7 目標実現のための施策

7
目標実現のための施策
基本目標を実現するために、以下のような施策を設定した。実施スケジュールについては、現状を考慮し設定した。
【連携計画に定める施策
分
一覧】
類
【1】
市内を結ぶ公共交通ネットワ
ークの整備
施策
No.1
No.2
【2】
「持続可能
な公共交通」
を実現する
戦略的な運
行
公共交通の
利便性の向上
No.3
No.4
公共交通の魅力
の向上
公共交通の
利用促進
No.5
地域の活性化
実施主体
[主な実施主体]
「支線」、
「地区内路線」に区分し、周辺地域を運行する「支線バ 佐渡市、交通事業者
公共交通のネットワー ●市内の公共交通を「幹線」、
ス」と、国仲平野を中心とする「幹線バス」は主要ターミナルを介して接続し、需要密度に
クの整備
即した効率的な運行を行うシステムを導入する。
●「地区内路線」は、過疎地域や限界集落などその地区の需要特性に応じた輸送手段の導入や、
スクールバス、福祉バス、医療バス、タクシーなど他の制度や機関と連携し、あわせて効率
的・効果的な公共交通の整備を図る。
拠 点 タ ー ミ ナ ル の 強 ●幹線、支線、地区内路線の結節点となる主要なターミナルでは、上屋等の整備を行い、乗り 佐渡市、交通事業者
換え情報や観光情報などを提供する場としても活用する待ち合わせ環境を改善する。
化・整備
●時刻表や運行経路図などバスの運行情報、停留所周辺の施設情報等を、乗り換えターミナル
やパソコンのみならず、携帯電話などのモバイル版も含め、効果的な提供方法を検討・実施
する。
●乗降のスマート化や各種の割引化を容易にし、利用者の利便性向上に有効なICカードの導
ICカード等の導入
入を検討する。
公共交通のバリアフリ ●運行車輌に低床バスを順次導入することで、車両のバリアフリー化を進める。
バスの運行情報の提供
ー化
佐渡市、地域
NPO、交通事業者
実施スケジュール
短期
中期
長期
●
●
●
●
●
●
●
●
佐渡市、交通事業者
●
【モバイル】
●
佐渡市、地域
NPO、交通事業者
●
●
●
No.6
バスの魅力の向上
●バスラッピングや佐渡ならではの特徴的なデザイン車輌を運行することで、公共交通車輌の 佐渡市、地域
魅力を向上させる。
NPO、交通事業者
●
●
●
No.7
公共交通の利用促進等 ●利用者・周辺住民に対し、公共交通の利用状況、経費の状況を積極的に公開していくことで、 佐渡市、地域
NPO、交通事業者
行政、交通事業者、地域住民が一体となって公共交通を支えていく気運を高める。
の啓発活動の実施
●ノーマイカーデーやエコ通勤など公共交通の利用促進策の取り組みを実施する。
●企画キップ(休日割引など)等のインセンティブを設けることによる利用促進策を実施する。
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
No.8
免許返納制度との連携
No.9
住民・地域の運営に関
する参画
No.10
多様な割引サービス
の導入
観光客の
交通手段の
利便性の向上
施策の内容
No.11
No.12
No.13
No.14
観光客に対応した
バスの運行
外国語表記の情報提供
●高齢者の交通事故防止とも連携して、免許返納者に対し公共交通を利用する際のインセンテ 佐渡市、地域
ィブ等、利用促進策及び高齢者福祉サービスを進める。
NPO、交通事業者
●地区の需要特性に応じたより効率的で、利便性の高い公共交通を実現するために、住民・地 佐渡市
域主体の公共交通の運営組織の設立・育成を行う。
●高校生などの高頻度利用者、利用料金が高額となる長距離の利用者などに対し、多様な割引 佐渡市、交通事業者
サービスの導入を図る。
●路線バスや観光客を対象とした専用バスなどにより、観光客のニーズに合わせ、運行頻度、 佐渡市、地域
運行経路等を整備することで観光客の島内2次交通の改善と利用促進を図る。
NPO、交通事業者
●外客誘致が進められる中で案内表記の多言語化、ピクトグラムなどの視覚化を進める。
佐渡市、地域
NPO、交通事業者
ナイトライナー等によ ●ナイトライナー等により、中心市街地の潜在需要を喚起し、公共交通の利用促進とともに中 佐渡市、地域
