講義資料

授業予定
1
4/12
講義概要
2
4/19
ストリーミング技術(1)
3
4/26
ストリーミング技術(2)
4
5/10
ゲスト講演
5
5/17
ストリーミング関連技術
6
5/24
ストリーミングサービス
7
5/31
ディスカッション
第13回(最終回)
村井純
8
6/7
デジタル放送(1) :あらまし、映像技術、伝送技術など
9
6/14
デジタル放送(2) :データ放送、双方向通信技術など
10
6/21
ディスカッション+デジタル放送(3)
本日のお題:
ディスカッション
11
6/28
デジタル放送と法律
12
7/5
放送の再送信
13
7/12
ディスカッション
インターネットの進化と可能性
第4回課題の内容
放送のデジタル化に伴う国際性の変化とその課題
• 放送のデジタル化に伴い、地域性が薄くなり、
国際性が大きくなる傾向にある
• これによる影響と発生する課題の重要と思わ
れるポイントをひとつあげ、それを題材にこの
分野の未来を提言しなさい。
本日の発表者
渕上穣さん
三島和宏さん
鈴木源太さん
1
渕上穣さんの発表
放送のデジタル化に伴う国際性の変化とその課題
放送の国際性とはなんぞや
何で?
† 「一つの国ではなくいくつかの国に関わること」三省堂
†
†
†
†
†
提供「大辞林 第二版」より
† 現在の地上波放送が他の国からも見れるということ?
† 海外からでも日本のリアルタイムニュースが見れる
ということ?
デジタル放送
ストリーミング技術の進歩
放送媒体の多様化
PC?HDTV?
IP?電波?
2
本当になるの?
市場環境の変化
† 著作権問題
† 放送法
† ステークホルダー間の調整
† 放送の範囲
† 視聴者
日本国内向け
日本人
現在
¾上記の問題は解決したとの前提のもと
¾ある放送事業者の立場で
¾放送環境変化を考察する
世界中どこでも
例えば
競争の激化
† 「日本人NY出張者」向
けの「ニュース番組」を
現地の朝7:00に放送
する
† 「海外のアニメ愛好者」
に「日本アニメ(字幕)」
を放送する
† 競合
•他局(日本)
•インターネットサイト
•携帯
誰でも
反対に
‡「アメリカ人出張者向け」の「CNN」
‡「日本のスポーツ好き」に「アメリカの
スポーツ番組
+
•世界中の局
3
ここまでのまとめ
市場環境の変化
† 潜在顧客(視聴者)が増える
† 競争が激しくなる
現在のコンテンツでは対応困難
現在のコンテンツ提供モデル
† NHK ・・・受信料をもとに番組制作
† 民放
・・・CM視聴による無料放送
† CSなど ・・・料金制(定額・PPV)
ニュース、バラエティ、音楽、クイズなど番組を
制作してからスポンサーを集める
提供するコンテンツが変わってくる
これからのコンテンツ提供モデル
† 無料放送が主流
† 一部の有料放送
ターゲットを決めてから番組を制作
「誰に何を提供するのか」を明確にすること
が重要になってくる
国際的な放送の例
アルジャジーラ
†
†
†
†
†
カタールの首都ドーハに本拠を置くアラビア語衛星テレビ
アラブ語による24時間ニュースチャンネル
アラビア語圏を中心に千数百万人の視聴者を持つ
カタール政府の資金で作られた
WEB広告とCMが収入源
「アラブ人」に「真実を」提供する
でも赤字
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三島和宏さんの発表
インターネットの進化と可能性
放送のデジタル化に伴う国際性の変化とその課題
政策・メディア研究科 M1
三島 和宏 [email protected]
Murai Lab. STREAM-KG
デジタル化に伴う変化
良い点
z従来の放送
zこれまで広範囲で流れることの無かったコン
テンツが流通
{電波による伝搬範囲内
{放送法による制約(県域)
