Vehicle Network Toolbox 1

Vehicle Network Toolbox 1
CANを利用した車載ネットワーク通信
Vehicle Network Toolbox™を使用するこ
とにより、CANパケットをMATLAB®また
はSimulink®から直接送受信することがで
きます。CANメッセージの符号化、復号化、
およびフィルタリングが可能で、業界標準の
CANデータベースファイルの操作にも対応
しています。
Vehicle Network Toolboxでは、CANネッ
トワークからの実データを使用するアプリ
ケーションをMATLABで作成、テスト、お
よび解析することができます。
また、CANの
実データを使用してSimulinkモデルを検
証することも可能です。Vehicle Network
Toolboxを使用することにより、MATLAB
またはSimulinkから直 接 CANバスと通
信できるため、CANメッセージを他のデー
タと関連付けて同期させたり、CANバス
トラフィックをモニタすることができます。
Vehicle Network Toolboxでは、Vector
社 製の次のCANインタフェースハ ード
ウェアが 完 全にサポートされています:
CANcardX、CANcardXL、CANcaseXL、
CANboardXL、CANboardXL PCIe、
CANboardXL pxi。
主な機能
■CANパケットを送受信するためのMATLAB 関数
■CANバスをSimulinkモデルに接続するためのCAN 通信ブ
ロック
■CANメッセージの符号化と復号化を容易にする、ビットの
パック/アンパック関数とブロック
■実際のCANネットワークトラフィックを可視化するGUI
■CANメッセージのフィルタリング機能とロギング機能
■Vector 社製のインタフェースハードウェアとVector CAN
データベース
(.dbc)
ファイルのサポート
Vehicle Network Toolboxの
利用
Vehicle Network Toolboxでは、
MATLAB
および Simulinkから直 接 CAN バスとや
り取りすることができます。ツールボックス
関 数は、MATLABコマンドラインおよび
MATLABプログラムから実行することが可
能です。SimulinkモデルをCANバスに接
続するためのSimulinkブロックも用意され
ています。
ホスト/ターゲットCAN 通信のホストモデルを表すSimulinkモデル。
CANチャネルの設定
MATLABのCANチャネル関数とSimulink
のCAN 設定ブロックを使用して、CANバ
スとの物理接続を確立するVector CAN
インタフェースハードウェアへの接続を定
義することができます。Vehicle Network
Toolboxには、CANインタフェースハード
ウェアの設定(バス速度やトランシーバの設
定など)を照会および設定するCANチャネ
ル関数が用意されています。その他のCAN
チャネルプロパティ
(使用可能なメッセージ
の数や、そのチャネルで受信または送信さ
れたメッセージの数など)を確認することも
可能です。Vector CANデータベースファ
イルをCANチャネルに関連付けることで、
データベースに格納されている情報を使用
して、受信メッセージが自動的に表示されま
す。CANチャネルを定義した後、そのチャネ
ルでCANメッセージを送受信することがで
きます。
CANパケットの送受信
CANメッセージには、CANメッセージ識別
子(標準フォーマットの場合は11-bit、拡張
フォーマットの場合は29-bit)
、タイムスタ
ンプ、および最大 8バイトのCANデータを
格納するプロパティが含まれます。Vehicle
Network Toolboxで提供される送受信用
の関数とブロックを使用して、CANチャネル
を介したCANメッセージの送受信が行えま
す。データセットが大きい場合は、
オフライン
での解析用に、CANメッセージをログに記
録することができます。
信号の構築とCANメッセージからの
抽出
Vehicle Network Toolboxでは、CANメッ
セージを符号化および復号化するための関
数とブロックが提供されます。CANメッセー
ジデータには、複数の信号を表すデータを
含めることができます。アンパック化関数と
アンパック化ブロックで、開始ビット、信号
長、データタイプ、およびバイト順を指定し
ます。同様に、
パック化関数とパック化ブロッ
クには、CANメッセージ送信用のデータを
構築するためのオプションが用意されてい
ます。
CANトラフィックの可視化と
CANメッセージの処理
Vehicle Network Toolboxでは、特 定の
CANチャネル上のアクティブなトラフィッ
クを可視化するためのグラフィカルユー
ザインタフェース
(GUI)が提供されます。
canTool GUIは、
MATLABまたはSimulink
で他のタスクを処理中に実行することがで
きます。
アプリケーションにとって必要以上の情報
がネットワーク上のトラフィックに含まれて
いる場合は、
CANチャネルで受信するCAN
メッセージの数を、CANメッセージ識別子
の特定の範囲に制限することが可能です。
Vehicle Network Toolboxのフィルタ関数
とマスク設定を使用して、アプリケーション
に必要なメッセージのみを受信することが
できます。
指定するだけでなく、関連する信号のビット
パック化規則とアンパック化規則も規定し
ているため、
このデータベースファイルを使
用することで、CANバスとのやり取りが容易
になります。データベースには各メッセージ
の信号データタイプ、開始ビット、長さ、お
よびバイト順がすべて事前に定義されてい
るため、ユーザは信号の定義に煩わされる
ことなく、信号の解析に専念することができ
ます。
動作環境
Vehicle Network Toolboxには、以下の製
品が必要です。
・MATLAB®
動作環境の詳細につきましては、
www.mathworks.co.jp をご覧ください。
関連製品
・Simulink®
・Data Acquisition Toolbox ™
・Target Support Package ™ FM5
(Freescale™
MPC5xx用)
・Target Support Package ™ IC1
(Infineon®
C166用)
・Target Support Package ™ TC2
(TIのC2000
™ DSP用)
Vector 社
CANデータベースファイルの使用
MATLABまたはSimulinkでは、Vector 社
CANデータベースファイルをCANチャネ
ルまたはメッセージに関連付けることで、ア
プリケーション固有のメッセージ名や信号
名(EngineMsgやEngineRPM など)と、
スケールされた工学単位を使用して、CAN
メッセージを符号化および復号化すること
ができます。この業界標準のデータベース
は、
メッセージリストとコンポーネント信号を
canTool(データを可視化するためのVehicle Network
Toolboxのグラフィカルユーザインタフェース)によって
表示されたネットワーク上の実際のCANバストラフィック。
© 2009 The MathWorks, Inc. MATLAB and Simulink are registered trademarks of The MathWorks, Inc.
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