平成21年度定期総会開く - NPO法人 あすかエネルギーフォーラム

2009.7.25
Vol.
33
平成 21 年度定期総会開く ・・・・・・・1
記念講演 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
エネルギー研修会 基礎編 ・・・・・・・2
〃
4講座 ・・・・・・・3
あすかの全国ネットワーク ・・・・・・・4
このごろのエネルギー ・・・・・・・・・・・4
お知らせ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
編集後記 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
平成21年度定期総会開く
平成 21 年5月 15日 ニューオータニイン東京にて
今年度総会は、会員131名のうち出席者88名(委任状含む)
により開会。総会後に牧慎一郎氏より記念講演がありました。
翌日にネットワークグループ 11 団体のリーダー会をを開催し
て、ネットワークのあり方について討議しました。
5 月 15 日の総会では、平成 20 年度事業報告及び決算報告、平
成 21 年度事業計画案・予算案を審議し承認されました。
平成 20 年度事業は、トークサロンを美濃しらかわ・松江・神戸の 3
か所で開催。大盛況だったシンポジウムを札幌で、料理と組み合わせ
た “エネルギー&クッキング”を東京で開催。オピニオンリーダー
養成講座を 4 日間 6 講座実施。
「フリータイム」
「おまえざき・エネの会」の学習会を支援。
「ネットワーク活
動報告・交流会」は全国から 16グループが参加し、交流を深めました。
前年度に引き続き原子力発電環境整備機構(NUMO)受託事業「高レベル放射性廃棄物ワークショ
ップ」を全国6か所で実施。そこで集まった意見をホームページに掲載。また、電気の産消交流「六ヶ
所村・首都圏女性のための交流会」に参加。ヒアリングや「コンセンサス」の編集に携わりました。
またNPO法人あすかエネルギーフォーラム5周年記念冊子を作成し、今までの足跡を記し今後の展望を
表明しました。情報発信として、ニュースレターを年間4号発行、ホームページ更新を行いました。
21年度は、前年度と同様の事業を予定し、ニュースレターやホームページなどを通じ情報発信を続
けます。
記念講演「原子力に係わる広聴・広報について」
プロフィール
内閣府原子力政策担当室参事
官補佐。原子力委員会事務局。
科学技術への市民参加を考え
る会『コンセンサス会議実践マ
ニュアル』共同執筆。動物園論、
非営利組織のマネジメントな
どに携わる。
■講演を聴いて
あすかエネルギーフォーラム理事 清水かほる
科学技術政策を担当する行政官として、科学技
術社会論に関心を持つ個人として、NPO経営経
験を持つ動物園マニアとしての3つの立場で講
演して頂き、一粒で2度おいしいというお菓子が
ありましたが、一度に3人の講師から講演をして
頂いたような贅沢な内容で、有意義な時間でし
た。特に、NPO法人の継続性、活動方針、立ち
位置等の苦労話を本音で語って頂き、
「協働型
講師
牧
慎一郎氏
NPO の強みと弱みを考慮し、カギは専門性の構
築であり、微妙なバランスのマネジメントである」
とのお言葉は、力強い励ましの言葉として、私た
ちの今後の活動に役立てたいと思います。
原子力の広聴広報活動について、多面的な理解
促進活動を行って行くべきと考えている、非営利
組織が実施するエネルギーや原子力に関する学習
機会の提供に対し適切な環境の整備もしていきた
いと言われ、まさにあすかエネルギーフォーラム
の活動の支援のことではないかと心強く感じまし
た。また、専門家と国民間の相互理解活動の担い
手となる人材育成を行うべきとの話をお聞きし、
すでに当NPOではオピニオンリーダー研修を実
施しており、方向性が同じであったことを実感し、
活動の方向性が間違いなく、自信が確信に変わり
ました。
ほどほどに えねるぎっしゅ Vol. 33 p.1
エネルギー研修会
基礎編
2009.6.19-20
九段会館・科学技術館にて
13団体、42 名が知識と交流を深めました
