頂門の一針 - Melma!

2015/05/01発行
頂門の一針
□■■□──────────────────────────□■■□ わたなべ りやうじらうのメイル・マガジン「頂門の一針」3646号
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平成275(2015)年5月1日(金)
日中首脳会談は中国が呼びかけ:宮崎正弘
これでよいのか、原子力規制委の暴走:櫻井よしこ
透けて見える「大漢帝国」の「復興」:石 平
自衛隊の平和ボケ?!:平井修一
「生きている化石」の木:渡部亮次郎
話 の 福 袋
読 者 の 声
身 辺 雑 記
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第3646号
発行周期 不定期(原則日曜日発行)
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日中首脳会談は中国が呼びかけ
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 平成27年(2015)4月27日(月曜日)
通算第4527号 <前日発行> ∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼
ジャカルタの日中首脳会談は中国が呼びかけ、中国が席も用意した
それなのに中国マスコミには「日本の要求に応じた」と報道させた
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ジャカルタで開催されたバンドン会議60周年を記念する「アジアアフリカ
首脳会議」で、習近平の呼びかけに応じる形で安倍首相が、中国の用意し
た会見場へ足を運び、日中首脳会談は5ヶ月ぶりに開催された。中国が折
れたのである。
ところが中国のメディアは共産党の命令に従って「日本からの会見要求に
応じてやった」ことにして報道した。
逆さまはかのくにの得意芸だから、あまり気にしなくても良いが、日本側
は度重なる中国側の事前の打診に回答していなかったことも分かった。
すっかり慌てたのが韓国で、突然韓国のマスコミの論調が「変調」している。
安倍首相訪米と上下両院合同の連邦議会演説は、吉田、岸がどちらかで演
説したことがあって3回目だが、合同議会での日本の首相の演説は初めて。
米国がそこまで日本を突如重視したのはAIIBがらみで、日本に気を使
い始めている証拠である。
またこれで一気にTPP年内妥結への流れを作りだそうとワシントンは試
みているのも明瞭である。
これほど日本が有利な状況下にあり、安倍首相は正々堂々と過去の反省も
謝罪も触れず、日本の国益をのべよ。
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◆書評 ◇しょひょう ▼ブックレビュー ◎BOOKREVIEW◆ ∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼
新しい歴史教科書がなぜ現代日本で求められるのか
これ以上、日本が貶められることに私たちは耐えられない
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藤岡信勝『日本人が目覚めた国難の日本史』(ビジネス社)
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未曾有の国難、それは日本が中国と韓国から執拗かつ狡猾に仕掛けられて
いる歴史戦争である。
ありもしなかった嘘を並べられて、無辜の日本と日本人がどん底にまで貶
められ、精神の混迷と錯乱状態が続く限り、日本が元気になることはあり
得ない。
若い日本人が過去の日本人が悪かったなどと劣等感を持っているために、
覇気を失い、怯懦となり、位負けするのである。そして結婚に夢を描け
ず、将来性を明るい展望でみないから子どもも造らない。日本民族が生物
学的に滅亡の危機を迎えたのも、潜在意識として、この歴史戦争に負けて
きたからだ。
一日も早く、この国難から脱却し健全な民族精神を回復しなければならな
いが、それにはどうするか。
まず貶められた歴史解釈の言いがかりを、ひとつひとつ嘘を突き止め、真
実を提示し、これを国民に知らせ、啓蒙しなければならない。
「新しい歴史教科書」の闘いは、有識者や知識人の運動だけではおわる
わけではなく、今後も若い世代へ継承していかなければならないのである。
藤岡氏はその歴史戦争の最先頭にたって、一歩もひるまずに言論戦を展開
して来られた。本書は、その過程で直面した難題、とくに説明に困難をと
もなった歴史的事件を、いくつか典型例として取り上げながら、闇に埋も
れてきた真実に迫る。
朝日新聞の吉田証言偽造、嘘報道への謝罪という「事件」が起こり、この
結果、次の変化が起こったことを藤岡氏はまず6項目、列挙する。
第一は河野談話を検証し直し、強制連行があったことは「当時の政府の認
識ではなかった」、河野個人の「あやまった説明」だった。したがって、
この河野談話は撤回されなければならないこと。
第二に「性奴隷」を言った「国連のクラマスワミ報告は、吉田清治の著者
が基本資料となってつくられ」た嘘の上塗りだから、国連委員会はただち
にこれを撤回すること。
第三にクラマスワミ報告を下になされた米国議会の非難決議を「ただちに
取り消すべき」でカナダ、EU議会なども同様であること。
第四に「韓国やアメリカに建てられた慰安婦像は根拠がなくなったのであ
るから、直ちに撤去すべき」こと。
第五に以上の嘘をもとにアメリカの教科書が教えていることも問題であり
「削除すべき」こと。
第六が日本の「全教科書から「慰安婦」の記述を一掃するように、文科大
臣は教科書の訂正を全教科書会社に求めるべき」ことである。
この6つは朝日新聞の吉田証言の嘘を謝罪したことによって展望される次
