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初期評価プロファイル(SIAP) 3,4‐ジクロロブテン

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SIDS in HPV programme & CCAP
SIAM 11, 26/01/2001
初期評価プロファイル(SIAP)
3,4‐ジクロロブテン
物 質 名 :3,4-Dichlorobu-1-ene
化 学 式 :C4H6Cl2
CAS No.:760-23-6
勧告
本物質は追加の作業の候補である。
SIAR の結論の概要
ヒトの健康
3,4‐ジクロロブテン(3,4‐DCB)の経口 LD50と吸入 LC50はそれぞれ約 940 mg/kg と 2,100ppm であ
る。3,4‐DCBのラット吸入反復投与試験が 14日間にわたって 6時間/日,5日/週ずつ 104 mg/m3 (20ppm)
と 1,037 mg/m3(200ppm)の用量で実施され,1,037 mg/m3の投与で肝臓の相対重量が増加し,肝臓細胞の
形態的変化が認められた。本物質は皮膚と眼に対してわずかな刺激性を持つ。
OECD TG 404 によるウサギの急性皮膚刺激は紅斑を生じたが,全身的な不耐性反応は引き起こさなかっ
た。OECD TG 405 に従ったウサギの結膜嚢への点眼による急性眼刺激試験では角膜混濁と結膜の赤みを生
じたが,全身的な不耐性反応は引き起こさなかった。
OECD の反復投与毒性・生殖・発生毒性組み合わせスクリーニング試験(OECD TG 422)によるラット
の経口試験で,0,0.4,2,10,50 mg/kg/日を少なくとも 44 日間投与したところ,臓器重量の変化と組織
病理学的変化が誘発された。雄では腎臓の絶対重量が 10 mg/kg でわずかに増加し,肝臓と腎臓の絶対重量
と相対重量が 50 mg/kg で増加した。血液化学的検査では総タンパクの増加が明らかになった。組織病理学
的検査では 10 および 50 mg/kg の投与で尿細管上皮のヒアリン滴の増加が,50 mg/kg の投与で肝細胞肥
大が明らかになった。雌では腎臓の相対重量の増加が 50 mg/kg の投与で認められた。しかしながら腎臓重
量の変化に関連する組織病理学的変化は検出されなかった。肝細胞肥大が 50 mg/kg の投与で認められた。
この反復投与試験の NOAEL は雄で 2 mg/kg/日,雌で 10 mg/kg/日であるが,雄の腎臓毒性はおそらくα2u
‐グロブリンが関係しているため,雄ラットに特異的であると考えられる。したがって反復投与毒性の
NOAEL は 10 mg/kg/日と考えられる。
1 件の生殖・発生毒性試験で,いずれの用量でも統計的に有意な有害性影響は認められなかった。したが
って、生殖・発生毒性の NOAEL は 50 mg/kg/日と考えられる。奇形の証拠はいずれの用量でも認められな
かった。
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一般社団法人
日本化学物質安全・情報センター
細菌復帰変異原性試験,CHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞の HPRT 試験,CHL/IU(チャイニー
ズハムスター肺由来細胞株)染色体異常試験の計 3 件のin vitro遺伝毒性試験は陽性の結果を示した。また
本物質はin vivoでも吸入によりラット骨髄に染色体異常を誘発した。3,4‐DCB の発がん性試験は報告され
ていないが,3,4‐DCB の異性体である 1,4‐ジクロロブテンは長期吸入ばく露後にラットに鼻腫瘍を誘発
することが報告された。証拠の重みに基づくと,本物質は発がん性の疑いがあると考えられる。
環境
3,4‐DCB は容易に生分解されないと分類されるOECD TG 301C では 28 日後に 1~28%(平均 11%,
BOD〔生物学的酸素要求量〕に基づく)と 44~45%(平均 45%,GC〔ガスクロマトグラフィー〕に基づ
く)
,OECD TG 301D では 28 日後に 0%(BOD に基づく)
。しかしながら生物蓄積の可能性は低い(OECD
TG 305C:<0.28~13.34)。フガシティー計算によれば,本物質は放出されたコンパートメントに主に存在
する。実際の製造と使用を考慮すると,本物質は主に水に放出される。本物質は数種類の水生生物で試験さ
れた。藻類のSelenastrumでは,72 時間 EbC50* は 49 mg/L,72 時間 NOEC(バイオマス)は 14 mg/L で
あった。ミジンコでは急性毒性値 10 mg/L (遊泳阻害の 48 時間 EC50)と慢性毒性値 0.83 mg/L(生殖の
21 日間 NOEC)が得られた。魚類の急性毒性では,27 mg/L(メダカOryzias latipesの 96 時間 LC50)と
7.17 mg/L(ファットヘッドミノーPimephales promelasの 96 時間 LC50)が信頼できると考えられる。
PNEC の決定には評価係数 100 を選び,これを最小の慢性値(ミジンコの NOEC,0.83 mg/L)に適用す
ると,PNEC は 8.3μg/L となる。
*JETOC 註:EbC50 成長曲線下の面積の比較により求めた藻類成長 50%阻害濃度
ばく露
3,4‐DCB は欧州,米国,日本においてクロロプレンの中間体として閉鎖系内で製造される。日本とドイ
ツの生産量は 1998 年にそれぞれ 50,000 トン/年と 50,000~10,000 トン/年であった。本物質の世界生産
量は推定で 300,000~400,000 トン/年に達する。
製造された全ての 3,4‐DCBはクロロプレンの製造の中間体としてやはり閉鎖系内で使用される。
使用は同じ施設内でのクロロプレンの製造に限られる。したがって、広範囲の使用はない。蒸気の皮膚接
触と吸入により職業ばく露が起こる可能性がある。工程は閉鎖系により構築されており,工員は作業の際に
保護マスク,手袋,ゴーグルを着用する。したがって大量のばく露は起こらないと思われる。市販製品のポ
リクロロプレンは不純物として 3,4‐DCB を含んでいない。したがって,消費者使用の際に本物質が環境中
に放出される可能性はない。
勧告される追加の作業の性質
本物質の製造および/または使用中にばく露の可能性がある場合には,ばく露評価が勧告される
(遺伝毒性の懸念があるため)
。
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一般社団法人
日本化学物質安全・情報センター
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