車両紹介 <デザイン審査用パネル

宇都宮大学フォーミュラSAEチーム
Utsunomiya University Formula Designers
2006年
第4回全日本学生フォーミュラ大会
参加車両UF-04 デザイン資料
Utsunomiya University
Formula Designers
― Not F−1 , But Formula― F−1とは違う、Formulaの良さを追求する
F−SAE車両の魅力―――。 それは、レースカーらしい高い走行性能と、 多くの人がそれを楽しむことができる 手軽さにあります。
F−1のように乗り手を選ぶ車ではなく、 フォーミュラマシンでありながらも、 大衆車のような万人性と容易さを UF−04は目指しました。
UF-04 Overview
Length / Height / Width
2675mm / 1026mm / 1380mm
Wheelbase
1700mm
Front / Rear Track
1200mm / 1190mm
Weight
215kg (Dry)
Engine
HONDA 600cc In-line 4cylinders (CBR 600 F4i)
Suspension
Double wishbone , Pull rod
Chassis
Steel space frame
Body work
Fiber-glass
Gearbox
6 speed sequential
Shifter
Trans Logic Power shift system
Differential
F.C.C. Torque sensitive LSD (HONDA ATV 250)
Brake Caliper
NISSIN 2pod caliper
Dampers
SHOWA (HRC NSR mini)
Wheels
ENKEI 13” x 6.0J
Tires
BRIDGESTONE 180 / 510 - 13” Bias
Package Layout
低重心化と慣性モーメントの低減
・ オイルパンを加工し、 最低地上高を60mm→50mmにダウン
燃料ポンプ
燃料タンク
・ ショック機構を横置きにし、その重心を100mmダウン
ラジエター
・ 燃料タンク、燃料ポンプを車両の中央に、 ラジエターのリザーバタンクをメインフープ内に
配置し、慣性モーメントを低減
トラブルを未然に防ぐ車両
・ コア面積を50%拡大したラジエター
・ バッテリーは容量10時間率2.3Ah→6.0Ahに大型化
リザーバタンク
ベルクランク
3DCADによる車両レイアウト
ラジエター&シェラウド
大型化したバッテリー
パドルシフト&電動シフター
最適化されたドライバビリティ
・ パドルクラッチと電動シフターを組み合わせ、 ドライバーに容易で心地良いシフトチェンジを提供
・ 3→2ペダルにし、 更に繊細なペダルワークを可能にした。
移動式ヘッドレスト
・ フレームの全幅を広げ、ドライバーの運転スペースを確保
・ ペダル類120mm、ヘッドレスト80mm スライド調節できるように設計
スライド式ペダルユニット
Frame-1
フレーム
『しなやかな足を
しっかり機能させるためのフレーム』
基本に忠実な軽量化と高剛性の両立
・ フレームの全幅を20mm広げ、捻り剛性を向上
・ 低重心化するため最低地上高を60mm→50mmに変更
・ サスペンションブラケットを1G状態で設計
Front view
Side view
・ フレームを滑らかに構成し局所的応力集中を減少
・ 基本骨格に曲げ加工を多用し溶接点数を削減
UF-04フレーム (実測値)
重量:31kg (前年度から-3[kg])
・ アームのピボット点をフレームの交点に配置
・ エンジンをフレームに組み込むようにマウント
エンジンをフレームに組み込んだときの応力分布の変化
捻り剛性:3056[N・m/deg]
(前年度フレームより+1282[N・m/deg])
アームブラケットの構造解析
最適なトラス構造を目指す
構造解析を用いて、最適なトラス構造を採用
トラスの径による変化を比較
トラスの有無による変化を比較
Frame-2
○捻り試験
UF-04 捻り試験 荷重30Kg
0.0000
-2000.00
-1000.00
-500.00
0.00
500.00
-0.2000
-0.4000
変形量
・ショックアブソーバー入力点・フロントで固定し
リアに150[N・m]の捩りモーメントを与え 新旧フレームで比較
-1500.00
-0.6000
-0.8000
-1.0000
捻りモーメントをかけた点からの距離
UF-04捻り試験(エンジン有り)
UF-03捻り試験(エンジン有り)
UF-04捻り試験(エンジン無し)
UF-03捻り試験(エンジン無し)
ねじりによるUF-04とUF-03の変化量の比較
UF−04のフレームはUF−03より
固定
およそ70%の高剛性化に成功
0.5
&
m
300N
エンジンを組み込む事で、剛性を向上し
局所的な変形の抑制に成功
ダイヤルゲージ
変化量検出用冶具
○外観
ショック入力点固定部
捻りモーメント入力部
時間をかけた丁寧な作りこみ
見るものを惹きつけてやまない美しい外観
・3DCADを用いて、フレームやラジエターに沿うよう
な、タイトで美しいデザインを追求
・各パーツの厚さを昨年よりも薄くしたことで、
カウル全体で1kgの軽量化に成功
3DCADによるカウル設計
Suspension system -1
サスペンション
Rear ロールに伴う外輪のキャンバー変化
