新病院へのハードル - 七沢リハビリテーション病院脳血管センター

七沢リハビリテーション病院脳血管センター
http://www.n-nokekan-hp.kanagawa-rehab.or.jp
2015年10月 No.46
E-mail:[email protected]
〒243-0121 神奈川県厚木市七沢 1304 総務局 Tel 046-249-2806 Fax 046-249-2903
新病院へのハードル
医療局長
西村
敏
この冊子が届くころはまだ厳しい残暑が続いているのでしょうか。
今年の梅雨は涼しい気候が一時続きましたが、その後は一転した猛暑
となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
現在、ギリシャは大変な局面にあります。経済状況が悪化し、単一通貨であるユー
ロ創設以来初の事態となる、同盟国のユーロ圏離脱の危機にさらされています。その
問題について、平成 27 年 7 月 13 日にユーロ圏首脳会議がギリシャに対し、金融
支援実施に向けて「合意」に達したことが明らかになりました。ギリシャには、数多
くの古代ギリシャ時代や東ローマ帝国時代の遺跡・遺構、エーゲ海の風光明媚な島々
など、重要な産業となる観光資源があります。国の経済的理由によって、素晴らしい
財産に悪影響が出ることのないようにと思います。
奇しくも「合意」と同日である 7 月 13 日、当七沢リハビリテーション病院脳血
管センターの運営母体である、社会福祉法人神奈川県総合リハビリテーション事業団
によって指定管理者申請書が神奈川県へ提出されました。平成 18 年 4 月から平成
28 年 3 月までの 10 年間が当事業団の指定管理期間のため、次の 10 年も引き続き
指定管理者として運営できるよう、申請を行いました。これを受け、神奈川県の指定
管理評価委員会は、当事業団を次期指定管理者候補として選定しました。この選定結
果に基づいて平成 27 年 10 月の県議会議案として審議し、議決を経て指定管理者が
決定される流れとなります。
平成 29 年 4 月、七沢リハビリテーション病院は神奈川リハビリテーション病院
と合併します。未来の統合に向け、新病院の建築工事も平成 29 年 5 月の完成を目
指して着々と進行中です。合併後は病院名こそ変わりますが、継続して脳卒中リハ診
療機能を提供します。前述のとおり事業団としての動きはありますが、七沢リハビリ
テーション病院脳血管センターは、新回復期リハビリテーションⅠの運営と休日訓練
を実施し、患者サービスの向上と経営改善に努めています。現在まで積み上げた脳血
管疾患のリハ診療技術を崩すことなく、また、さらなる向上を目標に、ギリシャ同様
の危機にさらさぬようこれからも全力を挙げて取り組む所存です。
関係各所の皆様においては、今後ともご理解とご協力の程、よろしくお願い申し上
げます。
2015 年10月号
①脳卒中の作業療法 ―その人らしい生活に戻るための支援― ·· 作業療法士
②脳卒中発症後の心理療法 ·················· 臨床心理士
脳卒中の作業療法
―その人らしい生活に戻るための支援―
作業療法科
佐々木香織
脳卒中におけるリハビリテーション(以下リハビリ)では、リハビリによって少しでも障害によ
る生活しづらさを軽減し、残された機能を生かして日常生活に復帰させること、つまり「障害を持
ちながら生活を再建すること」が目的です。作業療法もそのリハビリの一つです。
作業療法について、
「作業って何をするのですか?」
「私は作業なんてしたことがないけど、大丈夫ですか?」
という質問を受けることがあります。
まず、作業療法の「作業」とは何でしょうか。一般的なイメ
ージでは「何か仕事をさせられるのでは…」と思う方もいるか
もしれません。この「作業」とは、日常生活の身辺動作、仕事、
遊びなど、人の生活に関わるすべての活動をいいます。
(右図参
照)
では、次に作業療法はどういった目的で、どんなリハビリを
行っているのか紹介します。
① 運動機能・精神機能などの能力の維持、改善
まず、麻痺のある手を自分で管理する方法を指導します。
クッションを使って痛みやむくみが
出ないように保護します
手洗いは清潔だけでなく手に
対する刺激にもなります
麻痺のある手は、まず基本動作の練習をします。いろいろな道具を使うこともあります。
趣味活動やその人にとって必要な作業を使っての練習もあります。
お手玉を使った腕の基本練習
籐細工を利用した指の練習
麻痺のある手が十分に使用できない場合は、片手での動作が上達するように練習します。
片手で行う時の工夫も一緒に考えます。
② 食事、トイレなどの生活活動能力の維持、改善
ベッドでの寝返りから始まり、食事、トイレ、入浴など日々の動作の練習をします。
訓練室には、一般の家屋にあるものと近い広さの模擬トイレ、模擬浴室があります。これらを使っ
て自宅の状況に近い状態で、トイレや入浴の動作の練習をします。また、必要に応じてご家族への
指導も行います。
③ 活動、就労など社会的適応能力の維持、改善
家事や仕事など、社会生活に必要な能力(集中力、注意力なども含む)を高める練習もします。
仕事では集中力や
注意力が大切です
片手でも工夫次第で
料理ができます
④ 環境資源の調整
日常生活の動作で必要な福祉用具などの相談、住宅改修の相談も行っています。
