Cases in Case:ブランド・ケースブック「ウイダー in ゼリー」 ウイダー in ゼリー 森永製菓 株式会社 [http://www.weider-jp.com/index.html] 戦 略 の 背 景 「ウイダーinゼリー」は、森永製菓が米国のウイダー社と提携して、84年(プロテイン パウダーを中心にボディビルダーや一部のアスリートに販売)に発売されたゼリー飲 料。すばやく手軽に栄養補給が出来、適度な腹持ちを提供する。94年に全国発売 した。10年現在、ライフスタイルに合わせて、6種類のウイダーinゼリーをラインナッ プしている。 森永製菓では83年から、健康事業部を通して、米国・ウイダー社と 提携し、スポーツ栄養補助食品の製造販売を行ってきた。 スポーツ栄養補助食品という市場ジャンルが日本に存在しなかっ たこともあり、市場浸透は困難な状況にあった。 スポーツ栄養補助食品という新カテゴリーの開発 戦略のロジック ● 当初市場浸透に当たって、「ウィダーinゼリー」の商品特徴(ゼリー状 等)に着目し、本来の領域とは異なる朝食市場への参入を図った。 ● 簡便性だけでなく、栄養バランスと行動的な朝食シーンを描くことで、 本来のフィットネス感も継承している。 ● その後、栄養補給にポジションを移し、本来の領域でのアピールを、 「トライアングル理論」を使って説明している。 ● 同社では健康事業と海外事業の2つに成長を期待している。日本で はプロテイン市場の分母はまだまだ小さいが、新聞広告やテレビな どで露出を高めてきた。また、フィギュアスケートの浅田真央選手を はじめ、挑戦を続ける人たちを、広くサポートしている。 フィットネスから簡単朝食へシフト シフト 栄養補給 → TVCMでは、手軽に摂取できることを謳うように、「10秒チャー ジ。2時間キープ」のキャッチフレーズで展開した。 シフト 朝食(簡便) 「10秒めし」「10秒チャージ」のキャッチフレーズで展開 フィットネス → 「ウイダー」にはプロティンが入っており、トータル・フィットネス を提案する商品であったが、市場浸透が進まなかった。森永 製菓は簡便性に着目し、形状や成分といった商品特性を生 かして「朝食」市場にポジショニングをシフトさせた。 【ポジショニングのシフト】 トライ アングル理論 CONDITIONING コンディションづくり トライアングル理論でプロテイン飲料を再訴求 → 本来のプロティン飲料を再訴求するため、「トライアングル理 論(ENERGY/MUSCLE&BODY/CONDITIONINGのコンセ プトで開発した商品を摂取することで、科学的な身体づくりを 実現する)」をアピールしている。 プロテインを正しく認知・理解 → プロテインを正しく理解してもらい、たんぱく質という体づくりの 土台で勝負し、「プロテイン=筋肉強化」のイメージを変えて いく取り組みを行っている。 具体的戦略展開 現在のポジション 朝食市場を開拓 → それまで不明瞭だったポジションが明らかになり、朝食市 場を意識させた。 「ウイダーinゼリー」の売上は、11年3月期で218億円 → 「ウイダーinゼリー」がある森永製菓の健康部門は、11年3 月期で218億6,800万円の売上。前年比101.5%伸長して いる。
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