z放送のデジタル化
{IPネットワークは世界規模
{その上を流れるデータも世界規模
zコンテンツの流通範囲の拡大
z例:CATVコミュニティチャンネルの配信
{地域にのみ閉じていた放送を全国のCATV局で共
有,各社の番組制作での利用
zケーブルテレビ2004での配信,N+I2004での配信など
5
N+I 2004でのコンテンツ流通・番組制作
課題
z配布範囲の制限の必要性
マルチキャストによる
会場内放送配信
(ShowNetTV)
各CATV局
KCT*2
FCTV
itscom
放送の
IPマルチキャスト
による配信
{不要情報の拡散
zどこまでが不要な情報かという判断も難しいが…
z不要な情報が広範囲で配信されることによるネットワー
クバックボーンへの影響
{視聴制限
会場内
z年齢制限
各局からの
ユニキャスト
による戻り
• 成年向けコンテンツの制限
z地域による制限
• 日本以上に細かいアメリカなど(PG・PG13・R・NC-17)
会場内放送ならびに
カンファレンスで利用
internet
PULL型メディアとPUSH型メディア
PULL型メディアにおける制限
z PULL型
zコンテンツを取得する際に制限可能
{コンテンツを視聴者が明示的に取得しに行くモデル
{パスワード認証
{DRM など
z例
REQUEST
• ストリーミング
REQUEST
コンテンツ
z PUSH型
GET
コンテンツ
視聴者
z容易な制限が可能
{コンテンツが勝手に視聴者まで届くモデル
z例
• DM
• bitcast
視聴者
FORBIDDEN
{取得者がその属性情報を詐称した場合は正しい認
証が行えない可能性がある
自動配信
• マルチキャストストリーミング
コンテンツ
視聴者
6
DRM的解決
PUSH型メディアにおける制限
zそのメディア自体の拡散を制約する
zメディア取得クライアントさえ起動していれば
勝手に情報が入ってくる
z流れ込む情報を制限する方法はやや難しい
{再生を行う際に制限
{ファイル交換は自由
zDRMで可能な制限事項
{コピー回数
{再生回数
{有効期限 など
{クライアントでの制限のみ
zそもそもその情報を流さなければよい
{情報の配布範囲の制約
{付加機能として年齢の制限も
マルチキャスト配信での例
TTLの値
zパケットの到達する範囲を制約する
TTL
範囲
0
ローカルホスト
1
ローカルネットワーク
32
サイト
64
地域
128
大陸
256
世界
zTTL (Time To Live)
{マルチキャストパケットがネットワーク上のどのくら
い遠くまで伝送するかを指定
{マルチキャストパケットが、マルチキャストが有効な
ルーターを通過するたびに、TTLが1ずつ減少
{0 ∼ 255までの値を取る
※参考:N+I2004会場内配信の際は,32 を指定
7
P2P配信モデルにおける配布範囲制限
Gnutella
zP2Pで情報そのものの配布範囲を制限する
技術は希少
z 自律的に参加するPeerの集合体
{ インデックスサーバに依存しない
{ P2Pネットワーク上で検索要求を転送
zGnutellaでのTTL
{後述
持ってないよ!
持ってないよ!
zPeerCastでの配信制限
持ってないよ!
Bさん
Aさん
あのファイルが欲しい…
皆に聞いてみよう!
z データを中継するHop数の上限
z配布範囲の制限
{中継する毎にTTLを1つ減らし、0になったら破棄
{Gnutellaでは検索要求を7回まで中継
TTL -1
TTL -1
TTL=0になった
通信開始
報告
Peer
もってるよ!
送るね!
まとめ
TTL: 検索における範囲制限
Peer
持ってないよ!
持ってないよ!
{お隣さんに配布(relay)するか
{いくつのお隣さんに配布するか(relay数)
Peer
持ってないよ!
