これにより、盗難車両、行方不明者、指掌紋等 に関する情報の登録と、様々な照会に対する迅速な回答が可能となり、被害品の早期回復、 行方不明者等の早期発見、犯人の早期検挙等を実現しているほか、運転免許証や許認可等に 関する情報を管理することにより、運転免許証の即日交付、不正の防止等を実現し、犯罪捜 査をはじめとする各種警察活動の効率化・合理化を図っています。 現 照会 登録・照会 登録・照会 回答 回答 回答 場 照会センター 警察情報管理システム 警察 署 等 (2) 情報セキュリティ対策の推進 警察情報管理システムでは、犯罪捜査、運転免許証等に関する個人情報をはじめとして、 多くの機密情報を扱っていることから、情報流出の防止措置等について規定する警察情報セ キュリティポリシーを策定し、情報の暗号化や外部記録媒体の利用制限等の仕組みを設ける など、各種の情報セキュリティ対策を推進しています。 (3) 業務継続性の確保 災害発生時においても、災害応急対策業務を行いつつ、警察情報管理システムの機能等を 継続できるよう、バックアップによるデータの消失の回避や、運用・保守要員の確保等の対 策に取り組んでいます。 (4) 行政情報化の推進 道民の利便性の向上を図ることを目的として行政手続(電子申請・届出等)の電子化、ホ ームページや電子メールを利用した情報発信(地域安全・交通安全情報等)による行政情報 の提供等、インターネットを活用した行政の情報化を進めています。 - 106 - (1) 留置施設の管理運営 平成28年4月1日現在、北海道警察における留置施設は、全ての警察署に設置されている 69施設と警察本部直轄の2施設との合計71施設であり、その収容可能定員は、全道で988人と なっています。北海道警察では、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律に基づき、 捜査と留置の分離を徹底しつつ、被留置者の人権に配慮した処遇及び施設の改善を推進して、 適正な留置管理業務の運営を徹底しています。 ア 警察本部直轄留置施設の運営 (ア) 警察本部留置施設(女性専用) 警察本部3階に設置され、平成10年11月1日から札幌市内署及び江別、千歳署等近郊 警察署が扱う全ての女性被留置者を集中的に留置する施設として運用しています。留置 主任官として女性の警部を置くとともに、看守勤務員は全て女性警察官を配置し、女性 の特性に十分配意した処遇を推進しています。 平成27年中は、全道の女性被留置者(延べ人員9,885人)中、約40%の3,975人を収容 しています。 (イ) 警察本部琴似留置場留置施設(男性専用) 札幌市西区八軒1条西3丁目に所在し、平成18年4月から運用を開始しており、札幌 市内署及び近郊署からの委託による男性被疑者を受け入れ、警察署の負担軽減を図って います。 留置施設内の状況 イ 琴似留置場留置施設 女性専用(集中)留置施設の運営・運用 警察本部直轄留置施設のほか、函館中央警察署留置施設は女性専用留置施設、岩見沢警 察署、小樽警察署、室蘭警察署、旭川東警察署及び帯広警察署の留置施設を女性集中留置 施設として、看守勤務員に女性警察官を配置し、女性の特性に十分配意した処遇を推進し ています。 - 107 - (2) 留置施設視察委員会の運営状況 平成19年6月施行の刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律の施行に伴い、留置 施設の運営状況について透明性を高めるため、部外の第三者からなる機関として、警察本部 及び方面本部に留置施設視察委員会が設置されました。委員は、弁護士等の法律関係者や医 師、地域住民等の合計17人が任命されています(警察本部5人、函館、旭川、釧路、北見方 面本部各3人)。 各委員は、留置施設を実際に視察し、被留置者と面接するなどして留置施設の実情を把握 した上で、委員会として留置業務管理者(警察署長等)に意見を述べるものとされており、 警察本部長及び方面本部長は、委員会からの意見及びこれを受けて北海道警察が講じた措置 の概要を公表することとされています。 留置施設視察委員による視察状況 (3) 被留置者の収容状況 平成27年中の全道被留置者の年間延べ人員は10万760人で、前年と比べ2,985人減少し、過去 5年間は減少し続けています。被留置者1人当たりの留置日数は19.5日、1日当たりの道内 の収容人数は276人となっています。過去5年間の平均では、1人当たりの留置日数が19.3日、 1日当たりの全道の収容人数は293.8人となっており、留置日数は横ばいであり、収容人数は 減少傾向にあります。 