先進国は「信頼性の危機」に直面

プレスリリース 2008 年 6 月 13 日 日本時間午前 8:01(0:01GMT)解禁
G8 財務大臣会合
先進国は「信頼性の危機」に直面
G8 財務大臣会合を取材されるご予定の皆様
財務大臣会合開催地である大阪国際会議場の周辺にて、弊団体関係者が取材に応じます。ご関心
のある方は、こちらまでご連絡ください。
(特活)オックスファム・ジャパン アドボカシー・マネージャー 山田 太雲(やまだ たくも)
080-3155-7017
[email protected]
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今週末の G8 財務大臣会合は、気候変動と食料価格の高騰を受けて、世界の貧困問題に対するさらに緊
急かつ強力な行動が求められている中で開催されるため、G8 財務大臣の信頼性が試されます。
国際開発支援団体オックスファム・インターナショナルは、本日「信頼性の失墜: 食料、貧困、気候変動 −
先進国首脳たちの課題」という報告書を発表し、G8 財務大臣に最も緊急に求められることは、開発援助の
不足額 300 億ドルを埋めることであり、この責任を果たさないと、500 万人の生命の喪失につながると結論
付けていますi。2005 年のグレンイーグルズ・サミットで、G8 諸国は 2010 年までに援助総額を 500 億ドル
増額することを約束しています。
報告書は、6 月 13 日から 14 日にかけて大阪で G8 財務大臣会合が開催されるのに合わせて発表された
ものです。この会合で議論される様々な議題の中には、アフリカの開発、および食料危機の問題が含まれ
る予定です。オックスファムは G8 諸国政府に対し、国連ミレニアム開発目標(MDGs)を達成し、自らの信
頼性を維持するためには、過去 8 年間約束を破り続けてきた事実を直視し、これまでの約束を果たす必要
があると訴えています。
山田太雲(やまだ たくも) (特活)オックスファム・ジャパン アドボカシー・マネージャー
「今年は、ミレニアム開発目標の達成期限の中間地点ですが、世界は成功どころか、失敗する可能性に直
面しています」
「G8 財務大臣たちは過去 6 カ月の間に、自国の銀行の救済には躊躇なく 1 兆ドル以上の支出を承認
しました。それに比べれば、何百万人もの命を救うために必要な資金は微々たるものであるにもかか
わらず、これについては「財源がない」の一点張りです。景気後退が危惧される中、世界の貧困層に自
らの約束不履行の代償を支払わせることは、許されません。」
「全人類にとってよりよい将来を確保するためには、財務大臣たちが、夏のサミットに向けて野心的な援助
増額を提案し、これまでの約束の履行と、現在のグローバルな危機に対応できるように道筋を付ける必要
があります」
食料危機に関しても、G8 には、先週ローマで行われた世界食糧サミットで拠出表明された 60 億ドルも含め
た資金公約をすること、そしてこれを既存の援助公約に対して追加的に拠出することが求められます。
オックスファムは気候変動についても同様の指摘をしています。貧困国が気候変動の影響に適応できるよ
うにするための支援として、これまでに先進国が拠出を表明した資金は、そのほぼすべてが既存の援助予
算から支払われるか、借款という形式をとることが明らかになっています。
「途上国は三重のツケを払わされようとしています。先進国が引き起こした気候変動の被害を受け、その被
害軽減のためのお金は、過去に約束され今も非常に必要とされている援助資金を削る形で賄われ、さらに
将来これを利子をつけて返せと言われているのです」(山田)
オックスファムは、今年の G8 サミットに向けて、以下を含む政策を提言しています:
食料を燃やすことを止め、貧困農家への支援を行う: 先進国は、バイオ燃料利用に関する新
規の義務的目標の設定を凍結し、すでに導入している目標についても緊急に見直すべきです。
さらに、農業生産からバイオ燃料生産への移行を促してしまう補助金や免税措置を廃止する
必要があります。オックスファムの試算では、食料価格の高騰で苦難に直面する少なくとも 2
億 9000 万人の人々に対する緊急支援を拡大するためには 145 億ドルが必要であり、さらに、
途上国の農業システムに対する投資を拡大するための長期計画が必要です。ローマの食糧
サミットで誓約された 60 億ドルが新規の資金なのか、それとも既存の援助予算で賄われるの
か、また、いつまでに届けられるのかについては、明らかになっていません。
援助の量と質に関する公約の履行: 日本、フランス、ドイツの各国は、国民総所得の 0.7%まで援
助を増額する必要があります。2005 年に先進各国は、援助総額を 2010 年までに合計 500 億ドル
増やすことを約束しました。それ以降、その約束を守るための行動はほとんどとられておらず、この
ままでは約束を 300 億ドルも下回ることが見込まれています。先進国ドナーはまた、援助の質を高
め、国連の下で公約履行の状況をモニタリングすることに合意すべきです。
公的社会サービスの普遍化: 提供される援助資金は、途上国で保健、教育、水・衛生などを質の
高い公的社会サービスの形で実現するために活用される必要があります。G8 諸国は、貧困の克
服に不可欠な、425 万人の保健医療従事者の確保のための途上国の計画を支持すべきです。
気候変動の被害拡大阻止と適応資金の拠出: 気候変動の影響を最小限に抑えるためには、温室
効果ガス排出量の削減が必要です。G8 は、遅くとも 2015 年までには、温室ガス排出量が毎年減
り始めているようにすることで、他の先進諸国を模範で主導する必要がありますii。貧困国が気候変
動の影響に適応するために必要な資金は、援助に対して追加的に、かつ借款ではなく贈与の形で
提供されなければなりませんiii。その資金を最も必要なところに送れるようにするために、国連を通
じて拠出されるべきです。
「温室効果ガスの排出量削減に対して真剣な取り組みがなされなければ、地球温暖化との闘いにおける明
らかな後退になるだけでなく、貧困者が受ける影響は計り知れないものになるでしょう。過去数十年間で勝
ち取られた、貧困克服に向けた様々な前進も、これで不意になってしまうおそれがあるのです」(山田)
連絡先:
(特活)オックスファム・ジャパン 山田太雲 080-3155-7017 [email protected]
i
オックスファムは、グレンイーグルズ・サミットで G8 が交わした「2010 年までに援助を 500 億ドル増額する」という誓約は、
現行のペースでは約束額を 300 億ドル下回ると見込んでいますが、この推計には OECD DAC も 2008 年 4 月に同調しまし
た。また、世界保健機関(WHO)と国連エイズ計画(UNAIDS)の最新のデータを基にしたオックスファムの試算によると、この
「300 億ドル」は、子ども、母親、HIV/AIDS に苦しむ人々に必要な保健医療ケアの提供に活用されれば、2010 年だけで 500
万人の生命を救い、HIV/AIDS の拡大傾向を反転させることが可能になる金額です。
ii
オックスファムは、地球温暖化による気候上昇幅を 2℃よりもできるだけ低く抑えるためには、先進国は自国の温室効果ガ
ス排出量を 2020 年までに 1990 年レベルから 25∼40%削減し、世界全体では 2050 年までに 1990 年レベルから 80%削
減する必要があると考えています。
iii
オックスファムは、すでに気候変動の深刻な影響を受け始めている貧困国がよりよく適応できるようにするためには、毎年
500 億ドルの資金が、開発援助とは別に追加資金として拠出される必要があると見積もっています。