{視聴者属性に基づく制限
{配布範囲(面積的)の制限
Peer
IPにおけるTTLの扱い
発信元
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インターネットの進化と可能性
鈴木源太さんの発表
言語問題の影響が少ない
映像コンテンツであるスポーツ放送の未来
慶應義塾大学 政策・メディア研究科
鈴木源太<[email protected]>
放送のデジタル化に伴う国際性の増加
• 映像コンテンツの構成要素
Š 画像、文字、音、声
• 国際性の増加に伴う言語の問題
Š 文字、声のみの放送はその言語圏外の人にとっては価
値が0である
Š 画像、音のみのコンテンツは言語圏にかかわらず価値が
ある程度一定である
ƒ 「トムとジェリー」、チャップリン
ƒ 音楽PV
Š 画像、文字、音、声の複数を含むコンテンツは、言語圏外
の人にとっては価値は落ちるが0ではない
スポーツ中継の国際性
• コンテンツ自体の国際性
Š スポーツのルールさえ理解していれば画像だけ
でも楽しめる(価値がある)
Š スポーツの場合、映像内に文字があってもそれ
が何を示すのか推測できる
ƒ 試合スコア、選手名
Š 実況、解説音声はあくまで付加価値
• スポーツ中継は国際性の観点から見た場合
放送のキラーコンテンツとなりうる
ƒ 価値の落ち幅はどれだけ映像、音自体に面白みがあるかによっ
て決まる
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スポーツ中継の現状(1)
放送局ベースの中継
• プロ野球、Jリーグ、MLB、NBAの例
Š すべての視聴者が好きな試合を視聴できる環境ではない
ƒ プロ野球12球団、J1 16球団、MLB30球団、NBA30球団
ƒ 放送試合に偏りがある(巨人戦、日本人メジャーリーガーの試合、
地元チームの放送)
Š 放送地域の言語での実況、解説付加
• 限られた放送しかないことは視聴者・リーグ双方に
とってマイナスである
Š 一方で、ある地方テレビ局が流している試合中継をその
まま無料で全世界に配信するのではビジネスが成り立た
ないという問題がある
スポーツ中継の現状(2)
リーグ側ベースの中継
• 試合中継の配信サービス(MLB.com)
ƒ
ƒ
ƒ
ƒ
ƒ
ユーザへの課金制 月額14ドル95セント
毎週45試合をオンライン生中継、オンデマンド配信
英語音声
RealOne Playerフォーマット 330K
ローカルTV放送で試合が中継されている場合、その間はサービ
スを利用できない(終了後90分後から利用可能)
ƒ ユーザ登録時に地域を登録する(郵便番号)
• 日本プロ野球(西武ライオンズ)
ƒ チームオフィシャルサイトからの生中継
ƒ 全試合ではない
ƒ ユーザは無料(全試合中継しているスポーツ専門チャンネル
Jsportsの宣伝活動の一環?)
ƒ Jsportsで放送されているコンテンツからCMカットして利用
スポーツ放送の未来像
• 好きな試合を選択でき、オンデマンド型で視聴できるレンタル
ビデオ形式のスポーツ中継放送が各スポーツに誕生する
• 同一試合を中継しているテレビ局の放映権との兼ね合い
Š 同時には放送しない
Š 郵便番号による地域登録によりローカル局との放映状況を照合
ディスカッション・総括
• 収入源
Š できれば視聴者には無料で
Š 多くの中小・地方企業からの少しづつの広告収入
Š 視聴者の地域登録により、視聴者(の地域)に合ったローカル企業の
CMを入れられる
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本講義のまとめ(1)
• インターネットで映像・音声配信をやるための技術的要素
Š ストリーミングに関するプロトコル(第3回,第6回)
ƒ RTP,RTCP
ƒ SIP,SDP,H.323
Š 様々なフォーマット(第2回)
Š 様々な映像機器(第2回)
Š 一斉配信技術(第5回)
ƒ Multicast(とそのツリーの作り方), CDN, XCast
• ストリーミング応用サービス+放送と通信の融合サービス
Š VoIP
Š 電気通信役務利用放送法に基づいたIP放送(第6回)
ƒ BBTVなど
Š 放送利用実験(第4回、小林和真(kazu-k)先生)
ƒ IPv6 Multicast の長距離、マルチベンダー運用の実証
ƒ 地上テレビに映像中継に利用できることを実証
本講義のまとめ(2)
• 地上デジタル放送におけるデータ放送,双方向通
信,著作権管理技術
Š デジタル放送(1):あらまし,映像技術,伝送技術など(第8
回)
ƒ 周波数帯、変調方式
Š データ放送,双方向通信技術など(第9回)
ƒ BML,通信インターフェース、プロトコル
• 放送の再送信
Š デジタル放送と法律・制度(第11回)
ƒ 放送法、電気通信役務利用放送法、著作権法など
Š 放送の再送信・まとめ(第12回)
ƒ ネットワーク高速化技術(1~40Gigabit Ether)、携帯セルベースブ
ロードキャスト
取り扱ったディスカッション
• 映像ストリームはPCで受けるべきか,TVで受ける
べきか?
Š 簡単さ(TV) vs 自由度(PC)
Š TVのターゲットとコストの問題(機能に制限)
• あなたが描く放送・通信の未来像
Š IPは有力な放送用の伝送メディア
Š 自由度が高い
• 地上デジタル放送のユニバーサルサービスに向け
て
Š 再送信の伝送路の種類
• 放送のデジタル化に伴う国際性の変化とその課題
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