第1回 漢 薬局に ってみよう! 来店される は年齢も症状も様々。

第1回 漢⽅薬局に⾏ってみよう!
更新⽇:2011年9⽉1⽇ ⽊曜⽇
漢⽅薬を使ったことのない⼈にとっては、馴染みが薄いもの、敷居が⾼いものというイメージが少なからずあると思います
が、簡単にいうと漢⽅(漢⽅医学)とはどういったものでしょうか?
「⻄洋医学とは全く別の、独⽴した漢⽅医学という医学です。単純に⾵邪にこの薬とか神経痛にこの薬というものではないん
です。」と語るのは、会津若松市内で⽼舗の漢⽅薬局を営む、三代⽬の五⼗嵐社⻑。「⾵邪」や「神経痛」といった、いわゆ
る⻄洋医学でいう「病名」で診るのではなく、漢⽅医学においては、あくまで病名ではなく、その患者さんひとりひとりの症
状に重点を置くといいます。⾃覚症状とその患者さんの体質やその時の体⼒などが⾮常に重要になってくるそうです。
漢⽅では問診が⼀番⼤事。いろんなことを患者さんから聞き出だして、その⽅に合った薬を処⽅します。
患者さんを診るときに「証(しょう)」と⾔われる、患者さんの全⾝状態を知るために、いわゆる問診が重要です。
「まず、来店された⽅に質問をして、それに答えてもらうんだけど、その聞き⽅が⾮常に⼤事。」
■どんな⽅法で聞いていくのでしょうか?
「『こういう症状があるんですけど』と⾔われたら、『じゃあこういう症状はありませんか?』という感じで聞いていく。
『これが出るんだったら、こういうの(症状)も出るんじゃないですか?』というような感じで。」
症状についてはとことん話を聞きます。それが最も重要だといいます。
「⼈にもよるけど、話を聞くのに10分くらいのときもあるし、30分以上のときもあるし。」
問診にはある程度の予測も必要だとか。Aという症状があるときは、Bという症状もあるのではないか、Cという症状もあるの
ではないかといろんな可能性を探ります。「それで、『こういった症状はありますか?』と聞くわけ。で、『ない』って⾔っ
たら、じゃあ『こっちの症状は・・・』という質問を続けていく。」この質問の繰り返しをしつつ、その⼈の顔の⾊つや・体格・
体⼒などを⾒ながら、道筋のようなものを作っていくといいます。
■同じような症状を持つ⼈でも、違う薬が処⽅されるんですか?
「同じように『咳が出る』と⾔っても、『⿐⽔は?』と聞いて、Aさんは『出る』、B
さんは『出ない』って⾔ったら薬は変わります。くしゃみが出る、出ないとかね、そ
ういうものをひとつひとつ、ずーっと辿っていくわけ。だから最終的に⼈によって薬
が違ってくる。」
―なるほど。それが、漢⽅薬がオーダーメイドたるゆえんなんですね。
来店される⽅は年齢も症状も様々。
■お店に来られる⽅は、どういった⽅が多いのですか?
「来店される⽅は症状も様々だけど、やっぱり四⼗代後半くらいからの⽅が多いかな。でも、⼗代の⽅も親御さんに連れられ
ていらっしゃいます。にきびで悩んでいるとか、アトピー性⽪膚炎とか、そういうのが多いかな。」アトピー性⽪膚炎は治る
までに時間もかかるし⾮常に難しいといいます。また、来店される8割ぐらいは⼥性が圧倒的に多く、やはり冷えが⼀番の原
因だとか。
「医⾷同源」-健康な体はまず⾷事から
■『医⾷同源』なんて⾔葉もよく⽿にしますが、お薬の情報だけじゃなくて、たとえば⾷事の⾯からのアド
バイスなどもされるんですか?
「そうだな・・・難しいことじゃなくて、漢⽅の場合は冷たいものは⾷べない、なるべくなら控える、そして温かいものを⾷
べる。できるだけ⽕を通したものを⾷べる。煮る、焼く、炒める。それが基本かな。体を冷やすということはやっぱり、抵抗
⼒を落としたり、病気にもなりやすくなったりするし。やっぱり体温は36℃以上じゃないと。」
それでは、早速問診へ・・・
肩こり・腰痛・頭痛をはじめ、
いろんな体の諸症状について
聞かれます。
のどの渇きとか、お通じとか、⼀⾒⼿の痛みとは何の関係もなさ
そうですが・・・?
丁寧な問診の結果、、、、、
どうやら私は⾎⾏が良くないことと、冷えなどが痛みの原因かも
しれないとのことです。
■私が処⽅されたのはコチラ
●当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)・・・
⾎⾏を良くして、冷え、こりなどを和らげる(当帰・芍薬など6つの原料からなる)
●桂枝加朮附湯(ケイシカジュツブトウ)・・・
⾎⾏を良くして、痛みを和らげる。疲れをとる。(桂枝をはじめ、7つの原料からなる)
この2つを調合して⼀緒に飲むと良いそうです。
こんなに暑い季節でも冷えている?!体の「冷え」は季節には関係ないようです。むし
ろ暑い夏はエアコン・冷たい⾷べ物・飲み物等でかなり体を冷やしているといいます。
確かに・・・今年は節電を意識して、エアコンには極⼒頼らない⽣活を⼼がけていまし
たが、その代わり冷たい飲み物が多かったかも・・・。
■どのように服⽤するのでしょうか?
煎じ薬、エキス散、散剤、丸剤等の製剤があります。煎じ薬は⽔からじっくり(45分くらい)弱⽕で煮出して、3回(朝・
昼・晩)にわけて飲むことになります。忙しい⽅には不向きかもしれませんね。夜煎じたものを次の⽇飲むという⼈もいます
が。エキス散(⽣薬からエキスを抽出)だったら、お湯に溶かすだけだから、忙しい⼈でも簡単です。時間短縮したい⽅は粉
末の⽅が向いているかもしれませんね。
飲む量は1回につき100cc程度(コップ半分程度)。お茶で溶かして飲んでしまっても問題はありません。
最初は10⽇間〜2週間程度で始めて様⼦を⾒ると良いとか。漢⽅薬はどうしても「⻑くかかる」というイメージを持たれがち
だそうですが、漢⽅薬だから遅いということではなく、慢性病(たとえば⾼⾎圧など)は⻄洋医学でも5年〜10年かかるの
はざらで、漢⽅薬でも急性病に対しては、早く効果が⾒られるといいます。
朝・晩(あるいは朝・昼・晩)と2〜3回に分けて、どちらでも⼀⽇量は同じになるので、本⼈の希望で回数を決められま
す。
―さっそく飲んでみました
処⽅されたお薬をさっそく試してみます。漢⽅薬は初めてですが、⼀体どんなもので
しょうか・・・ちょっとドキドキします。エキス散に熱湯を注いでよく溶かします。
⾒た⽬は薄めのコーヒーのようです。独特の⾹りもあります。やはり薬草を使⽤して
いるから苦いかも・・・?『良薬⼝に苦し』という⾔葉もあるので、お味のほうはあ
まり期待せずにひと⼝・・・。
・・・意外にも、すんなり飲めました(お世辞にもおいしいとまでは⾔えませんが)。これなら飲み続けていけそうです。あ
とは効果を期待するのみ。果たして効果のほどは?!
次回以降で経過を報告したいと思います!
※免責事項※
このサイトに掲載している漢⽅薬等に関する記述は⼀般的な事項です。医師・薬剤師等が患者さんに対して⾏う医療⾏為に替
わるものではありません。漢⽅薬を服⽤の際は、医師・薬剤師等にご相談下さい。