厚木市の安全、健康、コミュニティに関するアンケート調査結果

厚木市の安全、健康、コミュニティに関するアンケート調査結果
15 歳以上の自宅外での事故やけがの状況(過去 1 年間)
Ⅰ 安全、健康、コミュニティの現状と課題∼統計資料から
【人口】
□人口は約 22 万 5 千人(平成 19 年 10 月 1 日現在)で微増傾向(平成 15→19 年度 1.015 倍)。地区別では
荻野地区が増加(同 1.111 倍)
、緑ヶ丘地区(同 0.919 倍)、玉川地区(同 0.976 倍)は減少傾向。
□高齢化率は緑ヶ丘地区(平成 19 年度 23%:市 16%)が突出している。
□在宅一人暮らし高齢者は増加傾向(平成 14→20 年 1.64 倍)
。在宅寝たきり・認知症高齢者は横這い。
□障害者数(身体・知的・精神)は平成 20 年度 6,919 人。精神障害者は急増(10 年間で 7.27 倍)
。
□要介護(要支援)認定者数は増加傾向(平成 19 年度 4,221 人。対 16 年度 1.16 倍)。
【交通安全・犯罪被害】
□交通事故件数・死者数は平成 14 年、刑法犯認知件数は平成 13 年をピークに減少傾向。
□高齢者が巻き込まれた交通事故は増加傾向(H19 年 318 件:H10 年比 1.69 倍。負傷者数同 174 人:同 1.46 倍)。
□学校管理下における生徒の事故件数は増加傾向(小学校:平成 12→19 年 0.97 倍、中学校:同 1.12 倍)。
□児童虐待相談件数は増加傾向(H17 年 152 件→19 年 179 件)、うちネグレクト(無視、ないがしろ)の
割合が全国平均より高い(市 65.9%:全国 38.0%)
。
□外因別死亡原因(平成 18 年)では「自殺(52%)」、
「交通事故を除く不慮の事故(26%)」、
「交通事故(15%)」
の順。年齢別(平成 14∼18 年)において自殺は 20∼64 歳、「交通事故」は 40 歳以上が多い。
【生活の安全に関する意識】
□治安の改善を評価(「よくなった(10%)」が増加(平成 13→19 年 3.17 倍)し、「悪くなった(36%)」は減少(同 0.85 倍)
Ⅱ
アンケート調査の結果概要
調査概要
厚木市における「セーフコミュニティ」の取組みを進めていくため、①全市的な外傷動向及びハイリスク
グループの特定や外傷発生メカニズムの解明、②体感治安を構成する要素、③「セーフコミュニティ」の市
民認知や理念の賛意等を把握することを目的としたアンケート調査を実施した。
配布対象
(調査実施期間)
厚木市内の世帯
(平成 20 年 10 月 22∼11 月 5 日)
Ⅲ
配布数
有効回収数(%)
7,000 世帯
2,044 世帯
(29.2%)
備
考
個人票回収数
4,189 票
アンケート調査結果の概要
「セーフコミュニティ」の認知状況
・言葉を聞いたことがある人を含めて「セーフコミュニティ」の認知状況は 33.8%(「よく知っている(3.1%)」+
「聞いたことある(30.7%)」)
・
「セーフコミュニティ」の活動理念には 75.7%の人が賛同(「賛同 (36.7%)」+「どちらかというと(39.0%)」)。
・
「セーフコミュニティ」に関心がある人は 64.7%(
「とても(17.3%)」+「少し(47.4%)」)で、関心がない人を大き
く上回っている。
市民生活の安心・安全に関する意識
・居住地域の安心・安全について不安感を持っている人は 22.4%(「まったくそう思わない(5.7%)」+「どちらかといえば
思わない(16.7%)」)。
・近所付き合いについては現状では「世間話や立ち話をする(45.7%)」、「会ったら挨拶する(34.8%)」、「生活面で
の協力関係ができる(13.6%)」の順だが、今後の意向では「生活面での協力関係ができる程度(30.6%)
」が増加
し、近所付き合いの必要性を感じている人が多いことがうかがえる。
・近所付き合いが親密になるほど、居住地域が安心・安全と考える人が多い。
⇒「生活面での協力関係(安心度 57.4%)」、「世間話や立ち話(同 51.2%)
」、「あいさつ程度(同 42.4%)」
