ミッション県外レポート第 1 班

ミッション県外レポート第 1 班
調査者
①
③
調査期間
平成19年7月18日(水)∼20日(金)
調査先
調査テーマ
(調査先の番号に
準ずる)
調査結果の概要
(詳細:添付資料等)
伊東 竜太(農業者)
②
三上 浩樹(農高教諭) ④
館野 慎一(農業者)
小笠原文浩(JA職員)
①
②
③
有限会社木之内農園(熊本県阿蘇郡南阿蘇村大字立野203−1)
有限会社ドリム(熊本県阿蘇郡南阿蘇村大字吉田858)
榊農園(熊本県阿蘇郡南阿蘇村大字河陰125−1)
※②及び③はともに「㈲木之内農園」に関係のある農家。
①「多角的経営による農産物生産と組織化された担い手育成への取組み」
②「NPO 法人「阿蘇エコファーマーズセンター」での研修生受け入れの実態」
③「木之内農園での研修後、独立した農家の経営状況と今後の展望」
調査先①<有限会社 木之内農園>
1 経営概況
○資本金:500万円、社員:9名(役員含、全て非農家出身)
○生産部門(イチゴ、ミニトマト、稲作、露地野菜、畜産、合計17
ha)、加工部門(農産加工品、加工委託)、流通部門(JBAC:日本ブ
ランド農業事業協同組合加入)に分かれ総合的な経営を行っている。
阿蘇のイチゴ栽培の先駆者。
○研修部門が独立し「NPO 法人阿蘇エコファーマーズセンター」を設
立、独自の実践プログラム(会員農家への派遣、評価制度・仮独立
制度の実施、他)を設け、未来を担う農業者の育成を目指す。
2
担い手に関する事項
○新規就農希望者を対象に、非農家出身の社長自身の経験を生かし、
研修生受入から独立までの支援を「農業とは何か」から「経営の計
画と実践」までと位置づけ、関係農家らと独自に考案した、実践主
義に基づいた研修プログラムを設け、実践している。
○現在まで400件以上の研修受け入れ、約40件の独立農家輩出の
実績を持つ。
○研修生受入時から、定期的に「自己評価」と「受入先の評価」を実
施し、研修生の個々の育成ポイントを見いだしている。
○一定期間後、研修生に自社の土地の一部を貸し「仮独立」させ、経
営計画の立案、資材等の購入、栽培、収支計算、経営改善等を研修
生自身に行わせている。
調査先②<有限会社 ドリム>
1 経営概況
○約1ha のブドウ観光農園を経営(県内外から来客。固定客も多い)。
○年間農薬散布約3回の減農薬栽培を実現している。
2 担い手に関する事項
○「NPO 法人阿蘇エコファーマーズセンター」の会員、研修受入先。
○研修生は当初、農業に対する漠然としたイメージのみを持って来る
場合が6割。研修生には「現実の厳しさ」を教え、将来的な自立が
可能か、自分たちが「見極めてあげる」ことが必要であると考える。
調査先③<榊農園>
1 経営概況
○20a でトマト、イチゴのハウス栽培を行っている専業農家
○非農家出身であるが木之内農園での研修後に独立。NPO 法人会員
2 担い手に関する事項
○県の普及センターから木之内農園での研修を勧められた。
○木之内農園の「仮独立制度」を利用し、10a の土地を借りてイチゴ
栽培を行った経験が、貴重な財産となったと考えている。
考察及び調査か
ら得たアイデア
等
○人財育成の目的は「担い手(後継者)育成」か「新規就農者育成」
か「それらを受け入れる受け皿(農家)作り」か明確にする必要が
あると思われる。それによってシステム作りが異なると考える。
○県として、
「将来は農業に就きたいという気持ちを持っている」人財、
「農業という夢に向けて努力している」人財がどれくらいいるか把
握しているか、また探せているか疑問である。またこの他、県内各
地区で、就農10年以内の「若者農業者リスト」の作成をお願いし
たい。実態は公的な数値より多いと思われる。
