埼玉県産業技術総合センター研究報告 第8巻(2010) 光フロンティア領域を開拓する次世代光応用システムの開発 <受託事業名> 平成20年度地域イノベーション創出研究開発事業 <委託元> 関東経済産業局 <研究期間> 平成 20 年度 <研究テーマ名> 光フロンティア領域を開拓する次世代光応用システムの開発 <担当所属/担当者> 試験研究室/新井尚機、試験研究室 生産技術担当/宇野彰一、企画・総務 室/鈴木浩之、北部研究所 技術支援交流室/大木健司、西部環境管理事務 所/井村俊彦 <共同研究者> (ス ー パ ー ミラ ー 研 磨 チー ム ) 国立大学法人 埼玉大学、 シグマ光機株式会社、株式会社タナカ技研 <概要> 1 全体研究と役割 るミラーのことである。この反射率を実現するた この研究は、平成18年度から19年度に実施され めには、超短波パルスレーザーの波長を1000nm近 た地域新生コンソーシアム研究開発事業「光フロ 傍と780nm近傍を想定した場合ガラス基板の研磨 ンティア領域を支える次世代機能性光学材料及び 時の表面品質目標は粗さ:1.5Årms、市販の平面 素子の開発」で得られた、技術シーズ・知見を活 ミラーは通常λ/2の平面度が要求されるが、スー 用し平成20年度地域イノベーション創出研究開 パーミラー研磨チームではさらに厳しい精度とな 発事業に研究テーマ「光フロンティア領域を開拓 る平面度:λ/10とした。スーパーミラー研磨チ する次世代光応用システムの開発」で応募し採択 ームの開発計画の流れと役割分担を図1に示す。 された研究である。内容は、次の5サブテーマにな 役割分担は、研磨加工における粗さについての検 っており産業技術総合センターは、主にサブテー 討は、主にシグマ光機(株)、(株)タナカ技研が担 マオ)スーパーミラー研磨・薄膜プロセスの開発 当し、形状精度については、シミュレーションを において、スーパーミラー研磨チームに参加し、 埼玉大学が担当し、ガラス基板表面品質の評価に スーパーミラーのガラス基板表面品質評価を担当 ついては、産業技術総合センター(SAITEC)が した 担当した。 スーパーミラーの作製 超精密研削加工 ア)Yb 結晶技術を用いた大出力・高安定レーザ 超精密研磨加工 ーの開発と次世代高精度加工システ開発 匠の世界 解明 技術化 イ)能動制御SESAMとそのレーザー制御システム の開発 ウ)多成分ガラスを用いたエネルギー伝送用ファ イバオプティクスの開発 エ)機能性撮像光学素子の開発 オ)スーパーミラー研磨・薄膜プロセスの開発 2 産業技術総合センターが主に担当した研 究概要について スーパーミラーとは、99.999%反射を実現でき 粗さ精度 職人技 評価法の検討 SAITEC 1.5Årms(Ra) POINT:研磨工具,条件選定 パッド研磨の試み ピッチ研磨の試み 技法開発,条件選定法の確立, ノウハウの習得と解明 シグマ光機 タナカ技研 目標粗さの達成 形状精度 職人技 平面度;λ/10 POINT:研磨パッド,板の管理 研磨シミュレーションの開発 埼玉大学 データベースの蓄積 偏荷重制御法の開発 研磨板計測技術の開発 タナカ技研 形状管理技術の確立 図1 開発計画の流れと役割分担 シグマ光機
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