の目標だが、問題は、これだけではない。
本書はそれ以外の歴史教科書の問題点をならべ、どこに誤謬があるかを次
から次へと抉るだした力作である。
とくに切支丹バテレン禁止から鎖国へ至るまでに諸政策の変更に半世紀以
上を要した理由、秀吉の刀狩り以後の軍備の問題、明治憲法の制定過程な
どを洗い直した箇所など注目される。
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◆書評 ◇しょひょう ▼ブックレビュー ◎BOOKREVIEW◆ ∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼
台湾と日本がともに歩んでいた牧歌的でノスタルジアに満ちた、あの時代
懐かしくも貴重な歴史的写真が1200枚並んだ壮観な台湾図鑑が 完成した
♪
片倉佳史『写真が語る台湾 日本統治時代の50年』(祥伝社)
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これほど貴重な本はない。
台湾研究家にとっては古典として残る本でもある。
日本が台湾を統治した半世紀(1895−1945)は、台湾が未開の野 蛮状態
から文明国へ急激に発展した、めくるめく快進撃の半世紀でもあった。
その時代の歴史的遺物は、人々の生活、街の様子、開発過程の活況など、
じつに1200枚ものセピア色の写真を蒐集して完成された。その片倉氏 の
汗の努力と、そのフットワークの成果とにまず脱帽したい。
熱帯病が発生し、不衛生だった台湾が、日本の統治による開発で道路が
造られ、蒸気機関車がとおり、電気が運ばれ、学校が開かれ、しっかりと
文化が根付いた。用水路、灌漑設備、嘉南平野の開拓は農業を飛躍させ
た。ダムをつくり、台湾の貢献した八田與一の物語は映画にもなった。
この時代に青春をおくった台湾人は恋愛のラブレターも日本語で書い
た。哲学、詩作は日本語の世界から基本の思索と発想がなされた
。
空前の半世紀を夥しい写真で綴る手法も斬新で、ビジュアルで、しかも
簡潔な解説文には著者の台湾への深い愛着が籠められている。
編集は主として地区別になされているうえ、古い地図が比較検討の要石
のように用いられ、日本が建てた建築、構造物、駅舎など『歴史』がそこ
に再現される。
評者はところで、最後の項目である「新南諸島と東砂」に注目した。
現在南シナ海の領有をめぐった中国海軍の侵略行為を前にフィリピン、
ベトナムなどと中国は鋭角的な対立を続けているが、これらの島々は戦
前、日本が統治した。
そしていまも東砂諸島は、日本時代を引き衝いた中華民国が実効支配し
ている。
長島は、いま太平島と呼ばれる。
その昔、マグロ、鰹など漁業が栄え、島に入植した開洋興業の人々は社宅
を建てて、神社も建立し、航海の安全を祈ったのだ。
1939年、日本政府はフランスに対して、新南諸島(現在のスプラト リー
諸島を含む)の領有を宣言し、フランスに通告した。長島では燐鉱石 を
採集した。
パラセル諸島も一部を日本が管理し、珊瑚礁のところどころに日本の石
碑が建っている。動かぬ証拠である。
むろん、日本はサンフランシスコ講話で正式にこれらの島々の領有を放棄
し、多くがアメリカの信託統治、一部はフィリピン、ベトナムが中国と争
う海域となった。東砂諸島だけは台湾が、依然として管理下に置いている。
こうした歴史絵巻が、懐かしきセピア色の写真とともに網羅され、一種
の台湾図鑑でもある。
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読者の声、どくしゃのこえ READERS! OPINIONS
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(読者の声1)貴誌24日付けにあるように首相官邸へのドローン襲撃事件
ですが、まさに「危機管理の手抜かり、政府中枢が、これほど外敵の攻撃
に脆弱なことが図らずも曝されることとなった」(引用止め)。
安倍政権をして軍事過剰の批判がいかに虚偽であるかを、今回の事件ほ
ど明らかにした事例はないと思います。
事件発覚後に、いつになったら危機管理の手抜かりが指摘されるか 待っ
ていましたら、やっと今朝の新聞で触れる有様。全く大丈夫ですかね?
安倍政権は!米国あたりは、内実は民主党政権時代と少しも変わっていな
いことを知った、と思います。
これは安倍政権の責任というより治安官僚群の腑抜けぶりを示しておりま
す。訪米する前に、官房長官は誰かに責任を取らせないと、ワシントンだ
けでなく北京から見透かされますよ。
一体、だれが責任を取るのか見守りたい。誰も責任を取らされないとし
たら、米駐韓大使への襲撃事件での韓国の現政権と似たり寄ったりか?
(SJ生)
(宮崎正弘のコメント)結局、犯人は福井県小浜市の「反原発カルト」で
したが、元自衛官ですね。中国は、この一連のドタバタ、日本の危機管理
のアキレス腱をみて、ドローン機を軍事的に活用できる潜在能力を見いだ
したと思います。
♪
(読者の声2) 中国はAA会議70周年を機会に習近平がすりよってきまし
た。安倍総理が靖国神社の例大祭に真榊を奉納したことはほとんど報道さ
れず、閣僚の参拝があったことも人民網日本語版では「外交部、日本の閣
僚の靖国参拝に断固反対」という見出しとはうらはら、たった7行のベタ
記事。
対する日中首脳会談については「穏やかならずとも改善へと向かう中 日
関係」の見出しで、ぎこちない笑顔の習近平が安倍総理と握手する写真
を大きく掲げ、2ページにわたり解説。日本の中国に対する親近感が急速
に低下していることを認識してか、こんなことまで書いています。
「中日は相互信頼が足りず、本来なら歴史的な被害国である中国に日本に
対して強い恨みや不満を抱くだけの理由が一層ある。だが実際には日本の
方が中国に対して恨みや不満を抱いている。日本が歴史問題で挑発するの
は、中国の急速な台頭への不快感の歪んだ発散だ。中国は日本の動きに対
