ページとマスターの設定

情報演習 1( プレゼンテーション ) - Adobe InDesign 編 -
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ページとマスターの設定
ここでは、InDesign におけるページの概念、およびマスター ( 各ページに共通する内容を書くため
の特別なページ ) の説明を行います。
ページとは
ページとは、書籍や雑誌などのそれぞれの誌面を指します。ページには、本文や図、写真などのほか、
タイトルや図の説明 ( キャプション ) などが含まれます。これら以外にも、ページ番号や章のタイトル
( 本のタイトル ) などが配置されたのち、ひとつのページができあがります。
通常 InDesign の画面では、本を開いたような 2 ページ単位でのレイアウト作業が基本となります。
この作業画面全体を [ スプレッド ] と呼びます。InDesign におけるスプレッドは、用紙とそれ以外に
分かれ、用紙以外の部分は作業領域 ( 配置前の素材を置く場所 ) として使うことができます。
マスター ( マスターページ ) とは
マスターとは各ページに共通して配置される、ページ番号や書籍名、章のタイトルを書くための特
別なページを指します。マスターは、通常のページの下に置くことによりその内容を反映させます。
InDesign では、複数のマスターを作成することができます。本文用のマスターや前書き用のマスター
など分けて利用したり、章に応じたマスターを作るのも良いでしょう。
ページとマスターに関するポイント
InDesign におけるページとマスターの扱いに関しては、InDesign に書類のサンプルとして付属する
以下のファイルを参考にすると良いでしょう。
C:\Program Files\Adobe\Adobe InDesign CS2_J\SamplesKyotoTakayama.indd
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ページ、マスターの確認
現在のページ構成やマスターの適用状況を確認するには [ ページパレット ] を利用します。
ページパレット
メニューボタン
マスターアイコン
マスター管理部
ページアイコン
ページ番号
選択ページ
ページ管理部
ページを挿入
選択されたページを削除
マスター設定部
マスターに関する情報を管理します
ページ設定部
ページに関する情報を管理します
ページアイコン
各ページを表すマークです
ページ番号
各ページの番号です
選択ページ
青色に塗られたページは現在選択されているページです。マウスのクリックで選択
できます
ページを挿入
現在選択されているページの後ろに新しいページを追加します
選択されたページを削除
メニューボタン
選択されたページを削除します
ページ、マスターに関する予備の操作を呼び出します
ページとマスターに関するポイント
マスター管理部とページ管理部、またページアイコンやマスターアイコンでは、マウスの右クリッ
クにより予備の操作を呼び出すことができます ( 操作の内容はメニューボタンに含まれる内容とほぼ
同様です )。
ページの扱い
作業ページの変更
作業中のページから別のページに移動するには、画面右や下のスクロールバー、もしくは画面左下
の [ ページボックス ] を利用します。また、[ ページパレット/ページ管理部 ] にあるそれぞれのペー
ジアイコンをダブルクリックしても移動できます。
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ページの挿入
ページの挿入は [ ページパレット/ページを挿入 ] ボタンを用いるか、ページ管理部で右クリックし
[ ページを挿入 ] を選択します。[ ページを挿入 ] メニューでは複数ページを挿入することも可能です。
ページの挿入
ページ
挿入
マスター
ページ
挿入するページ数を指定します
挿入
何ページ目のどの場所に挿入するかを指定します
マスター
挿入するページにどのマスターを適用するか指定します
ページの入れ替え
ページの入れ替えは、[ ページパレット/ページ管理部 ] にあるページアイコンをドラッグして、目
的の場所に移動させます。
ページの削除
ページの削除はページパレットのボタンを用います。なお、[Shift] キーや [Ctrl] キーを併用して複数
ページを選択した後削除することも可能です。
ページの扱いに関するポイント
見開きでページを作成した場合、左側のページと右側のページのレイアウトは左右対称の関係にあ
ります。ページ左右の余白を扱う際には注意してください ( ノドと小口の関係 )。
マスターの扱い
マスターの追加
マスターの追加は、マスター管理部で右クリックしメニューから [ 新規マスター ] を選択します。
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新規マスター
プレフィックス
名前
基準マスター
ページ数
名前
このマスターの名前です
プレフィックス
