院内のキリスト教的シンボルについて

ホスピス・こどもホスピス病院の中の
キリスト教的シンボル紹介
ホスピス・こどもホスピス病院の中にはキリスト教の聖書の教えをもとにしたシンボルがいくつかありますのでご紹介します。
文責:ホスピス・こどもホスピス病院
WE CARE
5階のスカイガーデンには、約 30 年前に旧病院の 7 階ホスピス病棟へ寄贈されたモニュメントがあります。これには
「元副院長ブッシュ先生を記念して R.D クルーム博士によって献げられた」と書いてあります。背景に「WE CARE」
とあって、一人の患者さまを医者と看護師とチャプレンとその他のスタッフがそれぞれの手で支えており、大きな線は 5
本の指を表しています。また、大きく「人」という字を型どっていて、人と人とがその手で支え合うのがホスピスであるとい
うことを象徴しています。当院のケアの在り方を象徴したシンボルとして大事にしています。
切り株のステンドグラス
旧病院の 7 階ホスピス病棟のチャペルにあったステンドグラスと扉は現在
1 階チャペル横のやすらぎの部屋に移設されています。切り株を手で支
えていると新しい芽が出てくるという意味のステンドグラスですが、これはイ
ザヤ書の御言葉を元に作られています。「エッサイの株からひとつの芽が
萌えいで、その根からひとつの若枝が育ち、その上に主の霊がとどまる。
知恵と識別の霊、思慮と勇気の霊、主を知り、畏れ敬う霊。」 (イザ
ヤ書 11 章 1~2 節)
エッサイとは、旧約聖書に登場するイスラエル王ダビデの父の名前です。
神は小さなエッサイという家系から王を立てられました。けれども後に王
国は滅びへと向かい、エッサイの根は切られた切り株のようになっていきま
す。切られてしまった切り株にも脇から新しい若枝が生えてくるように、絶望の中にも新しい希望が、今度はまことの救い主がエッサ
イの血を引く者の内に与えられると預言者を通して語られました。その言葉はイエス・キリストが来られたことにより実現した、それ故
に、あらゆる所に小さな芽のようであっても新しい希望は与えられると聖書を通して語られています。この箇所をホスピスでは、木の
切り株にも手当てし、良いケアをすればそこから新しい生命の芽が出てくるように、患者さんも両手で支え、温かいケアをすれば生
きる希望が与えられるというホスピスケアの精神をステンドグラスで描いたものです。
ぶどうの木のステンドグラス
一階のチャペルにはぶどうの木のステンドグラスがあります。
「わたしはまことのぶどうの木、わたしの父は農夫である。」(ヨハネによる
福音書 15 章 1 節)
「わたしにつながっていなさい。わたしもあなたがたにつながっている。ぶどう
の枝が、木につながっていなければ、自分では実を結ぶことができないよ
うに、あなたがたも、わたしにつながっていなければ、実を結ぶことができな
い。わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝である。人がわたしにつなが
っており、わたしもその人につながっていれば、その人は豊かに実を結ぶ。
わたしを離れては、あなたがたは何もできないからである。」(ヨハネによ
る福音書 15 章 4~5 節)
ぶどうは聖書によく登場する、イスラエルの人々にとって非常に身近な植物でした。私たちが頭を垂れる稲穂と聞くとその光景を鮮
やかに思い浮かべるように、豊かに実るぶどうと聞いた彼らもまた同様だったことでしょう。わたしがまことのぶどうの木だとイエス・キリス
トはお語りになりました。イエス・キリストにつながることで、収穫の季節に豊かに実るぶどうのように祝福に満ちたいのちにつながること
ができると語られています。
雲の柱・火の柱のステンドグラス
5 階のカフェテリアには、火色と空色のステンドグラスがあります。ここは
元々淀川キリスト教病院分院だった時には朝の礼拝が行われていたと
ころです。「主は、彼らに先立って進み、昼は雲の柱をもって導き、夜は
火の柱をもって彼らを照らされたので、彼らは昼も夜も行進することがで
きた。」(出エジプト記 13 章 21 節)と書いてある雲の柱と火の柱を表
しています。神御自身が、エジプトを出たイスラエルの民を、昼は雲の柱、
夜は火の柱として、導かれ、イスラエルの民は無事に約束の地に入るこ
とができました。私たちも神様の導きの中に歩むことを神様は求めておら
れます。
以上のようにホスピス・こどもホスピス病院には当グループの大切にすべき精神を表すシンボルがいくつかあります。それぞれを創った
方の思いを受け継いでいくことの大事さを思います。同様に神様は私たち一人ひとりを意味と目的を持って創造され、愛し、尊ん
でくださっています。そのことを信じ、これからも神様に期待して歩むものでありたいと思います。
「神は御自分にかたどって人を創造された。神にかたどって創造された。男と女とに創造された。」(創世記 1 章 27 節)
「わたしの目にあなたは価高く、貴く、わたしはあなたを愛し、あなたの身代わりとして人を与え、国々をあなたの魂の代わりとする。」
(イザヤ書 43 章 4 節)