る需要喚起と市街地の
心市街地の活性化を図る。
NPO、交通事業者
活性化
高齢者・障がい者の外出 ●福祉施策として、高齢者・障がい者に対し、割引運賃を設けることで、外出機会の支援・増 佐渡市、交通事業者
機会の支援
加を図る。
●
-28-
No.1
公共交通のネットワークの整備
(1)背景
●佐渡市総合計画における施策
・
「公共交通機関の確保」では、地域の実情に応じた公共交通ネットワークの
構築が課題となっている。
(2)施策内容
1)概要
市内の公共交通を「幹線」、「支線」、「地区内路線」に区分し、周辺地域
を運行する「支線バス」と、国仲平野を中心とする「幹線バス」は主要タ
ーミナルを介して接続し、需要密度に即した効率的な運行を行うシステム
を導入する。
「地区内路線」は、過疎地域や限界集落などその地区の需要特性に応じ
た輸送手段の導入や、スクールバス、福祉バス、医療バス、タクシーなど
他の制度や機関と連携し、あわせて効率的・効果的な公共交通の整備を図
る。
2)区分路線の考え方
「幹線」
・・・島内における面的な移動の円滑性の向上と港、市役所、病院
などの公共性・公益性の高い主要目的施設への利便性の向
上を図るため、運行時間帯、運行頻度、運行車輌、運賃等、
幹線にふさわしい路線の充実を図る。
「支線」
・・・幹線の路線バスとの連携を図り、従来の路線バスからの転換
により、各地域の需要特性に即した輸送手段を確保し、利
便性の維持と向上を図る。運行方法は、地域の状況に合わ
せた運行方法とする。
「地区内路線」・・・「幹線+支線+地区内路線」の地区内路線において、
コミュニティバスや乗合タクシー等の自由度の高い新たな輸
送手段を導入し、あるいは従来の路線バスからの転換により、
各地域の需要特性に即した輸送手段を確保し、スクールバス、
福祉バス、医療バス等と連携しながら、利便性の維持と向上
を図る。運行方法においては、地域の利用状況に応じ、予約
型の運行方法の可能性について検討する。
-29-
No.2
拠点ターミナルの強化・整備
(1)背景
●佐渡市総合計画における施策
・
「公共交通機関の確保」では、バス停上屋の整備などを検討し、利用者の利
便性向上に努めるとしている。
(2)施策内容
幹線、支線、地区内路線の結節点となる主要なターミナルでは、上屋等の
整備を行い、バスを待っている際に、乗り換え情報や観光情報などを提供
する場としても活用する待ち合わせ環境を改善する。
(3)事例
新潟市では、バス停の上屋の整備や、待ち合わせ椅子等の整備を行って
いる。
図
新潟市で整備されているバス停の上屋
-30-
No.3
バスの運行情報の提供
(1)背景
・アンケート結果(H20.12 実施)より 325 人が時刻表と経路図を気軽に見ら
れるようにしてほしいと回答。その内、65%は路線バスを利用していない
人である。
(単位:人) 0
100
200
300
400
500
600
700
料金を安くする
343
運行頻度を多くする
65 % が 路 線 バ ス を 利
用していない人
563
247
乗継割引があると良い
131
運行時間の変更
597
乗降口の段差の改善
133
停留所を自宅近くにしてほしい
340
停留所を商業・医療施設入口付近に設けてほしい
港での接続を良くしてほしい
91
325
時刻表と経路図を気軽に見られるようにしてほしい
沿線の施設等の位置情報を知りたい
バス停・携帯電話にバスの現在地情報を提供してほしい
その他
72
172
225
複数回答
回答者:1,956人
バスを利用していない人にとって、
「バスが何時来るのか」、
「どこを通
るのか」わかりにくいと考えられる。
(2)施策内容
現在でも路線バスの運行時刻表や経路図は、営業所・案内所やHPなどで提
供されている。そこで時刻表や運行経路図などバスの運行情報、停留所周
辺の施設情報等を、乗り換えターミナルやパソコンのみならず、携帯電話
などのモバイル版も含め、効果的な提供方法を検討・実施する。
(3)事例
柏崎市では、バス路線の経路図、運賃、
運行時刻表等を記載したポケット時刻表
を作成している。
-31-
No.4
ICカードの導入の検討
(1)背景
地域での公共交通と商業施設・地域との連携による地域の活性化や、公共