応せざるを得ない一方で、日本を超えて自らの視線を世界に向けている。」
http://j.people.com.cn/n/2015/0424/c94474-8883256.html
記事全体から、なんとか日本を懐柔しようとする中国の必死さが伝 わっ
てきます。ページ右の人気写真ランキングには、日本の「美しすぎ る」
内親王、として秋篠宮佳子内親王(佳子さまではなく佳子内親王と表
記)、リンク先には6ページの写真。
http://j.people.com.cn/n/2015/0406/c94475-8874132.html
一方、中国網日本語版(チャイナネット)では、「皇室一の美女」佳子 さ
まの成人記念写真集 980円で発売、と10ページにわたり朝日新聞出版 発
行の成人記念写真集を紹介。朝日新聞は皇室を貶めながら商売では皇室
を利用する。
http://japanese.china.org.cn/culture/2015-04/22/content_35386821.htm
中国は天安門事件での苦境を天皇陛下の訪中で脱しただけに、皇室に つ
いての批判は一切ありません。
副主席だった習近平が天皇陛下との会見で入室の際、天皇陛下に頭を下げ
る様子は入口のドアにしっかり影が映っていました。満洲国の溥儀は皇室
の威光を利用しようとしたのか、天照大神を祭神とする建国神廟を創建し
ました。
大統領が「日王は土下座して謝罪しろ」という韓国とは大違い。 共産革
命の末裔たる習近平も国内ではテロや暴動が頻発、易姓革命の中国 の伝
統にはさからえないのか、2000年以上の歴史を誇る皇室の権威にす がっ
ているようさえ思えます。(PB生、千葉)
(宮崎正弘のコメント)天皇陛下に挨拶する蔡にお辞儀の角度など、こま
かな指導をうけてきた筈ですし、写真は代表カメラでしょうから、映像の
選択を誰がしたのか、も問題でしょう。
それはともかく日中首脳会談で周章狼狽しているのは韓国のようです
ね。一斉に日本への再接近の声があがっています。
♪
(読者の声3) 長崎でも「主権回復」の日の丸行進を実施します。実施要
領は下記の通りです。
記
件名 「主権回復を祝日に!」
主宰 主権回復記念日国民集会長崎実行委員会
式典 長崎市公会堂前広場
式典開始 4月28日(火)1215∼
日の丸行進 長崎市公会堂前広場→中通り商店街→浜の町アーケード街→築
町商店街
→中央公園
解散 4月28日(火)1300 長崎の愛読者の皆さん、是非ご参加下さい。
♪
(読者の声4)5月23日(土)つくる会東京支部 「記念講演 会」 のご案
内です。
「新しい歴史教科書をつくる会」東京支部におきましては、支部総会
(13:30∼15:30)の後、下記の要領で記念講演会を開催いたし ます。
東京支部会員に限らず、広範な皆様方のご来場を歓迎いたします。
記
とき 5月23日(土)15:40∼17:00
ところ 戸塚地域センター 7階 多目的ホール (アクセス 別添
案内図 参照)
http://www.to1.bz-office.net/gaiyo.html
新宿区高田馬場2−18−1 ? 03−3209−8001
最寄駅:JR山手線「高田馬場」/東京メトロ 東西線 「高 田馬場」
講師 藤岡信勝先生(新しい歴史教科書をつくる会 理事 ・前会 長)
演題 「つくる会」教科書が日本を救う−歴史戦の中の採択活動」
入場 無料
お申込: ご聴講ご希望のお方は、メール 又は FAX でお申込み願
います。
(先着50名様まで受け付けます。)
メール宛先: [email protected] FAX 宛先: 03−6380−4547
その他: お問い合わせ東京支部長 小川
(090−4397−0908)
(新しい歴史教科書をつくる会 ・ 東京支部
━━━━━━━━━━━━━━━━━ これでよいのか、原子力規制委の暴走
━━━━━━━━━━━━━━━━━
櫻井よしこ
福田康夫元首相が6日、中国が主導するアジアインフラ投資銀行
(AIIB)に関して「先進国として拒否する理由はない。(拒否すれ
ば)途上国いじめになるかもしれない」と述べ、日本の参加を促した。
途上国いじめとはどういう意味か。日本は長年、ODAで発展途上国を支
えてきた。日本のODAの特色は、相手国の意思を基に資金と技術を提供
する中で、技術移転を進めてきた点にある。現地で人材を育ててきたから
こそ、日本の援助に対する評価は世界各地で驚くほど高い。
対照的に中国の援助は、大概、自ら企画し、資金、技術、労働者も中国自
身が出すため、受け入れ先の国や現地の人々には、建物や橋、道路は残っ
ても技術は残らない。加えて、労働者はその大部分が現地に居残り中国人
社会を作るため、現地国の不興を買ってきた。
中国の援助は自国の国益のためだとの批判がついて回る所以である。途上
国いじめは日本ではなくむしろ中国であろう。
この状況がAIIBによって変わるのか。その点がはっきり見えてこない
いま、日本の不参加が途上国いじめになると批判するなど、中国の主張の
代弁ではないか。AIIBに出資する余裕があれば、日本はわが国主導の
アジア開発銀行(ADB)の機能を高めるべきだ。ADBとAIIBと、
複数の金融機関が特徴を活かしつつ競合することは、借り手側も大いに歓
迎するだろう。
むしろいま気にかかるのは、日本経済の行方である。中国の外貨準備高は
4兆ドル(480兆円)規模で、この巨額のお金が強力な磁石となってイギリ
スをはじめ諸国を引き寄せた。対して日本の外貨準備高は1.2兆ドル(144
兆円)。貿易は、原発停止以降ずっと赤字だ。昨年はこれまでで最大規模
の約12兆8000億円の赤字だった。
貿易赤字の原因
貿易立国の日本が赤字を続けるのでは、ADBの強化もAIIBへの参加
も儘ならない。日本経済を強くしなければ、国際金融も外交も国防も覚束
なくなる。貿易赤字の一つの大きな原因は原子力発電を全て止めて、化石
燃料の輸入を増やし続けているからだ。であれば、安全を確認したうえで
