⑸ 関連重要事項 ア 今後の推進体制 (ア)内 部 機 関[新設] a 田川市世界記憶遺産保存・活用等推進会議(仮) (a)構 成 副市長、関係部課長等 10人程度 (b)所 掌 事 務 ・山本作兵衛コレクションの保存・活用等の推進に関すること。 ・世界記憶遺産センターの整備に関すること。 ・記念公園の整備に関すること。 ・その他必要な事項 (c)事 務 局 田川市世界記憶遺産推進室 (d)設 置 時 期 平成24年5月(予定) b 田川市世界記憶遺産保存・活用等事務担当者連絡会議(仮) (a)構 成 担当職員等 10人程度 (b)所 掌 事 務 ・山本作兵衛コレクションの保存・活用等に係る取組に関すること。 ・担当部署間の連絡・調整に関すること。 ・その他必要な事項 (c)事 務 局 田川市世界記憶遺産推進室 (d)設 置 時 期 平成24年5月(予定) (イ)外 部 機 関[新設] a 田川市世界記憶遺産等活用推進委員会(仮) (a)構 成 学識経験者、関係機関の代表、市民等 10人程度 (b)所 掌 事 務 ・山本作兵衛コレクション等の活用に係る事業計画に関すること。 ・田川市が実施する山本作兵衛コレクション等の活用に係る事業の推進に 関すること。 85 ・その他必要な事項 (c)事 務 局 田川市世界記憶遺産推進室、田川市文化課(市博物館) (d)設 置 時 期 平成24年4月 b 田川市世界記憶遺産等保存指導委員会(仮) (a)構 成 学識経験者(文化財保存科学専門家に限る) 5人程度 (b)所 掌 事 務 ・山本作兵衛コレクションの保存管理に係る規定、方針及び計画に関す ること。 ・田川市が実施する山本作兵衛コレクション等の保存に係る事業の推進に関 すること。 ・山本作兵衛コレクション等の保存及び展示環境に関すること。 ・その他必要な事項 (c)事 務 局 田川市文化課(市博物館)、田川市世界記憶遺産推進室 (d)設 置 時 期 平成24年5月(予定) イ 県立大学との連携 (ア)目 的 山本作兵衛コレクションのうち、絵画4点、日記59点、雑記帳や原稿等7 点、計70点を保管(いずれも山本作兵衛氏遺族所有)し、また、地域社会の 発展と人材の育成を目指し平成22年10月5日付にて田川市と包括的な連 携協定を締結している県立大学と田川市が世界記憶遺産の活用等に関し、これ までにも増して強固な連携による取組を推進、展開することで、世界記憶遺産 の活用等のさらなる効果的な推進を図るべく、ここに県立大学との連携案を取 りまとめるものである。 (イ)県立大学との連携の主な取組 a 山本作兵衛氏及び山本作兵衛コレクションに関する研究活動における連携 (a)県立大学附属研究所、市博物館並びに田川市が創設する予定である研究 機関が相互に情報交換等の連携を行う。 (b)包括的連携協定に基づく共同研究事業において、県立大学と田川市が 山本作兵衛コレクションの保存管理、整理、活用に関する研究を共同にて 86 とり行う。 b 県立大学が実施している公開講座に係る活動における連携 県立大学が今後、山本作兵衛氏及び山本作兵衛コレクションに関する公開 講座を開設した場合に、田川市が包括的連携協定の内容を念頭に側面的な支 援を行う。 c 県立大学の学生に対する普及、啓発活動における連携 県立大学との連携の下、学生に対し、山本作兵衛氏及び山本作兵衛コレク ションに関する研究成果等を情報提供し、田川・筑豊地域のファンになって もらえるよう努める。 d 観光ボランティアガイド等の育成活動における連携 研究活動の連携等を通じて、将来的な「市民全員ガイド」の実現に向けた 観光ボランティアの養成や深い専門知識を有したガイドの養成、そのための ガイドマニュアル等の作成について連携を図る。 