交通の乗り継ぎによる運賃の増加の低減を図る。
(2)施策内容
乗降のスマート化や各種の割引化を容易にし、利用者の利便性向上に有
効なICカードの導入を検討する。
(3)事例
JR東日本で運用されているSuicaは、鉄道利用だけでなく、地下
鉄、路線バスの交通事業者や、JR東日本の駅店舗でも利用が可能。
図
図
JR東日本のSuica
Suicaの利用方法
-32-
No.5
公共交通のバリアフリー化
(1)背景
・アンケート結果(H20.12 実施)より、路線バスの改善要望の中で「乗降口
の段差の改善」の意見が最も多かった。
・今後の高齢化が進む中で、容易な乗降は利用者の利用促進となる可能性が
ある。
・新潟市をはじめ、県内の自治体でも導入を進めている。
(単位:人) 0
100
200
300
400
500
600
700
料金を安くする
66%は高齢者が回答
563
247
乗継割引があると良い
343
運行頻度を多くする
131
運行時間の変更
597
乗降口の段差の改善
133
停留所を自宅近くにしてほしい
340
停留所を商業・医療施設入口付近に設けてほしい
港での接続を良くしてほしい
91
325
時刻表と経路図を気軽に見られるようにしてほしい
沿線の施設等の位置情報を知りたい
バス停・携帯電話にバスの現在地情報を提供してほしい
その他
72
172
225
複数回答
回答者:1,956人
(2)施策内容
・運行車輌に低床バスを順次導入することで、車両のバリアフリー化を進
める。
(3)事例
・新潟市で導入されている低床バス
-33-
No.6
バスの魅力の向上
(1)背景
・公共交通の利用者が少ないため、運行車両に関心を持ってもらい、利用促
進を図る。
(2)施策内容
・バスラッピングや佐渡ならではの特徴的なデザイン車輌を運行することで、
公共交通車輌の魅力を向上させる。
(3)事例
・新潟市では、
「実証実験」として、神奈川中央交通の連接バスのツインライ
ナーを借りて運行した。
・長岡市では、路線バスに低床で小型の環境に優しい車両を導入して、運行
している。
図
図
2008 年 8 月に実施された実証実験
長岡市で運行中の小型低床バス
-34-
No.7
公共交通の利用促進等の啓発活動の実施
(1)背景
・公共交通の利用者が減少しているため、利用状況を住民・地域の方に認識
してもらう必要があるとともに、公共交通を存続させるため、利用促進等
の啓発活動が必要である。
(2)施策内容
・利用者・周辺住民に対し、公共交通の利用状況、経費の状況を積極的に公開
していくことで、行政、交通事業者、地域住民が一体となって公共交通を
支えていく気運を高める。
・ノーマイカーデー、パーク&バスライドやエコ通勤など公共交通の利用促
進策の取り組みを実施する。
・企画キップ(休日割引など)等のインセンティブを設けることによる利用
促進策を実施する。
(3)事例
・新潟市ではノーマイカーデー、長岡市ではパーク&ライドの社会実験を今
年度実施。
-35-
No.8
免許返納制度との連携
(1)背景
・他都市と比較しても、高齢者の免許取得者数が多い。
70 歳以上免許取得者:佐渡市:7,714 人
三条市 :6,563 人
柏崎市:6,900 人
新発田市:7,500 人
・高齢化にともなう事故の危険性が増加している。
・新潟県警察も高齢者の事故防止のため免許返納制度を呼びかけているが、
免許保持者にとって、返納のメリットがないため、進んでいない。
(2)施策内容
・高齢者の交通事故防止とも連携して、免許返納者に対し公共交通を利用す
る際のインセンティブ等、利用促進策を進める。
(3)事例
・妙高市では、免許返納制度と連
携し、70 歳以上の運転免許返納
者に対し 2 万円分のバス利用券
を支給している。
-36-
No.9
住民・地域の運営に関する参画
(1)背景
・地域に即した効率的・効果的な公共交通を運行する。
・住民に対し、公共交通の運行に対する経費の認識の向上を図る。
(2)施策内容
・地区の需要特性に応じたより効率的で、利便性の高い公共交通を実現する
ために、住民・地域主体の公共交通の運営組織の設立・育成を行う。
(3)事例
・柏崎市の米山地区では、公共交通機関がないため、住民組織である地域の