原発再稼働を急ぐのがよい。
それにしても再稼働が進まないのはなぜか。最大の要因は、まるで全原発
廃炉を目指しているような原子力規制委員会の非科学的な姿勢にあると
いってよい。同委員会は3月25日、日本原子力発電の敦賀原発(福井県)2
号機の敷地内にある断層を、将来活動する可能性のある活断層だと判断し
た専門家調査団の評価書を受理した。
このままいけば最悪の場合、敦賀原発2号機は廃炉になる。ちなみに日本
原電は経済効率の面から、同原発1号機の廃炉を3月に決定している。
一方、規制委員会は、東北電力東通原発(青森県)についても「活断層が
ある」と指摘した評価書を受理した。
しかし、専門家調査団の調査の手法と彼らが下した評価については、別の
専門家が「科学的見地から問題がある」と指摘したように、多くの疑問と
批判が寄せられている。たとえば、活断層か否かを判断する会合で、日本
原電側が活断層ではないとして提出した資料は拒否され続け、まともに取
り上げられたことはない。
日本原電側には主張する機会は殆ど与えられ ず、仮に与えられたとして
も途中で打ち切られた。専門家調査団の評価書 には少なくとも63点の誤
りがあるとして日本原電が提出した質問状に、規 制委側は全く答えてい
ない。その上で独断で結論を出した。
聞く耳を持たないまま、規制委員会は、活断層ではないものまで活断層で
あるかのように扱い、原発を廃炉に追い込みつつある。なぜ、彼らは科学
的知見を退けるのか。安倍政権はなぜ規制委員会の暴走をとめないのか。
北海道大学教授の奈良林直氏が、余程注意しなければ通常は気づかない興
味深い事実を指摘した。活断層だといえば原発は即、廃炉になるというよ
うな無茶な議論が広まっている中で、規制委員会は、およそ害のない断層
と活断層を一緒にして全体の議論を間違った方向に誘導するルール変更を
行っていたというのだ。
「2013年7月8日に施行された規制委の新しい規則がそれです。第3条3項に
は『耐震重要施設は、変位が生ずるおそれがない地盤に設けなければなら
ない』として、別記の3項で、『「変位」とは、将来活動する可能性のあ
る断層等が活動することにより、地盤に与えるずれをいう』となっていま
す。活断層の『活』が消えているのです。
耐震重要施設は『将来活動する可能性のある断層等の露頭が無いことを確
認した地盤に設置』せよとも書いています。これで、本当の活断層だけで
なくさまざまな断層を危険だと見做して、原発を廃炉に追い込むことが容
易になったと思います」
菅元首相の負の遺産
活断層とは震源断層から発していて、少なくとも地中3キロ∼5キロの深さ
から地表までしっかりつながっている断層であるとして、奈良林氏が説明
した。
「活断層が動くことでさまざまな地滑りや地割れが生じ、副断層や破砕帯
が生まれます。この種のヒビ割れまで含めて、規制委員会は断層はすべて
危ないという非科学的な見方を社会一般に醸成したといえます。
原発の安全性を担保するのに本当に大事なことは、活断層が動いたときに
敷地内に副断層や破砕帯があったと仮定して、それが原子力発電所にどの
ような影響を与えるかを工学的に評価し、十分な対策を講じることなので
す。本当の活断層と他の断層を区別せずに論じても、安全性を高めること
には全くなりません」
「活」の一文字をいつの間にか削りとるという狡猾なルール変更は、なぜ
なされたのか。奈良林氏は、菅直人元首相の負の遺産ゆえではないかと推
測する。
菅氏は13年4月30日付の「北海道新聞」紙上で、「10基も20基も再稼働す
るなんてあり得ない。そう簡単に戻らない仕組みを民主党は残した」、そ
の象徴が原子力規制委員会の設置だと述べている。また、「日本原電敦賀
原発(福井県)をはじめ活断層の存在を指摘している」とも語っている。
いま起きていることは、まさに菅氏の予言どおりのことだ。規制委員会の
運営は、どう見ても公正だとも科学的だともいえない。反原発への偏り、
活断層の恣意的な判断だけを見ても、彼らは菅氏の反原発の怨念を引き継
いでいるのではないかと感じる。
規制委員会は独立性の高い3条委員会ではある。政治の介入は難しいが、
それでも日本国の最高責任者として、安倍首相はその健全化を働きかける
べきだ。
『週刊新潮』 2015年4月16日号 日本ルネッサンス 第651号
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透けて見える「大漢帝国」の「復興」
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石 平
中国では最近、18歳になった若い男女のために「成人の礼」を毎年4月に
行うことがはやり始めている。話題となっているのは「漢服」を着用して
の「古式成人の礼」だ。
たとえば今月14日、南京市内の大学で、成人となった男子大学生たちが
「漢服」を身につけて昔ながらの「成人戴冠(たいかん)式」を粛々と執
り行った。15日には、江蘇省の中等専門学校が在校生の新成人のために
「漢服」着用の成人の礼を催した。
同18日、今度は内陸部の古都・西安市内の博物館で、朱色の「漢服」に身
を包んだ新成人女子30人が古式にのっとった「成人の礼」を盛大に執り
行ったことが地元の新聞に大きく報じられている。
それらの「古式成人の礼」では「漢服」の着用が共通点となっている。そ
れは中国前漢時代の正服をアレンジしてデザインされたもので、前漢王朝
の人々がこのような服を着用していたらしい、と今の人々は思っている。
成人の礼だけでなく、漢服の着用はさまざまな場面で一種のブームとなっ
ている。たとえば4月10日、南京の大学付属中学校の女子生徒たちがいっ
せいに「漢服」を着て集団登校したことが話題となっているし、同14日、
河南省の公園で大学生たちが「漢服」を身につけて桜の木を植える儀式を
行ったことも報じられている。
福建省の女子大生、朱頴さんに至っては、1人で10着以上の漢服を持ち、
