投資魅力の高まるメキシコ株式市場 - HSBC Global Asset Management

臨時レポート
メキシコ経済・市場概況
投資魅力の高まるメキシコ株式市場
HSBC投信株式会社
2014 年 3 月 11 日
要旨
 メキシコの景気回復に伴い、20%を上回る大幅な企業利益の改善などから株式市場は良好なパフォ
ーマンスを予想。
 メキシコのファンダメンタルズは比較的健全。また、メキシコ経済は米国の景気回復の恩恵を大きく受
けつつあるが、株価はこれらを反映していない。
 積極財政への転換と社会構造改革の効果の発現を受け中長期的に更に高い経済成長が期待でき
ることから、メキシコは大きな投資魅力を有している。
株式市場は良好なパフォーマンスを予想
(%)
IPC指数 EPS伸び率
40
2014 年のメキシコ株式市場は、良好なパフォーマンス 30
20
が予想されます。
10
メキシコの景気回復により、企業業績の拡大が予想さ
0
れます。IPC 指数ベースの一株当たり利益(EPS)は、
-10
2013 年は-9.6%と減益となりましたが、市場では、
2014 年は一転+23.4%の大幅増益を予想しています。 -20
-30
-40
昨年来の株価下落は一過性の要因による
-50
07
IPC 指数は、2013 年 1 月に史上最高値をつけた後、
軟調な展開となっていますが、その要因はいずれも一
過性のものと考えられます。
1) 2013 年のメキシコ経済はペニャニエト政権の積
極的な社会構造改革の影響を受けて一時的に
低成長を余儀なくされましたが、2014 年は、後述
のように、改善が予想されます。
08
09
10
11
12
13
14
15
(年)
2014年、15年はブルームバーグ集計の市場予想
出所:ブルームバーグのデータをもとにHSBC投信が作成
(ポイント)
IPC指数の推移
48,000
46,000
44,000
42,000
2) 米国の量的緩和の規模縮小により新興国全般
から投資資金が流出するという懸念を受け、メキ
シコ株式市場も他の多くの新興国と同様に下落
しました。しかし、量的緩和の規模縮小の前提と
なる米国の景気回復は、メキシコ経済を押し上
げる材料であり、この下げは群衆心理的な「連れ
安」に近いものがあります。メキシコのファンダメ
ンタルズは比較的健全であり、直接投資および
40,000
38,000
36,000
34,000
32,000
30,000
13/01 13/03 13/05 13/07 13/09 13/11 14/01 14/03
出所:ブルームバーグのデータをもとにHSBC投信が作成
* 末尾の「当資料のお取扱いにおけるご注意」をお読みください。
1
(年/月)
臨時レポート
証券投資はむしろ流入超となっています。米国株式市場の活況は歴史的にもメキシコの株式市場
の押し上げに繋がることから、今後の上昇が期待されます。
メキシコ投資の魅力
主要新興国の経済状況(2014年予想)
8.0%
消費者物価指数上昇率
1) 健全なファンダメンタルズ
メキシコのファンダメンタルズは比較的健全で、一
部の脆弱と言われている新興諸国とは状況が異な
ります。(HSBCでは Fragile 5 と呼ばれている新興
諸国も短期的に債務不履行に繋がるようなことは
ないレベルであると考えています)2014 年の経常
赤字の対 GDP 比率は 1.3%と比較的小さく、また
消費者物価指数上昇率は+4.0%と他の新興諸国
と比べて低位となっています。
南アフリカ
インドネシア
5.0%
4.0%
メキシコ
3.0%
2.0%
1.0%
0.0%
0.0%
2.0%
4.0%
6.0%
8.0%
経常赤字(対GDP比率)
出所:HSBCグローバル・リサーチのデータをもとにHSBC投信が作成
(%)
メキシコの経済は、昨年こそ社会構造改革の進展の
コストの負担から一時的に低成長となりましたが、米
国経済の成長率との相関性は極めて高く、景気拡大
期には、ほぼ常にこれを大きく上回っています。
当社では、2014 年の米国経済成長率は+2.5%を予
想しており、これに対し、メキシコの 2014 年の実質
GDP 成長率は+3.7%と、2013 年の+1.1%から顕著
な改善を示し、その後も比較的高い成長率を維持す
ると予想しています。
メキシコ、米国の実質GDP成長率
(2006年~2014年)
6
4
2
0
-2
米国
-4
米国の直近の経済指標は、1~2 月の記録的な寒波
という一時的な要因の影響を強く受け、若干の停滞
をみせましたが、天候要因が後退したことで、2 月の
経済指標には既に改善が見られます。企業の景況
感を示す製造業供給管理協会(ISM)指数は、1 月は
寒波にも拘らず景気判断の分岐点である 50 を上回
っており、2 月は更に上昇しました。2 月の雇用統
計も良好であり、失業率は年末にかけ 6%程度へ
の低下が予想されており、米国経済の回復がより
鮮明になっていくと予想されます。
メキシコ
-6
2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014
(年)
2014年はHSBCグローバル・リサーチの予想
出所:HSBCグローバル・リサーチのデータをもとにHSBC投信が作成
(% of GDP)
ペニャニエト政権発足 1 年目の 2013 年は緊縮的
な財政政策をとりましたが、2014 年は積極的な財
政出動が予想されています。2014 年の予算では、
