パナマ文書と国民の生活税理士

だ。
ル﹀による合田寛氏への
ト ・ ウエブ ・ ジャ ーナ
WJ︿インディペンダン
ナーを提供した︵以上I
パニーを設立し名目オー
万社のペーパーカン
所はオフショア︵注1︶
働いている。同法律事務
である。
た ︶。 資 料 ① は そ の 抜 粋
独自に翻訳して公開し
だとしている︵IWJは
行われている不正が原因
大はタックスヘイブンで
中で起きている格差の拡
の声明を発表した。世界
新聞は、ジョン・ドウ氏
しておく。本社は知的財
管会社C︵注2︶を設立
を設立し、オランダに導
ドに統括会社Aと販社B
た。
げるということが起き
公聴会に召喚して吊し上
ティム・クックCEOを
しているのはスターバッ
のような手法で租税回避
社は税負担を免れた。こ
な手法を用いてアップル
る。
配されていることにす
の管理会社D社に管理支
ドのA社はバーミューダ
今年5月6日南ドイツ
に
1150万件の膨大な資
インタビューより︶。
が国民の生活にどう影響
したものである。なお、
・分析してこのたび公表
記者が1年がかりで調査
3.タックスヘイブンとは
アメリカに本社のある
このような、すぐには
アップル社がアイルラン 理解できないほどの複雑
料である。ICIJにお
斎藤
直樹
した文書で、タックスヘ
いて、これを400人の
しているのかを考えてみ
税理士
イブンの実態を暴いたも
だ。 パ ナ マ 文 書 を 見 て
る。
国家が福祉政策をする
ためには税収が必要なの
のだ。タックスヘイブン
パナマ文書と国民の生活
ローバル企業や大富豪が
タックスヘイブンを使っ
﹁租税の所得再配分機
て税収を奪っている。税
源を奪われた結果発展途
能﹂の必要性を改めて思
クス、アマゾン、グーグ
上国では、十分な社会福
産権等の無形固定資産を
祉が出来ず幼児死亡率が
ヘイブンの最大の受益者
も多数に上る。タックス
に陥り、消費税率を引き
支払うが、これをオラン
ル等判明しているだけで
上げ、社会福祉の切り捨
増加している。日本にお
A社に移しておく。B社
暴露されたパナマ文書
を見て﹁国家にとって租
てに追い込まれている。
は多国籍企業なのだ。
はA社にライセンス料を
税とは何か﹂という問題
感じた。
ダの導管会社C社を通し
て行う。更にアイルラン
ジョン・ドウ︵いわば
い起こさねばならないと
名無しの権兵衛︶と名乗
ICIJは2013年に
タックスヘイブンの特 的である。
オフショアは国の法律
入手したオフショア・リ 徴 は お お む ね 次 の 3 つ
や規制が届かない地域を
ると気になるところがあ
ジョン・ドウ氏の告発
の声明文を読み返してみ
オフショア・タックス
︵参考﹃パナマ文書と
る 法 域 と い う 意 味。
指す。ただ、国の法律や
る。このような状況を打
ヘイブン﹄合田寛著
日本機関紙センター︶
だ。
て、所有権が確保され、
ち破るのはデジタルの力
注2 導管会社C C社
には外国からの資金の
①非居住者に対する税金
安全に管理でき、常時コ
しかないとしている点
出入りに源泉税がかか
ークスの内容も併せて公
ントロールできる状態に
書を取り上げてくれたI
らない。オランダ政府
表している。
しておかなければならな
CIJや南ドイツ新聞で
は自国で設立される会
る内部告発者が、パナマ
事業所を設け400人が
タックスヘイブンとい
う言葉からは①の税逃れ
い。
さえ全面的には信頼でき
われることを期待し
のモサック・フォンセカ
だけが想像されるがそれ
ビスを提供しているの
ないと書いている。
て、特別の税制を設け
5.ジョン・ドウ氏の告発
に限らない。規制をかい
は、ビッグ4といわれる
この相矛盾する複雑な
クを引き起こした巨額の
構造を支えるためのサー
くぐってリーマンショッ
巨大会計事務所であり、
情報抑制がかつての軍
事力行使に変わって支配
て い る か ら で あ る。
規制が届かないと同時
ックスヘイブンを使って
モサック・フォンセカの
の手段となっていると指
︵志賀櫻著﹃タックス
がゼロか、名目的な金額
いても国民生活の苦境と
福祉政策の後退が顕著
2.パナマ文書とは何か
の損失隠しが行われてき
ような巨大法律事務所で
摘している。そこでジョ
に、利用者はそこに隠し
た。また税逃れは①に、
ある。しかしその裏で最
ン・ドウ氏は﹁このよう
