がん治療病院の立場から

患者と家族の視点から考える地域の緩和ケア-がん治療病院の立場から-
国立がん研究センター中央病院緩和医療科
的場
元弘
地域の在宅緩和ケアを支える体制
在宅診療所
訪問看護ステーション
がん治療病院の立場から
連携
連携
患者さん
ご家族
国立がん研究センター中央病院 緩和医療科
的場元弘
緩和ケア病棟
療養受け入れ病院
連携
がん診療連携拠点病院
2012年11月11日がん医療フォーラム2012 地域で支える新しいがん医療のかたち
国立がん研究センターレジデント在宅緩和ケア研修(中央区医師会)
中等度の痛みに用いるがん疼痛治療薬
在宅緩和ケアに対する知識や情報が得られましたか?(N=29)
十分得られた
大体得られた
あまり得られなかった
わからない
5名(17%)
20名(69%)
3名(13%)
1名(3%)
25名(86%)
(一部医療用麻薬指定)
どのような内容を知りたかったか?
・ステーションでのミーティングなどに参加したかった。
・主治医がどのように在宅ケア医と関わっていくか知りたかった。
今後の診療において患者さんに在宅診療を導入する際に
あなた自身の行動に変化が出ると思いますか? (N=29)
はい 25名(86%)
コデイン
在宅医との連絡や連携の取り方
訪問看護師とのかかわり方
診療情報提供所の書き方
ケアマネージャーとのかかわり方
トラマドール
コデイン末
コデイン散
コデイン錠
ジヒドロコデイン末
•基本薬
•体内でモルヒネに代謝されて鎮痛効果を発揮。
•鎮痛効果はモルヒネの約1/10
•日本人の約10%では鎮痛効果が得られない。
トラマール錠
•弱いオピオイドの作用と、鎮痛補助薬の効果を
合わせて持つ。
•鎮痛効果は内服でモルヒネの1/5,注射は1/10
•悪心・嘔吐は約20-30%
トラムセット配合錠
トラマール注
レペタン坐剤
レペタン注
ブプレノルフィン ノルスパンテープ
•注射ではモルヒネの25-50倍の鎮痛効果。
•鎮痛作用には上限がある。
•モルヒネ投与中にブプレノルフィンを併用すると
鎮痛効果が減弱する可能性がある。
•ノルスパンテープは慢性疼痛のみに適応。
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がん医療フォーラム2012『地域で支える 新しいがん医療のかたち』資料 2012年11月11日
高度の痛みに用いるがん疼痛治療薬(モルヒネ)
一般名
製剤名
コメント
速放性製剤(内服薬) •定時薬としても、痛みが強いときの臨時追加薬のど
•モルヒネ末
ちらにも使える。
•モルヒネ錠
•臨時追加薬は“レスキュー”と呼ばれることがある。
•オプソ内服液
•速やかに吸収され、効果が早く得られる。
•腎障害患者では眠気などの副作用が多くなる。
モルヒネ
(医療用麻薬)
徐放性製剤(内服薬)
•MSコンチン
•モルペス細粒
•MSツワイスロン
•カディアン(24)
•ピーガード(24)
•パシーフ(24)
•鎮痛作用の持続は12時間と24時間の2種類がある。
•悪心・嘔吐、便秘は予防的に治療が可能。
•腎障害患者では眠気などの副作用が多くなる。
•定時薬として用いることが基本。
•痛みが強いときの臨時追加薬としては不可。
•粉砕や噛み砕くことは危険であり不可。
注射剤
•モルヒネ注
•アンペック注
•内服薬に比べて副作用が少ないと考えられる。
•ポンプを用いて持続注射として使用する。
•在宅でも使用できる。
•腎障害患者では眠気などの副作用が多くなる。
坐剤
•アンペック坐剤
•強い痛みに用いられるオピオイドの中で唯一の坐剤。
•定時薬、臨時追加薬のどちらにも使える。
高度の痛みに用いるがん疼痛治療薬(オキシコドン)
速放性製剤(内服薬)
•オキノーム
•定時薬としても、痛みが強いときの臨時追加薬の
どちらにも使える。
•臨時追加薬として使う場合には“レスキュー”と呼
ばれることがある。
•速やかに吸収され、効果が早く得られる。
•腎障害患者にも使用できる。
徐放性製剤(内服薬)
•作用が12時間持続する。
•悪心・嘔吐、便秘などの副作用はモルヒネと同じ。
•定時薬として用いることが基本。
•痛みが強いときの臨時追加薬としては不可。
•粉砕や噛み砕くことは危険であり不可。
•腎障害患者の定時薬として推奨される。
注射剤
•オキファスト
•内服薬に比べて副作用が少ないと考えられる。
•ポンプを用いて持続注射として使用する。
•在宅でも使用できる
