人文・社会科学振興プロジェクト「日本の文化政策とミュージ ジアムの未来」 「ミュージアムの活用と未来-鑑賞行動の脱領域的研究」 科学系ミュージアム研究 グループ ミュージアムでの鑑賞行動の のエスノメソドロジー研究から 鑑賞支援ロボ ボットの開発へ 埼玉大学 教養学部 山崎研究室 埼玉大学 理工学研究科 久野研究室 社会学 工学 ミュージアムの中の鑑賞経験,つまり観衆がどのように展示を を経験するかという問題には,様々な研究者が関心を寄 せている.英国のクリスチャン・ヒースとポール・ラフらは,観 観衆をビデオで撮影し,「エスノメソドロジー」という社会学の 方法によって鑑賞行動の研究に新たな視点を切り開いた.日本学術振興会による人文・社会科学振興プロジェクト事 日本学術振興会による人文 社会科学振興プロジェクト事 業「日本の文化政策とミュージアムの未来」「ミュージアムの活 活用と未来-鑑賞行動の脱領域的研究」グループでは, エスノメソドロジーによって観衆の鑑賞行動にかかわる研究を を行うとともに,その成果をもとにてミュージアムにおけるガ イドロボットの開発も行った.また,研究開拓者であるヒースや やラフとの共同研究もおこない,国際的にも高い評価を得 てきた. プロジェクトのあゆみ 2005年度 「ヒューマンインタラクションと創造的環境」を統一テーマに, 連続国際セミナー・ワークショップを開催.ロンドン大学のポー ル・ラフ博士,エラスムス大学のアーリョ・クラマー教授をはじ めとする諸氏の講演と議論から,プロジェクトの方向性を検討, 明確にした. 11月12日 第1回「ミュージアムのビデオデータセッション」 11月17日 第2回「ミュージアムの未来」 12月19日 第3回「アンビエントインテリジェンス」 また,児玉幸子インタラクションアート展覧会「ウニのかくれん ぼ」(科学技術館)にてインタラクションアートの展示と合わせ て,鑑賞支援ロボットのデモ及び実験を行った. 2006年度 「シンポジウム&パフォーマンス アート・身体・インタラクショ ン」を埼玉大学にて開催(12月9日)武井よしみち氏(パフォー マ ) クリストフ シャルル助教授(武蔵野美術大学) 柳沢 マー)、クリストフ・シャルル助教授(武蔵野美術大学)、柳沢 秀行学芸員(大原美術館)ら諸氏に講演を頂き,興味深い議 論から新たな知見を得ることができた. 2008年度 2007年度より継続して大原美術館での実験とその分析を行っ た.また,埼玉大学・ロンドン大学キングスカレッジ校 グ ジ 共同 ワークショップを開催し,ミュージアム研究および現在の研究 動向について議論を深めた. 研究成果 大原美術館における鑑賞行動のエスノメソドロジーによる分 析,及び大原美術館におけるガイドロボットによる鑑賞支援実 験を行い,鑑賞行動の分析結果に基づいて開発したロボット が,観衆の注目を効果的に促し,観衆を引き込む説明を行え ることを明らかにした. 主な発表文献 1. 2. 3 3. 2007年度 「アート・身体・インタラクション2」 として埼玉県立近代美術館にてシ ンポジウムを開催した.終了後, 北浦和公園にてツァン・シン氏, ヂ ヂュー・ミン氏によるパフォーマン ミン氏による フォ マン スも披露頂き.多数の参加者と共 に活発な意見交換を行った. 企画・構成・司会 井口 壽乃 4. 5. 6. 7. 対話型作業支援システムにおけるロボットの補助効 果に関する研究 (情報処理学会論文誌2007) Museum guide robot with communicative head motion (RO-MAN2006) M Museum guide id robot b t based b d on sociological i l i l interaction i t ti analysis (CHI2007) Study on an attention drawing robot to support art appreciation --Drawing visitor's attention by a wordless robot's gestures -- (Asiagraph2007) Effective head gestures for museum guide robot in interaction with humans (RO-MAN2007) Precision timing in human-robot interaction: Coordination of head movement and utterance (CHI2008) Museum Guide Robot with Three Communication Modes (IROS2008)
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