(2010年11月) 【PDF版】

11 月
定例 森の観察会
植物の不思議探検隊
開催日時:
H 2 2 年 11 月 21 日 ( 日 ) 1 0: 00∼ 12 :00
天
晴れ
気:
参加人数:
22 名
講::師:
足澤
匡
氏
森の木々はほとんど葉を落とし、秋から冬へと変化しています。朝には一面に霜が降り真っ白となりました
が、観察会が始まるころにはずいぶん暖かになりました。今年は木枯らしの吹くことが少なく、舞い降りたば
かりの落ち葉がきれいな絨毯となって枯葉を踏む音がここちよくひびきました。いろいろな形、茶系の濃淡の
面白さに、何枚も拾って見いっていました。普段は手の届かないところで働いていた木の葉たちを拾い上げて
じっくり観察できることは、この季節ならではの楽しさです。
ホウノキ・コナラ・カシワ・ヤマモミジ・イロハモミジ・・・上を見上げると裸木となった樹形がはっきり
と見え。また枝先の冬芽などを注意してみると、活動を止めてしまったような植物たちが、しっかりと冬の準
備をおこたっていないことに気がつきます。
また、展望の広場では、オジロワシが青空を飛ぶ姿を発見し冬の到来をあらためて感じました。ここで観
察されることは稀で感激しました。
常緑樹・落葉樹・枝ぶりの違いな
ど、木の姿が見えやすい
メタセコイアの紅葉は温かみのあ
る独特の色合い
イロハモミジの木の下で葉の観察
←
枯れて倒れた木に虫が入って食べ、
虫を鳥や獣が食べ、キノコなのど菌類
によっても分解されていずれ土に帰
り、森の栄養となる。
循環していることが大事。
カラマツの枝には短枝と長枝があり
葉のおちたあとの短枝はボタンのよう
―観察した植物や昆虫―
アカマツ (常緑樹)
ツタウルシ(金色のにぎりこぶしのような裸芽・付着根で幹をよじ登る)
ツタ (小さい三角形の裸芽・先端が吸盤になった巻きひげで幹をよじ登る)
ムラサキシキブ(細長い裸芽で葉の裏側に細かい毛が生えている)
ミツバウツギ (黒い芽鱗に包まれた小さな冬芽)
ホオノキ (荒い枝ぶりは大きな葉で太陽の光を集めるため・果実の軸には花
弁の落ちた跡、雄蕊の跡がのこる)
カラマツ (短枝と長枝がはっきりしている)
ツリバナ (果実を鳥が好み、タネを遠くへ運ぶ)
ヤマモミジ(葉の縁はふぞろいの重鋸歯・小さい対生の冬芽は豚の足?)
イロハモミジ (葉の縁はふぞろいの重鋸歯で切れ込みの位置が左右おなじ)
オオモミジ(葉の縁は単鋸歯で細かくそろっている)
サワフタギ(青い果実を付け、水辺に生育し沢を塞ぐように枝を張ることが
名の由来・別名はルリミノウシコロシ)
ミズキ(赤い枝と冬芽がめだつ・光をたくさん受け止める為、枝を横にひろ
げる)
オニグルミ(荒い枝ぶり・羽状複葉の長い葉軸・枝に着いていたところと葉
痕は羊の顔にみえる)
ヤマガシュウ (黒緑の果実の中に赤い種子)
アケビ(切れ込みのない5枚の小葉)
ハウチワカエデ
イタヤカエデ (葉のふちに鋸歯がない)
レンゲツツジ (前年の朔果・今年の朔果・来年の花芽・葉芽)
ガマズミ (ずみは酸っぱい実“酸実”から・岩手では「ゾウミ」と呼ぶ・ガ
マズミとミヤマガマズミの見分けは葉などの毛の有無)
ミヤマガマズミ
オオバクロモジ(いいにおい・高級爪楊枝に)
ヤマボウシ
コブシ(今年の果実がたくさんのこっている・来年の花芽は少ない)
ハクモクレン (花芽、葉芽ともに毛深い芽鱗)
サトザクラ(つやつやに光る太った花芽)
ラクウショウ (互生・葉だけではなく枝も一緒に落枝)
メタセコイア (対生・葉だけではなく枝も一緒に落枝)
アズキナシ(短枝と長枝)
ニシキギ (枝にコルク質の翼が付く)
ハリギリ (幼木にはするどいトゲ)
ニガキ(金色の裸芽・枝をかじると苦い)
ヤマガシュウ
蔓植物で果実の中には赤い種子
レンゲツツジ
手前 去年の朔果と来年の花芽
奥に今年の朔果
ハクモクレン
冬芽が成長するたびに毛皮のよう
な芽鱗を脱いでいく。
ちょうど一枚目の芽鱗を脱ぐとこ
ろで、今年の葉も一緒に落ちる。
オジロワシ(展望のひろばで)
アオゲラ
ハチの巣 (アシナガバチの仲間)
12 月の観察会のお知らせ
12 月 19 日(第 3 日曜日)は、自然の宝物見つけ隊「葉っぱのステンドグラスづくり」を、
浅沼ご夫妻に教えていただきます。
みなさんがつくった秋の押し葉を持ち寄って、自然がつくりだす色や形を楽しみましょう。