•腎障害患者にも使用できる。
オキシコドン •オキシコンチン
(医療用麻薬)
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がん医療フォーラム2012『地域で支える 新しいがん医療のかたち』資料 2012年11月11日
高度の痛みに用いるがん疼痛治療薬(フェンタニル)
経皮吸収剤(貼り薬)
•デュロテップMTパッチ
•フェントステープ
•ワンデュロパッチ
•フェンタニルパッチ
•モルヒネ,オキシコドンからの切り替え製剤。
•72時間持続製剤(デュロテップ)と、24時間製剤
(フェントス, ワンデュロパッチ)の2種類がある。
•十分な鎮痛効果までには半日程度が必要
•貼付部位を温める急激に吸収が進み副作用が
出やすくなる。発熱の影響を受ける場合がある。
•剥がしてから薬が排出されるのに時間を要する。
•痛みが強く薬剤の調節には不向き。
•悪心・嘔吐、眠気、便秘などの副作用はモルヒ
ネやオキシコドンに比べて少ない。
注射剤
•フェンタニル注
•ポンプを用いて持続注射として使用する。
•在宅でも使用できる。
•腎障害患者にも使用できる。
フェンタニル
(医療用麻薬)
一般市民3882人(上),がん患者186名(下)の希望する療養場所・死亡場所
一般市民と患者さんでは希望する療養場所が異なる場合がある
浜松
柏・我孫子・流山
療養場所
死亡場所
14%
一般
自宅
ホスピス
14%
11%
病院
52%
17%
10%
療養場所
患者
施設
病院
26%
26%
35%
15%
5%
15%
15%
15%
8%
8%
自宅
ホスピス
ホスピス
施設
施設
死亡場所
自宅
ホスピス
病院
自宅
31%
17%
10%
死亡場所
16%
10%
施設
病院
療養場所
52%
16%
9%
32%
19%
11%
19%
11%
自宅
自宅
ホスピス
死亡場所
25%
病院
自宅
施設
療養場所
病院
病院
11%
25%
12%
46%
病院
7%
自宅
27%
ホスピス
ホスピス
施設
施設
12%
12%
13%
13%
ホスピス
施設
- 3 -緩和ケア普及のための地域介入研究 OPTIM Study (予備調査)
がん対策のための戦略研究
がん医療フォーラム2012『地域で支える 新しいがん医療のかたち』資料 2012年11月11日
副作用(嘔吐・脱毛など)があり、頻回の注射・点滴・入院などを必要とする
治療を受けても良い、とする人の割合(%)
緩和ケアを必要とする患者の在宅診療
60
行っている
53.1
50
40
行っていない
15
症状緩和
3ヵ月の延命
1%の確率での治癒
42.6 42.1
41
30
19
可能
20
20
13.5
12.4
10
10
10
5.9 6.0
2.4
2 5
10.2
6.8
4.5
3.3
3
30
症例によっては可能
検討の余地あり
0 0
0
一般人
がん看護師
一般医
放射線科医
腫瘍内科医
不可能
がん患者
Slevin ML, et al: BMJ vol. 330, pp. 1458-1460, 1990 から作図
在宅療養でのモルヒネなどの投与・維持・管理
内服薬
緩和ケア普及のための地域プロジェクト(厚生労働科学研究 がん対策のための戦略研究)
緩和ケアを必要とする患者の今後の受け入れ
行っている
可能
行っていない
19
3
23
39
6
6
症例によっては可能
在宅での症状緩和治療の内容と困難な症状に対する基幹病院
でのバックアップ体制、専門分野を生かした支援について要請
「受入れ不可」が30施設→4施設に減少
検討の余地あり
専門分野での協力は可能,緩和ケアの学習の機会が必要
不可能
4
注射
5
26
36
53
10
18
19
8
新患も受入れ可能
かかりつけ患者なら受入れ可能
専門分野のサポート可能
一切受入れ不可
がん患者や家族の療養や希望を支える
療養型
病床
友人
大切な人
訪問看護
ステーション
在宅療養
診療所
介護施設
緩和ケア
病棟
生活・社会
相談支援
センター
患者・家族
精神症状
の治療
リハビリ
栄養サポート
チーム
医療
放射線治療
放射線診断
がん治療
チーム
緩和ケア
チーム
ペイン
クリニック
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がん医療フォーラム2012『地域で支える 新しいがん医療のかたち』資料 2012年11月11日