コミュニティ振興協議会が公共交通(乗合タクシー)を運営し、運行を交
通事業者に委託している。
■運営
:米山地区コミュニティ振興協議会
■運行業者:柏崎タクシー株式会社
■運行車両:中型タクシー車両(輸送量が多い場合は、ジャンボタクシー)
■運行内容:毎週火曜日(休祝日及び年末年始を除く)
■乗車方法:前日の午後5時までにコミュニティセンターに電話予約(乗降
場所、時間)
-37-
No.10
多様な割引サービスの導入
(1)背景
・アンケート結果(H20.12 実施)より、路線バスの改善要望の中で「料金を
安くする」の意見が2番目に多かった。
・利用促進を進める中で運賃の改善が必である。
2番目に多い
(単位:人) 0
100
200
300
400
500
600
700
料金を安くする
563
247
乗継割引があると良い
343
運行頻度を多くする
131
運行時間の変更
597
乗降口の段差の改善
133
停留所を自宅近くにしてほしい
340
停留所を商業・医療施設入口付近に設けてほしい
港での接続を良くしてほしい
91
325
時刻表と経路図を気軽に見られるようにしてほしい
沿線の施設等の位置情報を知りたい
バス停・携帯電話にバスの現在地情報を提供してほしい
その他
72
172
225
複数回答
回答者:1,956人
(2)施策内容
・高校生などの高頻度利用者、利用料金が高額となる長距離の利用者などに
対し、多様な割引サービスの導入を図る。
(3)事例
・新潟交通では、
「子どもワンコインバス」を実施しており、小学生以下の子
供が一乗車につき 50 円で利用できる。
■期間 :平成 21 年 1 月 17 日(土)より、土曜、日曜(祝日含む)
■その他:現金で支払いの場合のみの適用
:バスカード・回数券、その他の乗車券を使用する場合は、通常の
子供料金となる。
:高速バス、赤塚地区バス、イベント臨時バス(サッカー、競馬等)
は対象外。
-38-
No.11
観光客に対応したバスの運行
(1)背景
・都市計画マスタープラン(素案)での施策として、
「日常生活や観光等の共
用利用や時間帯に応じた便数やルート変更の他、ライフスタイルや地域の
ニーズに対応した利活用を図る。(要約)」としている。
(2)施策内容
・路線バスや観光客を対象とした専用バスなどにより、観光客のニーズに合
わせ、運行頻度、運行経路等を整備することで観光客の島内2次交通の改
善と利用促進を図る。
(3)事例
・目的地に直結する両津港発の佐渡花
観賞ライナーバス(石花ライナー、
カンゾウライナー、ドンデンライナ
ー、金北山ライナー)等が運行され
ている。
図
-39-
観光客に人気の花ライナー
No.12
外国語表記の情報提供
(1)背景
・観光客には外国人の方も少なくない。(平成 19 年度:20 千人)
・佐渡国際トライアスロンなど外国人の方が参加されるイベントもあり、外
国語表記の案内が必要である。
(2)施策内容
・外客誘致が進められる中で案内表記の多言語化、ピクトグラムなどの視覚
化を進める。
(3)事例
・松山市では以下のようなサイン計画を行い、英語表記の他、ピクトグラム
や数字表記で、各拠点で図解標識や案内板等を整備し、整備経路等ではわ
かりやすい表記としている。
-40-
No.13
ナイトライナー等による需要喚起と市街地の活性化
(1)背景
●佐渡市総合計画における施策
・
「商業の振興」では、魅力ある中心市街地(商業地)の活性化対策が課題と
なっている。
(2)施策内容
・ナイトライナー等により、中心市街地の潜在需要を喚起し、公共交通の利
用促進とともに中心市街地の活性化を図る。
(3)事例
・十日町駅から、田沢・津南方面に深夜運行されている乗合タクシー
No.14
高齢者・障がい者の外出機会の支援
(1)背景
・高齢者や障がい者の社会活動を支援し、地域の活性化に資する公共交通と
する。
・送迎等の削減による、送迎者(家族・知人等)の労力の軽減。
(2)施策内容
・福祉施策として、高齢者・障がい者に対し、割引運賃を設けることで、外
出機会の支援・増加を図る。
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