マスター名のページアイコン上における識別名です。通常は、1~4 文字のアルファ
ベットと数字に組み合わせにします
基準マスター
このマスターの基準となる ( 下地となる ) マスターがある場合はそのマスターを指
定します。基準となるマスターがなければ [ なし ] を選択します
ページ数
通常、見開きの書類を作成する場合は 2 を、そうでない場合は 1 を指定します
各種設定の後 [OK] ボタンを押します。この操作によりマスター管理部に新しいマスターが追加され
ます。
マスターの作成に関するポイント
新規書類作成時には [A- マスター ] という名前のマスターが自動的に作成されます。また、このマス
ターはすべてのページに適用されています ( ただし、このマスターに何も書かれていません )。最初は
これを利用し、必要に応じてマスターを付け足していけばよいでしょう。
マスターの適用
マスターの適用は、マスターを適用したいページのアイコンに、適用したいマスターのアイコンを
ドラッグ&ドロップすることで適用できます。複数のページに同じマスターを適用したい場合は、[ペー
ジ管理部 ] で右クリックをし、メニューから [ マスターページを適用 ] を選択します。
マスターページを適用
マスターページ
適用ページ
マスターページ
適用するマスターを選択します
適用ページ
マスターを適用するページを入力します。複数ページを指定する場合は [ 開始ペー
ジ - 終了ページ ] と書きます ( 例 2-5,10-12)
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マスターの適用に関するポイント
見開きでマスターを作成した場合、左側のマスターは左側ページに、右側のマスターは右側ページ
に適用するようにします。
マスターの削除
マスターの削除はページの削除と同様ページパレットのボタンを用います。
マスターの編集
ここまでページの扱い方とマスターの扱い方について説明をしましたが、実際にはページ番号、書
籍名や章のタイトル、またロゴや挿絵などを含めたマスターを編集したのち、各ページに適用します。
ここでは、マスターに含める内容としてページ番号とタイトルを追加します。
1. マスター管理部において、編集したいマスターをダブルクリックします
2. マスター上にページ番号などを書き入れるためのテキストフレームを作成します
3. テキストフレームに文字を書き入れます。タイトルなどはそのまま文字を書き入れ、ページ
番号などページに応じて自動的に内容が変わる特殊文字は、[ 書式 ] メニュー [ 特殊文字の挿
入 ] に含まれます。ここでは [ 自動ページ番号 ] を選択します
4. 必要に応じて、フォントの種類や大きさを変えます。ページ番号や章のタイトルなどの字の
大きさは、通常、本文のフォントより若干小さいものを用います。
マスターの編集に関するポイント
•
マスターに複数のテキストフレームを配置する際、ガイド機能を利用するとフレームの整列
がしやすくなります。ガイドは、InDesign 画面の上と左にある定規の部分からマウスをド
ラッグするとガイドが現れます ( 上の定規からは横方向のガイド、左の定規からは縦方向の
ガイドが現れます )
•
見開きでマスターを作成した場合、左側のマスターと右側のマスターの両方に含まれる内容
は左右対称になるように配置します。例えばページ番号は、左側のマスターでは左上に配置
したら、右側のマスターでは右上に配置します。また、文字などを含める場合、左側のマス
ターでは左寄せ、右側のマスターでは右寄せをしておきます
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複数ページにまたがる文章の作成
InDesign では一般的は文章作成ソフトと違い、基本的には、ページに配置されたテキストフレーム
に文章が入りきらなくなったとしても、自動的に新しいページが作られることはありません。そのよ
うな場合、自分で付け足す必要があります。文章作成の基本的な流れは、テキストフレームに文字が
入りきらなくなった場合 ( テキストフレームのアウトポートが赤くなります )、新しいページを作成し
そのページにテキストフレームを作成した後、2 つのフレームを連結します。
また、用紙の余白内 ( 文字入力スペース ) に文章を割り当てるのであれば、次の方法が便利です。
1. 文字が入りきらなくなったテキストフレームのアウトポートをクリックします
2. [ ページパレット/ページを挿入 ] ボタンを押します
3. 追加されたページの余白内左上でマウスをクリックします。余白内にあう大きさのテキスト
フレームが作成され文章が流し込まれます。
このとき、[Shift] キーを押しながら上記 3 を行うと、すべての文章が入りきるだけのページが自動
的に作成され文章が流し込まれます。
複数ページにまたがる文章の作成に関するポイント
上記方法以外にも、あらかじめマスターに本文用のテキストフレームを作成しておくことで、自動
的に文章を流し込むこともできます。