四旬節の朗読聖書をより良く理解するために

第1回
参考文献:カナダ司教協議会発行「主日の朗読聖書」(1974年)
翻訳:白浜満「主日の朗読聖書」-『大神学院紀要』第11・12合併号(1997・1998年)福岡サン・スルピス大神学院、PP.191-261
――四旬節(A年)の主要なテーマと朗読一覧――
『典礼暦年の一般原則』(49番)は、四旬節の意味について、次のように説明している。四旬節は、復活の祭儀を準備するために設けられている。四旬節の典礼によって、洗礼
志願者はキリスト教入信の諸段階を通して、また、信者はすでに受けた洗礼の記念と償いのわざを通して、 過越の神秘の祭儀に備えるのである。多くの人々にとって、しばしば
重苦しく思われる四旬節の各主日の朗読は、体系的で豊かな内容のものである。教会は、復活徹夜祭に入信の秘跡を授かる洗礼志願者のために、また神とのより深い和解、
イエス・キリストとのより親しい交わりを持つために、 すでに受けた洗礼の恵みに生きようと自己刷新に励む信者のため、四旬節がカテケジス(要理教育)にとくに力を入れる時期
となることを望んでいるからである。まず、四旬節(A年)の各主日の朗読の一覧表を見てみよう。
四旬節(A年)の各主日の朗読の一覧表
行列
第1朗読
福音
第2朗読
第1主日
創世記
2:7-9、
3:1-7
人間の創造と罪。
ローマ
5:12-19
恵みはなお一層満ち
マタイ 4;1-11
あふれた。
第2主日
創世記
12:1-4a
アブラハムの召命。
2テモテ
1:8b-10
聖なる招きによって呼
マタイ 17:1-19 主の変容。
び出す。
第3主日
出エジプト 17:3-7
5:1-2、
5-8
聖霊によって神の愛
が注がれる。
ヨハネ 4:5-42
サマリアの女とイエス
が与える水。
第4主日
1サムエル
16:1b、 6- 神はダビデを民の王と
エフェソ
7、10-13a して選んだ。
5:8-14
光の子として歩む。
ヨハネ 9:1-41
生まれつき目が不自
由な人。
第5主日
エゼキエル 37:12-14
死んでいた民が生き
返る。
ローマ
8:8-11
イエスを復活させた方
ラザロの死とよみがえ
ヨハネ 11:1-45
は私たちも・・・。
り。
神のしもべは苦しみを
フィリピ
受け入れる。
2:6-11
26:14イエスは従順によって栄光へと上げられた。
マタイ
主の受難。
27、66
受難の主日 マタイ 21:1-11
主のエルサレ
イザヤ
ム入城
50:4-7
神は渇く民に水を与え
ローマ
る。
イエス、誘惑を受け
る。