あすかネットワークグループ13団体の方とあすか会員、42名がエネルギー環境分野の基礎的な学習
をしました。2日間4講座の報告は次ページに掲載いたします。
講師の方々は何ページもの最新情報が詰まった資料を作成してくださり、中身の濃い研修会となりまし
た。懇親会では、自己紹介や団体紹介のほか、北海道から鹿児島まで全国各地のお国自慢や特産品紹介
まであり、楽しいひと時を過ごし、お互いに頑張りましょうと再会を約束しました。
エネルギー研修会
基礎編
~今年の意見から~
札幌市・Ene Female21 下道修子
参加者の顔ぶれが変わり、各グループの活気ある活動
体験など、頼もしくお聞きし、いい刺激になりました。
下北郡佐井村・J パワーはまなすくらぶ 島野敦子
自分の住んでいる近くに原子力発電所が建設中な
ので、これからも勉強して行きたいと思います。
函館市・函館の環境を考える会 佐々木香
日本という国が、いかにエネルギーを効率よく
利用し、省エネに取り組んでいるかを知ること
ができました。
六ヶ所村・六ヶ所村読書愛好会 松本とし
基礎編を復習しながら、エネルギーの元を考え、電
気の大切さを考え、
省エネに務めていきたいと思い
ます。
青森市・フリータイム 唐牛薫
同じテーブルのかたがたと「どっちの県民ショー」
さながらにリアルな事情を知ってトークが盛り上が
りました。
青森市・スカーフクラブあおもりサロン 珍田典子
省エネは、
「青森には青森のやり方で」をモットーに
これからも学び、伝えていきたいです。
弘前市・弘前スカーフクラブ・遥
鳴海美代子
「エネルギーを考える」という共
通のテーマでの活動もいろいろ
な方法があるんだなと思い、参考
になりました。
松江市・松江エネルギー研究会 福村敬香
生活者・科学者の視点で話された一つ一つの説明に、
皆がため息と同意の声を上げているのが今も耳に残
っている。
松山市・えひめエネルギーの会 小林悦子
「目からうろこ」のお話の数々だった。省エネする
ためには、
「科学の目」を養わなければならない。中
学生の科学からやり直したい・・・。
東京都・あすかエネルギーフォーラム 長友明子
日本のエネルギー需給の点で、原子力発電所の設備
利用効率を上げることが、早急に必要だと思います。
横浜市・あすかエネルギーフォーラム 金木文子
エネルギー問題=地球環境問題そのものだと再確
認!これからも全国のあすかネットワークの方々と
学んでいきたいと思いました。
ほどほどに えねるぎっしゅ Vol. 33 p.2
柏崎市・柏桃の輪 佐藤トミ子
むずかしい言葉も多かったのですが、
1つ知識を得
ましたし、
全国に勉強熱心な女性の多いことにも気
付かされました。
白山市・石川エネの会金沢 中野許子
各種のエネルギーについてくわしい資料をいただ
き、需給の現状と、
「三つのE」の重要さもよく理
解できた。
御前崎市・おまえざき・エネの会
大石愛子
1にも2にもカルチャーショッ
ク!このような活動を地域の
人々に伝えなければと、感じま
した。
神戸市・ENE☆ECO WING 藤原知子
低炭素社会の実現へ向けた待ったなしのエネルギー
転換の必要性がよく伝わった。
鹿児島市・あすかエネルギーフォーラム 下久保圭子
エネルギー問題は、地球の未来を見据えて考え
て、取り組んでいかなければならないと痛感し
ました。
鳥栖市・あすかエネルギーフォーラム 和田慈
「政策」におけるエネルギー問題で、企業人で
もある講師方から、消費者とは違う立場の目線
を感じた。
東京都・あすかエネルギーフォーラム 窪田久美子
今後の CO2 を削減するための方策についても知る
ことができて良かったと思う。
エネルギー研修会
基礎編
2009.6.19-20
「エネルギー需給の現状と
地球温暖化問題への取り組み」
佐藤英俊氏
プロフィール
電気事業連合会広報
部部長。前職は東京電
力広報部広報グルー
プマネージャー。
佐藤氏が、自分たちの生活に直結したエネルギ
ー問題について、一人でも多くの人に関心を持っ
てもらいたいと、熱い思いで講演されました。
世界のエネルギーの現状や、これからは経済
成長とエネルギーセキュリティー、環境保全の
3要素を調和させながら、同時達成していく事