○農家個々が、目先のことより将来の青森の農業(人財育成)のこと
を考えられる意識つくりが必要である。
○農業に対する「目安箱」を設置し、広く意見を取り入れる。
○人財育成の新しい取り組みに対して成果が出るまでには、長い期間
(5∼10年単位)を要することが予想されるので、県が主体とな
り進める場合、①中心的担当者が変わらないこと、②県庁内の組織
の枠を超えて協力が得られ、柔軟に意見調整できる担当体制がとれ
ること、が必要不可欠であるように思う。担当者が変わると目的が
少しずつ変わったりする可能性があり、目標とする到達点まで継続
できない可能性がある。
○津軽地区と県南地区では、農業の品目や農業に対する考え方も異な
っている。両地区にモデルとなる拠点を設けて、実践することによ
り、人財育成システムの検証が行えると考えられる。
○行政、農業経営者、高校、企業、等それぞれの立場で、人財育成に
対する強みがあるように思う。青森県でこれから行う大きな目標の
ために、各立場から人財育成に貢献できるポイントを整理すること
も必要であると思う。
○「人のいない産業は滅びる」という木之内社長の言葉が今でも心に
残っている。農業の歴史は人類の歴史でもあり、これ以上、歴史の
ある産業は他にはない。他の産業には勤めてから育てる仕組みが社
内にあるが、農業には個人的な経営であることも多く、確立されて
いないように思う。農業がこれからもう一度、見直される機会は近
い将来に必ずあり、その鍵は人財育成にあると考える。明確な目標
(大目標と目標数値)を掲げて、強い信念を持って、関係者一体と
なって取り組むことを期待する。
木之内均社長(中央)と1班4名
㈲木之内農園事務所(右)と加工場(左)
木之内社長(中央)との意見交換
吉村専務(中央)との意見交換
㈲ドリム(観光ぶどう園)の視察と
榊農園(トマト栽培)の視察と
北社長(左、NPO 会員)との意見交換
榊さん(中央、NPO 会員)との意見交換
●NPO法人阿蘇エコファーマーズセンター設立
300 名以上の就農希望者を受入れ、多くの農業独立経営者を育てた当社の研修部門から、新たに県内の専業農家や農
業法人と NPO 法人を設立。新しい経営感覚の農業者育成を目指します。
新規就農研修コース
実践主義に基づいた農業研修でプロ農家を育
成します。
●会員農家の紹介
園芸作物
㈲木之内農園 代表 木之内均
新規参入者の道を切り開いた社長をはじめ、
社員すべてが非農家出身者。
果樹
㈲ドリム 代表 北 正純
阿蘇白水で味と品質にこだわる人気観光ぶど
う園を経営。徹底した減農薬栽培を実践。
水稲
㈲三宝アグリ 代表 高崎克也
自作、請負耕作を含め 80ha を耕作。従来の阿
蘇にはない米の生産方法を確立。
工芸作物
●実践的な講習の開催
㈲緑商 代表 田代 孝
「農業とは」から始まって経営計画にいたるま
での座学を様々な講師をお招きして行います
作物つくりは土作り。品質第一にこだわり熱い
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思い持ち続けるイチゴ・葉たばこ農家。
1.目
2.内
的 新規就農希望者対象。
容 プロ農家として必要な知識、技術の習得と
OFF・JT 教育
3.期 間 2年間
4.定 員 20 名
5.資 格 農業をはじめたいと熱望する健康な方。
性別年齢不問。
6.研修時間 24 時間
7.休 日 10 日に 1 回
8.待 遇 宿泊・食事3食付。個室 20 室
9.研修助成 優秀者に2ヶ月目より1∼3万円
10.そ の 他 独立支援活動などあり
●木之内農園実績
受け入れ人数 約300名
独立者数
31名
(※ホームページより抜粋、一部編集)