毎日それを着て授業に出ているという。
今や漢服だけでなく、「漢文化」、すなわち漢王朝時代の文化に対する関
心が全国で高まってきている。洛陽で開かれている「漢服文化節(文化
祭)」は今年で2回目を迎えたし、天津外大が設立した「漢文化伝播学
院」は現在、31人の教員を擁する大所帯となっている。
広西省では、展覧スペースが約2万平方メートルに上る「漢文化陳列展示
館」が建設中である。
もともと漢民族が中心の中国人だが、ここにきて突如、自分たちのルーツ
に関心の目を向け、「漢文化ブーム」を巻き起こしているのは、やはり、
2年前に発足した習近平政権が「民族の偉大なる復興」の政策理念を高ら
かに掲げていることと大いに関係があろう。
西洋の「文芸復興(ルネサンス)」が古代ギリシャやローマ帝国時代を模
範にした「復興」であるなら、中国の「民族の偉大なる復興」は漢王朝の
時代を念頭においたものである。
この時代は漢字などによって代表される中国文明が成熟した時代であるだ
けではない。前漢時代の中華帝国は、現在のベトナムや朝鮮半島の大半を
併合して中国史上最大の版図を作り上げたことがある。アジアを制覇した
この大帝国こそ、今の習近平政権が目指す「民族の復興」の手本なのであ
ろう。
だからこそ、習政権の政策ブレーンで「中国きっての外交戦略者」と称さ
れる人民大学の時殷弘教授は習政権になってからの著書や発言において、
周辺諸国を武力で征服して最大の版図を作り上げた前漢王朝の武帝を絶賛
し、「武帝という 戦争の覇王 の出現は中華民族にとって幸いだ」と評し
ている。
要するに、この「戦争の覇王」のまねをして中華帝国の再建を図り、民族
にとっての「幸福の時代」を再現させること。それこそが習政権の掲げる
「民族の偉大なる復興」の真意なのだ。
この数年ではやり始めた漢服や漢文化ブームの背後にあるのは、結局政権
側のこのような大いなる野望である。
だが、われわれにとって、中国がやろうとしていることが単なる漢服や漢
文化への郷愁ならともかく、アジアにおける「大漢帝国」の「復興」であ
るとすれば、まっぴら御免である。
◇ 【プロフィル】石平
せき・へい 1962年中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒。88年来日
し、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関を経て、評
論活動に入る。『謀略家たちの中国』など著書多数。平成19年、日本国籍
を取得。
産経ニュース【石平のChina Watch】4・30
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自衛隊の平和ボケ?!
━━━━━━━━━━
平井 修一
国基研企画委員/福井県立大学教授・島田洋一氏の論考「自衛隊は歴史情
報戦を戦えるのか」(4/24)を読んで唖然とした。自衛隊も社会の縮図だ
から玉石混交だとは理解できるが、想像を絶する反日屋が紛れ込んでいる
とは!
<自衛隊の支援団体が出す機関紙「隊友」最新号(4月15日付、第732号)
に載った記事を読んで、唖然とした。北大西洋条約機構(NATO)事務総長
特別代表(女性、平和、安全保障担当)補佐官の肩書を持つ栗田千寿(ち
ず)2等陸佐の連載コラムである。
NATO本部(ブリュッセル)のオフィスに来訪したスリランカ人の法律家ラ
ディカ・クマラスワミ氏との面談の模様を記しているのだが、そこには当
然あるべき問題意識が微塵も感じられない。
*歪曲報告筆者との「光栄な」昼食
栗田2等陸佐は次のように書いている。「彼女は、1996年に女性に対する
暴力とその原因及び結果に関する国連の報告書(『クマラスワミ報告』)
を担任したことで有名です。……私は、光栄なことにNATO特別代表とともに
クマラスワミ氏と昼食に同席する機会を頂きました」。
クマラスワミ報告といえば、吉田清治証言はじめ虚偽ないし歪曲誇張され
た伝聞資料に基づいて、慰安婦を日本軍に強制連行された「性奴隷」と決
めつけた悪名高い文書である。今に至るも、各国の議会決議に引用される
などその悪影響は拡大し続けている。
日本政府は、昨年8月の朝日新聞による吉田証言に関する記事の撤回など
を受け、昨年10月14日、外務省の佐藤地(くに)・女性人権人道担当大使を
ニューヨークに派遣し、クマラスワミ氏に面会させ、報告書中、吉田証言
が引用された箇所などの削除、修正を申し入れている(それしか要求して
いないのは問題だが、それでも同氏は修正を拒否した)。
*反日勢力が狙う精神的な武装解除
栗田2等陸佐がクマラスワミ報告に何の疑問も持っていない、あるいは
(まさかとは思うが)中身に感銘を受けているとすれば、防衛省が国際情
報戦の最前線に送り込むにふさわしい人材とは到底言えないだろう。
加えて問題なのは、元統合幕僚会議議長が会長を務める自衛隊の準公的団
体の機関紙が、こうした文章を何のチェックもせずに載せている事実であ
る。編集部の意識も鋭く問われねばならない。
内外の反日勢力は、日本の物理的な防衛力の向上阻止だけでなく、精神的
な武装解除も常に狙っている。不当に日本軍を貶めた文書の責任者との面
談をただ「光栄」と感じているような文章を自衛隊員やその家族に読ませ
ることが、精神面でプラス効果を持つとは思えない。
栗田2等陸佐は在ベルギー日本大使館ホームページに寄せた文章でも同面
談に触れ、「とても穏やかで徳が感じられる方でした」と書いている。ス
ターリンや毛沢東と会った人も、しばしば同じ感想を書き記している。
相手の行動を冷徹に見る目が、特に国防の第一線にいる者には求められる
のではないか>(以上)
レベルが低すぎる、粗雑すぎる、脳内お花畑、完全に洗脳されている。正
しい歴史認識、世界情勢分析の教育を受けていないのだ。栗田千寿とは何
者か。内閣府のサイトにはこうあった。
http://www.pko.go.jp/pko_j/jyosei/jyosei05.html