e 全国・世界への情報発信における連携 県立大学との連携の下、テレビや新聞等を活用した情報発信に加え、各地 でシンポジウム等を行う。 ウ 研究機関の創設 (ア)研究機関(組織及び事業運営)のあり方 a 炭坑文化研究所の設置 山本作兵衛コレクションの世界記憶遺産としての価値と意義及びその背景 となった筑豊地域の社会と石炭産業について、関連する資料を収集・整理、調 査・研究するために、市博物館(世界記憶遺産センター後は同センターに移管) に研究機関「炭坑文化研究所」(仮/以下「研究所」という。)を設置する。 (a)研究所は、田川市の所属機関とする。 (b)研究所に所長、事務職員、研究員を置く。 (c)研究所は、田川市立図書館・田川市美術館、市外の石炭関連資料館(博物 館)、大学及び研究機関、教育機関等との連携によって研究事業を推進する。 (d)研究所は、研究成果をシンポジウム・公開講座、資料・データ集、年報、 研究紀要等によって公開・刊行する。 b 田川市炭坑文化研究委員会の設置 研究所を運営する組織として、「田川市炭坑文化研究委員会」(仮/以下「委 員会」という。)併せて設置する。 ( a) 委 員 会 の 委 員 長 に 、筑 豊 地 域 に 係 る 石 炭 産業 研 究 の 専 門 家 で 研 究活 動 を 組織的に運営できる者を配置する。 87 (b)委員会は、5~6人程度で組織し、委員長のほか概ね次に掲げる者をもっ て充てる。 ・筑豊地域に関する研究者 ・絵画に関する研究者 ・山本作兵衛コレクションの活用(学びと産業遺産)に関する研究者 ・福岡県立大学附属研究所に所属する者 ・市博物館に所属する者 (イ)研究所の所掌事務及び研究課題 a 関連資料の調査、収集、整理及び公開 (a)想定する関連資料 ・山本作兵衛氏関係資料 ・筑豊地域の石炭産業と地域社会に関する資料 ・筑豊地域・石炭産業を記録した人と業績に関する資料 (b)世界記憶遺産以外の山本作兵衛氏の絵画・遺品の所有状況調査とデータ化 (c)国内及び世界の石炭資料館(博物館)並びに関係機関・団体に関する情報 収集 (d)国外における世界記憶遺産に関するデジタルデータの収集及び情報提供 (ウ)主な研究テーマ a 山本作兵衛コレクションを通して炭坑文化を継承するための「五つの視点」 に応える研究 (a)山本作兵衛コレクションそのものの魅力・描かれているもの (b)世界記憶遺産としての価値(なぜ世界・人類の記憶遺産になったか) 特に、集合的記憶としての特徴 (c)絵と記録から、山本作兵衛氏の生き方(なぜ記録を残そうとしたか) (d)背景としての筑豊炭田における労働・生活と文化の歩み (e)筑豊炭田が日本の近代化・工業化を支えたこと、そしてその役割を終えた こと、それらを踏まえて再び向き合うこと 特に、今残っているものから考え学ぶために、近代化(産業)遺産群を調査 b 資料収集及び研究における国内外比較の視点 (a)絵画の技法における「大津絵」との関連性 (b)山本作兵衛氏の絵画と「筑豊・石炭産業を記録した人と業績」との比較 (c)国内外における石炭産業の記録画 (d)世界における日本の石炭産業の意義、世界史における筑豊炭田の意義づけ (e)炭坑社会の共通性と差異=筑豊炭田の独自性 88 エ 世界に向けた情報発信 (ア)目 的 一般指針に定められている世界記憶遺産の目的の一つ、「記録遺産の存在及び 重要性の世界的な普及啓発」の実現を目指し、 「グローバルコミュニティとの記憶 の共有」を念頭に、ここに世界に向けた情報発信案を取りまとめるものである。 (イ)世界に向けた情報発信の主な取組 a web 上での発信 (a)現在、田川市が作成し、英語、中国語、韓国語に翻訳した上で世界に向け て公開しているウェブサイトについて、さらに仏語、独語等への翻訳を 行う。また、これに併せ、当該ウェブサイトの内容の充実化を図る。 (b)文化庁の文化遺産オンラインウェブサイト等との連携を図る。 (c)世界遺産の登録を目指している九山遺産群のウェブサイトとの連携を図る。 b 海外メディアへの発信 (a)海外でイベントを行う際に、地元メディアにプロモーション活動を行う。 (b)中国や韓国等のメディアのプレスツアーをとり行う。 (c)九山遺産群の海外メディアの取材時等における連携を行う。 c ユネスコを通じた世界の教育機関への発信 (a)ユネスコの世界記憶遺産関係の出版に係る取組の中での連携に努める。 (直 近においては、ユネスコが平成24(2012)年6月に世界記憶遺産関係 の出版を行う予定。既にユネスコに対して、山本作兵衛コレクションに関す る情報を提供済み。以後、ユネスコに対し同様のアクションを行う。) (b)ユネスコの世界記憶遺産関係の世界規模での展示に係る取組の中での連携 に努める。 d ブログやソーシャルネットワークの活用による発信 主に世界記憶遺産に係る田川市の取組や地域おこし、山本作兵衛コレクショ ン関係の出版物やグッズ等の情報を次のとおり発信する。 (a)ブログで市博物館長若しくは担当職員からメッセージや情報を英語で発信 する。 (b)フェイスブックやツイッター等のグローバルコミュニティへ英語で情報発 信する。 e 博物館や美術館等との連携による発信 (a)世界の博物館 (b)世界の美術館 (c)国内の博物館 89 (d)国内の美術館 f 国際出版物での発信 山本作兵衛氏や山本作兵衛コレクションに関する調査、研究を進め、当該調 査・研究結果を取りまとめ、多言語化した上で世界に向けて出版を行う。 オ 資金調達の手法案 (ア)目 的 田川市が、今後、本報告書を具現化し、山本作兵衛コレクションの保存と活用 等に向けた各事業を展開するに当たっては、相当程度の予算が必要となる。 以上のこと並びに田川市の極めて厳しい財政状況等を踏まえ、ここに当該記憶 遺産の保存・活用等に向けた資金調達の手法を取りまとめる。 (イ)資金調達の主な手法 a 国による補助等 (a)文化庁 ミュージアム活性化支援事業(19,572千円(平成24年度 分)/補助内定済み) (b)文化庁 史跡関連補助事業 ■発掘調査事業 ■史跡等土地先行取得事業 ■史跡等及び埋蔵文化財公開活用事業 ・史跡等の復元的整備 ・野外観察施設設置・ガイダンス等施設設置ほか (c)文部科学省(日本学術振興会) 科学研究費助成事業 (d)国土交通省社会資本整備総合交付金事業 (e)過疎対策事業債 (f)その他国による補助等 b 財団法人等からの助成 (a)財団法人自治総合センター シ ン ポ ジ ウ ム 助 成 事 業 ( 3 , 0 0 0 千 円/ 助成決定済み) (b)その他国内の財団法人等からの助成 c 企業からの寄附 (a)電子マネー地域カード制度による寄附 (b)その他企業からの寄附 d ふるさと寄附金制度による個人からの寄附 国内外の個人からの寄附 e 山本作兵衛・世界記憶遺産センターさわやかオーナー制度(仮)による個人 90 からの寄附 例示:国内外の個人、法人及び団体からの寄附(一口1万円) f 市博物館設置の募金箱を通じての個人からの寄附 市博物館内に新たに募金箱を設置 g 世界記憶遺産、独自に製作した世界記憶遺産ロゴ及びキャラクター関連物の 販売収益 図録、絵はがき、複製画、記念冊子(予定)等の販売収益の一部 91
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