・イーター﹄より︶
②秘密性の提供
②③を組み合わせて行わ
も重要な働きをしている
な状況を打ち破るのはデ
モサック・フォンセカ
という法律事務所の内部
は世界で第4位の規模の
資料をICIJと南ドイ
れる。
のは巨大金融機関であ
ジタルの力しかない﹂と
1︶
﹃タックスヘイブン
参考資料
の委員会がアップル社の
いう意味。オンショア
注1 ﹁オフショア﹂と
は海岸を離れた沖合と
こしたのだ。
ち勝って敢えて行動を起
ン﹄、
﹃タックス・イータ
ある﹃タックス・ヘイブ
2︶故志賀櫻氏の著作で
号、﹃ 週 刊 金 曜 日 ﹄ 5 月
に迫る﹄合田寛著 新日
本 出 版 社、﹃ 世 界 ﹄ 6 月
社がこういう用途に使
︵本国︶に適用されて
ー﹄いずれも岩波新書
日号
いるいろいろな規制を
者への報復への恐怖に打
免除されて活動ができ
ところで、この問題を
語るのに、オフショアと
る。タックスヘイブンへ
いうところに希望を見出
ている企業や財産に関し
いう言葉が使われる。パ
お金を移す企業や富裕層
している。彼は内部告発
法律事務所で、
ナマ文書にあるようにペ
は必ずこれら3者のお世
③ゆるい法規制
年間にわたる
ツ新聞に提供した。パナ
マ文書は
ーパーカンパニーを作る
話になることとなる。
2013年に米国上院
だ。省略したがパナマ文
のは、正体を隠しそれに
の法律を逃れることが目
投機や、オリンパスのタ
よって税の規制やその他
か国で
ギリシャやスペインは相
グローバル企業や大富 当 ひ ど い 状 態 だ 。
豪がタックスヘイブンを
さらにひどいのは発展
途上の国々だ。多国籍企
使って巨額の税逃れをし
・収入格差は我々すべてに世界規模で影響を及ぼす、今日における決
定的に重要な課題の一つである。収入格差の急速な拡大についての議
論は、政治家、学者、活動家達が何年間もさまざまな議論を巻き起こ
し、多くの講演、多くの統計学的分析、ほんの数回の小規模なデモと
時折ドキュメンタリー報道がなされてきたが、どれもほとんど成果を
上げられていない。そして急速な格差拡大の原因は?そしてなぜ今そ
うなのか?という疑問は残されたままだ。
「パナマ文書」はこの疑問に対し、強力な答えを提示している。そ
れは広範囲で深刻な不正が横行している事実だ。
42
・しかし我々は安価で無限なデジタルデータ保存媒体と高速インター
ネット接続で、国境を越えることができる。はじめから終わり、開始
から世界規模のメディア配信までのつながりが容易になっている。次
の革命はデジタルの力でもたらされる。あるいはもう始まっているの
かもしれない。
業による国境を越えた企
(ジョン・ドウ氏 南ドイツ新聞に発表した声明抜粋)
ナリスト連合︶が5月
日に全世界に向けて公表
40
・米国では選挙で選出された政治家が資金集めのために大半の時間を
費やしていることは公然の秘密である。社会の他の階層と比較して、
租税回避動機が最も強いエリートに政治家が資金をせびる状況下で
は、有効な租税回避対策は実現することはない。
ている結果、また法人税
パナマ文書とはICI
J︵国際調査報道ジャー
・明確な不正行為を暴露した正当な、内部または外部の告発者は、政
府の報復的訴追から絶対に免除されなくてはならない。悪事を暴いた
後に、米国やヨーロッパの内部告発者や活動家の人生が次々と破壊さ
れるにいたる様を、私は目にしてきた。
業活動が途上国の富と資
源を奪っている。更にグ
・メディアの大半は、これまで現状の仕組みのなかでの合法と非合法
の区別のひどさに焦点を当ててきた。実際、合法とされるものに含ま
れるのが悪質過ぎるので、より厳しくすべきであることは間違いな
い。
しかし、この法律事務所、創業者、従業員が、くり返し、意図的に
世界規模で無数の法律に背いてきたという、もう一つの側面にも目を
向けるべきだ。彼らはしらを切るが、文書は彼らが詳細な知識に基づ
き意図的な不正行為を行っていたことを示している。
率の引き下げ競争をして
10
に思い当った。
1.国家にとって租税とは何
かか
経税部
だより
いる結果、各国は財政難
資料①
21
4. ダ ブ ル ・ ア イ リ ッ シ ュ
・ ウィズ ・ ア ・ ダッチサ
ンドウィ ッチという租税
回避手法
20
(第三種郵便物認可)2016年10月25日(5、15、25日発行)第1249号(4)
大阪歯科保険医新聞