読売2014/12/5から。
<NATOに派遣される陸上自衛隊2佐 栗田千寿さん(39)
米国や英国など28か国が加盟する「北大西洋条約機構(NATO)」(本部・
ブリュッセル)に、12月から2年間、自衛隊員として初めて派遣される。
紛争下での性的暴力から女性を保護する取り組みなどを担当する。「安倍
内閣が掲げる女性活躍推進の一環ですが、本当に光栄」と語る>
この関係からクマラスワミとの接触があったのだろうが、クマラスワミ報
告を読んだり、それをめぐる論争などを知っていれば「光栄な昼食」なん
ていうことにはならなかったろうに。
家庭内野党に加えて 隊内野党 。緊張感ゼロの完璧平和ボケ。これでは情
報戦争で勝てるわけがない。チヤホヤするのではなく、せめて誰が敵なの
か、今どういう攻撃にさらされているのかくらいは教育しないとだめだ。
隊内規律が緩んでいるのではないか。
「日本はよい国だ」と言って航空幕僚長が首になるなんていう軍隊が勝て
るわけがない。繰り返すがきちんと隊員を教育せよ。学ばざれば昏し、今
のままでは国防どころか「国亡」だ。こんな体たらくでは愛国老人は死ん
でも死にきれやしない。(2015/4/28)
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「生きている化石」の木
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渡部 亮次郎
それは「メタセコイア」。東京都江東区の都立猿江恩賜公園近くに暮らすよ
うになって20年近く経つ。その公園を毎日の散歩コースにしいるのだが、
さすが昭和天皇から下賜された公園らしく、昭和天皇が好まれていたと言
う「生きた化石」の木「メタセコイア」を沢山植えて、都民の「謝意」を
表しているようだ。
まず、公園の入り口(新大橋通り側)に横並びにメタセコイアがそろって
6本植えられ、公園のシンボルとなっている。通りを挟んで
向かい側は区立江東公会堂(ティアラ江東)である。
私が散歩して居るのは「北部」地区。1周1・1キロ。3000歩である。その途
中に、メテセコイアが数十本植えられている。木場(きば)の材木置き場
を埋めたてて公園にしたのが昭和56年と言うから、既に34年、経っている。
メタセコイアはいずれも高さ30メートル近い大木に成長している。壮観だ。
メタセコイア。学名 Metasequoia glyptostroboides
和名 アケボノスギ(曙杉)イチイヒノキ 和名アケボノスギは、英名dawn
redwood(または、学名Metasequoia)を訳したもの(ただし、化石種と、
現生種を別種とする学説もある)。
葉はモミやネズに似て線のように細長く、長さは1∼3cm程度、幅は1,2mm
程度で、羽状に対生。秋に赤茶色に紅葉した後、落葉する。樹高は生長す
ると高さ25∼30m直径1.5mになる。
1939年に日本で常緑種のセコイアに似た、落葉種の植物遺体(化石の一
種)が発見された。発見者の三木茂博士により『メタセコイア』と命名さ
れ、1941年に学会へ発表された。
当初、「化石」として発見されたために絶滅した種とされていたが、1945
年に中国四川省磨刀渓村(現在は湖北省利川市)の「水杉(スイサ)」が
同種とされ、現存することが確認されたことから「生きている化石」と呼
ばれることが多い。
その後、1949年に国と皇室がそれぞれメタセコイアの挿し木と種子を譲り
受け、全国各地に植えられているのだそうだ。
英国の種苗会社などから、インターネットで種子が入手できる。タネは直
径2∼3mmの、淡黄色のおがくず状の物で、発芽率はあまり良くないが、日
本の気候にはよく合い、生育が早いので、栽培してみる価値は十分にある。
早めにタネを入手し、1月中旬か下旬に浅鉢、浅箱などに蒔き、タネが隠
れる程度に覆土し、乾かさないように管理する。櫻が咲く頃に、徐々に発
芽してくるので、数センチになったら3寸のポットに仮植えする。
秋には30cmくらいの苗に生育する。翌春発葉する前に、定植する。苗は一
年で1m近く生育し、最終的には30∼40mになるので、株間は7∼8mは必要で
ある。
冬のソナタ。メタセコイアの並木道が登場し、ドラマのファンからはシン
ボルの一つとして扱われる。
三木町―発見者・三木博士の出身地。博士の功績を記念し、メタセコイア
を町のシンボルとしている。三木町(みきちょう)は、香川県東部に位置
する町。高松市のベッドタウンとなっている。
また香川大学医学部ならびに農学部を擁する、三木キャンパスの学生街で
もある。9月下旬に行われる『獅子舞フェスタ』で知られる。
近年、香川県農業試験場にて開発された讃岐うどん用国産小麦・さぬきの
夢2000の試験栽培が開始され、同品種の名産地として脚光を浴びている。
この事はNHK総合のドキュメンタリー番組「プロジェクトX 挑戦者たち」
第149回(2004(平成16)年7月6日放映分)にて「さぬきうどん 至高のう
まさとは」というタイトルで紹介された。 2010・6・15執筆 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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話 の 福 袋
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◎これから議論の法案「他国で約束」 枝野幹事長怒り
民主党・枝野幹事長:「これから国会で議論する、しかも法案も提出され
ていないことを他国の議会で約束をしてくるというのは、まさに国家の代
表として、あるまじき発言だ」
安倍総理大臣がアメリカ議会での演説で安保法制の関連法案成立を「夏ま
でに必ず実現します」と発言したことに、民主党の枝野幹事長は怒りをあ
らわにしました。連休明けの国会でも厳しく追及する方針です。.