留置延人員 23年 160,000 24年 25年 26年 27年 120,000 80,000 40,000 0 全道 札幌方面 函館方面 旭川方面 釧路方面 北見方面 札幌市内署 23年 117,846 75,027 11,219 10,763 14,790 6,047 38,791 24年 107,831 66,533 11,091 10,924 14,677 4,606 32,204 25年 106,028 67,204 11,300 11,242 12,758 3,524 34,248 26年 103,745 65,557 8,709 13,049 12,864 3,566 32,824 27年 100,760 66,131 7,586 12,057 11,197 3,789 34,370 - 108 - (4) 被留置者の処遇 ア 支給貸与物品及び自弁物品 被留置者に対しては、以下に掲げる物品について、支給、貸与し、又は自弁(購入)を 許可しています。 (ア) 支給物品 【朝 食】 【夕 食】 ○ 食事 (1日当たり 主食 1,234キロカロリー 副食 998キロカロリー 合計 2,232キロカロリー を目安として給食) ○ 湯茶(主に白湯) (イ) 貸与物品 ○ 寝具(敷き、掛け布団、枕、毛布) ※ 掛け、敷き布団、枕はカバー付き ○ その他、被留置者の申出に応じて、 ・ タオル、石けん等の日用品 ・ 下着を含む衣類 ・ 筆記具 (ウ) 自弁(購入)を許す物品 【面会・差入れ窓口】 ○ 糧食(弁当)、菓子、清涼飲料、嗜好品 ○ タオル、石けん等日用品 ○ 下着類衣類 ○ 便箋、封筒等 ○ 書籍類(新聞、雑誌等) 窓口での差入れ可能物品 - 109 - イ 起居動作及び医療 (ア) 運動 留置施設内に設置された運動場において、土、日、休日を除く毎日、朝概ね10分から 30分以内で実施 (イ) 入浴 留置施設内に設置された浴室において、週2回実施 (ウ) 調髪 被留置者が希望した場合に、その自弁により、留置施設内の安全な場所で実施(留置 業務管理者が指定した理髪業者) (エ) ひげそり 留置施設内の指定された場所において、週3回以上実施 (オ) 健康診断 総務部長が委嘱した警察医により留置施設内の診療室等において、月2回実施 (カ) 医療措置 留置担当官による疾病調査、被留置者の申出により警察医又は関係機関の医師による 医療措置 警察情報通信部では、様々な情報通信施設や機器の整備・維持管理を行い、第一線警察活動 に必要な情報通信を確保しています。 また、犯罪捜査におけるパソコンや携帯電話機等の電子機器からの情報の抽出・解析や、サ イバー攻撃対策の技術支援など、技術面から警察活動を支えています。 警察情報通信の組織は警察庁情報通信局を頂点に、地方機関として管区警察局情報通信部、 東京都警察情報通信部、北海道警察情報通信部及び各府県(方面)情報通信部により構成され ております。 北海道については、札幌市に北海道警察情報通信部、函館市、旭川市、釧路市及び北見市に それぞれ方面情報通信部が設置されています。 (1) 警察情報通信基盤の整備 警察では、独自に整備・維持管理している無線多重回線(マイクロ回線)、電気通信事業者 の専用回線、衛星通信回線等の多様な回線により、警察庁から管区警察局、都道府県警察本部、 警察署、交番・駐在所を全国的に結んでいます。 これらの回線を基盤として、警察電話、移動通信システム、通信指令システム等の各種情報 通信システムを整備しています。 - 110 - 警察基幹通信網 衛星通信回線 旭川 北見 札幌 釧路 函館 管区警察局 青森 警察署 秋田 山形 岩手 仙台 交番・駐在所 新潟 佐賀 島根 福岡 鳥取 山口 滋賀 石川 岡山 長崎 広島 宮崎 関東 名古屋 茨城 東京 神奈川 千葉 三重 徳島 埼玉 静岡 高松 和歌山 高知 栃木 群馬 山梨 岐阜 愛媛 福島 奈良 大阪 大分 富山 長野 兵庫 熊本 鹿児島 京都 福井 警察本部 沖縄 専用回線 無線多重回線 (マイク ロ 回線 ) 警察庁 また、無線多重回線(マイクロ回線)等の2ルート化やIP化を図るほか、情報通信部の 職員が、回線や各種情報通信システムの状況を常時監視し、緊急時の応急措置を取るなどの 維持管理を行うことにより、高い信頼性・耐災害性を実現しています。 (2) 機動警察通信隊の活動 災害、事故、事件等が発生した場合、警衛・警護警備を実施する場合又は犯罪捜査を行う 場合において、現場状況の把握、指揮、命令、報告等を行うために通信手段の確保が不可欠 であります。 事件現場等が既設の通信施設により十分な通信手段が確保できない場合や、ヘリコプター テレビシステム等による映像伝送の必要がある場合には、情報通信職員で編成される機動警 察通信隊が現場に出動し、無線不感地帯対策や現場映像の伝送等を行い、現場活動の円滑化 を図っています。 - 111 - 機動警察通信隊の現場活動状況 事 故 現 場 北海道警察本部等 現場映像の伝送 通信の確保 (3) 情報技術解析活動 北海道警察の要請に応じ、捜索差押現場での技術支援、パソコンや携帯電話機等の解析を 行うなど、北海道警察の捜査活動を支援しています。 また、サイバーフォースと呼ばれる技術部隊を設け、北海道警察と連携してサイバー攻撃 の未然防止や被害拡大防止に係る活動を行っています。 事件発生 携 帯 電 話 機 等 外部メモリ 解析要請 犯罪捜査 ハードディスク パ ソ コ ン 等 押 収 品 等 - 112 -
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