、
「ほとんど付き合いがない(同 31.9%)」
・12.8%の人が自宅外でけがをし、そのうち2人に1人が医療機関を利用。
⇒年齢階層別では後期高齢者がけがをして医療機関を利用する割合が大きくなる傾向(通院 11.0%)。
※自宅外では、病院統計に表れない事故やけがが、実際には2倍程度発生している。
・けがの原因は「転倒(47.4%)」が最も多く、次いで「切傷・刺傷(21.5%)」、「交通事故(16.2%)」の順。
⇒年齢階層別では、高齢になるほど転倒によりけがをする人の割合が多くなる傾向。特に、後期高齢者では
74.0%の人がけがの原因として転倒を挙げている。
・ けがをした場所は「道路・歩道(47.4%)」が最も多く、次いで「勤務先(14.8%)
」でのけがが多い。
⇒高齢になるほど道路・歩道でけがをする人の割合が多くなる傾向。
15 歳以上の自宅での事故やけがの状況(過去1年間)
・14.2%の人が自宅でけがをしており、そのうち 3 人に 1 人が医療機関を利用。
⇒後期高齢者ではけがをして医療機関を利用する人の割合が大きくなる。
※自宅では、病院統計に表れない事故やけがが、実際には3倍程度発生している。
・一番大きなけが(以下同)の原因は「切傷・刺傷(35.7%)」が最も多く、次いで「転倒(26.2%)」、
「火傷(9.7%)」
の順。
⇒59 歳以下では「切傷・刺傷」、60 歳以上は「転倒」が第一位。
・けがをした場所は、
「台所(41.4%)」が最も多く、
「居室(17.2%)」、「庭(13.1%)」の順。
⇒59 歳以下では「台所」でけがをした人の割合が多いが、60 歳以上では場所による偏りが小さくなる傾向。
・けがをした時間は、夕方(17-19 時:ピークは「18 時台」)が多い。
⇒午前中では 8 時∼11 時頃(
「10 時台」がピーク)
。
⇒女性では、特に 17 時∼19 時台にけがをする人の割合が高く、男性に比べてけがをした時間帯の差が明確と
なっている。これは、台所でけがをする人が多いことや、けがの原因として切傷・刺傷が多いことを勘案す
ると、夕食時の家事によるけがであることが推察される。
こども(15 歳未満)の事故やけがの状況(過去1年間)
・市内(自宅外)では 15 歳未満のこどもがいる世帯の 44.0%が何らかのけがをしている。
⇒場所は「道路や歩道での転倒(17.6%)」、「学校でのけが(13.6%)」、「公園(11.0%)」が上位3位。
・自宅では 15 歳未満のこどもがいる世帯の 38.8%が何らかのけがをしている。
⇒原因は「家具等に体をぶつけるなどの衝突(18.8%)」、「ベットや椅子等から転落(12.1%)」、「ドアや窓
等に挟まれる(11.1%)」が上位3位。
体感治安(犯罪被害含む)に関する実態
・1 年前と比べて 5 人に1人が治安が悪くなったと感じている。
⇒「良くなった(4.0%)」、「わるくなった(20.9%)」
、「変わらない(61.7%)」。
・非常に不安な事項の上位3位は「子どもの連れ去り(25.7%)」
、「地震や風水害(18.2%)」
、「空き巣(15.9%)」。
・非常に不安を感じる状況の上位3位は「夜、街灯が暗いところ(20.7%)」、「人通りの少ない道(20.1%)」、「木
や茂みなど管理が行き届いていない場所(15.6%)」
⇒男性と比べて女性、年齢階層では若年層でよりその傾向が強い。
・過去5年間に 43.6%の人が何らかの犯罪に巻き込まれている。
⇒特に、犯罪被害にあった人の3人に1人は「自転車盗(12.7%)」に遭っている。
・実施している犯罪被害対策は、
「外出時の鍵かけ(88.6%)」が突出、次いで「夜間の点灯(39.3%)」、
「自転車の
防犯登録(38.2%)」、
「夕方室内の点灯(37.8%)」など個人でできる活動が中心(「地域パトロール活動への参加
(10.0%)」)
。
⇒集合住宅では、留守にするときに隣近所に声をかける人が少ないなど、戸建て住宅に比べて、隣近所と
の付き合いが希薄な傾向。
・犯罪防止の有効な対策は、「警察(77.7%)」、「個人(77.3%)」、「学校(62.2%)」による活動に期待する人が多く、「地域住民