テレビ朝日系(ANN) 4月30日(木)18時30分配信
◎ソニー、今期は1400」億円の最終黒字めざす 3年ぶり黒字転換へ
ソニーが30日発表した2015年3月期の連結決算は、最終損益が前期とほぼ
同水準の1259億円の赤字となった。しかし業績改善が進んでいるとして、
今期(16年3月期)は一転して1400億円の大幅最終黒字を目標に設定し
た。実現すれば3年ぶりの黒字決算となる。
ソニーは昨年度決算について、今年2月に営業利益200億円、最終赤字
1700億円という修正予想を発表したが、金融事業、音楽、映像、ゲームな
どの事業の改善が進んだことで、先週、上方修正を発表した。
30日発表では、売上高が前期比5.8%増の8兆2158億円、営業利益が
2.6倍の685億円と、ほぼ先週の修正発表通りとなった。
今期はさらに家電などでも業績回復が進むとみて、最終損益で黒字転換を
めざす。売上高は3.8%減の7兆9000億円、営業利益は4.7倍の3200
億円を予想している。
しかしソニーはここ2年、業績不振を受けて、期初に発表した目標を頻繁
に下方修正してきた。特に14年3月期は期初目標が500億円の最終黒だっ
たが、実際には1200億円を超える赤字となった。
産経新聞 4月30日(木)15時36分配信
◎ネパール大地震 120時間ぶり少年救出 カトマンズのがれきから「水
もとらず、奇跡だ」
【カトマンズ=岩田智雄】強い地震に襲われたネパールの首都カトマンズ
で30日正午前(日本時間同日午後3時ごろ)、地震発生から約120時間
ぶりに倒壊したビルのがれきの下から15歳少年がネパールの救助部隊に救
出された。
少年の生存は、この日早朝にネパールの救助部隊の捜索活動で判明。駆け
付けた米軍の救助隊の支援を受けて約5時間後に救い出された。
ネパールの救助部隊の責任者は「少年は何の食べ物も水もとらずに生き続
けていた。奇跡としか言いようがない」と話した。
少年は目をつぶり歯を食いしばった状態で担架で運び出され、救急車で搬
送された。産経新聞 4月30日(木)15時53分配信
◎キャスター卒業NHK大越健介氏「意見通る危うさ」
日刊スポーツ 4月30日(木)11時25分配信
NHK「ニュースウオッチ9」のキャスターを今年3月に卒業した大越
健介氏(53)が現在の心境を語った。敏腕の政治記者として長く現場に
いたが、10年に同番組キャスターに抜てきされ、5年間務めた。まだ続
けていきたいという気持ちもあったが、交代の必要性も感じていたという。
キャスターを5年間務めました。
「ずっとやりたかったですね。やりがいある仕事でした。自分は政治 記
者という気持ちがあったのですが、いろんなジャンルの人と接すること
ができた。こんな面白い仕事はないです。一方で、5年は節目になるとも
感じていました。番組に新しい血を入れる重要性は理解していますので」
新しい血の重要性とは。
「5年もたつと、スタッフや記者は変わり、自分だけ積み重なる。 『こ
れどう思います』と聞かれ『こうじゃないの』と答えると『じゃあ、 そ
れで』となる。僕の意見が通ることがだんだん増え、危うさを感じました」
キャスターとして心掛けてきたものがあった。
「公正公平、放送法の精神はもちろん、取材相手から『言いたいこと と
違う』と言われるのが一番ダメ。最初からストーリーを作り、相手の話
をはめ込むやり方は公平公正ではない。相手が誰で、どんな意見でも、伝
えたいことをねじ曲げない。こちらの恣意(しい)で組み立てない。言い
たいことをきちんと伝える。扱おうと思った時点で十分恣意的ですから」
今は「ニュースウオッチ9」番組編集長という立場にある。
「5年間、ジャンルを問わず取材をさせてもらう禁断の実を食べてし
まった。また、どこかでという思いはありますが、別にテレビに出なくて
もいいんです。例えば自分で取材をしてノンフィクションやドキュメンタ
リーを作ったり。そういう現場が尊いと思う。組織をしっかり勉強するの
と合わせ、そういう仕事を忘れなければ、チャンスは巡ってくるかもしれ
ません。その時は頑張ります」
フリーになるという選択肢はあるのだろうか。
「ないです。キャスターは最終伝達者。5年間やれたのも、ひたむき で
献身的で、公平で公正にと懸命に取材する人たちの力の積み上げがあっ
たからです。支えられていることを忘れてはいけないと思います」
◆大越健介(おおこし・けんすけ)1961年(昭36)8月25 日、新潟県生
まれ。新潟高時代は野球部エースとして79年春の県大会準 優勝、夏は
ベスト8。東大では東京6大学リーグで8勝27敗。85年東 大卒業後
にNHK入局。岡山放送局で記者として県警、県政を担当。89 年報道
局政治部に異動。05年にワシントン特派員、07年に同支局長。 10
年3月から今年3月まで「ニュースウオッチ9」キャスターを務めた。
◎<サリン事件>オウム高橋被告に無期判決 東京地裁
1995年3月の地下鉄サリン事件など5事件で殺人罪などに問われた
オウム真理教元信者、高橋克也被告(57)の裁判員裁判で、東京地裁
(中里智美裁判長)は30日、求刑通り無期懲役を言い渡した。被告は
17年間逃亡を続けた後に逮捕され、一連のオウム真理教による事件で最
後の1審判決となった。
被告は地下鉄サリン事件の他に、2件のVX襲撃(94年12月∼95年1
月)▽仮谷清志さん(当時68歳)監禁致死(95年2∼3月)▽東京
都庁爆発物(同年5月)−−の各事件でも殺人罪などに問われた。
地下鉄サリン事件では「サリンをまくとは知らなかった」と無罪を主
張。VX襲撃2事件も「教団が作るVXは効果がないと思った」と殺意を
否認した。監禁致死と都庁爆発物の両事件は一部で有罪を認めたものの
「主体的ではない」として逮捕監禁罪などのほう助にとどまると主張した。
公判では死刑囚6人を含む元信者ら27人が証言した。1月16日の初公判か
ら判決までの公判回数は39回で、裁判員裁判としてはさいたま地裁の首都
圏連続不審死事件の36回を上回って過去最多となった。1月8日に選任さ
れた裁判員の在任期間は113日だった。
地下鉄サリン事件ではこれまでに、教団元代表の松本智津夫(麻原彰晃)