が重要だと伺い、人々の関心の高い環境問題は、
エネルギー問題そのものだと改めて思いまし
た。再生可能エネルギーの普及を身近に感じた
事はありませんでしたが、麻生首相の表明した、
CO2 排出量15%削減という中期目標達成の
為には、今年中にも毎月の電気料金に100円
上乗せされると聞き、地球の為に自分達が負担
をしていく時代が来たのだと思いました。
(金木文子記)
「家庭でできる省エネルギー」
大庭みゆき氏
プロフィール
㈱ 環境 エ ネ ル ギ ー総 合 研
究所代表取締役所長。専門
は エネ ル ギ ー デ ータ の 実
験・調査・分析、環境教育
など。
家庭でできる省エネは、ダイエットと同じで、
何に一番エネルギーを使っているかを見つけ、
そこを減らすこと。
家庭のエネルギー消費は「気候風土・住宅・
機器・家族構成」の4要因の組み合わせが重要。
家族構成(結婚→子供の成長→受験→子供の独
立→セカンドライフ)や気候風土の影響も大き
く、全国一律ではない。省エネはもう一つの発
電所。省エネに向いているのは夏と冬。全部に
頑張ることはできないので、各家庭の生活感と
知恵を生かして、ここはできるというメリハリ
をつけて省エネしましょうと話されました。具
合的な How to も沢山話してくださったので、
我が家にあった省エネに心がけようと思いま
す。
(中野和江記)
九段会館・科学技術館にて
「太陽光発電を中心とした新エネルギーの現状」
杉本 完蔵氏
プロフィール
太陽光発電協会幹事
昭和シェル石油株式会社
ソーラー事業本部参 事
経済産業省 RPS 小委員会
委員
低炭素社会の実現に向けて、再生可能エネル
ギーとしての太陽エネルギーを有効活用すべき
であると、講演は始まった。低炭素社会の実現
という課題を負っている私たちが、市場・政策・
技術という視点を考える良い機会となった。
市場は、中国・台湾・インドの急激な伸びがある。
政策では、世界各国の導入策は初期投資への
補助や「フィード・イン・タリフ制度」
(太陽光発
電電力の優遇固定価格で買い取りする制度)。日
本では、電気事業連合会のメガソーラーの導入
計画、複数の省庁が連携した道路・鉄道・空港・
学校などへの導入等、太陽光世界一プランが発
表された。経済危機対策においても、低炭素革
命で世界をリードすることを目標に、政策主導
型で安定した新産業育成と雇用創出を行なう。
技術面では、製品の薄型化や原材料の低減・
低価格化。新技術としては電池の変換効率の向
上やフィルムの特性をもつ構造や塗料のような
ものなどの多様な開発が取り組まれている。全
体的な把握ができる専門的な講演だった。
最後に講師から、
「制度導入のための家庭負担
はいくらまで?」という質問があり、参加者の 2
/3 が年間 1000 円程度と回答。低炭素社会に
向けてと言われても、家庭を預かる身とすれば、
財布の紐は緩まないものである。
(和田慈記)
「科学技術館 見学」
「バーチャル地層体験ツアー」の上映では、あ
たかも地層深く潜った感覚と解りやすい説明で、
処分方法のイメージがつかめました。
(吉川憲子)
マジックミラーで囲まれたシアターで観た地
層体験では、振動も加わり、ちょっとした疑似
体験ができ、地層処分の安全性も、より理解で
きました。同じ階の「世界の地層処分」という
ブースでは、各国の現
状を知ることができま
したが、きびしい現状
がうかがえました。
(長野りえ)
ほどほどに えねるぎっしゅ Vol. 33 p.3
あすかの全国ネットワーク
あすかエネルギーフォーラムは全国のエネルギーを考える団体とネットワークをつくり、活動をしています。
今回は青森市の『フリータイム』の活動を会長の山田五月さんから紹介していただきます。
私達の団体は、
「私が私らしく生きる」をテーマに、男女共同参画の講座から生まれたサークルです。あすか
エネルギーフォーラムの後押しをいただき、年に1度、エネルギー月間を設けて学習会や見学会を開催していま
す。小さいお子さんがいる方は託児をしてもらい、勉強できる環境を整えて月に2回ほど活動をしています。
<2009 年度エネルギー月間・施設見学会>
6 月 9 日、フリータイムは六ヶ所村へ向かいました。最初に訪れた環境