の防犯ボランティア(38.8%)」、「企業(35.3%)」による取組みが重要と考える人は比較的少ない。
厚木市の自転車利用の現状に関するアンケート調査結果
Ⅰ 自転車利用の現状と課題∼統計資料から
□自転車は主要な交通手段として利用されている(10 人に 1 人が自転車を代表的交通手段として利用)
。
□放置自転車台数、盗難被害件数は平成 13 年、交通事故発生率は平成 16 年をピークに減少傾向だが自転車
事故は減少幅が低く、(平成 10→19 年 1.0:全体 0.83)、74%が交差点で事故被害に遭っている。
□自転車事故の加害者となる割合は 15 歳以下、20 歳代は県平均より高め。
Ⅱ
アンケート調査の結果概要
調査概要
厚木市における体感治安の向上と「セーフコミュニティ」の具体的な取組み及び市民への周知・啓発を推進す
るモデル事業として、自転車をめぐる組織横断的な取組み、市民協働の実践による自転車総合安全対策を検討す
るための基本情報を収集することを目的として、本厚木駅周辺の自転車利用者を対象としたアンケート調査を
実施した。
調 査 対 象 地 域 本厚木駅周辺半径4km
配 布 対 象 ・ 数 上記内の駐輪場利用者 2000 人(駐輪場 1160+公共施設・企業・大学 840)
有効回収数(%) 695 票(34.8%) 〔調査実施期間:平成 20 年 10 月 8∼31 日〕
自転車利用の概要
・自転車の利用目的は、「通勤通学(57.8%)」、「買い物・飲食(25.6%)」、「余暇活動(9.5%)」の順。
・利用頻度は、8割強がほぼ毎日利用している(「ほぼ毎日(52.5%)」+「週3∼5回(29.1%)」。
・利用時間帯は、「朝・夕の通勤・通学時間帯(57.0%)」、「通勤・通学時間帯以外の昼間(37.7%)」。
・利用理由は、「他の手段より速い(42.3%)」、「時間に制約されない(31.3%)」、「交通費がかからない(31.1%)」が上
位3位。
※実用性の重視が上位を占めるが、4 人に1人は「健康にいい(25.0%)」、10 人に 1 人は「環境に優しい(9.8%)」
という理由で自転車を利用しており、健康や環境に対する意識の高まりもうかがえる。
・92.1%が駐輪時に施錠(うちツーロック対応は 10.5%)している。
・自転車利用のルールは、認知度が低い順から「こども(13 歳未満)はヘルメットを着用(44.3%)」
、「並進の禁
止(54.8%)」
、「歩道は歩行者優先(62.0%)」。
普段の駐輪状況
【駅周辺に出かける際によく利用する駐輪場所】
・9割強の人が買い物先の駐輪場(45.9%)や市営駐輪場(34.8%)等を利用しており、路上駐輪は 1.7%。
【路上駐輪の実態と理由】
・81.3%は「めったに路上駐輪はしない」と回答し、違法駐輪に対する意識の高さがうかがえる。
・他方、45.1%が路上駐輪の経験があり、
「買い物・飲食(78.8%)」、
「余暇活動(8.6%)」などの私的利用が中心で、
「業務(仕事)(2.3%)」での路上駐輪はわずか。
・路上駐輪の主な理由は「短時間の用事(77.1%)」によるもの。
※「駐輪場が駅から遠いから(19.6%)」、
「駐輪場が満車だから(13.6%)」など駐輪場の場所や状況が路上
駐輪の主な原因にはつながっておらず、駐輪場がない買い物・飲食施設での対応が課題。
自転車利用時の不安や危険について
・
「歩行者や自動車との接触(45.5%)」、
「道幅いっぱいに広がって歩く歩行者(42.4%)」、
「車道と歩道の段差や砂利
道などで走行しにくい(41.6%)」など、自転車の走行環境に関する不安や危険を挙げる人が多い。
・女性は男性に比べて歩道などの段差や暗い道での走行に不安や危険を感じている人が多い。
⇒「段差(女性 49.3%:男性 32.3%)」
、「街灯がなく暗い道で走行すること(女性 21.3%:男性 12.9%)」
・年齢層が高くなるほど、交通マナーやモラルの低下に不安や危険を感じている人の割合が高い。
⇒60 代以上 35.4%:30∼50 代 23.1%:10∼20 代 9.5%。
自転車利用時に経験したけがや事故・犯罪被害の状況(過去5年間)