死刑囚(60)ら14人の有罪が確定している。被告は95年5月に特別手配さ
れ、2012年6月に逮捕。サリン事件では初めての裁判員裁判だった。
起訴状によると、被告は松本死刑囚らと共謀して95年3月20日、地下鉄5
車両にサリンを散布し、乗客ら26人を死傷させたなどとされる。
毎日新聞 4月30日(木)13時36分配信
◎村山談話の継承、不明瞭=安倍首相の米議会演説
【ワシントン時事】「希望の同盟へ」と題した安倍晋三首相の米議会演
説は、「未来志向」を前面に出し、先の大戦への「痛切な反省」は表明し
たものの「おわび」はしなかった。
演説は、首相が夏に発表する戦後70年 談話につながるとして注目されて
いた。戦後50年の村山富市首相談話を引 き継ぐかどうかは明快でないた
め、首相の歴史認識をめぐり警戒を緩めな い中韓両国はもちろん、米側
の懸念も払拭(ふっしょく)したとは言い難い。
真珠湾、バターン・コレヒドール、サンゴ海―。首相は、太平洋戦争 で多
くの米兵が血を流した激戦地に触れながら、「悔悟」の気持ちを表 明。
一方で「自らの行いがアジア諸国民に苦しみを与えた事実から目を背 け
てはならない」と強調したが、村山談話が示した「植民地支配と侵略」
への謝罪は口にしなかった。
演説に先立ち米側は、中韓との緊張を緩和するため村山談話の継承を 明
確にするよう促していた。これに対し、日本政府高官は「反省は絶対に
入るが、おわびは入らない」と明言し、「謝罪は繰り返さない」との首相
の信念を代弁していた。
首相は、祖父の故岸信介元首相が1957年に米議会で行った演説を手本 に
した。岸氏も先の大戦への謝罪には触れず、東西冷戦のまっただ中で
「米国との提携こそ最も重要」と説いた。首相も岸氏の演説を引用し、
「日米同盟を強くしなくてはならない」と訴えた。
27日に日米両政府が合意した防衛協力の指針(ガイドライン)再改定
は、米国の利益にも合致する。このため首相は、歴史認識で踏み込まなく
ても米側に不満はないと計算したとみられる。ただ、中韓両国は引き続き
戦後70年談話の行方を注視しており、歴史問題が尾を引くのは確実だ。時
事通信 4月30日(木)1時18分配信 ◎安倍首相演説に評価の声=「謝罪なし」に批判も―米政府・議会
【ワシントン時事】米上下両院合同会議で安倍晋三首相の29日の演説を
聴いた米政府・議会の関係者からは、評価の声が相次いだ。一方、首相が
過去の植民地支配と侵略に対する「おわび」を表明せず、いわゆる従軍慰
安婦問題にも触れなかったことを批判する声も聞かれた。
上院議長として出席したバイデン副大統領(民主)は、記者団に「最 も
気に入ったのは、首相がアジアの近隣諸国に共感を伝えたことだ」と、
歴史問題への言及を称賛。「中韓両国との関係で微妙なテーマだが、首相
は日本の側に責任があることを明確にしたと思う」と評価した。
議長役を務めたベイナー下院議長(共和)は「第2次大戦中に戦死し た英
雄に言及したことに、本当に感謝している」との談話を発表した。
スティーブ・コーエン下院議員(民主)は「傑出した演説。第2次大 戦が
もたらした死と悲しみを認めたこと、女性(の活躍)に言及したこと は
適切だった」と指摘した。レーガン元大統領のスピーチライターだった
ダナ・ローラバッカー下院議員(共和)は「Aプラスの演説だった」とた
たえた。
約47分間の演説中、満席の議場からスタンディングオベーションを送 ら
れる場面が10回以上あったが、拍手せず座ったままの議員もいた。
マイク・ホンダ下院議員(民主)は、首相が謝罪せず、慰安婦問題に 言
及しなかったことに触れ、「首相が組織的残虐行為の責任を認めなかっ
たことは、恥ずべきことだ」と批判。ジュディー・チュー下院議員(民
主)は「アジア諸国民に苦しみを与えたと認めたことには感謝する」とし
つつ、「信じられないほど失望している」と語った。 時事通信 4月30日(木)8時16分配信
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読 者 の 声
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1)内側からアメリカを見てきた経験から言えば:前田 正晶
この度のワシントンDCでの安倍総理とオバマ大統領の記者会見を聞いて
(恐らく一部分だけが流れたと思うが)つくづく民主党政権下でと言う
か、オバマ大統領の着任後にアメリカは弱くなったものだと、今更ながら
痛感させられた。
同時に情けないと嘆きたい思いもあった。29日夜のBSフジのPrime Newsで
は藤崎一郎元駐米大使が、この度の総理の訪米を「嘗てない厚遇」と評し
ていたが、私はそこにもアメリカの弱体化を見る思いがあった。
私は1972年夏から1994年1月末までアメリカの大手紙パルプ林産物メー
カーの事業部の一員として日本に駐在し、アメリカのビジネスの精神と思
想と哲学の下に、アメリカを内側から我が国を見てきたのだった。その立
場から見るアメリカの企業の実態は、失礼を顧みずに言えば、「アメリカ
に駐在乃至は留学された方々が見てこられたものとはかなり異なったもの
である」と言えると信じている。
同時に私は我が国の会社では課長の端くれまでしか経験していなかった
が、それなりに我が国の企業社会の文化を心得ていたので、アメリカ側の
一員として活動する上に大いに役立ったと思っている。
その約22年の経験と子供の頃から英語に慣れ親しんできたことから言え
ば、当時のアメリカは我が国を指導するべきたちがにあると思っているの
か、あるいは相当程度意のままに動かせる系列会社の如くに見なしていた
かの如き風潮があったと言える。
93年一杯の実質的な在職時に良く言ってきたことは「この世の流れを創り
出しているのはアメリカであって、未だ残念ながら我が国はそこまでの地
位を確立していない。
しかも、アメリカで始まった新たな波は好むと好まざるとに拘わらず必ず
我が国に及んできて、大きな影響を与えてしまうものだ」だった。換言す
れば、アメリカ世界最大の経済大国であり、技術的にも最先端を行ってい
た国だったということになる
私がこれを言い