財政赤字の対 GDP 比率は 4.1%と、2013 年の
2.9%から大幅な拡大を計画、メキシコの経済成長
を後押しすることが予想されます。
トルコ
ブラジル
6.0%
2) 米国の景気回復の恩恵を享受
3) 積極財政への転換
インド
7.0%
財政赤字 対GDP比率
0.5
0.0
-0.5
-1.0
-1.5
-2.0
-2.5
-3.0
-3.5
-4.0
-4.5
2000
2002
2004
2006
2008
2010
2012
2014
(年)
出所:HSBCグローバルリサーチ
2
臨時レポート
4) 構造改革の成果
メキシコの社会構造改革は進展しつつあり、2014
年にとどまらず、中長期的にメキシコ経済の成長
を下支えすると予想されます。
(億米ドル)
450
メキシコへのFDIの推移
400
350
300
250
200
2012 年 12 月に就任したペニャニエト大統領は、
150
1 年余りで教育、通信、金融、財政、エネルギー
100
など、多岐にわたる社会構造改革のため、憲法
50
改正を含めた枠組み作りを実現しました。今年は、
0
具体的な施行法などが制定される見通しです。
2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015
2016年は、メキシコ政府の見通し
改革の効果の一つとして、海外からの直接投資
出所:メキシコ銀行、メキシコ政府のデータをもとにHSBC投信が作成
(FDI)の拡大が予想されます。エネルギー改革に
より、75 年振りに国内外の民間の参入が認められることとなった石油・天然ガス産業を中心に、海外企
業の投資意欲が増加すると考えられ、政府は、2016 年には対メキシコの FDI は年間 300~400 億米ド
ルに拡大するとの見通しを発表しました。
これらの改革により、投資の活発化、雇用創出、消費拡大といった好循環が生まれ、現在 3%強と推測
されるメキシコの潜在成長力は 1~2%ほど押し上げられると当社では見ています。大手格付会社もこ
れらの改革を評価し、メキシコ国債の格付けを引き上げました。
成長力の向上は、株式市場を中長期的に押し上げる要因になると考えられます。ただし、現状、これら
はメキシコ株式市場には反映されておらず、投資妙味が高まっています。
(以上)
3
2016
(年)
臨時レポート
<関連するファンドに関わる事項>
投資信託は、主に国内外の株式や公社債等の値動きのある証券を投資対象としており、当該資産の市場におけ
る取引価格の変動や為替の変動等により、基準価額が変動し損失が生じる可能性があります。従いまして、投
資元本が保証されているものではありません。投資信託は、預金または保険契約ではなく、預金保険機構また
は保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。また、登録金融機関でご購入の投資信託は、投資者保
護基金の保護の対象ではありません。購入の申込みにあたりましては「投資信託説明書(交付目論見書)」およ
び「契約締結前交付書面(目論見書補完書面等)」を販売会社からお受け取りの上、十分にその内容をご確認い
ただき、ご自身でご判断ください。
お客様には投資信託のご購入にあたり、以下の費用をご負担いただきます。
 購入時に直接ご負担頂く費用
- 購入時手数料 上限 3.675%*(税込)
* 消費税率が 8%となる平成 26 年 4 月 1 日以降は、3.78%になります。
 換金時に直接ご負担頂く費用
- 信託財産留保額 上限 0.5%
 投資信託の保有期間中に間接的にご負担頂く費用
- 運用管理費用(信託報酬) 上限年 2.1%* (税込)
* 消費税率が 8%となる平成 26 年 4 月 1 日以降は、年 2.16%になります。
 その他費用
- 上記以外に保有期間などに応じてご負担頂く費用があります。「投資信託説明書(交付目論見書)」、「契約締
結前交付書面(目論見書補完書面等)」などでご確認ください。
*上記に記載のリスクや費用につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費用の料率につきまして
は、HSBC 投信が運用する全ての投資信託のうち、徴収するそれぞれの費用項目における最高の料率を記載し
ております。投資信託に係るリスクや費用はそれぞれの投資信託により異なりますので、ご投資をされる際には、
かならず「投資信託説明書(交付目論見書)」をご覧ください。
HSBC 投信株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 308 号
一般社団法人投資信託協会会員/一般社団法人日本投資顧問業協会会員
当資料のお取扱いにおけるご注意
当資料は、HSBC投信株式会社(以下、当社)が投資者の皆さまへの情報提供を目的として作成したものであり、特
定の投資信託等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
当資料は信頼に足ると判断した情報に基づき作成していますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありま
せん。また、データ等は過去の実績あるいは予想を示したものであり、将来の成果を示唆するものではありません。
当資料の記載内容等は作成時点のものであり、今後変更されることがあります。
当社は、当資料に含まれている情報について更新する義務を一切負いません。
4