【けがや事故の経験の有無】
・4人に 1 人が自転車の利用によりけがや事故を経験している(26.8%)
。
⇒10∼20 歳代の 3 人に 1 人は事故経験があり(33.5%)、他の年代より高い(30∼50 代 23.6%、60 代以上 25.4%)。
【最も大きなけがや事故について】
①けがや事故が起きた場所
・歩道(38.2%)での事故が最も多く、若年層では車道での事故が多い。
※警察統計では自転車事故の発生場所は交差点(74%)が第一位だが、統計情報に表れない日常的な事故やけが
は歩道(38.2%.車道 27.2%.交差点 22.5%の順)で起きている。実態に即した周知や注意喚起が必要。
②けがや事故が起きた時間帯
・通勤・通学時間帯(46.4%)や昼間(34.6%)のけがや事故が多く、歩道では夜間も多い。
③けがや事故が起きた状況
・「自分だ け転 倒( 40 . 0% )」が 最も 多く 、次 いで 「自動 車との接 触・衝 突 (33 . 9% )」 、「 自転車 同士 (1 8 .3% ) 」の順 。
⇒年齢が若くなるほど自動車との接触・衝突が多く、高齢者は自分だけ転倒する人が多い。
⇒歩道では「自分だけ転倒(52.3%)」に次いで「自転車(21.5%)」、「自動車(18.5%)」と接触・衝突した人
が多く、歩行者との接触・衝突はわずか(3.1%)。
④けがや事故が起きた原因
・歩道や交差点での「出会い頭での衝突(25.8%)」が最も多く、次いで歩道や車道の「段差(20.2%)」、「道路が
狭い(16.3%)」の順。
⇒場所別にみると、歩道や交差点では「出会い頭での衝突」、車道では「道路に段差」が最も多い。
⑤けがをした体の場所
・「脚部(52.0%)」、「腕部(35.6%)、「腰部(9.6%)」
、「顔部(8.5%)」、「頭部(5.6%)」の順。
⑥医療機関、救急車の利用、警察への連絡の有無
・自転車を利用していてけがや事故にあった人のうち医療機関で手当てを受けているのは 26.5%、救急車を利用し
た人は 8.8%。
※病院統計に表れない事故やけがが、実際には4倍程度発生している。
・けがや事故にあった人のうち、警察に連絡したのは 18.6%。
※警察統計に表れない事故やけがが、実際には5倍程度発生している。
【自転車利用時の犯罪被害の状況】
①犯罪被害にあった経験と内容
・49.2%の人がこれまでに自転車に関わるなんらかの犯罪被害にあっている。
⇒被害の内容は、「自転車の盗難(71.8%)」、「パンクやシートを傷つけられるなどのいたずら(26.4%)
」。
②自転車の盗難被害について
・「自宅(33.6%)」が最も多く、次いで「買物先(26.9%)」の順。
・72.1%の人が施錠(「ワンロック(67.7%)
」+「ツーロック(4.4%)」)していたにも関わらず、自転車の盗難被害
にあっている。
※万全ではないが、ツーロックは自転車の盗難防止に寄与している。
自転車利用安全対策の方向性
【自転車利用の不安や危険を減少させるために日頃していること】
・「鍵をかけること(89.3%)
」、
「交通ルール・マナーを守る(75.6%)」、
「防犯登録(65.8%)」が安全対策の上位3
位。
⇒「損害賠償保険に加入(15.7%)」、「子供にヘルメットを着用させる(11.7%)」は低位。
⇒若年層(10∼20 代)で「交通ルール・マナーを守る(60.6%:全体 75.6%)」、「危険箇所の走行回避(43.5%:
全体 52.3%)」
、「路上駐輪をしない(44.6%:全体 51.4%)」という割合が低い。
【自転車利用の不安や危険を改善するために必要な事項】
・「危険箇所の把握と原因を明らかにして具体的な対策を実施すべき(65.5%)」、「路上駐輪や交通ルール・マナー違反を
厳しく取り締まる(54.6%)」、「交通ルール、マナー・モラル向上の講習・研修の実施(48.1%)」の順。
⇒若年層では「厳しく取り締まる(40.0%:全体 54.6%)」、
「講習・研修の実施(35.7%:全体 48.1%)」と考える
人が比較的少ない。※年齢特性に応じた効果的な意識啓発や研修方法の検討が必要。