科学技術研究所ではいわゆる「ミニ地球」をつくり、実際に人間2人とヤギ
1匹が4週間住み続けた閉鎖実験や、閉鎖した場所での植物栽培の可能性
を調べる実験など様々な実験・研究をしていました。次の農業総合公社で
は六ヶ所村の風力発電やサイクル施設を一望し、風力で発電しているプロ
ペラの下部にあるコンピューターの管理方法について説明を受けました。
最後の二又風力発電所では自然相手の発電の難しさの克服のために作った
蓄電システム等、2手に分かれて制御装置や蓄電池を見学しました。安定
六ヶ所の農業総合公社にて
した電力供給システムの説明が非常にわかりやすかったと好評でした。
このコーナーではエネルギー事情についてシリーズで
お伝えしていきます。
このごろのエネルギー
太陽光発電の新たな買取制度について
あすかエネルギーフォーラム理事長 秋庭 悦子
6月 10 日に麻生総理大臣は2020年の温室効
果ガス削減の中期目標を、2005年より 15%削
減、その具体策の一つとして、太陽光発電を 20 倍
にすると発表しました。太陽光発電の日本の導入量
はドイツについで 2 位であり、経済対策としても
普及が急がれています。私は新エネルギー部会と太
陽光の買取制度小委員会で検討に加わっています。
太陽光発電普及のために、国は設備に 7 万円/
kWhの補助金を出すと共に、余剰電力を高く買
い取る制度を導入することになりました。もとも
と家庭用の太陽光発電は、電気代と同額の 24 円/
kWh額で電力会社が購入していましたが、それ
を一気に 2 倍の 48 円/kWhで買い取ることを検
討しています。
このコストは、
私たちの
電力料金に上乗せされ、
負
担額は 1 家庭 1 ヶ月あた
り30 円から最大100 円
と考えられています。
「国民の全員参加型」で
「低炭素社会づくり」をし
NEDO実証実験・稚内
ようという考え方です。
お
知
ら
「宮古島バイオエタノール実証プロジェクト」視察
あすかエネルギーフォーラム 山口博美
3月に2007年から行われている宮古島のバイオ
エタノール実証プロジェクトについて、沖縄精糖㈱エタ
ノールプラント、E3燃料製造設備、E3ガソリンスタ
ンドを見学しました。宮古島のバイオエタノールはサト
ウキビの糖蜜(砂糖を作る際の廃液)を原料にしており、
エタノール3%混合ガソリン(E3)を製造しています。
宮古島では、実証実験として公用車など 300 台の自動
車にE3を給油していますが走行性能などガソリン車と
違いはないとのこと。しかし、取り扱う給油所が農協系
と独立系のスタンドにとどまっている現実もありました。
日本ではバイオエタノールをガソリンに混合する方
法として、環境省が進めるE3方式の他に石油業界が進
める ETBE 方式(エタノールを
ETBTという添加物に合成
しガソリンに混ぜる)があり、
国内で二つの別の規格のバイ
オガソリンが今後どのように
普及していくのか消費者とし
ても注目していく必要を感じ
バイオエタノールタンク
ました。
せ
■シンポジウム「ご一緒に考えてみませんか。私たちの暮らしとエネルギー」
~幸せ最大、エネルギー最小の社会とは~
木元教子氏・枝廣淳子氏・秋庭悦子理事長による鼎談
2009 年 9 月26日(土) 13:30~15:30
懇親会 16:00~17:00
会場:東京ウイメンズプラザ・ホール
定員:150 名
参加費:無料
■神津カンナと江上佳奈美のエネルギー&クッキング
食とエネルギーについての楽しいトーク おいしくて簡単なクッキングの紹介と試食
2009 年 10 月5日(月) 11:00~13:00
会場:渋谷電力館 4 階IHクッキングルーム
定員:50 名
参加費:無料
どちらもお問い合わせは あすかエネルギーフォーラム
TEL:03-5640-0777 FAX:03-5640-2636 e-mail:[email protected]
ほどほどに えねるぎっしゅ Vol. 33 p.4
~編集後記~
タイトルや紙面
をリニューアルし
ました。
エネルギーにつ
いて親しみをもっ
ていただけるよう、
今後もバージョン
アップします!
(中野・安井・
石井・金木)