掲載記事 - NSCAジャパン

No.7
NSCAジャパン設立25周年によせて
元 森永製菓株式会社 健康事業部長
宇多 良勝
NSCAジャパン設立 25周年、おめでとうございます。
会員数は 5,000名を超え、2017年には流山に新しく施
設を開設されるとのこと、会の皆様のご尽力とご協力
の結果だと心からお祝い申し上げます。
森永製菓にとってNSCAと最初にご縁があって今年
で32年目になります。特にNSCAジャパンが軌道に乗
るまでの最初の10年間に我々の思いは凝縮されており
ます。少し振り返ってみたいと思います。
森永製菓には、
「おいしさ」
「 たのしさ」
「 すこやかさ」
を 皆 さ ん に 提 供 し よ う と い う 企 業 理 念 が あ り ま す。
1982年、この
「すこやかさ」をテーマにした新しい事業
として健康事業が発足しました。
ここで事業テーマに、あのアーノルド・シュワルツェ
ネッガー育ての親としてボディビル界で有名なジョー・
ウイダ―氏が主宰するウイダー社と契約し、スポーツ
栄養補助食品やトレーニング、フィットネスのソフト
事業を展開することになりました。
1984年、東京と大阪で関係者の方々に事業発表を行
なうにあたり、筋肉隆々のボディビルのみに限定せず、
将来にわたり一般的なスポーツ、フィットネスへの展
開をも考え、提携先の J.W.O 社を通じて初めてNSCAの
紹介を受けました。企業宣伝はできないがトレーニン
グの講演なら引き受けようとケン・カントー事務局長、
マイク・アーサーネブラスカ大学強化トレーニングコー
チの来日が実現し、その斬新で科学的なトレーニング
理論の紹介が各方面で大好評を受けました。その後、
我々には NSCAにかかわる暇もなくウイダー栄養補助
食品の発売、
『ウイダー・トレーニング・バイブル』の
発刊、筋力測定マシーンを搭載したハイテクラボカー
の全国巡回、栄養分析カウンセリングシステムの構築
など、事業展開に多忙を極めました。
1987年、我々ウイダー事業はまだ赤字の段階にもか
かわらずNSCAが頭から離れず、非営利団体NSCAの日
本支部を将来設立し経済的支援を行なう契約を締結し
ました。とはいえ、我々に日本支部を担当する人材の
余力もなく当分の間、空白の時期が過ぎました。
2
November 2016 Volume 23 Number 9
1989年、 読 売 ジ ャ イ ア ン
ツのトレーナーだった尾山末
雄氏との出会いから以後の
NSCAジャパンは大きく進展
しました。彼のトレーニング
に対する知識、情熱をぜひNSCAのために生かしてほし
いと口説いたと記憶しております。
1991年、尾山氏が 2 年間のネブラスカ・リンカーン
の研修から帰国後の動きは早く、米国NSCA国際支部と
してNSCAジャパンが設立され、拠点を芝浦に構えるこ
とができました。
この年開催した第 1 回総会は、魚住廣信氏の紹介で
三笠宮寬仁親王にご臨席を賜り、素晴らしい総会とな
りました。殿下より「折角のメンバーの知識を持ち寄っ
て、しっかり実績をつくること。同時に組織の運営を
図るマネージメントが会の発展には大切」とアドバイス
をいただいたことはいまだに忘れられません。
1994年、関係者の熱意と努力でその後の進展は早く、
最初の出会いから10年経過したこの年に、NSCAジャ
パンは実質的に自立組織として見事独立されました。
我々との間もスポンサーにとどまる契約に変更しまし
た。この年、米国NSCAもリンカーンからコロラドスプ
リングスに移転され、ますますご発展とのこと。併せ
て言わせてもらえれば、この年我々もウイダー inゼリー
を新発売、以後事業は大きく進展しました。
この10年間、たくさんの方々にお世話になりました。
松﨑昭雄・元森永製菓社長、窪田登・早稲田大学名誉
教授ほか、名前を挙げればきりがない多くの若き有能
なトレーニング専門家の皆さんに感謝の念で一杯です。
最後に、事業の苦しい時からNSCAに理解を示してくれ
た健康事業部の一同も忘れがたい方々です。
リオオリンピックをテレビで観戦していると、素人
の私にもトレーニングの大切さが理解できます。健康
維持のために訪れる近くの体育館も盛況で、若き指導
員の活躍ぶりを眺めると、NSCAジャパンはこれから
もっと発展すると確信します。期待しております。