第 1 学年だより 平成 27 年10月27日 号 外 ネットにつながる環境(ニンテンドーDS、iPod など)、携帯電話(スマホ)、メール やラインの利用がすでに当たり前の世の中になっています。大人の我々でも、手に負え ないようなネット環境の中で、子どもたちがどのように使用しているか、保護者の皆様 はご存知でしょうか?我が家ではまだ、そのような環境を与えていないというご家庭も あるかと思いますが、今後、子どもたちの所持欲求は高まることは必至で、また、情報 社会の昨今ではいずれ必要に迫られて購入ということも予想できます。今回はウルトラ C号外として、三者面談でもご家庭から子どものネット環境の使用について、不安の声 があったこともあり、保護者の皆様に子どもとネット環境について話題提供しようと思 います。 ネット環境、携帯電話(スマホ)、ゲーム機の利用は、あくまでも個人的使用が前提に あるので、秘密・秘匿性が高くなりがちです。私は中学生ぐらいのお子さんに、このよ うな大人の目が届きにくくなるネット環境を与えるときには、保護者は並々ならぬ決意 と、使用に関する管理を徹底することが、子どもを守る安全意識であり危機管理だと考 えています。具体的には、保護者主体でネット環境を管理し、フィルタリングをかける とか、使用時間や使用方法、書き込み内容のチェックなどについて、親子間での約束を 設け、守らせていくことが必要です。実際に、子どものネット環境の利用を管理しなか ったために、大変なことが起こるケースが増えています。保護者の知らない間に、トラ ブルや犯罪に巻き込まれる事例の中で特に心配なのが、顔の見えない相手とのコミュニ ケーションです。これによって起こる被害とは、ネットいじめ、個人情報の漏えい、性、 金銭、命に関わる被害など、中学生に起こる事件としては目を覆いたくなるようなニュ ースも報道で聞かれます。また、他校生とのつながりを広げ非行の道に向かってしまう ケースも少なくありません。そして、中学生であっても、被害側でなく加害者になるケ ースも聞かれます。 子どもが入り込むネットの世界は、子ども自身が現実世界なのか仮想世界なのか見分 けがつきにくいものになっています。子どもは、寝る時間を削ったり、常識的な時間を 度外して連絡をとろうとしたり、夢中になってネット世界に入り込んでいきます。その 状況下で、日常生活に支障をきたしたり、トラブルを起こしたりしてしまうケースが 多々あります。電話やメールを利用して、簡単な連絡程度として使うならば、ほとんど 問題なく便利に活用できるのもネット環境のよいところではあります。しかし、気持ち や思いを告げるような相談や、仲間づくりの手段として使用するような場合、互いに顔 を見合わせて表情や態度を気にしながら行う会話と違い、メールやライン上の文字のみ でのやり取りでは、言葉の表現の問題で気持ちの擦れ違いや勘違い、誤解などを生むこ とがあります。そのうちに噂、陰口、なりすまし、意地悪、仲間外し、相手の心情を傷 つけ、いじめに発展していきます。このようなことに、子どもたちは知らず知らずに陥 ってしまいます。 子どもたちは、通話やメール、ライン、掲示板、ツイッター、チャット、ブログ、プ ロフなど、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)と呼ばれる世界で、不特定 多数との関わりが持てる環境を手にしたとたんに積極的に他者とのつながりを求めは じめます。その使用場所は、家庭にとどまらず Wi-Fi(無線 LAN)のつながる環境(最 近ではコンビニでもつながります)を求めて、外出先でも操作できることを知れば、使 用目的の内容によっては管理の目が届きにくいところに場所を移して利用していくこ とが容易に予想できます。そして現在の本校の生徒も、個人情報を無造作に公開してし まったり、友達を傷つけるような書き込みをしてしまったりしているという報告が聞か れます。保護者の皆様にもぜひ一度、お子様にそのようなことがないかご確認いただき たいと思います。問題点は、顔写真や氏名、住んでいる場所、日々の行動パターンを示 すような日記、友人のアドレス、友達の悪口、誹謗中傷、脅しの言葉などを、軽率に公 開していることです。子どもたちは同じネット環境にいる友達、普段かかわりの少ない 知り合い、時には顔も知らない人であっても、 「ネット上でなら」という軽い感覚で、 「絡 もう」「絡んで」という言葉でかかわりを持とうとしていきます。ネット上でのかかわ りがエスカレートすると、「じゃあ、会ってみよう」「出てこいよ」「明日行くからな」 などと、トラブルに発展していきます。世間をまだ知らない子どもたちだからこそ知ら ず知らずにリスクを見失い、トラブルに陥っていくのが現状です。これは、大人の感性 から言うと非常に危険な環境に身を投じている状況だと思います。私は、子どもにとっ てネットの世界が大人からは見えづらく、入りやすくなっているので、その奥深く底の 知れないネットの中で、子どもが子どもの判断でどんな行動をとっていくのか、想像す ると怖さだけが思い浮かんでしまいます。お子様の健全なネット環境の使用を考え、保 護者の目に届きやすく、危険なサイトには入りにくく、危険な関わりをしにくくすると いう環境整備が必要です。 学校では、子どもへの情報教育を進め、子どもたちが安全に使用できるための知識を 伝えていくことはできます。しかし、実際の使用の際の見届けや具体的な管理・指導は、 ご家庭で対応していただくしかありません。まずは、子どもに与えるネット環境の制限 について検討していただき、ネット利用上の留意点について熟考していただければと思 います。また、お子様にそのような環境を与える際には、お子様と使用についてのメリ ット・デメリットを確認し、使用上のリスクについてもじっくり話し合っていただきた いと思います。便利である反面、危険をはらむネット環境の利用について、ぜひ、ご家 庭において保護者主体で話題に上げていただきたいと思います。
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