『あらゆる走行状況で
キャンバー変化
(deg)
0
パフォーマンスを発揮』
タイヤを常に接地させ、適切な加重をかける
0
1
2
3
-0.5
RC9.3mm
RC22.9mm
-1
-1.5
-2
ロール角度(deg)
・ 最大ロール時までネガティブキャンバーとなる
キャンバー角を設定 ・ ロールを減らして接地時間を増やすため、 スプリングの固有振動数を2.2Hz→2.7Hzへ変更
・ ジャッキアップゼロのサスペンション
ジオメトリを採用
フロントリアショックアブソーバー
・ 過度のロールを防ぐためスタビライザーを
導入
幅広いセッティングシステム
スタビライザー
1. ショックアブソーバーの圧縮張力減衰調節機構
2. スタビライザーのロール剛性調節機構
3. ロールセンターの調節機構
4.ステアリング角度調整機構
①
①
5.スライド式のペダル位置調節機構
②
乗り手の好みに合わせた、 幅広いセッティングが可能
③
④
Suspension system -2
○操作系
クラッチ機構にパドルシフトを採用
2ペダル化が実現し、より高度な走行が可能となった。
パドルクラッチ
ステアリングギアボックスの自作
設計の自由度が向上
・バンプステアゼロのジオメトリの採用
ステアリングギアボックス
ボックス内のはすば歯車
・ピニオンにはすば歯車を使用することで、
ステアリングのバックラッシを最小限に抑えた。
トー(deg)
○バネ下類
タイヤストロークに伴うトー変化
-30
-20
アルミ製ディスクブレーキのテスト使用
2
1.5
1
0.5
0
-10 -0.5 0
10
-1
-1.5
-2
ストローク量(mm)
トー変化
20
30
バンプステアゼロのジオメトリ
冷却性能の向上、慣性モーメントの軽減、
バネ下荷重の1kg軽減を実現
テスト走行で耐久性に問題が見られたため、
鋼鉄製のものに変更
アルミ製ブレーキディスク
・アップライトの肉厚を2.3mmから2.0mmに
変更、ベアリングサイズの小型化、曲げ
加工の採用、により全体で∼kgの軽量化
リアアップライト
・構造解析のデータを元に、 アルミ製ハブを更なる軽量化
アルミ製ハブ
Power train -1
エンジン
吸気バルブからコレクタータンク内のファンネルまで
『レースで勝てる高い走行性能』
276[mm](昨年より25mm増)
エンジンから最初の集合部までの管長
294.5 [mm] (昨年は不等長)
・吸気の管長を、5000∼10000rpmで 最大の出力を発揮するような中回転型に設計
70
6
60
5
エン ジン 出力
・効率の良いエンジン特性となるよう、排気の管長を
9000rpmで最大トルクが出るように設計
出力
50
4
40
3
30
2
20
1
10
・最高速よりも加速性能を重視して、ドリブン
スプロケットを50丁→54丁に変更
0
6000
エン ジン トルク
トル ク
コーナーの多いコースレイアウトに合わせた
低中速での力強い加速性能
8000
10000
0
12000
回転数
UF-04出力特性のグラフ
最大出力
最大トルク
UF-03 64[PS]/12000[rpm] 4.3[kg・m]/9000[rpm]
UF-04 65[PS]/9700[rpm]
4.9[kg・m]/8600[rpm]
○吸排気系
吸気解析の絵
サージタンクの形状を流体解析を用いて設計
タンク内のスムーズな空気の流れを実現
吸気の流体解析図
各排気管長が等長になるように設計
気筒ごとの排気抵抗の抑制に成功
・タンクからインテイクパイプまでの空気の流れをよくするため
に タンク内のファンネルをタンク下面から30°傾けて設置
等長エキゾーストマニホールド
・5000∼10000[rpm]のトルク充実を狙い、 低中回転向きと言われている4−2−1集合を採用
アルミ製スロットル
Power train -2
○冷却系
100
90
80
70
60
温度(℃)
ラジエターに十分な冷却性能を持たせるため、 ラジエターコア面積を昨年より50%拡大
UF-03
50
UF-04
40
30
*いずれもファンOFF
20
エンデュランスと同等の走行で、実際に
水温100℃前後をキープ
10
0
0
200
400
600
800
1000
時間(s)
アイドリング時のラジエター性能比較
・ファンコントローラを新たに装備することで、ファンの
起動が自動化し、ドライバーは運転に集中できる
駆動力(kN)
・ファンの後方にG−FRP製のシュラウドを設置したことで、
ファンの高効率化を実現
3.5
14000
3
12000
2.5
10000
2
8000
1.5
6000
1
4000
0.5
2000
0
○駆動系
駆動力 1st
2nd
3rd
4th
回転数 1st
2nd
3rd
4th
0
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90 100 110 120 130
車速(km/h)
スプロケ12/54の駆動力曲線図
チェーンテンション調節にスネイルカムを使用
容易で素早いテンション調節が可能
・デフマウントをアルミで制作し、スプロケ、ブレーキディスクに
肉抜きをすることでASSY全体で0.5kgの軽量化
スネイルカム
ドリブンスプロケット
構造解析図
○潤滑系
オイルパン内部にバッフルプレートを溶接
コーナーでも油圧を4∼5気圧に保つことが可能
加工オイルパン外観
・ドレインボルトを底面から側面に移動させることで、
想定外のバンプ時にドレインを擦ってしまうのを回避
オイルパン内部