1年生「グローバル探究」連携授業報告(B講座)

1年生「グローバル探究」連携授業報告(B講座)
日
時:平成28年10月7日(金)
場
所:高志高校34講義室
講
師:小坂
康之
10:35~12:25
先生 (京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科生態環境論准教授)
テーマ:アジアの稲作と緑の革命
対
象:本校生徒40名(1年生SGH生徒40名)
内
容:
(1)自己紹介
①小学時代、シンガポールと日本
子どものころシンガポールで暮らしたことから、グローバルに関する一考察のため
校歌の1フレーズを取り上げる。
○シンガポール日本人小学校校歌「世界の果てまで
○日本東京町田小学校「ぼくらは
金井の
われららの夢を
伸ばそうよ」
子どもたち」
シンガポールではグローバルな歌詞であるのに対し、日本ではローカルな地域愛の歌
詞である。初めはなじめずに歌えなかったが、卒業の頃にはなじめた。このように現
在社会も、グローバルとローカルのせめぎ合いで動いている。
②言語の重要性と大学での学び
言語は重要であるが、英語だけでなく
他言語にも目を向けてほしい。1つ1つ
の言語には生活が根ざしている。
ヒ ン デ ィ ー 語( ヒ ン デ ィ ー = バ ー シ ャ )
とラオス語(パーサー=ラーオー)の
言 葉 に つ い て「 バ ー シ ャ 」と「 パ ー サ ー 」
には似ているところがあり、実はインド
化の影響を受け、サンスクリット語から
派生していることが後々わかったなど、
共通点を探る試みが学問であり、学問も
稲作も同じである。
(2)食糧生産と人口増加について
①日本の減反廃止
1995 年 の 食 糧 管 理 法 の 廃 止 、 食 糧 法 施 行 後 も 減 反 は 継 続
2010 年 の 戸 別 所 得 補 償 制 度 導 入 で 減 反 に 参 加 し て 補 助 金 を 受 け る
その後、TPP交渉で高関税が引き下げられる可能性が発生したり、ミニマム・ア
クセスが80万トン程になり日本の生産の10分の1に相当するようになって、米の
国際競争力を高めることが求められるようになった。
②「世界がもし100人の村だったら」
アジア人は61人、50人が米を主食にし、25人が1年間に80キロの肉を食べ
ている。そして1キロの牛肉の生産するためには11キロの穀物を飼料として牛に食
べさせなければならないため、アジアの人の多くが牛肉を食べ始めると穀物不足が懸
念される。
( 3 )「 緑 の 革 命 」 に つ い て
ノーベル平和賞を受賞したノーマン=ボーローグ氏の穀物の品種改良について
①品種改良
・短稈(たんかん)直立型が、長稈水平型よりも群落光合成に適しているため、品種
改良を実施した。
・化学肥料、塩害、病虫害などの問題から他の品種が求められる地域もある。
②アジア稲作の類型
・灌漑移植型稲作(田植え)
・散播中耕型稲作(まくだけだが、雑草も生える)
・浮稲型稲作(大河川デルタ、丈が3mほどと長い)
・焼畑型稲作(森林伐採のサイクルをまもって)
地域性にあわせて対応されていること、インド化やタイ化など様々な交流により広
がっていることの説明
(4)最後に
~水牛の写真を見ながら~
・フィールドワークに必要なものは、ノートとペンとカメラだけであり、高度な機材
はいらない。現場を見て、1つ1つの意味をしっかり考えて、様々な情報を読み取る
力が必要である。
・水牛は労働力、肉、財産として重宝されている。
・近年は機械化が進み、社会構造が変わりつつある。