また、平成 25 年度からは、神奈川県のロボット産業特区事業に協力
して、ロボットを利用した訓練にも取り組んでいます。
このように作業療法では、様々な作業を通じて訓練を行っています。訓
練の方法は人それぞれです。なので、その人にあった方法を、作業療法
士が一緒になって考えていきます。少しでもその人らしい生活が送るこ
とができるように、これからも私たち作業療法士は皆さんと一緒に取り
組んでいきます。
心理科 市塚晶子
●心理科の役割
脳卒中発症後の後遺症には、麻痺など身体機能の障害だけでなく「高次脳機能障害」
という、記憶や注意など頭の働きに変化が生じる症状があります。また精神的にも、発
症のショックや今後の不安などにより不安定になりがちです。私たちは、これらの症状
を抱える方に対し、より安定したその人らしい生活が送れることを目指して、面接や訓
練をおこなっています。
面接
身体機能面
の障害
焦り、不安、
高次脳機能
障害
社会復帰や対人
関係への影響
脳卒中
発症
カウンセリング
抑うつ
認知訓練
●高次脳機能障害への対応
高次脳機能障害とは記憶・注意・思考・判断など身体以外の機能の障害をさします。
生じる症状は十人十色であるため、訓練をはじめる前にまず正確に症状を捉えることが
重要です。負担に配慮しながら、いろいろな検査を組み合わせて評価をおこなっていき
ます。
つぎに評価の結果をふまえ、その方に適した訓練内容を検討していきます。リハビリ
テーションのゴールは人それぞれですが、ご本人を取り巻く環境を考慮したうえで、能
力が最大限生かせることを目標として、必要と思われる訓練を選択します。
●訓練の紹介
高次脳機能障害のひとつに「注意障害」という症状があります。注意障害が生じると
“うっかりミス”が増え、安全管理や自己管理にリスクが生じる場合があります。訓練
では、不注意によるミスを防ぐためにはどのような工夫ができるのかを話し合いながら、
課題を通して「慎重に取り組むこと」や「確認を習慣づけること」を繰り返し練習して
いきます。
課題の内容はその方の症状や興味関心にあわせて選択していますが、いわゆる脳トレ
のような課題をイメージしてもらうとわかりやすいかと思います。注意力を高める訓練
では、
「間違いさがし」や「計算問題」などのペーパー課題、積み木の組み立て課題、タ
ブレット端末を使用したゲーム課題などがあります。記憶の訓練では、スケジュール管
理のためにノートにメモをとる練習などをおこなっています。
このような訓練での体験が、発症後苦手になったことに気づくきっかけとなります。
自分ができること、できないことを正確に知ることができれば、危険と思われる状況で
は他者に依頼するなど、より適した行動がとれるようになります。自身の障害に対して
気づくことや、判断力を高めることも訓練の大切な目的です。
●精神面への対応
脳卒中の発症は、多くの場合が予期せぬ事態のため、精神的なショックが強く生じま
す。また、様々な障害により人生の大きな転換をせまられる場合も少なくないため、不
安や混乱など精神面への影響が生じるのは当然です。つらさを乗り越えていく方法は人
それぞれですが、ご本人の希望があれば、悩みや苦しみに寄り添うかたちでカウンセリ
ングや各種心理療法をおこなっています。
●ご家族へのサポート
また、ご本人だけでなく、ご家族や周囲の方の戸惑い、
不安も当然大きいと思います。私たち心理科では、ご家
族の方への面接もおこなっています。そこでは、今どん
なことに困っているのかをお聞きしたうえで、どのよう
な症状があり、どのような対応をしたらよいのか、なる
べくわかりやすくお伝えしています。ご家族の方へのサ
ポートも私たちの重要な役目です。
13:00~16:00(受付 12:30~)入場無料・予約不要
アミュー厚木 7 階
あつぎ市民交流プラザ
【内容】
講演:肥満を防ぐ生活習慣をテーマに、医師・理学療法士・
管理栄養士・看護師が分かりやすくお話しします。
相談コーナー:リハビリ・脳卒中についてご相談を受付けます。
展示コーナー:リハビリ・介護用ロボットをご紹介します。
(足こぎ車椅子・HAL・パワーアシストハンドなど)
スケジュール
入院中の患者さんとご家族、一般の方々を対象に、当院の 10月16日
職員による「脳卒中に関する医学的知識とリハビリテーション」
(第 3 週)
飲む・貼る・塗る
を主題とした講座を開催しております。
解決します~自助具の紹介~
≪入場は無料です≫
○場 所:七沢病院A館 1 階ロビー
12月18日
(第 3 週)
担当:薬剤科
担当:栄養科
減塩と食事バランス
○時 間:16:20~17:00
~当院までのご案内~ (周辺地図)
~電車・バスをご利用の場合~
小田急線「愛甲石田駅」北口に
ある、バス③番乗場から「七沢
病院行」に乗車し、「七沢病院」
で下車してください。
(病院玄関
前に到着・所要時間約 30 分)
~自動車をご利用の場合~
東名高速道路「厚木 IC」を出て、
小田原厚木道路方面に進みます。
すぐ左側の伊勢原出口を降り、3
つ目の信号「田谷」を右折して小
野・七沢方面に向かってくださ
い。 (駐車利用料金無料・厚木
IC から約 30 分)
入院相談
医事班(046-249-2812)または医療福祉相談室(046-249-2820)
のケースワーカーが随時受け付けています。また現在入院先の主治医より電話にて、入院
コーディネーター医師(046-249-2909)に直接ご相談いただけます。